前回・10話「逆襲」


響き渡る銃声。鳴り止まない怒号。

彼らには恐れるものは何一つ無かった。そんな些細な事では彼らを傷つける事など

出来はしなかった。

溢れる涙。止まらない笑い。嗚咽。白目を向く者。意識を失うもの。


その中で一人だけ立ち上がった者がいた。


最終話「そして世界がこんばんは」


「ねぇ・・警察?警備員?どっちか解らないけど皆、恍惚の表情で倒れてる・・」

広子が走りながら周囲を見渡し明子に話しかける。

「どっちでもいいわよ。それよりも、まるでこっちの方へ来いと言わんばかりの

倒れ方をしてるわよね・・・・」

明子はあまりにも無防備な警備に少し不安を抱く。


「ねぇ、これってまさか・・・」

「そのまさかだと思うよ。おそらく先にファンガツさんが行っている」

2人はどんどん奥の方へ向かう。その足取りは徐々に速くなり、呼吸も荒くなっていく。

段々と周りも明るくなり、床へ倒れこんでいる人の数も増えている。


そして、何やら声がする部屋が近づいてきた。

2人はお互いを見つめあい、頷くと同時にドアを蹴破る。

其処にはファンガツと白髪の老人とスーツを着た人物が其処に立っていた。

老人はスーツの男に拳銃を押し当てられ人質扱いされている。


「おい、お前ら来るんじゃない!」

栄次郎は大きな声で2人に向かって叫んだ。

「え、だってこいつを倒せば終わりじゃないですか・・・」

広子がどんどんスーツの男へ近づく。

「もう一つ上の段階・・・その笑いを手に入れたんですから、こんなの・・・」

明子もどんどん近づいて行く。


「待て!待つんだ!!そいつは人間じゃない!笑いに反応するアンドロイドだ!

迂闊に笑わせると引き金を引いてしまい博士の命が・・・・」

栄次郎が2人を必死に静止する。


「じゃあ、どうすればいいんでしょうか?」

「こいつを操っている人間が何処かにいるはずだ・・・・そいつを探さないと・・・」


パチ・・パチ・・・パチパチパチ・・・・


後ろの方から拍手が聞こえてくる。

「いやぁ、お見事お見事。まさかオリジナルとそのコピーまで倒してしまうとは」

どこかで聞き覚えのある声。

3人がいっせいにドアの方向へ目をやる。


「初めまして♪増川十三です」

3人とも何が起きたか解らず目が点になっている。

「え・・・貴方は私たちと同じ、トラベラーだったます13さんじゃ・・・・」

広子が意を決して喋りかける。


「そう、そういう事もあった。そして、さっき僕もやられた『フリをした』

全ては計算通り。ここまで協力ありがとう博士」

リモコンを取り出し、アンドロイドの解除すると、博士は急いでます13の所へ駆け寄る。


「すまんな、全てはこういう事だったんじゃ・・・」

「ど、どういう事だよ!!全然わかんねーよ!!」

栄次郎は自分が置かれた状況が解らず軽いパニックに陥っている。


「何から話そうかなぁ・・・。まずこの時代に来させたのも僕の仕掛け。そして、トーナメントを

開き、君達とオリジナルを戦わせ、さらに覚醒させたのも計算通り。後はー・・・」

「ちょ、ちょっと!!じゃあ、なんですか!?貴方は始めからこの時代の人間だったって事!?」

明子がます13につっかかる。


「そうだよ、僕はこの時代の総理大臣。だけど、変な法律をさ、前の総理が作ったから

顔出しはしてないんだ。あの法律のお陰で命を狙われる可能性があるからね。

だから、顔を出してるのは影武者って事。そして、あの法律を変えようと思って」

ます13はコツコツと部屋を歩き回りながら話す。


「あの法律には欠点があった。『絶対に笑わないといけない』これがダメだ。

笑わないんじゃなくて、笑えないようにしないといけないんだよ。僕みたいにさ。

痛覚って知ってる?アレと一緒で僕には笑いの痛覚がない。だから笑いを感じないんだ」


そして、ます13は部屋にある机に小さなTVを置くとそれにスイッチをつける。

テレビでは人々が笑い苦しみ倒れてる姿が映し出され、レポーターもとうとう笑い出し

最終的には砂嵐になる。


「こ・・これは・・・・」

広子が画面を食い入るように見ながらボソリとつぶやく。

「君達がさっき戦ってた時の音声を流したの。公共の場で。色んなところで。

日本中で!世界中でだよ!!!」

高笑いしながら子供のように、はしゃぐます13。


「これで、彼らは一生笑う感覚を知らない。勿論、作り笑いとかは出来るけどね。

今の僕みたいにさ。でも心から笑う事は出来ない。なんでだろうね?

それは君達の力のせいだよ。世界から笑いを奪ったんだ!史上最悪のテロリストが

ここに今、誕生したんだよ!!」

作り笑いとは思えないほど、笑い続けるます13。


「お前たちの声は笑わせる事が出来るのだが、研究の結果笑わせすぎると

感情を奪うという研究結果も出たのだよ・・・。私を恨めばいいさ・・・。

だがな、ワシはそれよりも世間を恨んでいる。こんな世の中滅べばいいんじゃ!」

白髪の老人は拳銃を自ら手にとり、頭を撃ちぬく。


「は、博士!!!」

突然の出来事に動揺を隠しきれない3人。


「さて・・・この先どんな事が待ってると思う?感情を失った人間はただ黙々と

動くだけだ。そんな人生つまらないだろうねぇ?僕が一国の大統領なら

核ボタンをさ、ポチッと押しちゃうかもね!地球から人間を消し去ろう!

世界は真っ暗闇さ!!」

砂嵐のTV画面を鼻歌交じりでいじりながら喋るます13。


「え・・そんなのやだよ・・・元の時代に帰れないの?もう皆と笑ったり

喧嘩したり出来ないの・・・」

広子がとうとう泣き出す。


「そうだね・・・君達トラベラーは帰りたきゃ帰ったらいい。この先同じ未来が待ってるとは

限らない。だけど、僕はこの世界を道連れにする。もう人間はイラナイ」

ます13はゆっくりと椅子に座ると、リモコンを取り出す。

「この時代の日本にはあるんだ。核がさ・・・。とりあえず中国辺りへぶち込もうかね」

「や、やめろ!!!!」

栄次郎がリモコンに手をかける。

そして、強烈な光がパッと窓から入り込む。


※※


「笑いの星はダメかぁ~!!!」

男がモニタを見ながら、悔しそうな顔をする。

「でもさ、怒りの星も戦争だらけだったし、悲しみの星も自殺者だらけで成立しなかったしなぁ」

もう一人の男がそう言いながらモニタを覗き込む。

「感情の特化はやっぱりマズイのかもなぁ、どうやれば上手く運営できるんだろうか」

「結局、喜怒哀楽を取り入れてもダメだった訳だろ?第一の地球は」

「でも、アレが一番上手く行ってたじゃないか。とりあえず第一の地球のサンプルを持って帰って

我が星の運営に生かすしかないよな」

男が何か機械を操作しながら、ブツブツつぶやく。


「ああ、上官になんて報告しよう・・・・」


2人の乗せた宇宙船は光の速さで宇宙の闇へ向かった。



終わり


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はい、まさかのSFオチです!

お久しぶりです!さま’zです!

ちょっと、仕事場で書けなくなったのと、年末のコミケの手伝いもありまして

こちらをすっかり忘れてました!嘘です!

忘れてませんけど、コミケの作品に影響されないように時間をおきました!


いかがだったでしょうか、最終回

僕もビックリです。こんなオチになるなんて、知りませんでした。

また次回あるなら、しっかりやりたいです!w


それではまた!いつかお会いしましょう!


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2020 「逆襲」

テーマ:

前回・9話「オリジナル」


逆襲


バンッ


銃声の音が暗闇の中、響き渡る。

「クッ・・クックックックッ・・・ワーッハッハッハ!!」

栄次郎に銃を突きつけた男が突然笑い出す。

弾は栄次郎の足元の床にめり込み、栄次郎は何とか命は助かった。

しかし、笑い続ける男・・・。無効剤を打ってるはずなのだが、その笑いは止まらない。


「どうやら・・効いてきたようだな・・・もう一段階の笑いって奴がこれか・・・」

栄次郎は再び夜霧の言葉を思い出す。


「栄次郎、無効剤を打っていてもそれすら無力化してしまう。それがもう一つ上の段階の

笑いじゃ・・。おそらくだが・・政府側は無効剤を打っている。通常の笑いでは、栄次郎の

『大学生が居酒屋でやるような笑い』は通じないかもしれん・・・。そのもう一つ上を行くんじゃ・・・」


栄次郎は銃を突きつけられ、相手が引き金を引く前にとっておきのギャグをボソッと発言していた。

「これが一つ上の段階の笑い・・・か・・・」

笑い転げる男から銃を奪い、スキルアップしたギャグでトドメをさした後、再び奥へ進んでいった。

目指すは、最終審査員を兼ねている総理大臣の元へ・・・・!!


※※


「ッ・・・!!!ハァ・・ハァ・・」

おきゃんが放った渾身の笑いに耐えるラフチルドレン。

「おやおや・・・80パーセントではまだ無理か・・・。なら、本当の僕の力・・・100パーセントを・・!」

おきゃんが息を再び吸い込むと頭に水平にした手の平を乗せ、ギャグの構えを取る。

すると、横からサッとおきゃんを止めるように手を差し出すブタマン。


「おきゃんさん・・。貴方が100パーセントの力を出す必要は無いですよ・・・。

俺がここはやる・・・。貴方は見ておいて欲しい」

「もう、獲物を横取りしないでよねぇ!」

おきゃんはやれやれといった表情を見せ、スッとギャグの構えをとく。


「いいか・・お前らはまだ覚醒したばかりで力の使い方も解ってないだろう。

おきゃんさんの遺伝子を持つ僕でさえ、もう一つ上の段階に行くのには時間がかかった・・。

貴様らに絶望と笑激を味合わせてやろう・・・」

「もう一つ上の段階・・・・!?」

広子は初めて聞く言葉に戸惑いを覚える。


「やはり、そんな事も知らないか・・。なら思い知れ!俺のラフスタイル『シュール』の海に

溺れるがいい!!!」

ブタマンはバッグの中から紙を取り出すとスラスラと絵を描いていく。

そして、その絵を書き上げた後、絵をラフチルドレンに見せて一言言い放つ。


「膝小僧先生の巡回です」


「・・・ッ!!!バハッ・・クックックッ・・・ハーッハッハ!!」

ます13が笑いに耐え切れずついに吹き出してしまう。

他のラフチルドレンはきょとんとした顔をする。

「俺のシュールが効かないだと・・・?」

「それがシュール?聞いて呆れるわ。そんな事じゃ私には勝てないわよ!」

ボケラッタがブタマンから紙をとりあげスラスラと絵を描いていく。


「プラレールで家が建つ」


「クッ・・ブハッ!!ハーッハッハ!!」

ブタマンがこらえきれず笑い出す。

「これがシュールよ」

どや顔を見せ付けるボケラッタ。ます13とブタマンは笑い続け、再起不能になってしまう。


「これがもう一つ上の段階の笑いってやつね・・・。何となく力の使い方が解ってきたわ」

ボケラッタは、不敵な笑みを浮かべ、拳を握る。

「もう、使えないんだから!これなら、ベタな彼をつれてくるべきだったなぁ」

笑い転げているブタマンを蹴りつけるおきゃん。


「でもね、貴方達が力を得た所で私の優位はゆるぎないの。シュールだろうが

ベタだろうが、下ネタだろうが、モノマネだろうが、ギャグだろうが、オリジナルの私には

一切通用しない・・」

おきゃんが再びギャグの構えを取り、大きく息を吸い込む。


「100パーセントを出させるのは貴方達が初めてよ・・。笑いの質じゃない。

声質として、100パーセント。それだけで貴方達はヘヴン行き決定よぉぉぉ!!」

おきゃんが一発ギャグを言い放つ。

「ブッ・・・ハーッハッハ!!クソッ!!ハーーッハッハ・・・」

「フフ・・ハハッアハハハハ!!」

スんず区とボケラッタが同時に笑い出す。そして、二人は徐々に過呼吸になり

意識を失う。


「ボケラッタさん!!スんず区さん!!ねぇ!しっかりしてよ!!」

明子が必死に二人を揺さぶる。しかし、二人は壊れたオモチャの人形の様に

狂いながらずっと笑っている。


「ねぇ・・こんな事って許されるの・・・。笑いって本当に笑いたいときに笑う・・。

そういう感情じゃないの・・。私はこんなの許せない・・許せないよ!!!」

明子の中で感情が一気に膨れ上がる。

「でも、貴方達もその許せない遺伝子を持つ私のこ・ど・もなんだけどね!!キャハハ!!」

「おい・・・もう、こんなゲーム終わりにしようや・・なぁ・・・あたいらの手で終わりにしようや・・」

突然、口調が変わり始めた広子。

「ああ、そうしようや・・・。100パーセントの力?はぁ?そんなのこっちが出せば二人で

200パーセントじゃぁぁぁ!!!」


突然、会場の空気が変わり始めた。

ヒワックス二人のオーラが変わった。そういっても過言ではない。

「ま、まさか・・貴方達・・・私を越えるっていうの・・・オリジナルの私をぉぉぉ!!」

おきゃんが二人の危険なオーラを察知し、一目散に逃げ出す。


「逃げても無駄や・・・私達の『声』が届く限りはなぁ・・・・」

二人は一瞬お互いを見つめ、頷くと二人同時に言葉を発する。


「「---!!!」」


「イヤァァァ!!!ハッハッハハハッ・・・アーッハハッハ!!」

走って逃げたおきゃんは足がもつれ、笑いが止まらなくなっている。

二人はゆっくりとおきゃんに近づくと、もう一度、口を開く。

「アハハハ!!ヤメテェ!!オリジナルの私がこんな所でぇええぇえ!!」

二人が言葉を発した後、おきゃんは笑いながら気を失う。


「さぁ・・・黒幕とやらに会いに行こうじゃないか・・・」

広子が明子に向け、意思を確かめる。

「ああ・・行こうやないか・・・。っていつまでこの口調続けるの?(笑)

咄嗟に、こんな口調になっちゃったけどさ、イヤ、なんかノリでやってるのかなぁって(笑)」

明子が照れ笑いしながら喋る。

「あ・・・ごめん(笑)なんかねぇ、復讐って感じだったじゃない?だから、この感じが

いいのかなぁ・・・って」

「普通に喋ろう!(笑)」

「うん!」


二人は会場の奥にある総理大臣の控え室へ向かった。


次へ


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


ついに本当の覚醒をしたヒワックス。そしてファンガツ!

3人はとうとう黒幕である総理大臣の元へ向かった!

果たしてどうなるのでしょうか?!


とまぁ、どこかで見た事あるような、覚醒パターンですが

どこかで見た事あるんで、すげぇ書きやすかったですwww


おきゃん、ブタマンも意外にあっけないと言う結果で申し訳ないんですが

ラストへ持っていきたかったので早めにやられるパターンにしましたw

さて、次回はどうなるんでしょうか?!

私にも解りませんが、きっと彼らならこの世界を変えてくれると信じてます!

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2020 「オリジナル」

テーマ:

前回・8話「スタートライン」


オリジナル


「さて・・・ファンガツ達は上手くいってるかのぉ・・・」

白髪の老人こと、夜霧のハウスマヌカンはアジトでコーヒーをすすりながら

BOKETEのメンバー達を心配していた。


「なんだか、外が騒がしいの・・・」

夜霧はアジト前が騒がしい事に気づく。飛び交う怒号。

沢山の足音。夜霧は未来で入手した記憶を思い出す。

「ああ、今日は例の日か・・・」


「さっさとここを開けるんだ!さもなくば強行突破するぞ!」

激しい声で責め立てる政府の人間。

「よし、やれ!」

その言葉と共に一気にアジトへ流れ込む武装部隊。

「おいおい・・か弱い老人が一人でティータイムをたしなんでいる所じゃよ・・・なんだね」

夜霧に向かい銃を構える武装部隊。その様子を見て、やれやれという表情で

両手を挙げる夜霧。


「他のメンバーは何処だ!!」

リーダーらしき人物が夜霧に問いかける。

「さぁ・・の・・今頃会場で大暴れしてるんじゃないのかねぇ・・・彼らはラフチルドレンなのだから」

ニヤリと微笑む夜霧の姿はまるで、勝利を確信したかのような、そんな表情だった。

すると、武装部隊に混じって一人スーツを着た政府の男がそれにニヤリと微笑み返す。


「貴方、やっぱり例の研究機関に居た人間ですか・・・。トーナメントにここのメンバーが出てると

言いましたね?そして、大暴れしてると・・・。しかしね、私達だって黙って指をくわえてる訳には

いきませんよね。そう、『オリジナル』の遺伝子を持つ彼らも実はトーナメントに参加してるんですよ」

「オ、オリジナルじゃと!?あいつは死んだはずじゃ・・・」

「DNAが残っていれば復元は可能ですよ。そして、オリジナルもトーナメントに参加してるはずです。

さぁ、博士。彼らラフチルドレンが散っていくサマを一緒に見に行きましょうよ」


夜霧は武装部隊に抱えられ車に連れ込まれた。

オリジナルが存在している・・・。夜霧は半信半疑ながらも、政府の人間達と共に会場へ向かった。


※※


「お~~!素晴らしい一発ギャグですね!さぁ、ラフメーターはどうでしょうか!?」

ドーム内に作られた舞台上で司会者が元気良く司会進行をしている。

「おおおお~!あ~・・・もうちょっとでしたねぇ・・残念です!」

会場に設置されたラフメーターと呼ばれるモノを見て、悔しそうに地団駄を踏む参加者。

会場の客の笑いに応じてメーターが上がるという一つの審査方法になっている。

BOKETEのメンバーは着々とその時を待っていた。


「いよいよ、次は私達ね!」

広子がバーンと明子の背中を叩く。

「ったいよ!(笑)気合入りすぎ!」

「だって~・・こうでもしないと、なんか緊張しちゃって!」

アハハと笑いあう二人。


そんな二人の声を掻き消すぐらい大きな笑い声が会場にこだまする。

「いやぁ・・ハーッハッハ・・・こりゃたまらないです!面白いです!」

司会者も笑い転げ司会どころではなくなっている。

舞台にいるのは、ボケラッターズの前に受付に居た謎の人物。


「ねぇ、彼らって私達の事をラフチルドレンって言ってた人よね・・・」

「ええ、さっきボケラッタさんが教えてくれた謎の人物・・・」

二人は舞台に立っている謎の人物をじーっと見つめる。


※※


「やっぱりコレじゃ物足りないや・・・そうだ!参加者をもっと減らそうよ!ちょっと

今は多すぎるんじゃない?」

「お前のそういうところが俺は嫌いだぞ?(笑)まぁいい・・・50パーセントぐらいに

しておけよ!」

舞台に立っている二人がなにやらヒソヒソ話している。

笑い転げている司会者からマイクを奪い取ると、両手をかかげ一発ギャグをかます。


ドッ


会場が大きな笑いに包まれる。

笑いどころではない・・・。過呼吸になり上手く息を吸えない人、中には失神している人もいる。

「ちょっと、やりすぎちゃったか(笑)」

「まぁ・・いいさ、残った奴で、本当の戦いをすればいい・・」

「ブタマンのそういう所が好きだぞ!」

「おい、気持ち悪いじゃねーか!(笑)」


※※


「なんなのよ!この笑い!!」

「俺・・ヤベーッス・・・ヤバ・・・ハーーッハッハッハ・・・フー・・」

「おい!pon!!しっかりしろって!!」

ボケラッタの腕に抱かれそのまま意識を失うpon。

ボケラッタが振り返ると、ぷれじ、温度差、溝丸も意識を失っていた。


「どーなってんのよ!これは!!」

会場を見渡すと、観衆はおろか参加者まで意識を失い、意識がある者でも

薄ら笑みを浮かべ廃人の様になっている。


「おい!ヒワックス!これって!!」

「多分、あの二人が仕向けたもの・・・舞台に立っているあいつらが・・」

明子が声を震わせながら、今にも泣きそうな顔で舞台上の謎の人物を指差す。


「どうやら・・立っているのは2010年からやってきた僕ら・・つまりラフチルドレンだけみたいですね」

スんず区が周りを見渡し答える。

「笑いの武器か・・・どうしよう・・・僕らだけでは・・・」

ます13が不安そうな声を出す。


すると舞台から二人が降りて、こちらへ向かってくる。

「初めまして、それともやっと会えたね。が正しいかな。ラフチルドレンさん」

男の一人が握手を求めてくる。

その手を広子はパーンとはじき返す。

「何よ!貴方達一体何者なのよ!!」

ラフチルドレンが全員で二人を睨む。


「おいおい・・・そんなに睨むなよ・・・君達の親類・・イヤ、兄弟なんだよ!」

爽やかな笑顔で答える男。

「私に限っては君達の親でもあるんだけどね!(笑)」

もう一人の男が満面の笑みで答える。

「お・・や・・・?」

ボケラッタがその言葉を発すると待ってました!と言わんばかりの表情で

「そう!親なんだよ!僕の遺伝子を元に君達は作られた。かく言う僕もその遺伝子から

作られた一人でもあるんだけど、君達とは大きな違いがあるんだ!

それはオリジナルのクローン・・・そう、僕はこの世に再び戻ってきたんだよ!」

「クローンって・・・じゃぁ貴方が私達の声の持ち主なの・・・?」

明子が自分の喉を触りながら、この世の終わりの様な顔をする。


「うん!僕は昔から人を笑わせるのが得意だった。でも、普通にしててもみんな笑うし

真面目な会議とかでも発言してもみんな笑ってしまう。ふざけるな!って何回怒られた事か・・・。

でもね、そんな僕の異質体質に気づいた研究機関が僕の体を調査し、ある事がわかったんだ!」

「声質だけで人を笑わせるという事・・・」

「そう!正解!で、研究の結果君達も生まれたわけ!」


この人が私達の親・・・・。今まで自分の家族だと思っていた人は家族ではないと聞かされた。

しかし、本当の家族の様に育ててくれた親を受け入れるようにラフチルドレンはここ何日かで

心の整理をしたばかりだった。


「さぁ、もう残ってるのは君達だけだ。オリジナルと君達コピー・・・。果たしてどっちが勝つかな?」

「ちょっと、おきゃんさん。俺も忘れないで!」

「ごめんごめん(笑)ブタマンと僕・・・このトーナメントの勝者は一組だけでいい・・・」


そう言い放つとおきゃんは大きく息を吸い込み片手をブラブラさせる。

「さぁ、とっておきの一発ギャグだ・・・・特別に80パーセントの力を出してあげよう」


ラフチルドレン達は思わず耳を塞ぐ。


「無駄無駄・・・無駄なんだよォォォ!!」



※※


「くそ・・・やけに静かだな・・・」

ファンキーガッツマンこと栄次郎は裏口から入場し、どんどん奥へ進んでいった。

時折聞こえた笑い声も今は全くと言うほど聞こえない。

「何が起きたんだ・・何が起きたんだよ・・・!!」

「なんだろうねぇ?」

暗闇の中、突然頭に銃口の様なものを突きつけられる栄次郎。


「クッ・・・ダンカン、このやろー!」

とっさに笑い武器を出す、栄次郎。

「あ~無駄無駄。君達の声は僕には届かない・・・。無効剤を打ってるからねぇ・・」

「おい・・誰なんだよ!誰なんだよ!!」

冷や汗が止まらない栄次郎。


「こういう事はもうちょっと隠密に行動すべきだよ。あんなに裏口で警察が倒れてたら

しかも笑い倒れれてたら、君達ラフチルドレンの仕業だと簡単に想像がつくじゃないか・・・」

「なんで、知ってるんだ!!」

「知らない事はないよ・・君は栄次郎君、他のメンバーもここにいるんだろ?

君の死体を見せ付けたら、彼らはどんな顔をするだろうかねぇ・・・」

「クッ・・・・」

「さぁ、お別れだ」


バンッ



次へ


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


いよいよ話もクライマックスぽいです!

ファンガツには謎の人物、会場ではオリジナルと呼ばれるおきゃんとブタマン

さーて、どうなるんでしょうか!!

声を武器に戦うという一見地味な戦い!

実際地味です!w


後、小説を書いてるからというわけではないんですが、

今度行われますコミックマーケットに裏方で参加する事になっちゃいました!


元々、インターネットラジオ等をやっていた専門学校時代の友人から誘いを受けまして

ドラマCDを作ると言う事でその台本をやらせていただきます!


詳細は後日お伝えしますが、よい作品が出来るといいなぁと勝手に思ってますw


それではまた!


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2020 「スタートライン」

テーマ:

前回・7話「ラフチルドレン」


スタートライン



栄次郎は白髪の老人と共にマンションへ向かった。

一部屋一部屋訪ね、事情を話し、覚醒する為のクスリを打つ。

ブスッ・・・・。「痛ッ・・・」疑う事無く腕を差し出し注射器を打たれるメンバー。

ラフトルドレンである、トラベラーには全員打ち、そして2020年のレジスタンス達にも

ラフチルドレンが放つ声で笑わぬよう無効剤が打たれる。


「夜霧さんよ・・・なんで貴方はこの無効剤を打たないんだ?」

栄次郎が何気に質問する。

「ああ、全員に打ち終わった後、打とうと決めている。覚醒したかどうか判断する人が

おらんと、意味がなかろう?」

白髪の老人は相変わらず笑いながら質問に答える。


「さて・・・そろそろかの・・・もう一回各部屋をまわり、確かめるとするかの」

よっこいしょと老人は立ち上がると、ヒワックスの部屋のドアをノックした。


※※


「どうかね、例のモノは」

スーツを着た中年男性が同じくスーツを着た若い男性に尋ねる。

「はい、もうまもなく完成かと・・・」

若い男性は携帯電話の着信に気づき、なにやら話している。


「はい、そうですか、はい。解りました。それでは総理官邸までそれを。はい。お願いします」

若い男性が電話を切ると、中年男性はニヤリと微笑む。

「完成したのか・・・!」

「はい!もうまもなく例のモノを持ってくると思われます」

二人は再び薄ら笑いを浮かべる。

「政府の力をこのトーナメントで誇示しなくてはな・・・その為には『あの研究機関で培った技術』が

必要不可欠だからな・・・・」


※※


「なんだか、ワクワクするね!」

広子はトーナメント会場の受付で興奮している。昨日の出来事もあり明子は

その現実を受け入れるのに時間がかかった。もちろん、広子も酷く落胆していたが

既に立ち直っており、イマを楽しんでいる。

二人はお笑いトーナメントの会場に来ていた。もちろん他のメンバーも一緒に。

東京ドームには溢れんばかりの人がうじゃうじゃ集まっている。


その行列に並び、イマかイマかと自分の順番を待っていた。

すると、どんどん受付が見えてくる。そこには血圧を測るような機械。

その機械に腕を通し、そして、会場を後にする者。ドームの中へ入っていく者。

様々だったが、8割以上がドームを後にする。

広子達の二つ前に二人も知っているお笑い芸人が居る事に気づく。


「おい、なんでだよ!俺はTVにも出てるし、笑いもとってるはずだぜ!?」

「いや、しかし、こちらの測定器では貴方の笑いレベルはこのトーナメントには参加出来ません」

なにやらお笑い芸人と受付の人でもめている。

「チッ、なんだよ!クソっ!」

一方的に暴言を吐き、その場を去るお笑い芸人。

その様子を二人は見て、不安になる。


「どうしよう・・・中に入る前にあんな選考があるだなんて・・」

明子はつい弱音を口にする。

そして、とうとう二人の出番になった。

「それでは、お二人のどちらか測定器の方へ、腕をお通し下さい。この機械は

政府が開発した笑いのレベルを測る機械です」

淡々とした口調で説明する受付の人。

「わ、私がやります」

明子は意を決して腕を機械の中へ通す。

「おっと、かなりお笑いレベル高いですね!(笑)どうぞ!こちらのカードを首から

ぶらさげてドームの中へお入り下さい(笑)」

受付は笑いをこらえるのに必死である。


「私がやります」この言葉だけで笑わせる覚醒したラフチルドレンの前に敵は居ない・・・。

二人は会場の中へ入る。


※※


「わ!こりゃヤバイっすねぇ」

ponもヒワックスの二人同様、機械に気づき、慌てふためく。

「大丈夫よ、コンビの内どちらか一人がすればいいんでしょ?覚醒した私がやれば

問題ないって訳よ」

ボケラッタは余裕の表情を見せる。


そして、二人の順番がとうとう近づいて来た。

「そ、測定不可能!?そんなバカな・・・!」

二人の前に並んでいたコンビが測定器に腕を通すと受付は大慌てしている。


「ねぇ、前の二人ってこの時代の有名なお笑いコンビ・・?」

「イヤ、見たことないッス・・・」

二人はヒソヒソ声で話す。二人の声に気づいたのか、測定器に腕を通していない

コンビの片方が後ろを振り返る。


「ごめんね、僕の相方が機械壊しちゃって(笑)すぐ代わりの機械が来ると思うから

もう少し待っててね。『2020年へはるばるようこそ。ラフチルドレンさん』」

先程まで笑っていた顔がいつしか、表情を変え、冷たい視線へと変わっている。

ボケラッタは何も返さずただ、震えているだけだった。


「はい~!お待たせしました。ちょっとさっきの機械壊れてたみたいですね・・・

もう一度お願いしますね!」

受付がもう一度謎のコンビに測定器へ腕を通すように指示する。

ボケラッタに話しかけた人物が腕を通している相方に小声で

「少し抑えろ」と耳打ちをする。


「はい、オッケーです!それでは中の方へ!」

受付が二人にカードを渡し、ドームの中へ入ろうとする。

すると、振り返り「中で待ってるからね(笑)」とボケラッターズへ向け

手を振る。ボケラッターズは、この後、なんなく測定基準をクリアし、会場へ入る。


※※


そして、BOKETEメンバーは、全員難なく会場へ入る事が出来た。

唯一ラフチルドレンが居ない温度差・ぷれじも実力で入る事が出来たのだ。

全員入ることを確認したファンガツはドームの裏口を探す。

高級車がずらりと並んだ付近に入り口を見つけると、其処から侵入する事をたくらむ。


しかし、武器など一切ない。

屈強な警備員が入り口を固めている。これでは中に入る事は・・・・。

そこで、栄次郎は老人の言葉を思い出す。


「栄次郎、お前の普通の声では普通の笑いが起きる。しかし、お前の声で

笑いを取りに行った喋りをするとどうなるか解るな?それ自体が大きな武器じゃ」


「よし・・・やってみるか・・・」

意を決して警備員の前へ立つ。


「おい!そこのお前何をやっている!!」

銃を構え、栄次郎に向ける警備員。どうやら、警備員ではなくポリスの方だった様だ。

「いやぁ、ナニもしてないですよ・・・」

そう栄次郎が言い放つと警察は笑いをこらえている。

「こ・・ここは立ち入り禁止だ!(笑)クックック・・・早く・・クックッ・・立ち去れ!(笑)」

「え~そう言われてもなぁ・・・」

栄次郎はその言葉の後、腕を手刀の様な構えにし、股間の溝に沿って腕を上下する。


「コマネチッ」


栄次郎の言葉の後、そこには笑い転げ銃すら持てない警察。

「お、おい!ま・・・まてハーッハッハッハ!!(笑)」

それでも銃を持とうとする警察に栄次郎はトドメの言葉を言い放つ!


「ダンカン、このやろー!」


笑いすぎて意識を失った警察から銃を拾い上げると、栄次郎は別の形で会場に

入る事に成功した。


「ダ、ダンカンこのやろー・・もうちょっとかすれた声にしないとな・・・っと」

銃をポケットに入れるとビートたけしのモノマネをリピートしながら

奥へ奥へと進んで行った。



次へ


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ようやくトーナメントまでこぎつけられました!

謎の敵も出した所でいよいよ、話はトーナメント本選へとまいります!


笑いと言う武器をスパッと出すにはどうしようかと迷ったあげく

ビートたけしのモノマネという残念な結果になりましたが、

ギャグとかモノマネってスパッ!といけるので武器ぽいなぁ・・・と思い

後悔しながらも、この線でファンガツさんには活躍してもらおうと思ってますw


最近、ちょっと短いかなと思ってるんですが、一気に書くと、後、2、3話で終わってしまうので

その辺はすみませんw


では、もう少しお付き合いください!

2020 「ラフチルドレン」

テーマ:

前回・6話「ネタ作り」


ラフチルドレン


白髪の老人がファンキーガッツマンこと、尾田栄次郎に話を続ける。

「さて、栄次郎君。私が行った通り・・・と言うか書いた通りに全てのシナリオを進めて

くれたね。まずは感謝するよ。ありがとう」

老人が深々と頭を下げる。


「そして、予言書通りに君はこの場に残ってくれた。さて、何の意味があると思うかね?」

「イヤ・・・確かに貴方が残した予言書には、『リーダーが一人だけ残り裏で動く』と

記載されていました。しかし、僕には裏で動けるほどの力は・・・」

栄次郎は深く考え込む。自分には財力はあるが、これと言って政府に潜り込む

コネなど無いからだ。


「君の仲間たちは今、一生懸命ネタ作りをしているだろう?トーナメントに備えて。

しかし、彼らの笑いではこのトーナメントを勝ち抜けるはずがない。

彼らは殆ど素人だからね。私の力を利用しても勝ち抜けられる事は困難を極めるんだ」

「じゃぁ、何故?何故僕の仲間を利用し・・・そして、わざわざトラベラーを送ってきた意味は?」

栄次郎の問いかけに老人は、口を閉ざす。

そして、ゆっくりと椅子に腰をかけると、ある書類を見せてきた。


「君達レジスタンスは、現政府のアノ法律を潰そうと考えている。しかし、君達が束になった所で

それは無理な事だ。だから、私は過去から『まだ覚醒していないトラベラー』をこの時代に送った」

「覚醒・・・・?」

栄次郎がそういうと書類をパラパラと老人がめくる。


「ご覧の通り、鳥山明子、荒木広子、手塚治、赤塚不二子、森川譲二・・・この5人のトラベラーは

実はとある研究機関で産まれた実験体の子供だったんだよ・・・。

勿論、ただの研究機関ではない・・・。現政府・・つまり、野党時代だった彼らが関わっていた

研究機関で作られた特殊な人間なのさ」

「え・・・そんな馬鹿げた話ありますか?だって・・あ!荒木広子、僕らはヒワイと呼んでますが・・

彼女を迎えに行った時家族が居ましたよ!」

栄次郎は広子を迎えに行った時を思い出す。幸せそうな家族が其処には存在していたからだ。


「まぁまぁ、話はこれで終わりではない。その彼らは通称『ラフチルドレン』、略してラフチルと

呼ばれていた。笑いで世界を変えると言う政策を密かに掲げていた政党のアイテムとして

使われる予定だったんだよ・・・」

「そ、そんな!人間をアイテムとしてだって!?そんな話ありえない!!」

思わず声を荒げる栄次郎。


「そう、君と同じだったんだよ。研究機関の人間も。やっぱりラフチルが生まれてどんどん

育って行く内にこの子らを普通に育てて、普通の人間として育てたいと思ったんだ。

そして、研究機関の人間は子供たちを連れ去り、姿、形を変え、逃げたんだ」

老人はしんみりと、まるで昨日の出来事の様に話す。


「薄々感じてると思うが、私もその研究機関の研究員の一員じゃった。

しかし、私には子供を育てる自信がなかった・・・・。だから、ラフチルの一人を

連れ出し逃げたのはいいが・・・孤児院の前に置いてきてしまったんじゃ・・・・」

「おい・・おい・・・!!まさか!!」

「そうじゃよ、栄次郎。その名前をつけたのはワシじゃ。大きくなったな。栄次郎」


栄次郎は、孤児院で育ち、親の顔を知らぬまま今まで生きてきた。

一人で行きぬく術を得るため、株やFXで稼ぐことを覚え、今では立派なトレーダーとして

財を成し、ここまで生きてきた。


「と・・言う事は、トラベラーと俺は・・・・」

「栄次郎も、トラベラーも同じ研究機関で生まれた子。そして、兄弟なんじゃよ」

今まで天涯孤独だと思っていた自分に兄弟が・・・・!?そして、それがあいつらだったなんて・・・。

「ラフチルはある一人の女性の卵子を利用し作られたんじゃ。君らの父親はバラバラだが

母親は一緒じゃ・・・。全ては笑いと言うモノの為に・・・」

栄次郎は言葉を失う。


「す、少し考えさせてくれないか・・・。色んな情報が一気に入ってきたもんで・・・」

「ああ、そうじゃな・・・。だが、時間は無いぞ。この時代のトラベラーのもう一人は処刑されている。

国家反逆罪ぐらいで死刑にするのは珍しいじゃろ?何故だと思う?

現政府が、自分達が作ったラフチルがこの時代で脅威になる事を知り、死刑にしたんじゃよ」

「じゃぁ・・もし、今回しくじれば・・・・」

「ああ、栄次郎、君は殺される。法律に殺されるんじゃよ」


栄次郎は覚悟を決めた顔をした。この先、待っているのは明るい未来か、地獄しかないって事。

明るい未来を得るためにはラフチルの生き残りである自分が何かをしなければ・・・。


「随分と凛々しい顔つきになったの(笑)さて、それでは覚醒するか?」

「え?覚醒?」

「さっき説明したじゃろ。覚悟は決まったんじゃろ?そしたら、覚醒するしかない。

そして、この状況を打破せねばのぉ・・・」

老人は注射器を取り出すと、栄次郎に迫る。


「ちょ、ちょっと待ってくれよ!覚醒ってそんなもんで?」

「ああ、君らのDNAにちょっとした改良を加える事によって、覚醒するのじゃ。

それが、このクスリ。勿論、普通の人にやっても意味が無い。研究された君達にだけ効く

魔法の注射じゃ!」

老人は栄次郎の腕を掴み、腕をまくるとブスッと突き刺す。

「ウワアァアアア!!」

「大人しくせい、大人じゃろうが!副作用はないから心配するんでない」

栄次郎はその言葉を最後に聞くと意識を失う。


老人が注射を刺してから1時間はたったであろうか・・・。

栄次郎がムクッと目を覚ます。

「俺は・・・寝てたのか?」

「ああ、グッスリとな(笑)」

けたたましく笑う老人。何がおかしいんだろうか・・・。栄次郎は不思議でたまらなかった。


「変化は何も無いんだが・・・これで覚醒したのか・・・?」

「いやいや(笑)もう覚醒済みじゃよ!ワーハッハ(笑)」

真剣な栄次郎をヨソに笑い続ける老人。

「おい、何がおかしいんだよ!!」

「アーハッハ・・ハー・・フー・・・イヤ・・まぁ、コレを見なさい(笑)」

老人は先程の書類の続きを見せた。そこには『ラフチルドレン』の全貌が書かれていた。


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『ラフチルドレンプロジェクト』


かの有名な独裁者。かの有名なミュージシャン。かの有名な・・・。

彼らには一つ共通点があります。

それは『声』。この声を得ることによって彼らはありとあらゆるものを手に入れることが出来ました。

そして、我が研究所で作り出したラフチルドレンプロジェクトはその声に注目し

ラフチルドレンは声を発するだけで、それを聞いた人は面白くてしょうがないと言う

研究成果にたどり着きました。

もし、これが成功すれば、ラフチルドレンをTVなどに出すだけで

日本は笑いの絶えない国家となり、あなた方が望む日本像になるでしょう。

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栄次郎は、自分の喉を思いっきり掴む。自分が言葉を発するだけで笑ってしまう民衆が

そこにいるのか?クソ・・・それじゃ俺のこの声は今の政府と同じやり方じゃないか!


紙にスラスラと栄次郎は文章を書き上げる。

「おい、これで本当に日本は変わるのか?今の政府を叩き潰せるのか?」と。

老人は栄次郎の文章に目をやると、大きく頷く。

「このトーナメントでその声で漫才をやれば、間違いなく誰かが優勝するだろう。

そして、願い事を『笑わなくてはいけない法律』を禁止にすればいい」

「そ、そうか!しかし、これだと後々の生活に影響が・・・」


「いやー(笑)大丈夫!その辺は!ちゃんと無効にするワクチンも用意してあるから(笑)」

栄次郎が思わず言葉を発してしまったので老人は大笑いする。

しまったな・・・・。何の為に最初紙に書いたんだか・・・。

栄次郎は自分の行動を悔やみ、苦笑いをする。


「じゃぁ、他のトラベラー・・イヤ、ラフチルドレンの所へ行って、覚醒させるとしようかのお!」

老人がスクッと立ち上がると、栄次郎も後に続く。

「あの・・・そう言えば貴方のお名前は・・・?」

「ああ、自己紹介がまだじゃったの・・・。君ら流で行かしてもらうとすれば・・そうじゃな・・

『夜霧のハウスマヌカン』とでも名乗っておくかの!(笑)」


二人はアジトを後にし、各コンビがネタ作りをしているマンションへ向かった。



次へ


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さて、いかがだったでしょうか?

今回の話は、ぶっ飛びました!


全く次の話を考えずにどんどん書いてるので自分でも何を書いてんだか・・・

と不思議な気持ちになりますが、それもまた、ご愛嬌と言う事で!


今回はラフチルドレンという新しいワードも飛び出しまして

そして、トラベラー、ファンガツの過去も新に加わりました

何故、トラベラーがこの時代に送られてきたか、と言う謎はどうにかしないとな・・・

と思ってたので、こういう手段を取りました!


声だけで笑わせるってスゴイ、と言うかありえないんですが、まぁ・・・・

ネタの中身で笑わせる事は出来ないので、無茶苦茶な手段です!w


後、もう少しお付き合い下さい!