regard. | 何処にも売っていない、藍染め作品集。



敬意。

バリの人達とやり取りすると、文末に、みなリガードと付ける。

色んな事に対する、感謝や畏敬の念。なのだろう。





藍染めの道へ導いてくれたであろう和久さんが、

無くなった。

2回だけ、一緒に飲ませて頂いた。

何もやらぶる事無く、過去を語ってくれた。

若くして、奥さんを無くし、

男手ひとつ、藍染め一本で、二人の子供達を育て上げた。

最後に頼れるのは、自分だけだよ。

そうよく語っていた。

世界情勢や、日本の事を、よく語っていた。

あの頃は、楽しかったよ。

と、敗戦後の日本を、笑顔で話していた。

東京オリンピック、あったな〜。

また見れるかな〜。

当たり前ですよ〜。

と、言った日々が、

遥か昔の事のように。


もったいない、と廃材も水も、

トコトン、大切にしてきた昭和の魂。

そして、誰かに感謝していた、職人の魂。


どうか、

安らかに眠ってください。


Regard.