民事裁判修習でやること | ボクのべんきょう日記~弁護士実務と司法修習と司法試験の巻~

民事裁判修習でやること

民事裁判修習でやること
民事裁判でどんなことをやるのか,項目と概要だけを挙げていきます。
詳しくは,個別の説明ページを作り,このページにリンクする予定です。
(具体的内容は,守秘義務との関係で書けませんが…)
他の修習地の方からの情報もお待ちしてます。


*修習全体の概要
*司法修習の目次

[民事裁判修習とは?]
各修習地の裁判所で修習します。
裁判所修習は,民事裁判と刑事裁判がありますが,現在はどちらも2ヶ月ずつです。
裁判官と同じ裁判官室で修習できる貴重な機会なので,弁護士や検察官志望であっても,非常に勉強になります。
裁判官室で裁判官同士がする合議も聞けます。

配属部の指導担当裁判官によって,方針も異なりますし,そもそも事件内容も異なる場合が多いため(○○集中部などの場合),どこに配属されるかで修習内容も少しずつ変わってきます。


[何をやるのか?]
■傍聴
口頭弁論期日,弁論準備期日や和解期日の傍聴をします。
公開されている口頭弁論期日については,一般の方でも傍聴できますが,それ以外に立ち会わせていただけるのは修習生ならではのことです。
基本的に,期日の前に記録を読んでおき,事件を把握した上で傍聴に臨みます。

弁護士志望の方は,傍聴の際は,弁護士の良い点をできるだけ盗み,また,裁判官の目からはどのような弁護活動が良いのかという点なども聞ければいいかもしれません。

■起案
傍聴した(する)事件や,既に終結している事件について,
・争点整理起案
・判決書起案(一部,フル)
・サマリー起案(判決書ほどの形式を要しないが,争点等についてしっかりした検討を必要とされる起案)
・主張整理起案(要件事実をまとめたもの)
・その他
などの起案を行います。

■その他
・最初の裁判所修習のときに,全国一斉の導入起案(刑事&民事)があります。
・民裁修習3週間目以降くらいに,全国一斉の問題研究起案があります。主張整理起案のことが多い。
・意外と,裁判官の方と飲む機会も多い。

[登場人物]

■裁判官
各部に4~6人くらいいるのが標準でしょうか。
おおまかにいうと,
・部統括裁判官1人:合議事件の裁判長,「部長」と呼ばれる
・合議事件の右陪席1人~2人(単独事件もこなす)
・合議事件の左陪席1人~2人(単独事件はできない)
です。いろいろ複雑なので一概には言えませんが。
部長以外の裁判官は,「○○さん」と呼びます。「先生」と言わないように。

※ 右陪席,左陪席は,法廷で裁判長か見た左右でついています。傍聴席から見ると,右にいるひとは左陪席,左にいる人は右陪席ですので注意。

一般的に持たれている,「冷静沈着で,あまり人と関わるのを好まない」といった裁判官は一部です。
基本的にいろいろ話してくれますし,熱い人も多いです。
いろいろ話を聞くと,法律論だけでなく,様々な分野に詳しい方が多く,興味深いです。

■書記官
各部に配属されており,主に手続き面で独立した権限も有しています(民訴法・規則など参照)。
その知識量はすさまじく,手続き面の知識では,裁判官でも敵わない人が多いと思います。さすが!
調書などの書類や,手続き面でわからないことがあったら,どんどん質問すると勉強になります。

■事務官
書記官を目指されている方が多いですが(書記官試験に合格しても,事務官の経験が必要のようです),それだけではありません。

■速記官
証人尋問などを速記します。その技術はスゴイ!
ですが,現在の法廷は,ほとんどが録音・反訳になっています。