
今日は企業秘密の一部を公開しましょう。
ま、大したこと無いですが、これはマフラーの量産型です。
パイプベンダーで曲げ加工したパイプをこの量産治具上で組み立てて行きます。
いえば、この治具の正確さが商品の出来を大きく左右する一因となります。
したがって、これは商品開発する上でとても重要なパートとなります。
この治具を製作するには、まず現車に現物あわせでマスターとなるマフラー
を試作で製作します。その試作マフラーに合わせて治具を製作していきます。
FRPやカーボンパーツなんかも理屈は同じ手法ですね。
削り物等、機械が形作っていくものは、数値ありきで、また少々勝手が違いますが
量産の物作りは全てこういった「型」を起こす事から始まると言えるでしょう。
この治具を作るまでが、言わば作る過程で最低限必要な工程となり、
時間と技術と労力を要しますから、そのメーカーの腕の見せ所と言えます。
これはマフラーを作るよりも技術的には若干難しい仕事となりまして、
どちらかと言えば、製缶仕事と言えますね。マフラーメーカーでしか
物作りの経験がないマフラー職人さんには、少し難しいかもしれませんが
ご想像の通り、治具がダメだとまともな商品は出来ないという事になります。
「型」ですから、完璧なものでなければなりませんし、この治具が1mm程度
狂ってると取り付けに剛力の必要な悲しい商品の出来上がりとなります。
ま、難しい治具作りとは言え、物作りのレベルで言えば10段階で言うと
下から数えて「レベル2」程度ってとこですけどね。
それだけ、物作りって言うものは奥が深く難しいという事です。
4気筒だとココまでやるのに3週間程度かかります。開発全体ですと
うちでは約2ヶ月ほどかかりますので、それこそ大仕事です。
なので、「レース用の部品作って~」とか気軽に頼まないでください(汗)
量産マフラーは1個作るまでが大変なんだから!!

上の機械はパイプベンダーです。パイプを曲げる機械です。
うちではターボ車で使うΦ100まで対応できる大型の機械もありますが、
だいたいそんな車、もう走ってないし、今時流行らないので高額な金型も今はお蔵入りです。
うちでは現在3台のベンダーが稼動してますが、更に2台導入する計画です。
当てのないイケイケです(笑)
話はそれましたが、上の機械で曲げ加工やプレス形成した材料をこの治具上で
仮留めの熔接をします。一気に仮留めするのではなく、歪を防ぐため、出来るだけ
細かいパートに分け仮留めと熔接を繰り返しながら、徐々に形にしていきます。
一気に仮留めして、一気に熔接してしまうと、熔接の本付けが複数個所になってしまい
それだけ歪む要素が多くなってしまうので、手間ですが少しづつ慎重に行います。
その熔接ですが、パイプ同士を熔接する際、熔接箇所には隙間がありますが
この隙間を極力小さくするための工夫を、様々な機械を使って加工を施します。
隙間があれば、熔接もその分大きくなったり太くなりますから、余分な熱が
加わります。熱がかかるという事は歪みやすくなり、酸化の原因にもなって
耐久性にも大きく影響するのです。
熔接の幅などは、可能な限り小さい方が見た目も良いし、強度的にも良いものが出来ます。
この工程の為にも、設備や金型にかなりの投資を行ってきました。
また、厄介な事にパイプって厳密に言えば、100分の5mm程度の寸法ですが、
真円じゃない事が多いんですよ!
なので差込のジョイント部にはより精度を上げるために、NC旋盤を2台導入して、
ほぼ削り部品を使っています。カラー類も100%自社製作です。
差し込み部分がガバガバだと、最近のインジェクション車は2次エアを吸って
バックファイヤーの激しい車種が多いんですね。その防止というメリットもあります。
そんな細かい積み重ねの結果、高い品質の商品を綺麗に速く作れる体制が
整っている訳なのです。
ココまでは、ほんの少しチラ見せ程度ですが、長年の物作りで養った経験や
知識の上で今も進化していますので、日本の業者さんといえども簡単にパクれる
ノウハウや技術ではありません。目に見えない箇所にも膨大な手間を施しています。
それを実現されてるマフラーメーカーさんって、有名どころを含めても国内では
20社程じゃないでしょうかね~。
なので、そこらの通販で売ってる安もんなんかには絶対に負けないどころか
足下にも及びません。あんなもん、我々プロから言わせるとゴミですわ(笑)
解りやすく言えば、お店で売ったらクレームや返品だらけなので、会社潰れるでしょ?
だからテキトーに逃げ切れる通販でしか売れないわけです。
何でも価格には理由があるのです。今の世の中、嘘も多々ありますけどね。
俺が高校生の頃から安物が無かった訳ではないし、それしか買えない年齢でも
あったんですけど、それにしても今の安物売ってる奴等は、客が死んでも
責任取らないヤカラが多いんで、タチが悪いっすよ。
確かに安物買うのも個人の自由ですし、それで満足するのも泣きを見るのも
ユーザーの自己責任ってとこもあるけど、それにしてもちょっと酷い。
極論、どんなもん売っても、責任取るか取らないかが、白か黒かのラインじゃないかと
個人的に思うんですけど、どうやろか・・・・
ま、「品質」ってどういう事?って疑問がこれで少しでもわかっていただいて
ちゃんとした商品やショップを選んでもらったら、幸いなんですけどね。
ちゃんとしてる風で、全然ちゃんとしてないメーカーも中にはあるから一概には言えないけど
どの道、あんまり変なもん付けると車体に負担がかかるので、バイクも傷みまっせ。
変なもん、強引にネジ締めて取り付けたらダメですよ~。
だんだんバイクからガタガタ音がするようになるから、気をつけましょうね~。
以上マフラーのプチ講義とプチ自慢でした(笑)