2005年09月20日 15時28分52秒

『一握の砂』の「忘れがたき人人」二

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石川啄木の作品に出会ってかれこれ40年近くになります。

啄木のすごさは、晩年(といっても二十代半ばですが)に大逆事件に遭遇し、「平民新聞」に掲載された「資本論」抜粋訳や幸徳秋水の法廷陳弁書を読むことにより、国家権力の洞察が不可欠との結論に達していたことです。

それを念頭においても、何といっても啄木といえば『一握の砂』『悲しき玩具』の2冊に代表される3行書きの短歌でしょう。

彼の短歌の多くを私も暗誦していますが、2冊の歌集の全歌の暗誦を思い立って、手始めに『一握の砂』の「忘れがたき人人」二の22首を覚えてみました。

函館の代用教員時代に知り合った橘智恵子への想いを歌ったもので、妻子ある身でありながらという点を脇において読めば、恋の歌として実に心惹かれるものがあります。

暗誦のために改めてこの22首を何度も読み返すうちに、これまで気付かなかったことが見えてきました。

つまり、『古今集』からの伝統である、前の歌の語句に関連ある言葉を次の歌で引き継ぐ技法、これを、この22首については意識的に使っているように思います。

「東京毎日新聞」1910年5月13日付けに「鬢のほつれ」と題して5首、5月22日付けに「君のことなど」と題して5首のうち3首、文字遣いは違うものの、この22首のうちの8首が載っています(彼の時に~の歌の「大切の言葉のみが今も胸に残れり」は『一握の砂』では「大切の言葉は今も/胸にのこれど」)

これは新聞発表と歌集では順番がまるで違います。歌集の22首に1から22まで番号を付ければ、新聞発表の歌は1、9、6、4、5(鬢のほつれ)、2、22、17(君のことなど)。

歌集に編むにあたって、先ほど述べた技法を取り入れたのではないかと想ったのです。

たとえばこんな具合です。

いつなりけむ
夢にふと聴きてうれしかりし
そのもあはれ長く聴かざり

頬の寒き
流離の旅の人として
道問ふほどのこと言ひしのみ

さりげな言ひし言葉は
さりげなく君も聴きつらむ
それだけのこと

ひややかに清き大理石に
春の日の静かに照るは
かかる思ひならむ

ちょっとこじつけめいた部分もありますが。

まあ、すべてこの技法が貫かれているのだと思わないほうがいいだろうとは思いますが。
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2005年09月14日 20時52分46秒

画期的な違憲判決……ではあるけれど

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諌早湾の判決をはじめ、このところ(に限ったことではない)の判決の報道は、権力に迎合する詭弁を弄したものばかりが続いていたのが、本日のニュースで、久しぶりに国の制度への意見判決が出たことを伝えていました。

在外邦人が比例代表の投票しかできないのは法のもとの平等をうたった憲法に違反するというものです。

久々に「違憲判決」の報道に接したような気がします。

でも、実際に違憲なのは小選挙区の投票ができないことではなく、民意を正しく反映しない小選挙区制度そのものにある、と、もう一歩突っ込んだ判決にならなかったのは悔しい。

今回の選挙結果だって、与党が3分の2の議席を占めてしまったから、国民の3分の2が与党を支持したように錯覚してしまいそうだけど、投票数からいったら、実際には国民の半数しか与党を支持していないのだから。
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2005年09月01日 07時14分55秒

電気自転車ねぇ

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大量に送られてくるCMメールの中に「次世代電気自転車」というのがありました。

一瞬「次世代電気自動車」の読み間違いかと思ったのですが、読み返したら、やはり「電気自転車」でした。

自転車というのは自分でこいで走るから健康にもいいといわれているのであって、電気に頼っていたらオートバイと変わらないじゃないかと思います。

もちろん、足の不自由な人の中には福音になる人もいるから、電気自転車を全否定するつもりはありませんけれども。
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