民主主義を憂えるみなさんへ:

今日、5月3日で、朝日新聞阪神支局で小尻知博記者2名が猟銃で殺傷されてから早や20年目を迎えます。

憲法改正の動き、長崎市長銃撃事件など、世は大きく右旋回を始めています。

マスコミ人、政治家と立場が異なっても、言論を暴力で封ずる卑怯な行為の裏には必ず、陰で利益を得るものが存在します。一定の目的を持って、実行する人間を使います。

このような時代のある日、私は、私の住む市の図書館で、1冊の本に出会いました。1人のカナダ人が書いた「泥棒国家の完成」です。正直、衝撃を受けました。一体、このような事があっていいのだろうか、とう切実な思いに駆られました。著者は、ベンジャミン・フルフォード(Benjamin Fullford)です。彼は1961年生まれで、日本の上智大学比較文学科、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学を卒業後、日本でジャーナリスト活動に入り、米紙の東京特派員を経て、現職は、米経済誌「フォーブス」のアジア太平洋支局長です。何らかの参考になればとここに紹介させて頂きます。

彼がこの本で訴えている要点は、一般の日本人は真面目で勤勉であり、民間の企業も世界に秀でた効率性と実行力で社会に貢献しているが、日本という国を食い物にしている泥棒がおり、その泥棒たちとは、「政・官・業・やくざ」連合であるというものである。読後の私の見解では、この内、彼が言う「業」とは特に、建設・土木業界と銀行業界を指しているようである。即ち、政治家、官僚、土木建設業界、銀行業界が、真面目で勤勉な日本国民が汗水流して納める税金を掠め取る「泥棒国家システム」を形成しているとの主張である。

光文社発行の全297ページ、定価(本体952円+税)のペーパーバック本であるが、私としては、彼の指摘は的を得たものであり、真実であり、本当の意味で、日本社会に改革をもたらす為には、考慮すべき主張であるとの感想を持ったので、以下に、その一部を、ほぼ原文のまま紹介させてもらいます。

第3章:日本の泥棒システム

第1章と2章で日本が泥棒国家(クレプトックラシー = Kleptocaracy)となった現状を見てきたが、ここでは、国家があなたに対してどのように尾泥棒を働いているのか、簡単に説明したい。日本の現在の「泥棒システム」は次の5つの要素で構成されている。

1.公的資金による金融機関の救済という嘘八百

2.司法を抱き込んだインチキ裁判

3.お役所の勝手に出来る裁量行政

4.1票の格差が4~5倍とういうゴマカシの選挙システム

5.臆病で勇気ゼロの大手メディア

上記の内、1について説明すると、日本では過去何度も金融機関に公的資金が投入されてきたが、政府は。「金融危機を防ぐため」「金融の健全化を図るため」と説明してきたが、これらはすべて嘘である。何故なら、その資金の殆どが、不良債権処理に使われたからである。即ち、政府は銀行を救済したのではなく、その向こう側にいる人々を救済したのである。もう何度も書いてきたが、金融機関の不良債権の半分はヤクザに流れた金である。これは、CIAやFBIが調べた結果から明らかで、それに絡んだのが政治家や官僚、ゼネコンなどのゾンビ企業だった。だから、彼ら泥棒たちは、自分たちの犯罪を隠すため、あなたの税金を使ってきたのである。そうして、銀行に「借金棒引き」や「債権放棄」などをさせて、背後関係をうやむやにしたのである。即ち、「借金棒引き」というのは、別の言葉で言えば「マル棒引き」(暴力団の借金はなかったことにする)ということである。このようなことは、1995年の住専処理からずっと行われてきたのである。

上記の2について説明すると、これも私は、これまで自分の目で何度も見てきた。その最たる例は、脳梗塞で寝たきりの人間が、銀行の裁判で数億円もの支払い命令を受けた事実だ。その衝撃的な裁判は、UFJ銀行(旧三和銀行)とモルガン・スタンレー投資銀行東京支店を立ち上げた、デイビッド・フィリプス氏(日本名:杉山哲)の妻・杉山あきさんとの間で、7年にもわたって争われた。ここでは、その詳細は書けないが、UFJ側が行ったことは、まさに犯罪行為である。まず、脳国速で入院中のフィリップス氏に無断で妻・あきさん(口座名:杉山明子)の口座を作り、その後、フィリップス氏の預金を移し、さらに勝手に6億円を貸し付けるなどして利益を上げた。もちろん、書類も印鑑もすべて偽造であった。

しかし、東京地裁(春日道良裁判長)は、2003年の判決で、UFJ側の主張をすべて認める判決を下した。私は、杉山あきさんに取材したが、この裁判で財産を失うことになった彼女は最後に次のように言った。「何年もかけて裁判をする必要などないと思い知らされました。日本は法治国家ではなく、ただ諸外国に対してそう見せかけているだけなんです。」

これまで、日本の金融裁判は、ほぼ100%金融機関側が勝つように仕組まれてきた。これは、大銀行から中小金融機関まで、全部そうである。何故そんなことになるかと言えば、それは、金融機関が「人」にお金を貸すのではなく、「ハンコ」と「書類」にお金を貸してきたからである。そして、ここにつけ込んだのだが、ヤクザ絡みの不動産屋や政治家たちだったのだ。

上記の3について説明すると、これも酷いものである。国や地方自治体は、許認可一つで業者を選べるから、そこを通じて賄賂やキックバックが発生する。そして、その結果、日本の道路、公共施設などのインフラは、すべてその分が上乗せされ、あなたにツケが廻るようになっている。例えば、産業廃棄物の処理業者などはヤクザ絡みが多いと言われている。彼等はたいてい、地元の政治家と結びついている。そして、住民はその高いツケを払わされている。自治体から業者に支払われる費用は、国際的にみて非常に高い。また、日本の物価は、デフレが続いているにも拘らず、まだまだ高いのは役人たちが作った規制のせいである。サラリーマンが通勤時間が2時間以上もかかる郊外にマイホームを買わされ、住宅ローンでがんじがらめにされるのも、官僚が考え出した住宅政策のせいである。すべからく、こうした生活のための基本コストの高さは、つきつめれば、すべて泥棒たちの懐を潤すために、従順な日本国民が支払う税金が使われているからである。

上記4の一票の格差問題も泥棒システムの重要な要素となっている。自民党の大物政治家たちは殆どが地方出身で、簡単に言えば、都市住民が支払う税金を巻き上げるため、永田町に来ているのである。もし、この1票の格差が是正されたら、彼等は殆どが落選するだろう。ところが、日本の司法は泥棒とグルだから、これを違法とする判決を決して出さない。彼等は国民を守っているのではなく、泥棒たちを守っているのである。

上記5の臆病で勇気ゼロの大手メディアについては、日本が「泥棒国家」になってしまったのは、メディアの責任も非常に大きいということである。日本の大手メディアは、国民の味方というより、どちらかと言えば、「泥棒たち」の味方なのではないか。日本の警察官僚で、1986年から1988年にわたって初代の内閣官房長官広報官を務めた宮脇磊助氏は、次のように述べている。「日経新聞は1995年11月になってようやく不良債権問題と暴力団の関係を取り上げ、その時は、私へのインタービューもありました。私の知る限り、不良債権を扱った記事として、日本の大手紙で初めて「暴力団」の文字が登場したケースです。しかし、海外に目を向けると、ニューヨーク・タイムズはその1年以上前に同様の記事を掲載している。言うまでもんなく、不良債権問題は日本の景気低迷の源です。その核心である闇社会との関係について、日本のメディアが目を背け続けているのですから、日本が景気回復に本気で取り組んでいないと海外から見られても仕方がない。また、取材する側はどうかといえば、経済部記者、なかでも、{財研(財政研究会)}という大蔵省の記者クラブは、新聞社でもエリートであり、各省にある記者クラブの中でも、大蔵省との癒着度が高い。大蔵省への批判を書けば、重要な人脈を損ねかねないということで、誰も書かない。これが日本の経済論調を歪めてしまった原因でしょう。私に取材を申し込んできた日本人の記者の中には、「「僕たち怖いんです。宮脇さんは怖くないんですか」」と正直に尋ねる者もいた。「「君たちはペンで生きることを決めてこの仕事についたんだから頑張って欲しい」」と、逆に励まさなければならないほどでした。」

一体、日本のメディアは何が怖いのだろうか?確かに、ヤクザにつながる闇社会の取材を続ければ、命を狙われることがある。私も実際、「カマボコにしてやる」と脅されたことがある。しかし、そんなことでひるんでいたら、真実の報道などできないし、まして、読者に対して申し訳が立たないだろう。日本のメディアの記者に言えることは、彼らの殆どがおしなべて、おとなしいとうことだ。もっと、言葉を悪く言えば、「チキン(Chicken)」即ち、臆病以外の何者でもないということだ。

たとえば、日本で行われる記者会見は、はっきり言って退屈極まりないものが多い。質問する記者たちは、まるで悪いことでもした生徒のように、おどおど話す。ともかく、会見場は静かで、一人でも秩序を乱すような質問をすると、同業者から冷たい視線が返ってくる。これでは、思い切った質問ができるはずがない。つまり、日本の記者会見は、一種の儀式であって、記者が、政治家や官僚たちと真剣に渡り合う場所ではない。パブリックサーバント(公共への奉仕者)であるべき、日本の公務員たちが自分の本当の雇い主を知らないのと同様に、日本の大手メディアの記者たちも、本当に奉仕すべき相手を間違えている。

日本の大手メディアが真実を報道しない理由のもう一つの原因に、記者クラブがある。かっては、記者クラブ制度により、政府の情報を大手メディアが独占していたが、1993年に日本新聞協会は記者クラブの新たなガイドラインを設けた結果、ロイター通信のような外国メディアもいくつかの記者クラブ(外務省や東京証券取引所)のメンバーになっているが、それでもまだ、日本の記者クラブは閉鎖的であり、そこで発表されたことが嘘であっても、そのまま垂れ流している。私が外国人プレスとして、日本の記者会見に出席するようになったのは、198年代後半からだったが、その時に見た記者クラブの雰囲気は、あまりにも情けないものだった。一言で言えば、誰一人として、自分がジャーナリストとして思ったこと、つまり、本当の質問をしないのだ。それは、彼らがいつも取材対象をべったりであるからだ。社会部の記者は警察とべったりで、そこから情報を貰う代わりに、会見では何も核心を聞かない。政治部の記者は政治家とべったりで、政治家のスキャンダルが発覚すると、それをまるで災難であるかのような質問にすり替えてしまう。つまり、日本の大手メディアの記者たちは、国民のためではなく、泥棒国家の支配者のために働いているのだ。

記者クラブの問題に関しては、いまだに海外メディアは開放を要求している。EUは日本との貿易交渉でこの問題を取り上げ、「記者クラブは情報自由化の貿易障害だから解放せよ」と要求している。しかし、日本側は、その根本問題を無視して、外国メディアの加盟社数を増やせばいいと考えているから、交渉はまとまらない。EUが問題にしているのは、記者クラブそのものより、日本の「情報空間」が外部に閉ざされていることにある。

この日本の「情報空間の閉鎖性」は、1998年に日本放送協会から出版された「外国人特派員;こうして日本イメージは形成される」の一節に、次のように端的に記述されている。

「結論を先取りすると、日本の情報空間の問題性は、情報の不足ではなく、情報に対する無責任性にあり、それは日本のマスメディアと主たる情報源たる政治家、官庁、警察などとの間に存在する、寡占的で非公式な情報制度に大きな原因がある。このようなマスコミと情報源によって作られた{情報秩序}は、報道される情報の信頼性を損ない、情報の{匿名性}を強める。さらに、業界関係者しかアクセスできない闇の情報空間が肥大するに伴って、公開情報空間が貧弱になるとう問題を生む。これらは、日本の対外情報発信にとって、いずれも重大な障害となっている」

つまり、日本の「情報空間」は閉じられているが、決して情報が不足しているわけではなく、記者たちが「匿名性」の中に逃げ込んでいるから、信頼性がないのである。つまり、記者たちが匿名で報道するから、権力側が嘘を発表しようと、なんら検証せずに、垂れ流せばすんでしまうのである。

アメリカのメディアは、匿名性に対しては極めて慎重である。ウオーターゲート事件のような報道を除いては、情報源は極力明示し、記事も殆どが記者の署名入りで書かれている。それは、メディアが常に、受けて対して責任を負っているからである。つまり、真実を報道するには勇気がいる。しかし、日本では「記者クラブ」と「匿名性」があるから、発信する側に勇気が必要とされないのである。そして、このことが、結果的に、大手メディアが「泥棒たち」と同様に、一般国民を見下すことにつながっているのである。マスメディアの記者たちが臆病で、勇気ゼロでも務まるのは、こうした事情があるからだ。本来、ジャーナリストとは、最も勇気のいる職業なのだ。

勇気がないところには、嘘がはびこり、嘘がはびこると公平性もなくなる。議員の学歴詐称問題なるものが、2004年1月末に突然騒がれだした。当初、この問題は週刊誌とワイドショーが中心となって盛り上がっていたが、その後、大手メディアが追随する形で報道を始めた。ところが何故か、一介の民主党議員である古賀潤一郎の学歴詐称には厳しく、当時の自民党幹事長、安倍普三の同種の問題は殆ど不問に付された。また、小泉純一郎にも疑惑が発覚したのに、厳しい追及は全くなされなかった。大新聞、テレビは、古賀のケースは連日大々的に報道したが、安倍と小泉の問題はほぼ黙殺した。安倍や小泉を最初に報道した週刊誌の記事は無視されたも同然となった。

しかしながら、詳細に検証してみると、「学歴詐称」という意味では、安倍と小泉の方が悪質である。何故なら、古賀は「卒業」とう大嘘を付いているが、Pepperdine Universityには確かに学部生(undergraduate)として在籍していた。ところが一方、安倍の場合は、University of Southern California (USC)側が「専攻はなく、取得したコースも{外国人のための英語}で、政治学は入っていない」と言っているのだ。アメリカの大学は学部生として入学する際、学科別に入学するというシステムはなく、また、日本のように学科別に合格者を決めるとうこともない。外国人のための英語コースとは、EST(語学研修)であり、日本で言えば「NOVA」のような語学スクールに過ぎない。

小泉もその経歴に「ロンドン大学留学」とあるが、実態は「遊学」である、わずか半年の在籍であったことが判明している。ところが、彼の場合は、首相として、例の「ぶらさがり会見」でお茶を濁して、その後は誰も追及しなかった。

まもなく7月ともなれば、日本全土が参議院選挙一色となるでしょう。天下分け目の戦いなどと前評判がかまびすしいですが、本当に国家、否、国民を憂う政治家とその集団が日本の政治を主導する時代を見たいものです。民主主義、デモクラシー(Democracy)では、主権在民が根本原則とされています。古来仏法では、民は国の親とも説かれています。政治家が偉い、官僚が偉い、金持ちが偉いというのは、最早時代遅れの考えた方であるという社会を創りたいものです。民衆が主人公であるとの認識が社会の隅々に行き渡って初めて、真の民主主義の社会が実現するのでしょう。

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以上、ベンジャミン・フルフォード氏の主張の一部のみ紹介いたしました。是非、多くの日本人に読んでもらいたいものだと思っています。

彼は、生まれはカナダですが、日本滞在も長く、日本に愛着もあり、真実を伝えようとしているようです。最後に巻末付録として掲載されている、「愛する日本よ、どうか早く立ち直って欲しい」とのタイトルの彼の講演録の一部を以下に紹介しておきます。出身校の上智大学「マスコミ・ソフィア賞」による特別賞を受賞した際に日本語で行った記念講演(2003年5月10日)及びその後の各種講演、日本のメディアによるインタービューなどを編集したものです。
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何故、日本の「闇社会」に興味を持ったのか?

私がマスコミに入ったときは。日本のバブル時代でした。もし私が金融に入っていれば、年収が億の仕事もありましたが、それよりマスコミの仕事を選びました。「ヤクザリセッション」の著者として、一番象徴的なことをお話しすると、それはやはりバブルのときに起こった地上げのことになります。当時は、まだよく分かりませんでしたが、何故か日本の法律はヤクザに対しては機能不全に陥っていて、弁護士の代わりに、みなヤクザを使っているということがありました。特に不動産関係は、みなそうでした。こうした闇社会(アンダーワールド)はどこの国にもあり、その国の人間には当たり前のことでしょうが、外国人には驚くことが一杯あります。例えば、日本のどこの町にもパチンコ店があります。産業規模から言えば、日本の自動車産業より大きいのですが、日本の法律に照らしてみると、実は違法なんですね。では、違法にも拘らず営業しているのは何故でしょう?やはり、警察の天下りがそこに入っていることが分かってきました。警察が構造的にヤクザに天下る姿があるんですね。

ソープランドもそうです。風俗関係もそうです。一応違法ですが、みなおおっぴらにやっているのが実態です。あまりにも古くからやっているせいか、構造的なもので日本人には腐敗だとかそういう意識がなく、もう常識になっていて違法という感覚がないんです。しかし、警察とヤクザの関係は、大きな問題です。そして、徐々にですが、マスコミも政治家も官僚もヤクザと関係があるということが分かってきました。


不良債権の裏にヤクザがいると、日銀は知っていた。

1992年から、日本は構造不況に陥りました。バブルが弾けてみると、その裏には何があったのかが浮き彫りになりました。その一つ、当時で一番大きな問題は、住専問題でした。私はその当時、「英文日経」にいました。その当時は、あらゆる新聞が、住専、住専と色んなことを書いているのですが、どれもあいまいな表現で、「借り手責任、借りて責任」と言っているのですが、私にはピンときませんでした。それで、これば何だろうと思って、探ってみたら、みなヤクザなんですね。大蔵省の幹部が天下った会社が、何兆円ものお金をヤクザの経営している会社に貸している。他の会社が不動産にお金を貸してはいけないときに、住専だけが特別にやってもいいような例外になっていた。何故、大蔵省とつながっている会社が、不動産に投資をしてはいけないときに、ヤクザにお金を貸しているのか不思議でしようがなかったわけです。

そこで、取材の基本というか、このことを日本の責任ある人間にコメントを出してもらわないと記事が書けないので、日本銀行を取材することにしました。しかし、いきなりそんなことを聞いても答えてくれるわけがない。日本銀行の調査部にヤクザと住専の関係を取材したいと言ったら門前払いを食い、まずあってもらえない。ですから、考査のあり方とか、これからの改善策について是非聞きたいと言って、会ってもらったのです。

優しい質問で、一生懸命持ち上げてから、「ところで、住専の貸し出し先は、ヤクザの企業舎弟ですか」と聞いたら、「はい、そうです」とあっさり言った。私もびっくりしました。

これは、また別の取材ですが、住専は不良債権の一部に過ぎず、日本全体の不良債権が約200兆円もあることを聞き出しました。しかし、日本の新聞が伝える公表された数字では、その10分の1にもなりませんでした。

そこで、私はまず住専の裏側にヤクザがいるという記事を「英文日経」に書きました。そうしたら、外国のマスコミが一斉に書き出したのです。ところが日経本紙は、「ニューズウィーク」によれば、「住専の貸出先はヤクザである」と書いたんです。「ニューズウィーク」の記事は、完全に私の記事と同じ人に電話取材して書いた焼き直しでした。だから、私は怒ったんです。何故先に自社の記事で出たのに「ニューズウィーク」によると、と書くのかと。もっとも、それで私は、編集局長奨励賞をもらいました。5000円しかくれませんでしたが。

その後、私はまた編集局長に呼び出されて、「今後は二度とこのネタで書かないでください」と言われました。このことには、本当にびっくりしました。住専は明らかに自民党幹部とヤクザが絡んでいる。その証拠はいくらでもあった。これをキチンと書けば、国民も何が起こっているのかが分かり、税金で救済するなんていうことは起こらなかったでしょう。そして、それをきっかけに、日本の不良債権処理は進み、日本経済が「失われた10年」を続けるなんてことはなかったのです。あのとき、一気に処理してしまえばよかった。

だから、今の日本は、解決できたはずの問題に、未だに悩んでいるのです。日本では、いつも本当の責任が追及されません。これは、今でも大きな謎です。バルブ以降、色んなスキャンダルがあったのですが、確実に最後まで詰めない。いつも肝心なところに行く前に、話が消えてしまうのです。


日経自身も大きな闇を抱えていた。

日本では、すべてのスキャンダルが途中で切れてしまう。肝心の人物が行方不明になるとか、あるいは自殺するとか。みな不自然です。要するにこの連続です。だから、マスコミの責任も非常に大きい。どうして日本のマスコミは、取り上げないんだと思っていたら、いま騒がれている日経新聞のスキャンダルで、その謎が解けました。マスコミ自身もヤクザに汚染されていたのです。

日経の子会社でTCワークスとう会社が96億円ほどヤクザにお金を回していた。日経もこの事実を認めている。それで、鶴田社長の首が飛びました。しかし、何故日経がヤクザに96億円も支払ったのか、その理由がよくわかりません。スキャンダル発覚は、みなさんご存知のように、大塚さんという日経の部長が鶴田社長を告発したからです。

イトマン事件のとき、大塚さんが日本新聞協会賞を受賞しました。彼は鋭い記事を沢山書きました。ヤクザからの脅迫に耐え、それでも記事にした彼のジャーナリスト魂は立派だと思います。しかし、その後担当が替わって後の日経の記事は、全部骨抜きになっていました。未だに、イトマン事件の本当の意味は明らかにされていません。

私が基本的に言えることは、あの事件の裏にあるのは、住友銀行が山口組に乗っ取られたということです。イトマン事件の裁判では、日経の役員に1000万円支払ったという証言も出ました。要するに、新聞のトップも汚染されている。日経は建前上、警察にこのTCワークスの事件を任せました。あくまでも、子会社の社長が悪いことにしようとしていますが、警察の調査は、恐らく先に進まない筈です。恐らく、手形詐欺ということで、このスキャンダルもうやむやに終わるでしょう。

話は、日経に限りません。日本の大手メディアは、多かれ少なかれ、書かないこと、書けないことを一杯抱えています。そして、政界、官界、財界と同様にヤクザに汚染されているのです。


ヤクザとの構造癒着が国民のお金を巻き上げている。

あのバルブのときに、ヤクザの力が非常に大きくなった。何故でしょうか?不動産は昔から彼らの得意分野で、大量の資金がそこに流れからです。そして、彼らから政治家にも、官僚たちにも大量のお金が流れたんです。ところが、バルブが弾け、すべてが逆回転を始めると、政治家と官僚は権力を使って、自分たちとヤクザの関係にフタをしてしまったのです。スキャンダルを暴かれるのが怖くて仕方なかったからです。

そのツケを今、日本の国民が税金で払わされている。本来なら、このツケは癒着していた人々自身が払うべきです。それが、彼ら自身が、構造改革の一つとしてずっと唱えてきた「自己責任」ということに他ならないからです。

りそな銀行にも足利銀行にも税金がつぎ込まれました。資本主義の本来の姿から言えば、これらの銀行は倒産させるべきです。そうして、残った資産を整理し、国民にお金を返すべきです。それができないなら、これらに拘った人々はみな犯罪者だから、牢屋に行くべきです。しかし、不思議なことに、誰も謝らない。こんなペテンが一体いつまで続くのか?私は、この国でよく革命が起きないなあと感心しています。


日本の不良債権問題は経済問題ではなく政治問題である。

不良債権にどれくらいヤクザが絡んでいるかというと、米国大手証券会社がCIAとかFBIの人を雇って、日本で不動産を買おうとしているですが、この人たちに直接インタビューしたところ、日本の銀行による不動産売買において、5割程度はヤクザが関係している、即ち、日本の不良債権の約半分はヤクザが絡んでいるということが判明しました。もし、これを真正面から処理すると、自分たちが汚染されている事実が表沙汰になるから、自民党はなにもできない。かれらの利害と国民の利害とが対立しているのが実情です。

即ち、日本の不良債権問題は、経済問題ではなく、極めて政治的な問題なのです。何故なら、経済学的に処理することは簡単だからです。不良債権を認定・確定し、それを整理分類し、裏にある担保を売って、バランスシートから外せばいいのです。ところが、この体力が、現在の日本の金融機関にないので、税金とう形で国民から巻き上げようとしているわけです。

しかし、それにも限界があり、いつまでも続かない。国は国債を発行して、借金に借金を重ねている。これを誰も止めようと言い出さないから、やがて、恐ろしいことが起こる。いくら日本人が先送りが得意だといっても、先送りでは問題解決にはなりません。

やるときには思い切ってやる。その勇気さえあればいいのです。臆病では何も解決しない。勇気を持った解決には、日産自動車や韓国経済を見れば分かります。また、日本には、トヨタとかキャノンなどの健全な優良企業があります。このような健全な部分は日本の7割であり、残りの3割が政治・官僚・ヤクザと癒着した不健全なわけです。この不健全な部分を手術する必要がある。しかし、今の自民党政府には、これができません。


わずかな望みは1票の格差是正にある。

小泉改革がペテンであり、日本がいつまでも改革できないもう一つの理由あります。それは、裁判が汚染されているからです。特に最高裁です。

どういうことかというと、1票の格差が5対1までは憲法に違反しないとう判断をしていることです。どんな人間の常識でも、1人がイコール5人とうことはありえない。ある選挙区では1万人で1人の議員が当選し、別の選挙区では5万人で1人では、最初からハンディキャップ競争をしているようなものだ。これでは、小学生でも民主主義ではないとわかるはず。それを最高裁は問題ないと言っている。当方もないペテンです。

このペテンで何が起こるかというと、経済効率の悪い寄生虫みたいな田舎の方が権力を持っていて、大都会で実際に日本経済の基盤になっている方に権力がないという結果になっている。日本の農家の平均収入は900万円ですが、平均生産高は300万円。要するに殆どが、大都会からお金を貰っている構造になっている。地方は大都市に寄生し、その地方で不要な公共事業を行い、投入された税金をヤクザと山分けしているのが、今の政治家です。こういう構造のため、日本ではたった3割の腐敗した部分を代表する政党が政権を握り、できもしない改革を叫んでいるのです。

このような政権が続いている限り、国民のための本当の政治は実現されない。この1票の格差問題さえなければ、今問題になっいる多くの問題の大部分は解決されるでしょう。


深刻な少子化問題、このままでは日本は破産してしまう。

少子化問題というのは、これから働き手が減少し、経済が縮小に向かうということです。しかも少子化というのは、この国の家庭から兄弟や叔母さん、叔父さん、いとこ、姪といった家族や親戚がいなくなってしまうという恐ろしいことも含んでいるのです。もし、家族に1人しか子供がいず、その子供が同じように一人っ子と結婚し、また1人しか子供をつくらなかったら、その子には、兄弟も、叔母さんも、叔父さんもいないことになります。これでは、家族も親戚も崩壊です。

そして、年金問題ですが、これは国家によるねずみ講です。社会を支える下がいなければ、上にはお金が入ってこない。だから、日本の年金システムは、どうやっても崩壊します。であるのに、年金改革と称して国民を騙している。これでは、国家はヤクザより、さらにタチが悪いと言うしかありません。

私は、このままだと日本は破産してしまうと警告して歩いていますが、エコノミニストたちは勝手なことばかり言っています。彼等はいくら不況だろうと、経済がある限りリストラされません。だから、そんな人間の言うことを信じてはいけません。日本の破産がいつ来るか、アルゼンチンの二の舞になるのはいつか、それはもう目前です。日本人が戦後半世紀にわたって蓄えた富がまだ残っているから、それが底をつくまで、政府は知らん振りをして先送りをしている。日本の政治家は老人が多いから、自分たちが生きている間にこなければいいと思っているだけなのです。

マスコミの方々は勇気をもって、問題の本質を暴いて欲しい。少し叩けばすぐに埃がでる政治家はいくらでもいます。小泉首相ですら、私は二つの筋からヤクザの組織と繋がっていると聞きました。一人は有名な総会屋、もう一人はヤクザの組長から聞きました。小泉首相は産業廃棄物業界との癒着が実証されています。彼のどこが改革者なのか。日本国民はみな騙されているのです。私には取材の限界がありますが、日本のマスコミの人間なら、いくらでも裏が取れるはずです。何故、日本のマスコミはやらないのか。いくらでも拾うものがある。そんなに難しい問題ではありません。勇気さえあればできるのです。


私が殺されれば本はベストセラーになる?

ただ、怖いのは怖い。しかし、臆病になっていては、問題は解決されません。私も直接脅かしを受けたことがあります。カマボコにするとか言われました。また、サハリンでは、ロシアンマフィアに本当に暗殺されそうになりました。そういうのは、怖いのは怖いですよ。

でも、そういうのに媚びると向こうの思う壺なんです。結局、ああいう連中は、陰でやらないと力がない。だから、明かりをつければ消えてしまうのです。ただ、私より先輩の外国人ジャーナリスト、ロバート・ホワイティングが「東京アンダーグラウンド」で書いているように、ロッキード事件のとき、日経新聞の記者が不可解な死に方をしていますが、何者かに殺されたのは間違いないでしょう。

ですから、私は、これ以上は進めません。それから、私の本の担当者はヤクザより非情です。私が書きすぎて殺されたらどうすると聞くと、「その方がいい」と言うのです。何故なら、その本は間違いなく大ベストセラーになるからです。

明治時代を創った日本人は素晴らしかった。フルフォード家は、その時代から、この東洋とは繋がりがあります。また、私の祖父はビジネス界からカナダの国会議員となり、戦前の排日移民法には、カナダの連邦議会でただ一人反対した人間です。

私自身もまだまだ日本に惹かれているので、早く、ずる賢く悪い連中を排除してくださいという気持ちで一杯です。
みなさん、どうもありがとうございました。

資料元:光文社発行「泥棒国家の完成」ペーパーバック
    ISBN4-334-93332-7
C0033 定価(本体952円+税)

    Kobunsha Publishing, Ltd. 1-16-6 Otowa, Bunkyo-ku, Tokyo, Japan
http://www.kobunsha.com




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