赤い指 / 東野圭吾 | 活字中毒

赤い指 / 東野圭吾

直木賞受賞作「容疑者Xの献身 」を書いた後の最初の1冊です。この本がデビューから数えて、ちょうど60冊目にあたる本らしいですね。


主人公はさえないサラリーマンの前原昭夫。家族は妻、中学生の息子、そして痴呆がすすんだ実の母の4人暮らし。そんな一家に事件が起きた。身内が殺人事件を起こしたとき、その家族はどうするのか・・・。刑事・加賀恭一郎のシリーズです。


さっそくですが。。。

この夫婦はとても愚かだと思う。特に夫の昭夫は最悪。何かトラブルが起きるたびに見ないふりをしてうやりすごす。できるだけ良いところにだけ目を向けて、あとは見なかったことにしておく性格なんです。読み出してすぐに犯人はわかってしまうので書きますけど、この家の長男が殺人をおかすんです。そう、中学生の長男ね。でも、この夫婦は息子の癇癪をなだめることに必死で、殺人をした息子を起こることもできない。昭夫自身も息子をちゃんと叱ることもできないし、妻がバカみたいに息子を甘やかしていても「自分は育児に参加してこなかったから・・・」とかいって、わけのわからない理由をたてにして見逃すんですよ。こんな夫婦、最悪。もうね、読んでいて腹がたって仕方なかったんです。痴呆のすすんだ母を妻が冷遇しても、なにひとつ文句言わないなんておかしすぎますよ。(まぁ、この妻も嫌なヤツなんですけどね)


とまぁ、物語の夫婦に腹をたてても仕方ないので、ここらで感想を。

この本がなぜ赤い指というタイトルなのか。なぜなら、これがキーになるから。東野さんの作品は中ほどでたっぷり伏線はって、最後にどーんと驚かせてくれるのがおもしろいと私は思っていたんですけど・・・。残念ながらこの作品はそれほどでもなかったです。なんとなく途中から結末が見えてきていたし、うむむむーって感じでした。あまりに愚かな夫婦に腹を立てながらも、結末が見えてしまった私にはイマイチ物足りない作品のように感じました。受賞後1作目にしては、気合いがたらないと思ってしまったのは私だけでしょうか・・・。


辛口コメントになってしまってごめんなさい。

タイトル:赤い指
著者:東野 圭吾
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