<1>  <2>

同居人の話と、目を疑うべき話(Re ver)        とリンクしております。


 ――だぁぁ、やっぱり来たぁ!
 雷火を迸らせる魔法陣が走る端から地面に出現し、瓦礫を更に細かくする。
 それは良い、瓦礫を避けるより舗装が剥げている方がまだマシだ。
 問題は、それらが全てバイクを狙っているということ。しかも、増えてる。


【EMERGENCY CALL!ーAVOIDー】


 ――避けれるかぁ!
 脳裏を過ぎるコードに本音をぶちまける。それでも止まることも出来ない。
 最短ルートはこのまま真っ直ぐ直線、しかしそちらには魔法陣を出現させてるだろうやや太った鳥と、それを守るように武器を構えている鳥系ダーカー。後ろからも嫌な足音が聞こえてる。
 幸い隣には公園――ビルとビルの間に設置されていて、鳥達にとっては死角――がある、遠回りになるがそちらへ逃げて距離を取るべきか。いやそれすらも罠であったなら。
《止まるな走れぇ!!》
 思考しつつも三度の雷火を紙一重で避ける彼に、突然の通信。
 迷いを叱咤する、明らかにこちらへ向けられたそれ――魔法陣を展開させた鳥が、真上からの雷に叩き落とされる。
 陣が消失――武器持ちの鳥が振り向き、細長い物に横薙ぎに吹き飛ばされる。
 アークス、それもかなり戦闘慣れした者の武器を無意識に確認したのは、職業病というよりも単純に疑問からだった。
 両手剣にしては細い、しかし槍にしては先端が丸い――更に先ほどの雷は明らかにテクニック。
 そこから導き出される答えは。
 ――杖ぇ!?
 驚愕の間に《ロッド》が輝き、炎の追撃。姿を見せた長身褐色肌の女性――落ちた鳥をそのまま撲殺。撲殺した丸い部分とは反対側――鋭い方で背後から迫る鳥を刺し貫いて焼き殺していた。
 ――……あんなフォース、俺知らない。
 格闘系フォースなる、未知との遭遇に驚く間もなく、そちらから駆け抜けてくる双機銃持ちの少女。瓦礫の山を駆け上がって、上空からのフルオート――彼のすぐ後ろ、背後まで来ていたダガン達へ正確射撃。
 安全を確保しつつ、誰も干渉していない上空のフォトンをどんどん弾丸に変えて撃ち続けるその姿はまさにガンナーの戦闘スタイル。
 ――俺の知ってるガンナーの姿だ。
 訳も分からぬ安堵を覚えながら上空で射撃を続ける少女の下を真っ直ぐ抜けて、
《私達が引きつけるから、貴方はそのまま広場へ!!》
 先程とは別の通信、恐らく今すれ違った少女からの。
 その時には、横手の公園はとっくに通り過ぎていて。
 ――ええい、ままよっ!
 彼は覚悟を決めて、アクセルを踏み込んでいた。
 未だダーカーの群がはこびる、けれどその隙間から微かに見える目的地へ向けて。



 バサリ、広がる赤い髪、ひらめくスカート。
 倒れかけていたアークスを蹴り飛ばし、嘴を大きく広げた鳥の咥内に銃を突っ込み、トリガーを引き。
 銃声、最後の痙攣と同時に消滅するダーカーを一瞥すれば、笑い声と共に次の獲物を探し駆け出す。
 そのまま曲がり角へ。
 カチリ、閃く居合い斬り、汚れ知らずのドクロ仮面。
 背中合わせに戦っていたアークスに一言告げ、蟻地獄の領域に迷わず
突っ込み、ビット達を切り裂き。
 悲鳴、巨大な核を晒すグワナーダを興奮も愉悦も覚えぬままに倒し、素早く次の敵を探し駆け出す。
 そして曲がり角で。
 銃と刀を向ける寸前で相手に気づき、二人とも目を見開いた。
「これはこれは」
「ご無事で何より」
 対照的な戦い方をしていた二人、けれど背中を預け慣れた相手に自然と笑みが浮かぶ。
「全く今日は厄日だったけど、最後は笑って終われそうだ」
「ですねぇ。ただ――あなただから素直に言いますが、個人的には中々刺激的でした」
「……流石だよ、僕は今振り返るとちょっと悪いことしたなって反省してる」
 そんなことを言いながら、互いが来たのとは更に別の方向へ向けて、共に駆け出した。


 

 戦況は、正史と呼ばれるものから完全に離れていた。
 出会うはずのなかった人達が出会って、持てなかった武器を持って、築けなかった連携の中で。
《一般人の避難、完了しました。あんな状態だったのに、本当にすごいですよ!》
《これより転送装置から武器、物資の転送を開始します。アークスの皆さん、必要に応じて利用してください》
 留まり澱む筈だった流れはどんどん加速を続けて、乱打で終わるはずだったテンポは最高潮(クライマックス)へ。
《上々だ。だが、油断するな。まだ敵は残ってるぞ》
 この歴史改変の、一番の山場(クライマックス)へ。
《研究室からの情報です。襲撃直後よりG3周囲にいる三体の大型エネミーは有翼系ダーカーの新種、まだほとんど情報のないアポス・ドリオス》
「だうと」
 諷雫を抱えて走るキャストの隣を併走していたくーちゃんの、呟き。
 純然たる事実に一滴だけ盛られた嘘。『最初から』はいなかった。
『なら何でそんな嘘を吐かないといけないのか』
『通信障害前から気づいてたけど、通信障害のせいで戦闘員に知らせることが出来なかったと言いたい? みーちゃん疑問符』
『嘘を吐く必要がそもそもないからね。出現と同時にデータがあるって言えば良いだけじゃない』
『ただその嘘なら、通信障害中に通信官には報告できる』
『何故そこまでして知らせたいんだろうね』
 もはや答えに気づいているだろう言葉に、童女は振り返る。返答は肉声だった。
「通信障害がなくなった瞬間、そこへ向かわせたいから」
 詩に集中していた諷雫の目が、開かれた。
 つまり研究室――虚空機関は。そこを統べるあの男は。
 そこへ可能な限り多くのアークスを向かわせたいのだ。
 正史においてたった一人の少年を追いつめ、自爆した、彼のダーカー達の元へ。
 ならば狙いは単純明白。
『つまり、アークス沢山来た所でドカン、だね!』
「――やらせるかぁ!!」
 ――それはあんまりにもあんまりなちゃぶ台返しだよ!
 ――無粋すぎる! 楽しいパーティに持ち込み可能なのはクラッカー(大砲)までだよ!
 くーちゃんの咆哮が、フォトンのはじき出した音が、諷雫の詩が、たった一つの事象となって顕現した。
《ぴ、PSEバースト!? 嘘、そんな場所で!?》
 白夜もかくやという明るさが、市街地の一角を包み、多くのアークス達の行く手にダーカー達が炙り出された。
 しかしそれだけではくーちゃんは止まらない。
「フォトンブラスト、ケートスプロイ?」
「う、うむ」
 トラヴェルガーを見たまま、くーちゃんは全体通信を繋げていた。
《『フォトンブラスト、チェイン願います』》

【EMERGENCY CALL!ーUNITEー】


「――あいわかった!」
 諷雫を抱き抱えたトラヴェルガーのマグが、瞬いた。
 それは、バーストの光に決して滲まぬ燐光。
 その青に、一人、また一人と足を止めて後に続く。ダーカーの群に対抗できるフォトンを揺らす魚が群となって、泳ぎ始める。
 その行為自体は、よくある光景だ。
 けれど今わざわざくーちゃんがそれを謀ったのは、諷雫の為だ。
 諷雫は、空気中に溢れるフォトンを大きく吸い込んだ。
 ――私は豊かさを知り、より多くの豊かさを得る。
 ――現在使用しているテクニックのエネルギーを維持しつつ、コンバートを実行します。
 ――舞踏会を武道会へ、ノンチャージ支援から攻撃へのチャージへ転じます。 
 


 広がる視界、けれどヴァントには『そこ』はとても窮屈だった。
 面倒な説明を必要と思うことだけ聞きながら、状況を省みる。
 知るべきことは全て知った、打てる手は全て打った。浮かび上がる映像、景色、戦況――被害としては甚大だが、最悪には至っていない。
 目指すべき場所にいる者達へと意識が向く。
 銃剣を持った椿が叫んでいる――いや、あれは怒鳴りたいのを我慢している。やらかしたのがヴァントだと知って苦笑が剥げる直前の表情と酷似している。
 その怒りを察しているのはラピピ。怒らないでという顔をしながらも雑魚に足を取られている。これがただのアークスやサポートパートナーなら終わってから特訓漬けを考えるが、ラピピ相手だとよく頑張っていると周囲からすれば耳を疑うようなことを思ってしまう。
 その分マンルーンにまた稽古でもつけてやろう。今はマシになっているが、乗り込んだ直後に確認した彼女の動きは持ち味が全く活かせてなかった。活かせるだけの連携が出来ていなかった、とも言えるが。
 いや、自分の考えをヴァントはすぐに改めた。
 ヴァントは何が起こるか知っていた。彼ら彼女らは何も知らず、それでも――ヴァント達の指示があったとは言えど殆ど個々の判断で――ここまで辿り着いてくれたのだ。
 自身のサポートパートナー、リリィにアポス・ドリオスが迫る。インファイト――接近戦という弓使いにとって最悪の間合いに攻勢に転じられていなかったが、腕も腹も足も負傷していない。
 何より、その表情。
 ヴァントは他人の表情の機微を察せられないことが多い。親しい人間であっても、見慣れた表情でなければ分からない。
 けれど、リリィは。
 初めて会った時、彼女は酷い表情をしていた。泣きっ面で、涙と鼻水で顔中真っ赤になっていた。真面目な、実際はやせ我慢をした蒼白の表情を見せたかと思えば怒り出し、一度離れた後には酒に酔っぱらっていて、そこで初めて笑顔を見た。
 一日の間でそこまでコロコロ表情を変えた彼女の表情の機微だけは、ヴァントは読み違えることはない。
 彼女は状況に苛立っていて、インファイトに焦っていて、けれど諦めてはいない。ひたと標的の攻撃に注視し、少しでも距離が取れれば弓を構え、自棄にならず動いてくれている。
 ――これで連携まで求めるのは御門違いだな。
 その場にいる者が指摘するのは許されるが、ヴァントには許されない。出来るのは時間を稼ぎ、最後の瞬間に備えることだ。
《クーガ、状況は?》
《あと一分保つか保たないか、流石に三次会までで帰るのが大半》
《ほぉ――お前、今日どの程度ダーカーを狩ったか覚えているか?》
《みぃ?》
《俺は覚えてない。それだけ、殺した。お前はたかがPSEバーストを起こした程度で俺と張り合えると思ってるのか?》
《……。――あ゛ぁ?》
 決して童女と呼ばれる存在が上げてはいけない、けれど童女特有の拙い声で発せられた濁音が合図だった。
 虹色の輝き。
《上等だオール覚悟せいやぁ!!》
 ――よし。
【クロスバーストを確認。うん、ここまでやってくれれば十分だよ】
 フォトンの乱舞、観測を乱しに乱す不確定を総動員した状態。今ヴァントの乗っている『機体』など、その中では取るに足らない要素になった。
【さぁ、ヴァント、諷雫。最後の仕上げだ】
 その言葉に、ヴァントは再びモニターへ意識を向けていた。
 ヴァントの青い髪とはまったく違う白銀の、しかしヴァントを真似ているのかダボダボの放浪服を着た少年。
 付き合いはリリィより長いが、彼の表情の機微が分かるのは周囲の協力とヴァントの努力の成果だ。
 何をしでかすか分からない鉄砲玉、獣よりもバカみたいな行動や考えで突っ走ってしまう大事な弟分。
 一瞬だけ、彼の姉の最後が脳裏を過ぎる。
 大事な者を守る為に戦った彼女。今自分が背負うカグタチを形見に、逝ってしまった少女。
 ヴァントには『ジカンソコウ』などというものが何故出来るのかも、そこで求められていることも何も知らない。
 ただ、この瞬間を変えなければどうなるかだけが分かっている。
 ――同じ死に方をさせたら、流石に顔向け出来ん。
 間に合ったと言うのが正しいかは途轍もなく怪しいが、間に合わせてみせる。
 教えてないことも多いし、直させたいことは挙げればきりがない。
 ――まだ酒の飲み方も教えてないからなぁ。
 だから、返してもらう。
 奪われた、ユキナミの未来を。
 ノロノロと開始された前進、けれど搭乗者は地を駆ける獣のような笑みを浮かべていた。



 キャストとロボットの違いは何だろう。
 それはくーちゃんとみーちゃんがこの世界で活動することになってから抱えている研究テーマの一つだ。
 機械の身体でありながら、キャストはロケットパンチは打てないし痛覚もある。あくまで生体部分を機械に変えた種族、とされていてデューマン同様時々差別的な見方をされるらしい。
 ただそこは完全管理社会オラクル、情操教育もしっかりしていてそうした差別となりうる要素は可能な限り排除している。
 子ども向け番組の戦隊物では各種族が一人ずつ登場して、それぞれの持ち味を活かす脚本が練られている。
 そして、くーちゃんはビックリしたのだが、この世界には巨大ロボットアニメがない。むしろそれありきでキャストを見ていたくーちゃんが「何言ってんの?」と言われる始末。
 だから、想像すらしなかった。
 最初に気づいたのは、誰だったのか。禍々しい癖に無駄に装飾がなされた、有翼系ダーカーが作ったのだろうと誰もが確信している塔が突然出現して、危険を感じてダーカー無視で破壊作業に没頭していた。多分、くーちゃんが気づいたのは結構後の方だったはずだ。
 ゴツゴツのフォルムから、誰もがキャストだと思っただろう。砂漠地帯などでも安定して動けるような典型的なボディパーツ。しかし銃と剣という重量と使用するフォトンの性質の違いから同時に背負えないはずの武器種が視認出来るようになった辺りでくーちゃんとみーちゃんは疑問を覚えた。
 そしてそのキャストと思われた機体は市街地道路半分以上の大きさで、アークス達の頭上を箒星のような青い光の線を残して飛び越えたのだから。多くのアークス達が状況を忘れ、驚き、歓声を上げていた。
 マイペースが売りのくーちゃんもまた、その中に含まれていた。
「……きゃー!!」
 オラクルにおいて、巨大ロボットを見れるなんて!!
 そんな視線に気づいているだろうに、巨大ロボットは動きに躊躇いがない。踏みつぶせるようなサイズのダーカー達を巨大な剣で屠り、クーちゃん達にとっては大きくとも機体にとっては狭い道を正確に右へ左へ移動し。
 ――そこ、どいてもらえませんかね?
 なんて一言もなく、その機体はひび割れを起こし始めていた塔を、そこに群がるアークス達に接触することなく核であろう赤い輝きに銃で接射。
 その機体は、黒かった。
 その機体で見えなかった大通り向こうにいる『ニ機目』は、赤かった。



「しっかり掴まっておれ!!」
 今市街地を猛スピードで移動する局所型大型兵器――A.I.Sと似たようなフォルムのキャストが二人の女性に向かって叫び――超高層階から迷いなく飛び降りた。
 動揺の声、宙を劈く悲鳴―― 一切なし。
 当然だ、女であろうともアークス。それもベテランである二人は飛び降りた後の自分が取るべき行動とそれが出来なかった場合を考え緊張したとしても、起きた事象に戸惑い叫ぶなどという醜態を晒しはしない。
 とんでもない重力加速をフォトンを使ってやり過ごし、まず小柄な女性が跳んだ。目の前、エリアの境目に聳え立つ三つの塔に、赤と青の印が貼り付けられる。
 続いて長身の女性が宙を泳ぐ。重力を一切無視した特殊ステップと同時にチャージしていたテクニックを解放、炎系支援テクニックを発動して地面へと降り立った。
「ぬおぉぉぉ!!」
 両手が自由になったキャストが大砲を構え、撃つ。反動をフォトンで相殺しなかった代わりにビルに激突したが、重力をやりすごすことに成功。
 四十年前の大戦を生き抜いたキャストと彼のサポートの下一瞬の内に地上へと移動した二人を、地上で塔破壊に従事していた女性キャストと男性ヒューマンが笑顔と苦渋という対照的な表情で出迎えた。
「あらさっきぶりですわね」
「あんたらも来てたのか」
 出迎えながらも、手は止めない。女性キャストはウィーク弾は撃ち尽くしたがその分正確無比な射撃をし、男性ヒューマンも迷いなく紅玉のような核を短杖で叩き続ける。空中からの銃弾も止むことはない。
 けれど、圧倒的に火力が足りない。人数は倍以上になったが、塔に流れ込むエネルギー量は既に可視レベルにまでなってしまっている。
「これは、一度撤退すべきかしら」
「くっそ、隔壁も壊さないとなんねーのに」
「――いや、その必要はないよ」
「ただ、『避けれるように』しておいて下さい」
「「え?」」
 驚く二人を見ることなく、核を睨みながらも女性二人は通り向こうへ意識を集中させていた。
 最初に感じたのは、地鳴り。そして倒壊するのではと思うほどの、衝撃音。
 ブンブンと大剣を振り回し、曲芸師のようにビル群を蹴りつつ移動するA.I.Sを捕捉した男性キャストが、吠えた。
「ソラシズク殿、放て!!」
 真っ赤な太陽が、夜の市街地に浮かび上がった。



 その太陽は、完全なる球体ではなく、卵円形だった。
 イルフォイエを諷雫の中のイメージに紡ぎ直し、今までのチャージ分全てを凝縮した炎の卵。
 狙うは隔壁、塔三つ。
 既に体内のフォトンは尽きかけ、暴発するレベルまでに達している。
 それでも、ここまで溜めた。
 地上からでは見えない隔壁の向こう側に届くように。
 届いたって伝えきれないくらいの沢山の想いを込めた。
 ――迎えに来ました。
 攻撃のテクニックだからと言って、攻撃の意志だけではここまで保たせられなかった。
 憎しみや悲しみや怒りだけでは、持てる限りの力を出し切れなかった。
 ――私は、このセカイが好き。
 ダーカーがいるけれど、アークスもいるこの世界が好き。
 悲しいことがあっても、楽しいこともあるこの世界が好き。
 泣いても後悔しても、最後には笑いたいと思えるくらいに。
 フレンド達と旅するこの世界が、とても愛おしい。
 ――あなた達を、迎えに来ました。
 諷雫がいて、フーナがいて、マンルーンと椿と、皆がいるこの世界が大好き。
 リリィがお酒を呑んで笑っていて、ラピピが嬉しそうにリンゴを差し出してくれて、ヴァントとクーナとマトイが笑い合ってるこの世界が大好き。
 熱くて火傷しそうな位に、胸焼けしたって後悔しないくらいに。
 ユキナミとリユイが笑い合うこの世界が、どうしようもないくらい愛おしい。
「……これで、決めます!!」
 最後の一撃。

【EMERGENCY CALL!ーDUELー】


 太陽の卵を、落とす!
 ――私は詩になる、大切なセカイを愛する心を持ち続ける為に!! 
 ――紡ぎ直したテクニック、イル・フォイエを実行します!!
 炸裂したのは、炎のスクランブルエッグ。
 妄想でしか実現出来ないイメージそのままに、並び立つ塔と隔壁にぶち当たった瞬間に破裂し広がり、世界の敵を焼き尽くす。
 ピンク色の機体が、炎に構わず突っ込んだ。味方を傷つけない炎に舐められた壁が、吹き飛ぶ。
 その頃には塔は跡形もなくなり、力を送る先を失った鳥達は反動で倒れたのがはっきりと見えた。
 同時に、A.I.S二機が彼らに突っ込み、フォトンキャノンが炸裂。
 たった一人を殺す為に用意された未知のダーカー達は、それが致命傷となった。
 


≪PSO2プレイ小説一覧へ≫


≪トップへ≫




という訳で作戦終了です!

この話のテーマは「反撃」「希望」「エマージェンシーコール」。もう勢いこそこの話の命と思って書きました。別視点と比べても勢いが……あれぇ?

別場所でこの話を投稿する時は1、2、3と分けずに一ページに収めたいです(願望)。

 

Image:自然の敵P、じんさんの「チルドレンレコード」



<三つの視点を全て御覧になった方>

三つの視点は全て矛盾のない、間違いなく起こったことです。 

ある話では希望を、ある話では可能性を、ある話では繰り返される話を書きました。

「あっちだとこんな終わり方じゃなかった」「ここ説明してなかった」というのは各話の「テーマ」が異なる、ぶっちゃけた言い方をすれば「作者達の都合」というやつです。

もっと言えば「同じ出来事すら視点、情報が変われば全く違う見え方になる」というのを自分がとことんまで拘った結果というやつです。


自分達で作った無理難題を、自分達の首が絞まる思いで打開する話を書きました。

というか、六話分かつリンクしてる客人の話との調整に只管時間を割いていた気がします。

「なんでこんなことになってるんだよぉぉぉ!!(矛盾への絶叫)」

「待とう、設定メモ見返してみよう(矛盾に対して困惑)」

「そっちの方がカッコイイじゃないか採用!(矛盾による錯乱)」
必殺ブチ切れ、奥義ド忘れ、秘技ロジックエラー、そんな日々でした(・w・`)

執筆速度はそこそこありましたが、今回は完全にこちらが遅かったです。

(しかも別ジャンルにハマって読みふけるという浮気行為に走ったのは自分です)


ここからどんな結末が生まれるかは、エピローグとなるお話をお待ちください。自分は「目を開けて見るべき話(Re ver)」というタイトルで執筆予定です。



AD