カクレモグノミのブログ

アートと歴史を感じるものの事を
気ままに綴ってます。

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東京芸術劇場にて野田地図公演「足跡姫」を観劇して来ました。盟友とも言えるお友達中村勘三郎さんへ捧げられたオマージュ作品。いつもの野田作品よりシンプルでその分メッセージがストレートなお芝居に仕上がっていました。いつもとテイストが違う分好みが分かれる可能性もなくはない。いつものように見る人にコトバのもつ力を問いかけてくるような鋭利な刃物のようなメッセージこそないので物足りなさもなくはない。それでも勘三郎さんの面影を知る人にはきっと暖かなものが心の奥にギュッと染み込んでくるような心地よさの残る余韻の小品的作品だった。

野田さんの手書きのメッセージによると坂東三津五郎さんの「肉体の芸術は残らない」というコトバから始まったという本作品は勘三郎さん本人こそ出て来ない。でも、この作品の中に出てくるお国に取り憑く足跡姫という芸能のバケモノみたいなものを、今までにも見たことがあるなぁと感じたのは私だけではないはずだ。歌舞伎の世界に限らず伝統芸能の世界で名優と呼ばれる人と共に芸能と共に生き、名を受け継ぐと残酷なまでにあっさり新たに襲名した当代の役者へ乗り換えていく守り神のような芸術の化身がいるのではないかと思った事。そう思わせるように次々と襲名した役者が先代が乗り移ったかのように素晴らしく華開いていく姿を目にする事を芝居を見て思い出した。歌舞伎に限らずこうした形で残らない芸術を追求していく人々にはなにと残らない事への虚しさがあるものなのだろうか。そんな気持ちへの答えのように妻夫木君がラストに優しく語りかけるモノローグがとても感動的だった。そしてバックに咲き乱れる満開の桜が美しくて華やかな歌舞伎イメージと合ってたし、遊民社時代の桜の森の満開の下を思い出してなんかジワっときた。
オマージュ作品としてなら蜷川幸雄もやって欲しいな。佐藤隆太さん達の存在が蜷川幸雄の時代をオマージュした存在なんだとしたらあんなマイルドなものでは物足りない。もしやるとしたらもっとヒリヒリした感覚できっとこんなほっこりとした作品にはならないんだろうなと思う。
やっぱり野田さんはすごいなぁと思ったけど、実はこの話ここだけでは終わらない。

2日後たまたま歌舞伎座に行った。
二月猿若祭にいって幕見で歌舞伎を見た。なんにも考えずに初めの猿若江戸の初櫓という演目が始まるとなんと、足跡姫に出て来たお国と猿若が出て来たではないか。しかも足跡姫はどうもこの演目をベースに作られていたらしく足跡姫の物語と同じような設定で足跡姫ではお城で舞が舞えなかったお国の代わりのように、歌舞伎の中で猿若が舞を披露するのです。
しかも、この演目中村屋の発祥物語とあって、古の猿若の物語の後、今日の中村屋の姿として猿若が登場してまう時に
「今日の猿若でございまする」
と高らかに口上する一コマがあって、それがなんだか足跡姫の続きの姿のように思えてなんかとてとじ〜んとしてしまったのです。
最後に妻夫木君が姉お国が死んで肉体が消えても、猿若勘三郎が名を継いで続いていく、そう言っていたように。その続きの姿が歌舞伎座で見られる訳です。
これ、足跡姫と連動してるのかなぁとおもったけど、そういう訳でもないらしい。勘九郎さんがインタビューで父(勘三郎さん)のいたずらかわからないなんて仰っていたけど結構そうなのかもと思える素敵な偶然!
2月は猿若祭という事で4回目なのだそうだ。この猿若江戸の初櫓は初回の猿若祭の時に上演されて以来の2度目の上演という珍しい演目で中村屋発祥の物語。この初演の時に野田さんご覧になったのかもしれないですよね。中村屋発祥の物語という事で物語のベースに取り入れたのか。面白い発見で得した気分。
最近の勘九郎さんは時々勘三郎さんが乗り移っているのでは、と思う程にて見える時があるけど、この猿若を踊る勘九郎さんは私の好きな爽やかで快活な明るい勘九郎さんそのものでそんなに勘三郎さんの影は感じなかった(ま、当たり前か)。でも、どこかに勘三郎さんが見ているような気がしてしまった。勘九郎さんを七之助さんをお孫さんを見守っておられるのかもしれないなと思った。
足跡姫をご覧になった方は後少しで終わってしまうけど、時間を作って猿若祭二月大歌舞伎でお国猿若のもう1つの物語を見に行った方が良いと思う。

肉体の芸術は消えてしまう。
この想いはなにも歌舞伎だけではない。舞台芸術だって同じことだ。でも、私の好きな遊民社時代の舞台作品で映像化されていないものがいくつかあってもう2度と見る事が出来ない。戯曲すらなくて物語の筋すら辿る事が出来ない。それでも時々思い出してしまう事がある。あの時のあの芝居のあのシーンの光を、汗を、輝きを。マボロシのように時々思い出してしまうその芝居のメッセージに、私は今だに時々勇気を元気をもらう事がある。エステやマッサージなんかでは誤魔化しきれない日々の疲れのこびりつきサビのようなものが定期的に洗い流してくれるように浄化されて真っさらに出来るのも演劇のお陰だと思う。だからまた芝居を見たくなるのだと思う。
芸術にはそんな形には残らない不思議な力があるんだと思う。


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