これまでは池・湖にまつわるお話でしたが、今度の舞台は河川へと移ります。
これは日南市にあるM団地の裏手のH川で真夏に起きたお話。
釣り仲間からM団地の裏の川でシーバスが上っているとの情報を聞いたので、バス釣りを教えたらスッカリとルアーフィッシング沼から抜けられなくなってしまった元走り屋の先輩と夜釣りに出掛けたのでした。
「おうBON!そのシーバスってなんやとや?海におるブラックバスやつか?」
確か海外では口の大きな魚の事をバスと呼んでいた筈なので、単純にシーバスは海のブラックバスという訳ではないんですよね。なので海外では〇〇バスなんて魚が他にも…\お前はいちいち解説が長ぇつよ!/
本当に長い話を聞く事の出来ない先輩でしたw
到着した時間は夜遅く、背後にある団地の外灯が若干照らしている位で川辺は真っ暗闇でした。
私は中学生の時から通うなじみのフィールドなので特に臆する事なかったですが、先輩は少しビビっていました。
先輩は車やバイクでレーシングチーム入ってたり、ほんと走りが好きな根っからの走り屋で背が低いが玉に瑕でしたがそれを補う位にイケてるメンズで、喧嘩で鍛えた身体は体脂肪率は一桁台で喧嘩早くて負け知らず、怖いものなしのバリバリヤンキーでしたが、仕事に関しては手先が器用で細かいけれど同じ位大胆さも併せ持っていて、マメで優しくて女にモテモテの方でしたが、得体の知れないモノは怖ぇと言っていたので心霊関係は苦手の様でしたねw
小学生の時から数えたら1000人斬っ…付き合ったらしいです…
実際知り合ってから何人じゃなくて、何十人は間違いなく知っているので多分言ってる事は嘘じゃないのかなと…これもある意味怖いですよねwwwwww
ただ恐ろしくB…うわなにをするやめ(ry
話は逸れましたが、そんなビビる先輩をニヤニヤと眺めながら釣りを開始しました。
しばらく釣りをしていると、自分の斜め後ろに生えている木のそばが白くモヤモヤしているのに気が付きましたが、団地の外灯が当たって反射しているのだろうと位に思っていました。
その時に背筋にゾクゾクしたものを感じましたが、夜中だし冷えるかなと考えながら無視して釣りを続けていました。
しかし辺りの様子がおかしい事に気が付きます。
それまで色んな虫の鳴き声がハーモニーを奏でていたのにピタリと止んでいて、空気がピィーーーーンと張りつめていました。
自分より前進してテトラポットの上から投げていた先輩が急に私の方を振り向いて口を開きました。
「お前の後ろの木の所にさ…し、白いモヤ…モヤモヤあるのわかるか…?」
先輩の声が若干震えて居るのが分かります…。
自分の返答するよりも早く、一気に身体中の血の気が引いていくのが分かりました。
次の瞬間には2人は言葉を交わさず、釣具をその場に投げ出して一目散に車へと戻り、ゼェゼェと肩で息をしていました。
息が整うまではお互いに何も言わず語らず、沈黙の時間が過ぎていきました…。
沈黙を破ったのは先輩の怒号でした。
「いやいやいやいやいやいやちょっとまてぇぇぇ!なんやあれぇぇぇ!!!」
いや、僕も分からんすよ…
「なんで周りに明かりがねーとによ!白いモヤモヤがあんかハッキリ見えるとかよ!なんや…なんやアレ…マジでなんなんや!?」
いや本当に自分もわからんす…ただ気が付いた時にはちょっと嫌な感じがしたのだけは確かですね…。
「オレこれまで生きてきて霊感とかないと思ってたけど、こんなの人生で初めての経験だわ…バイクで事故って死にかけた時よりヤバいわ…」
ヤンキーで走り屋で霊能力者とか斬新っすね…ハハハ
「お・ま・えぇぇぇえええ!!!そんなの冗談なんも面白くねぇわ!!!」
とりあえずそんなこんなにで車中に篭って30分は経過して、特に嫌な感じもしなくなったのでこの日は大人しく釣り道具を車に積んで帰宅する事になりました。
釣具を回収して積み込みが完了して車に乗り込もうとして、私が助手席のドアを閉めようとしたその時でした…。
ドアと車体の間に真っ白い子供のような顔が一瞬見
え目が合ったような気がしました…。
呪怨に出てくる子供の霊みたいなイメージです(俊夫だっけか?
\あんぎゃぁぁぁくぁwせdrftgyふじこlp/
と叫びながら、全身全霊の力でドアを閉めました…それはバタンじゃなくてドヴァン!とかいう凄い音してました。
「おい!お、おま、お前、どどどどうした!?」と先輩が声を掛けてくれたのも束の間
\うぉぉぉあぁぁぁくぁwせdrftgyふじこlp/
今度は先輩が叫び声をあげながら、ギャギャギャギャギャギャと砂利道でタイヤをスピンさせる程の勢いで車を急発進させました。
その勢いで坂道を駆け上がったもんだから頭を打ち付けまくりました…痛てぇ…。
そのまま私の自宅に車は向かいました。
少し明るい所まで出てから、少し冷静になった先輩は私に言いました。
「バックミラーに白っぽい子供が見えた」と…
もしかしてそれって呪怨の子供みたいなのじゃ…?と聞くと
先輩は口をつぐみ、目をギュッと瞑り、首を激しく縦に降るばかりで、その後家に帰り着くまで口を開いてくれませんでした。
駐車場に着いて、とりあえず車に塩を撒こうと家の中に取りに上がったのですが
\うわぁぁぁくぁwせdrftgyふじこlp/
玄関先で先輩が叫び声を上げたのです。
「お、お前さ…じ、自分の顔を鏡で確認し、して来いよ…ヤバいヤバいヤバい」と怯えながら私の背中を両手で突くと、その勢いで家の中へと押し込まれました。
意を決して洗面所の鏡を見てみると
そこに映っていたのは顔の右半分がひきつり上げられ、最早別人と言ってもいい程に変貌した私でした。
\あんぎゃぁぁぁくぁwせdrftgyふじこlp/
何度も顔に塩を刷り込みました。
車にも釣具にもぶっかけました。
この日は先輩の彼女が家に居ないから1人で帰るの気持ち悪いから泊めて欲しいと言われて、男2人で布団を並べて寝たのでした。
この出来事から何年かは、私達はM団地の裏に近付く事はありませんでした…。