2005年11月28日

生きながら火に焼かれて / スアド

テーマ:海外小説・女性

女の子には学校に通う権利はない。そもそも、権利と呼べるもの何ひとつない。ひとりで歩く自由さえも与えられない。その村では女の子として生を享けること自体が不幸なことなのだ。男たちが勝手に定め、盲目的に守り続けてきた法に従い、朝から晩まで家事、畑仕事、家畜の世話を奴隷にように黙々とこなし、十代の後半にさしかかる頃には親の決めた相手と結婚し、夫となった者に服従しながら男の子を産まなければならない。女の子ばっかり産んでいると夫から捨てられる。娘は二、三人はいてもいいが、それ以上は必要ない。


こんな国が現在も存在していることは知っていましたか?私は漠然と知ってはいましたが、ここまでひどいとは知りませんでした。著者のスアドは中東シスヨルダンの小さな村の生まれ、父親に絶対服従しながら生きてきていました。しかし、この法律の恐ろしいのはこんなことではありません。日本では考えられませんが「名誉の殺人」というものが存在しているということです。家族の評判や名誉を傷つけた者は家族会議で殺すことを決められてしまうんです。それも実の親や兄弟の手によって。実際、手を下した男は「英雄」として近所からも賞賛されるとのことです。これが名誉の殺人なのです。


スアドは17歳のときに恋をします。そして未婚で妊娠してしまうのです。それを知った家族によって、彼女は生きたままガソリンをかけられて火をつけられてしまいます。この村では結婚前の女性が恋愛をしたり、婚前交渉をすることはとても恥だと考えられていて、家族に恥をかかせた娘は殺しても良いというルールがまかり通っているのです。スアドはとても幸運なことに「出現(シュルジール)」という団体のジャックリーヌによって助け出されます。しかし家族にとっては名誉の殺人が失敗に終わったということは、とても恥なのでスアドの命を狙っているらしいのです。だからこの本も匿名だし、顔は出していません。この名誉の殺人は本人が死ぬまで追い回すことがあるそうですよ。


こんなことが普通に行われている国があるという事実が衝撃的でした。女性の価値というものがとてつもなく低く、男性にとっては殺人すら名誉になる。私は生まれてからずっと日本で暮らしているので男女平等であるという考えしかありません。でも、この国の人々にとっては女性なんて価値のないものなんですよね。労働力であり、息子を産むための道具でしかないわけです。しかも、そんな待遇に対して反論することも許されないのです。


決して娯楽として読める本ではありませんが、とても勉強になりました。こんな考え方の人がこの世の中にいて、とても苦しんでいる女性たちが数多くいるという事実。年間6000件もの名誉の殺人が行われていること。文化の違いや宗教の違いなどが原因なので「やめて欲しい」と彼らに訴えたところで、これらの風習が突然なくなることはきっとないのでしょうね。今すぐに私が何かできるわけではありませんし、日本が平和でよかったと安心する気持ちにもなれませんが、私は読んでよかったと感じています。


タイトル:生きながら火に焼かれて
著者:スアド, Souad, 松本 百合子
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2005年01月29日

風と共に去りぬ(Gone with the Wind)

テーマ:海外小説・女性

今回はちょっとクラシックな本のお話。

私は中学生の頃この本に初めて出会い、以来何度も繰り返して読む大好きな本に加わりました。気が強くてアトランタ一の美人といわれたスカーレット・オハラが主人公。彼女は自分の望みをかなえるためであればどんなことでもするんです。彼女が愛していた人が別の女性と結婚をしたことに対する反動で愛していない人と結婚をしたり、生活に必要なお金を手に入れるために妹の婚約者をうばったりするんです。そういう部分だけを見ているととても嫌な女なのに、なぜか私は彼女の性格にひかれてしまうのです。彼女の強く逞しい性格にとても憧れ、私もこんな風になりたいと思ったこともあります。

私は彼女の考えの根本にある「明日は明日の風が吹く」という言葉が好きです。どうしても苦しくなった時に彼女はいつもこれをつぶやくのです。「悲しいことや苦しいことは、また明日考えよう。もしかしたら明日はもう少し良くなるかもしれない。」という意味を込めて。これって現実から逃げているのかもしれないけど、結構前向きな考え方だと思うんです。ショックを受けている時に考えても、あまりいい考えは出てこないですよね。だから、一日おいて落ち着いてからちゃんと考える。実際に彼女は翌日になると、現実を受け入れて何らかの対応をちゃんとするんです。どんなことでも負けずに立ち向かう強さがあるんです。私も彼女のように何事にも負けない強さを持ちたいです。

ちなみに私、就職活動の際に「スカーレットオハラ」が憧れと履歴書に書いていたのを思い出しました。当時はとっても素敵なたくましい女性というイメージが強かったのですが、今考えてみるとあまり一般企業にスカーレットみたいな女性はいらないですよね。こんなワガママで自分勝手な子が会社にいたら、私だって嫌だろうし。だからなかなか就職が決まらなかったのかなぁ。(笑)

そうそう、このスカーレットという言葉の意味って知ってますか?「緋色、深紅色」以外に「みだらな」という意味もあるんですよ。これって彼女が周りから見られていたイメージとぴったりですよねっ。


著者: マーガレット・ミッチェル, 大久保 康雄, 竹内 道之助
 風と共に去りぬ (1)
 風と共に去りぬ (2)
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