ヨーデルヨーデルヨーデルヨーデル~♪
何だか最近「妖怪ウォッチ」の歌が頭から離れなくなってしまってるため、つい出だしでも使っちゃいました。
別にアニメを見てるわけでもゲームをしてるわけでもないのにな・・・恐ろしや恐ろしや。
さてはて、んなことは置いといて本日ようやく話を1つ書き上げることが出来たのでUPしました。
とはいってもこれって、いつもお世話になってる魔人さんにリクされて前回UPした「命がけ~」の続きを考えてる最中、ふと浮かんだものだったりするのですが・・・。
番外編みたいなものですので、前回のがまあまあ楽しめたという方以外はスルーしてくださいませ。



難攻不落な教師たち



「お願いします、ラブモンさん。私にはあの3人を堕とすなんてとてもじゃないけどムリなので、どなたか他の攻略対象の方を教えてもらえませんか?!
この際難易度は高くても構いませんから。」

現実逃避をやめた途端そんなことを叫んで、何もない空間に向かってこれでもかというくらい頭を下げるキョーコ。
彼女がそういう行動をとるのは当然かもしれない。
生死がかかったゲームでわざわざ攻略しやすいキャラを教えてもらったというのに、3人の内2人は因縁の相手だから除外し、残る1人も自分ごときがどうこう出来る相手ではないと初っ端から対象外扱い、とまあ見事に己の都合でせっかくの好意を無にした上さらにムシのいいお願いをしているのだから。
図々しいことは承知の上で不利な状況を打開すべく必死に頼み込むキョーコに、それまで黙っていたラブモンは聞こえよがしにため息をつきながら言葉を発した。

『そこまで言うなら仕方ないな。分かったよ、他の攻略対象を教えてあげる。
とは言ってもあと残ってるのは教師くらいで、彼らは職業柄かなり攻略しづらくしてあるからそのつもりでいるようにね。』

そう前置きした彼は、攻略対象の情報を話し始めたのだった。

『まず1人目は、“見た目も中身もワイルドそのもの。野性味溢れるひげがトレードマークの、男子生徒たちにとっては頼れる兄貴分”こと黒崎先生。
この人は大人の付き合いが出来ないようだったら相手にもされないので、攻めるならそのへんを考えた方がいいよ。』

「ふんふん、黒崎先生・・・ってそれはもしかしなくても、黒崎潮監督のことよね。
うわぁ、あの人も攻略対象なんだ、手強そう・・・ところで、1つ気になることを聞いてもいいかな?
今言ってた黒崎監督が望む大人のお付き合いって、一体どういうものなの?
それってもしかして、キスをするとかなのかしら・・・。」

問いかけておいて自分の憶測に顔を赤らめるキョーコ。
そんな彼女の疑問には答えぬまま、ラブモンは話を続けていく。

『・・・次の2人目はこの人、“ちょっとタレ目だけど、そこがいい。気負うことなく話が出来ると大人気”の新開先生。
彼は人懐こい性質で攻略しやすいんじゃないかと勘違いされがちなんだけど実は策略家な一面があって、常に笑顔で罠を張ってたりするから気を付けるようにね。』

「はい?策略家とか罠って何?新開監督は確かにいつも笑顔だけど、そんな病んだ人物じゃないわよ?!
いくらゲームのキャラだからってそれはあんまりなんじゃ・・・というか、その設定はどうなの?!
だってそれじゃ近寄ることすら困難極まりないってことよね?
そんなんでどうやって攻略したらいいわけ?!」

『だから最初に言っといたじゃないか、あとは攻略しづらいってさ。
ほらね、やっぱ始めの3人にしといた方がいいでしょ?悪いことは言わないから、彼らにしときなって。』

よかれと思い口にした自分の助言に対し即座に首を横に振られたラブモンは、再び聞こえよがしのため息をつくと説明を再開した。

『やれやれ、じゃあ3人目ね。この人は、“儚げな外見は可憐という言葉がピッタリ。その容姿ゆえに本気で堕ちる男子生徒が急増中”という同性キラーの緒方先生。
この人物も一見攻略しやすそうに思えるんだけど、彼には触れちゃいけない禁忌の言葉っていう厄介な設定があって、それを言ってしまうといきなり豹変するダークさを持ち合わせてたりするので実際は難易度MAXなんだ。
ちなみにその言葉とは彼の“偉大なお父さん”に纏わるものらしいんだけど、その都度変わるから細心の注意が必要かな。』

「同性キラーって・・・まあ、緒方監督ならあり得るからこの際はいいわ。
そんなことよりも、豹変って何?!お父さんのことを言われて過呼吸になってた監督が、まさかここでは敦賀さんみたいな魔王にでもなるってわけ?
いやいや、それはダメでしょ!魔王は1人で十分、何人もいらないからっ!!」

『彼がどう変わるかについて知りたければ、自分の目で確かめてみればいいよ・・・すごく簡単に見れるだろうから。
ところで、以上で主だった攻略対象の説明は一応終わったんだけど、どうだい?
本当に教師陣の方で挑戦する気?』

「・・・・・・・・・。」

先程まで色々と叫んでいたのが嘘のように、ぐっと口を噤んだキョーコは黙り込んでしまう。
その表情からは迷いが窺える。
しかし付け足された次の言葉を聞いた途端、彼女の迷いはきれいさっぱり吹き飛とんでいったのだった。

『あっ、そういえば1つ説明し忘れてた。実はこのゲームには主要の攻略対象以外にレアキャラというのがいてさ、このキャラは1回でも会えれば好感度をMAXに出来るから即クリアも夢じゃないんだ。
その人物とは、"怜悧な容貌に反して機械との相性が最悪。いつも何かを壊しては怒られている"事務員の社さんだよ。
彼はしょっちゅう物を壊しては修理に駆けずり回ってるか、もしくは仕事で忙しくしてるからまず遭遇しないけど、どうしても他がイヤなんだったら狙ってみれば?』

これにより社に狙いを定めたキョーコだったが、そのために行動した結果攻略しやすいキャラたちの目に留まり、挙句彼らの執拗なアプローチを受けるハメになってしまったのは自然の理というか、必然以外の何物でもないのかもしれない・・・。



おわり



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