【就活】司法修習生の就活の現状【修習も残り2カ月弱】 | ボクのべんきょう日記~弁護士実務と司法修習と司法試験の巻~

【就活】司法修習生の就活の現状【修習も残り2カ月弱】

*司法修習の目次
*就活戦争年表


ボクのべんきょう日記~新司法試験と司法修習の巻~


[はじめに]

2011年10月下旬になりました。
司法修習の残りももう2ヶ月弱。
11月後半には二回試験が終わり、12月中旬には弁護士の一斉登録があります。

この時期は二回試験前で勉強もしないとならないのですが、就活状況は例年に比してかなり厳しく、修習生の負担が増しているのは間違いありません。
このような就活状況に関して、弁護士会のアンケート結果やニュースなども流れていましたので、周囲の現状を修習生の目線から書いておきたいと思います。


[アンケート結果]

弁護士会の行った新64期の内定率に関するアンケート結果は、報道によれば以下のようなものです。

*「弁護士志望」の就職未定率35% 司法修習生の就職難深刻 日弁連調査 - MSN産経ニュース
 法科大学院を経て新司法試験に昨年合格した「新64期」の司法修習生のうち、9月時点で弁護士を希望しながら就職先が決まっていない人が35%となり、昨年同時期より12ポイント増えたことが19日、日本弁護士連合会の調査で分かった。就職先の未定の割合は一昨年の「新62期」が同時期で12%、昨年の「新63期」が23%と年々深刻化している。

内定を得ている者の比率に、「事務所の決まっているソクドクの修習生」(既にソクドクの準備を勧めている者)が含まれているかは不明ですが、おそらくそのような方も「就職先が未定ではない」ため、内定者という扱いになっていると思います。
どちらにしろ、数はすごく少ないので結果に対する影響はほとんどないでしょうが。

そうすると、
①法律事務所のイソ弁
②法律事務所のノキ弁
③具体的に事務所も決めているソクドク
これらを除いて35%が未定というアンケート結果になるのだと思います。

この時期の内定未定率としては異常に高い数字だと思いますし、年々10%異常の割合で増えていることからもその異常性が読み取れます。


[司法修習生からみた実感]
アンケートは一部の人しか答えていない可能性があるので、ボクの周囲での実感も書いておきます。

ボクの修習地や、他の修習地の友人に聞いた噂も含めれば、だいたい未定率3割前後という修習地が多いようです。
ところどころ、修習生の9割くらいが決まっているという場所も聞きますが、多くはアンケートに近い現状だと言えます。

実際、和光の集合修習中も毎日就活で出かけている修習生はいましたし、二回試験の直前期である現在でも継続中の人が3割いるということについては、本来の修習に専念できないというデメリットも出てきそうです。


[この時期の就職活動]

就職活動については、いま内定を持っていない場合、既に公募はほとんどないため個人的なツテをたどる方法がほとんどです。
例えば、知り合いの先生の紹介や、飲み会などでお会いした先生に頼むなどです。

もちろん、公募はしていないわけですから、「雇う余裕はあるけど、なんらかの理由で採用活動をあまりやっていなかった」というレアなパターンか、ものすごく強いコネがあるなど、例外的な場合しか内定を取ることが難しくなります。

さらに、新65期の就職活動も始まっている時期ですから、公募していない事務所でも新65期に目を向ける可能性もあります。
内定を取るのはかなり厳しい状況です。
(事務所を「選ぶ」ことはまず無理です。)

もっとも、こういう時期だからこそ採用を考えるという事務所もありますし、インハウスなどの突然の募集もあったりするので、内定者は少しずつ増えてはいます(本当に少し)。


 [今後に向けて]
既に同期についてはやることはやっているという時期ですので、今から就活をする方は、こういう現状を踏まえて積極的に活動してください。
修習は非常に大事ですが、就職する場所がなければ、知識を活用し、実務としての自分を高める場を持てないということになってしまいます。

一般的なアドバイスとしては、
・HPや周囲の就活状況など、情報収集を怠らないこと。
・人とは積極的に関わること。勉強にもなる。
・周囲が決まっていないからといって安心しない。かなり厳しい現状を理解して、人より一歩先に動く。
・エントリーシートや面接の対策もある程度は考える。
・あまりに好き嫌いせず、様々な事務所・業界を見てみる。インハウスもかなり増えてみます。

こういう風に書くと、厳しい点ばかり目についてしまいますが、厳しい状況だからこそ、しっかり自分の道を考えるチャンスとも言えます。
もちろん、積極的に「ソクドク」をやるという選択肢の方もいますし、それが100%まずいということではないのかもしれません。
しかし、自分の今後の成長を考えると、先輩を見ながら仕事ができるという点は影響が非常に大きい。
様々な選択を模索して、充実な活動ができると良いと思います。