2009-08-30 23:36:46

草土出版さん

テーマ:書籍・雑誌

昨日は草土出版さんの『月刊フラワーショップ』 の方が

取材にいらっしゃいました。

(今風の言い方をすると,“美しすぎる編集者”といった感じ?)


太田記念美術館の特別展『江戸園芸花尽くし』

に関連した特集を組むということで,

展覧会関係者の方から変な物を育てて遊んでいる

盆栽の常識にとらわれず様々な植物に挑戦している盆栽園として

九霞園をご紹介いただいたようです。


『月刊フラワーショップ』という雑誌は

「フラワービジネス専門誌」ということですので,

読者は一般の方よりもお花屋さんや園芸店関係の方が

多いかもしれません。


そういった方面の方々の心の中に,

「盆栽」という存在が少しでも記憶として残れば幸いです。


2009-08-29 13:00:15

盆栽は何故,分が悪いのか

テーマ:ブログ

今の時代,本格盆栽はどうも分が悪いです。


盆栽雑誌や協会の機関誌を見ても,「愛好家の減少,高齢化」といった

気が滅入るような話題が目に付きます。


年数を掛けて作りこんでゆく盆栽という趣味が,

今のライフスタイルに合わなくなっていることは

紛れもない事実です。


世の中の人たちの好みの問題は別にして,

核家族が普通,共働きが普通,庭がない家が普通,密閉空間が普通,

これではとても松やモミジが長く生きていられるとは思えません。


その一方で,「身近に緑が欲しい!」

という欲求は確実にあるようです。


でも「盆栽屋」としては,

植物を使い捨てにする商売にはどうしても抵抗があります。


そこで現代の住環境やライフスタイルの中でも

無理なく育てられる盆栽として,十数年前から

観葉植物や多肉植物を取り上げているのですが・・・,

ほとんど手ごたえを感じません。


雑誌,それも一般誌の取材の際の受けは良いのですが,

盆栽界の中はあまり広がらないですね,こういうのは。


今までは「もっと柔軟に考えては・・・」と思っていたのですが,

最近になって,やはり日本の草木を育てたいという思いが

人々の心の中に根強くあるのではないかと考えるようになりました。


衣・食・住の全てが西洋化する中で,

盆栽だけは松やモミジやケヤキといった

日本人に馴染みの深い植物でやってみたい人が多いということは,

案外前向きに捉えるべきことなのかも知れません。


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盆栽はじめの一歩

大谷渡り

鉢:あけぼの園

水石:福島県産(産地未確認)

画:ナカムラクニコ


水石は片付けようかと思いましたが,

水石というのは,ひょっとしたら盆栽以上に

先行きが「?」かも知れないので一緒に撮ってみました。


水石愛好家のための雑誌,「愛石」の編集長のインタビューが

ネット上で読めます。


少し長いですが,頑張って読んでいくと途中で良い事があります。


【雑誌ネット】WiLL編集長 花田紀凱が、専門誌編集長に訊く!
http://www.zassi.net/contents/hanada/hanada010_01.html


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盆栽はじめの一歩

多肉植物の一(エケベリアの系統???)。

盆栽屋の悪い癖で,この手の植物の品種名には無頓着です。

鉢:あけぼの園


そもそも売り込むマーケットを間違えているのであって,

こういうものはインテリアやアート関係の世界の方が受けるのでは

ということに薄々気付いてはいるのですが,

一応盆栽屋なので,盆栽界の中で頑張りたい

という思いがあり「ました」。


今は,新しい試みで盆栽界を中央突破するのは無理だろう

という考えに傾いています。


雑誌も展示も愛好家も業者も,

高くて凄くて難しい盆栽でないと駄目なようだから。


といっても決して,「沈む船からは逃げるが勝ち」などと

考えているわけではありません。

いつでも盆栽界に殉じる覚悟でおります。

2009-08-25 14:53:56

実生

テーマ:種をまく

一口に盆栽を始めると言っても,アプローチは様々です。


・最初から完成品を買う。

・「素材」と呼ばれる半完成品を買ってきて(あるいは山採りして)作り込む。

・挿し木する(根伏せ する)。

・苗木から育てる。

実生 (みしょう)する(種をまく)。


思いつくままいくつか挙げてみましたが,

本当に好きな人は完成品も買うし,挿し木もするし,種もまく,

という具合に全てに挑戦しているようです。


そうして鉢数ばかりがやたら増えて行って,

しまいにご家族にお小言を言われるというのが

今時の盆栽愛好家の末路のようですが,

そんなことはさておき,

今日は実生の話をしたいと思います。


実生の場合,種をどうやって入手するかという問題があります。


もちろん買ってしまうのが一番手っ取り早いのですが,

場合によっては種を買って鉢と土を用意して種をまいて

水をやって発芽を待つより,実生1~2年の苗を買ってしまった方が

コストパフォーマンスはいいかもしれません。


安く大量に苗を入手するという実生のメリットを最大限生かすなら,

「自分で拾う」ということも選択肢に入れてみましょう。


そのためには,日頃から近所に生えている木に注目して,

種を落としそうな木があれば目星をつけておくと良いでしょう。


特にケヤキやモミジなどは街中で見かけるケースも多いと思いますので,

日頃から近所の植栽に気を配ってみてはいかがでしょう。


ところで,種拾いをしたことのある方は皆さん経験があるようですが,

街中で種を拾っていると道行く人に「何をしているんですか?」と

聞かれることが良くあります。


そういう時は慌てず騒がず,

「回答は任意ですか?強制ですか?」などと聞き返さず,

「種を拾って盆栽にするんです。とっても楽しいですよ。やってみませんか?」

と勧誘してみましょう。


ところで,実物や花物は実生で結果を出そうとすると

時間が相当かかりますので,

最初は確実に実や花を付ける樹齢に達した物を

買ってしまった方が楽しみは大きいかもしれません。


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盆栽はじめの一歩

外出先で見かけた南京ハゼの若い実。


南京ハゼは,ハゼといいながら実際は

ハゼとは別科のトウダイグサ科の植物です。


紅葉が美しいので,実生でもすぐに楽しめます。


頭にぶつかりそうな低い所で実を付けていたので,

熟す前に伐採されないように祈るばかりです。



2009-08-21 12:27:54

『目で見る 大宮の100年』

テーマ:書籍・雑誌

盆栽町の所在地である旧大宮市全域の明治・大正・昭和を写真で振り返る,

『目で見る 大宮の100年』が郷土出版 さんから9月上旬に発売になります。


九霞園も,盆栽村関係の写真資料を提供いたしました。


お値段は9975円(税込),限定1500冊の増刷なしですので,

お求めの方はお早めにご予約を。


参考:三省堂書店のブログ。

http://www.books-sanseido.co.jp/blog/omiya/2009/06/100-1.html


ところで,この本を作るにあたり役所関係からは

「せっかく合併したのに,なんで今さら大宮というくくりで・・・」

という声もあったそうです。


今の「さいたま市北区盆栽町」は,かつて「大宮市盆栽町」でした。


旧大宮市には,武蔵国一宮(むさしのくにいちのみや)で

官幣大社である氷川神社 があり,

そこから「大いなる宮居」の意で「大宮」という地名が付きました。


その後,浦和市,与野市との合併により「さいたま市」が誕生し,

「さいたま市北区盆栽町」という表記になりました。


区名の決定については,住民投票をしたものの,

その結果は全く考慮されませんでした。

http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/9297/


何が何でも,合併前の市の枠組みを取り払いたかったようです。


ちなみに,盆栽町の属する地区の区名の候補の中には

「盆栽区」もありました。


もし区名が「盆栽区」に決まっていたら・・・,


さいたま市盆栽区盆栽町。


素晴らしい。素晴らし過ぎます。


もっとも何事も度が過ぎるというのは良くありませんから,

味も素っ気も無い「さいたま市北区」で我慢するというのが

ちょうどいいのかもしれません。


ところで,この本の予約受付書店として三省堂書店 の名前が出ましたが,

三省堂の創業者・亀井家の何代目かの亀井さんは盆栽愛好家で,

九霞園でも盆栽をお預かりしていたことがあります。


2009-08-18 21:11:08

園芸店でお買い物

テーマ:買う

8月10日の記事でさらりと「園芸店のポット苗」と書いてしまいましたが,

実際はどの園芸店にも常時,盆栽になりそうな素材が

置いてあるわけではありません。


コンテナガーデニングやウォールバスケットに使うような

改良種の花苗しか置いていないお店では,

残念ながら盆栽に使える植物は見つからないかもしれません。


一般的な園芸店の中にも,仕入れ担当者の好みや客層によっては

紅チガヤ,山アジサイ,セキショウ(石菖),フウチソウ(風知草)といった

盆栽としてよく取り上げられる植物が入荷するお店があるので,

近所でそういう所を見つけたら定期的に足を運ぶ癖をつけておきましょう。


本当の初心者の場合,「何を買ったらいいか全く分からない」

ということがあるかもしれませんが,そういう場合は展示会や雑誌や,

あるいはインターネットでもいいですから盆栽の情報に触れて,

その中で姿を気に入った植物があれば気にとめておくと良いでしょう。


もちろん,最初から盆栽園で盆栽を買っていただければ

それにこしたことはないのですが,

「家の近所に盆栽園なんかない!」という方にも

気軽に第一歩を踏み出して欲しいと思います。


「盆栽というのは盆栽という名前が付いて売っている物」

という固定概念を取り去って,気に入った植物を育ててみましょう。


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石菖「黄金姫」。


石菖は全般に育てやすく強健。

しかも殖やす,株分けする,鉢合わせを考える,

刈り込む,そういった全ての作業を体験できる。


盆栽はじめの一歩


その昔は「石菖鉢」といって石菖専用の鉢が大量に作られたが,

博物館クラスの工芸品も少なくない。


東京国立博物館蔵,『海士玉採図石菖鉢(あまたまとりずせきしょうばち)』

山尾侶之作,1873(明治6)年。
盆栽はじめの一歩
(撮影許可エリアで撮影。)


石菖には油煙を吸着する効果があると信じられており,

夜咄(夜の茶事)の席には欠かせない。

(その割に,お茶の世界から盆栽界に声がかかったという話は聞かない。)


和室から洋間まであらゆる住環境にマッチする姿で,

歴史的・文化的背景も十分に備わった植物と思うけれど,

意外に流行らない。



器一つ,草一つで勝負するとなると,ごまかしが利かない分,

盆栽としては究極の素材とも言える。


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