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2007年09月03日

悪人 / 吉田修一

テーマ:国内小説・男性
この本は私にとって吉田修一さんの2作目です。1作目はパーク・ライフ という作品でした。最初に読んだパーク・ライフと、この悪人という作品は、だいぶ印象が違いましたよ。なんか違う人が書いたみたい。個人的には悪人の方がおもしろかったです。
保険外交員の女性が殺された。捜査線上に浮かぶ男。彼と出会ったもう一人の女。逃げ続ける2人。加害者と被害者、それぞれの家族たち。なぜ事件は起きたのか、悪人とはいったい誰なのか・・・。

複数の人の視点から描かれたこの作品は、くるくると回りながらあちこちの目線から物語が進められていきます。主な登場人物は5人かな。殺された女性、その女性に関係する2人の男性、そしてそのうちの1人の男性と関係のある女性。そして殺された女性の父親。それぞれの感情を絡めて物語を読んでいくと、ずしーんときます。この本は結構すごいと思います。おそらく東野圭吾さんが好きな人なら楽しいと思えるのではないでしょうか。ちょっと似てるかなぁと私は思いましたよ。


善人だけど、犯罪者。

犯罪はおかしていないけど、悪人。

本当に悪いのはどちらなのか・・・。


何が善悪なのか、とてもしみじみと考えさせられた1冊でした。


タイトル:悪人
著者:吉田 修一 >>Amazon >>楽天 >>7&Y icon
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2007年06月30日

陰日向に咲く / 劇団ひとり

テーマ:国内小説・男性
なんで表紙も背表紙も劇団ひとりさんの写真なんだろう・・・。本がそんな感じだから、てっきり私はエッセイかと思ってました。だって、芸人さんだし。でも、違いましたよ。彼は単なる芸人さんではなく、ちゃんと作家さんでした。予想以上におもしろくて、驚かされました。ただの暗いお兄さんかと思ってたのになぁ。 しかも、この本が処女作なんでしょ?そんなことちっとも感じさせない筆力で、私をぐいぐいと引き込んでくれました。ラストにはちゃんとくすっと笑いたくなるオチを入れてるあたりも、ひとりさんだなぁって思わせてくれます。

この本には短編が5つ入ってます。

◆道草

あの場所で半年前、あの青年と出会うまで、私はホームレスだった。

仕事でプレッシャーを感じ、憧れのホームレスになった主人公の話。

◆拝啓、僕のアイドル様

あまり売れていないマイナーアイドルミャーコのファンな主人公。自分の生活を削ってでも、憧れのミャーコに贈り物をしたい。でも、実際はミャーコの前に立つとモジモジしてしまうだけの地味なファンで・・・。

◆ピンボケな私

二十歳、フリーター、女、A型、高卒、茶色のショートで、百五十八センチの細め。自分のことを語るときにこのくらいしか言えない主人公。夢は一応カメラマンということになっているけど、それすらも自信がなく・・・。

◆Over run

ギャンブルにはまっている主人公。キャッシングをくり返し、あっというまに負債の山。一発逆転を狙ったけれど・・・。

◆泣き砂を歩く犬

東京に行けばきっと変わると信じていた鳴子。売れない芸人に恋してしまった鳴子。人生そんなに簡単に変わるはずもなく・・・。

どの主人公もどちらかというとイマイチな人生を歩んでいる。普通の人とはちょっと違う思考だったり、世間的に普通といわれる人のラインから若干はみ出したりしてる人たちの集まりです。トホホな感じがめいっぱい書かれているのに、なぜか愛しくなってしまうような雰囲気が漂っている。おそらくひとりさんがそういう人たちに対して、優しい目を持っているからなのかな。とても簡単に書いたように思える文章なのに、時々惹かれる言葉が入ってたりして。ひとりさんの感性は好きだなと思わせてくれました。


ちなみに、どれも別々の短編に思えるのですが、実は最初からちゃんと読んでいくとつながっています。なので、1話から順番に読むことをおすすめします。よかったですよ、この本。


タイトル:陰日向に咲く
著者:劇団ひとり
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2007年05月19日

14歳 / 千原ジュニア

テーマ:国内小説・男性
ふ~ん、千原ジュニア って誰?という私がなぜかこの本を手にとったかというと、本の帯を東野圭吾さんが書いていたから。そして、興味を持ってからネット検索したらお笑いの人だって・・・。ちっとも知りませんでした。そして、14歳の時に彼が引きこもりをしていたというストーリーだと知ってちょっとびっくりしました。なんとなく私の勝手な想像で、お笑い芸人の人たちって友達も多くて明るいっていうイメージだったからです。でも、彼は違う。もし、この本の彼が本当の彼だとしたら、ものすごく内向的で暗い気がしますよ。そして、心が結構強い。きっと、人を笑わせる才能と性格の明るさって別物なのかもしれない。

主人公は千原浩史14歳。頑張って進学校に入学したものの学校に行くのが嫌になって、引きこもりへ。パジャマを着て一日を自分の部屋で過ごす日々が始まった。時々外へ買い物に行くけど、それもパジャマのまま。パジャマ姿を不思議がる人の視線にも慣れた。


僕は何になるんだろう。
僕は誰になるんだろう。
僕はどうなるんだろう。
僕はどうするんだろう。


そんな葛藤を抱えたまま、14歳の少年は部屋で苦悩する。

みんなと同じであることが嫌だ。自分がすすむ道、自分がいるべき場所を探して悩みはじめた彼の葛藤がヒリヒリと痛いほど伝わってきた。そして、彼の両親(特に母親の立場)の苦しみや悩みも伝わってきた。どうしてうちの息子はみんなと同じじゃないんだろうと悩む母、どうしてみんなと同じじゃなきゃいけないんだろうと苦しむ息子。どちらの気持ちもわかるから痛い。言葉の端々から、「なぜ」という強い思いが伝わってくる。

このくらいの年齢の子どもって、確かにこういう「どうしてみんなと同じじゃなきゃダメ?」っていう疑問を持つことが多いと思うけど、この千原少年はその気持ちがとてつもなく強いんだと思う。普通はどこかで折り合いをつけて、なんとか今いる場所で戦っていくんだろうけど・・・。きっと、無理だったんだろうな。居場所が見つけられるまで、やりたいことが見つけられるまで・・・という気持ちがすごかったです。今の彼のお笑いという場所が見つかって本当によかったと感じた。そして、彼におばあちゃんや兄ちゃんという心の支えがいてくれて本当によかったと感じました。千原ジュニアさんのこと、ちっとも知らないくせにちょっと好きになったかも。というか、14歳の時の千原少年に会って「大丈夫だよ」って言ってあげたい気持ちにさせられました。


ここ で14歳発売のインタビュー記事見つけました。


タイトル:14歳
著者:千原 ジュニア
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2007年05月08日

夜は短し 歩けよ乙女 / 森見登美彦

テーマ:国内小説・男性
最近時々ネットで見かける「森見登美彦」さんという名前。初めて見たときに「この人の名前はどこで切るんだ??」と真剣に悩んだ私です。blogを読むと評判もよいみたいだし、なんだかとっても気になる方なのでさっそく手にとってみました。
読んでみたら、これがまたとってもまたキュート。愛らしいという表現がぴったりな女の子と男の子の恋愛話でした。舞台が京都というせいもあるのか、言葉遣いもちょっぴりレトロな雰囲気なんです。読んでいてぐいぐいと本の世界に引き込まれるような感じがありました。
彼女こと「黒髪の乙女」の背中を見続けている先輩は、なんとかきっかけを作ろうと偶然を装って彼女の行く先々に登場します。夜の先斗町、神社の古本市、大学の学園祭。そんな2人を待ち受けるのは奇妙な人々と、奇妙な出来事。小さな可愛い乙女の大冒険で訪れる不思議な世界で、黒髪の乙女と先輩は運命によって引き寄せられるのか?

この主人公である黒髪の乙女がとってもかわいらしいんです。天然系とでもいうのでしょうか。おっとりしていて、ちょっぴり思考が間抜けなところが本当に愛らしいんです。読んでいる私も、彼女を好きになってしまったくらい。そして、その乙女の背中をずっと見つめ続けて、なんとか視界に入るべく偶然を装っているのがもう1人の主人公である先輩。彼もある意味で天然のお間抜けさんかも。出てくる人物すべてがなんだかいとおしくなるような作品でした。


ここがいい、あそこがいいとかっていう部分的なものではなく、この本の流れや雰囲気が作るすべてのものがいい♪って感じ。んー、森見登美彦さん、他の作品も読んでみたくなりました。彼の作る作品の雰囲気は、私の好みのタイプみたいです。


この本の公式サイト があるみたいですよ~。
歩けよ乙女


タイトル:夜は短し歩けよ乙女

著者:森見 登美彦

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2007年04月02日

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン / リリー・フランキー

テーマ:国内小説・男性

リリー・フランキーさんってなんとなく不思議な印象のおじさんというだけの存在でした。テレビに出ているのを見ても、奇妙な発言が多かったりしてそういう人っていう印象しかなかったんですよ。うちのダンナなんて「あの人、ホモじゃない?」なんて失礼なこと言ってたし。(リリー・フランキーさん、ごめんなさい。)


この東京タワーという本の評判は聞いていて「いい」っていうしなぁ・・・。でも、どうかなぁ・・・と思いながら読んでみました。


結果・・・。

いいです!


この本はとてもいいです。何がいいって、リリー・フランキーさんのオカンへの愛がすっごく感じられていいってのもあります。本当に時々出てくるオトンもいい味出してるし。でも、それ以上に私は彼の言葉の選び方がとても好きだと思いました。読んでいて気持ちが良い言葉の流れみたいなものがあるので、続きが読みたくてあっという間に読み終わってしまったんです。


ストーリーはご存知の通り、リリー・フランキーさんご自身の話。自分のオカンにまつわる話が書かれている本なのです。これがまた愛情たっぷりで、息子を持つ母な私としては「ここまで愛されてればオカンも幸せだったろうなぁ」って思うくらいです。っていうか、うちの息子たちもリリー・フランキーさんみたいに成長しても私のこと愛してくれるかしらと願いたくなるくらい。たぶんリリー・フランキーさんってマザコンですね。でも、悪い意味じゃなくていい意味で。母親がいないとなにもできない&頭が上がらないタイプのマザコンはちょっと・・・って思うんですけど、リリーさんみたいなタイプのマザコンだったら全然オッケーです、私。彼のような人は、オカンに限らず自分に関わる人間をとても大切にする人だと感じました。


オトンの人生は大きく見えるけど、オカンの人生は

十八のボクから見ても、小さく見えてしまう。

それは、ボクに自分の人生を切り分けてくれたからなのだ。(本より抜粋)


母親ってそんなもんですよね。絶対的な無償の愛。

オカンの息子に対する愛。

息子のオカンに対する愛。

なんだか心がほっこりと暖かくなるような一冊でした。



タイトル:東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
著者:リリー・フランキー
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