マタギと鉱夫
テーマ:小説 か行熊谷達也
あらすじを書きますので多少ネタバレです。
熊やカモシカを狙う東北の猟師「マタギ」。
平地もなく稲作もできない東北の寒村では、マタギは現金を稼げる重要な冬の仕事です。
主人公の富治はマタギの下っ端として登場します。
吹雪けば動物さえも動けなくなる厳冬の山に入り、冬眠している熊や崖を駆け下りるカモシカを追いかけるマタギは、天候の判断1つで生命を落としかねない厳しい環境でこそ磨かれてきた伝統の技で、自分の生死と誇り、そして家族を支えていくのです。
そんなマタギ達のなかでもだんだんと頭角をあらわしてきた富治ですが、村の長者の娘に惹かれ、逢瀬を重ねるようになります。しかし、露呈。村を追い出されます。
そこで向かわされたのが銅鉱山。
落盤で簡単に命を落とす鉱夫の仕事は「友子制度」という義理の親子、義兄弟の契りを結び、働くことになります。新大工は「3年3ヶ月10日」といって、3年は山主のため、3ヶ月は親分のため、10日は兄弟のために働き、あとはどこで働いても自由となります。
マタギに生きがいを感じ始めていたころに突然鉱夫に。
富治は納得いかないものもありながら、自分のここで逃げ出しては親子兄弟に迷惑がかかると勤め上げ、鉱夫としてもいっぱしの職人となって、渡り鉱夫として次の鉱山に向かいます。
次の鉱山では、兄分として弟子に小太郎をとることとなります。
これが名前に似合わず大男で、力は強く気もいいが口の利き方を知らず、酔うと暴れて手がつけられない。ちょっと何を考えているかわからないところもある。そんな厄介モノを弟分として面倒を見ていくうちに、小太郎を介してまた猟と出会うことになります。
と、ここまでで半分ぐらい。
この後もまったく先の読めない富治の人生が続いていきます。
はじめはマタギ青春期ぐらいかと思っていたのですが、鉱夫あり、村のしがらみあり、恋愛あり、奇縁ありでかなりの展開を盛り込んだ富治一代記になっています。
東北の当時(戦前)の言葉や風習や風土が興味深くかかれ、物語的にも波乱万丈で、エンターテイメント的には楽しめる作品です。
こんな行き当たりばったりな生活は先行き不安にならないのだろうかといらぬ心配をしてしまいますが、そこはいつの時代も同じことですね。今が安定している思っているときこそ、行く末が危ないのは、どの時代も同じこと。
私自身の感想は、面白く最後まで(そうです・・・あんな最後でも・・・)楽しめたのですが、もう少し奥深さがあった方が楽しめました。マタギの技の詳細や富治の人生の諦観などでしょうか。その辺りの表現をもう少し作者なりの表現で書いていただければ、と思いました。
久しぶりの更新です。
1年経ったというのに、もっと更新しろ、といった感じです。
もっともっと、読んで面白い書評を書いていきたいと思います。
これからもよろしくです。








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はじめまして!
「邂逅の森」の大ファンです。
ブログの感想を読ませていただき、人によって色々な感じ方があるのだと思いました。(笑)
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