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テーマ:08年名古屋場所
2008-07-31

名古屋場所千秋楽(その2)~幕下優勝決定戦、優勝:里山さん~

名古屋場所千秋楽。その2は、幕下優勝に関連する記事です。

(敬称略。インタビューはテレビから収録しています)


幕下は、13日目に、6戦全勝だった星風と四ツ車が敗れたことにより、優勝争いは6勝1敗で8人が並ぶ展開となりました。


☆まず、それぞれクジを引いて、最初の顔合わせが決まり、4人に絞られます。


○大真鶴-朝ノ土佐●

朝ノ土佐が踏み込んで押し上げ、左からおっつけ。右から起こしながら出る大真鶴、左上手を肩越しに取ります。低い体勢の朝ノ土佐を、大真鶴は徐々に起こしていきます。朝ノ土佐が左をまきかえようかという動きをしたところ、大真鶴が右を差して胸を合わせ、こうなれば大真鶴が十分で、寄り切りました。33秒の相撲でした。


○山本山-蒼国来●

蒼国来が踏み込んで、右はハズで起こし、左前まわしから出し投げ。山本山に左上手は与えず攻めようとしますが、山本山が得意の左からの小手投げ、思い切り振ると、蒼国来はたまらず土俵外に飛び出しました。


*体格差の大きい両者。蒼国来がまず起こして、出し投げ、といった一つ一つの動きに、満員の館内はどよめきました。そして、最後は大きな山本山が強烈な小手投げで勝つと、大きな歓声と拍手。館内は盛り上がってきました。


○持丸-四ツ車●

突いていく持丸。左四つから、互いにまきかえるような動きで、右四つになり、四ツ車が頭をつけます。左おっつけで起こしたい持丸ですが、四ツ車が双差し。持丸は下がりながらもすぐに左をまきかえて、右の上手を引きつけて体を入れかえて寄り、右上手が一枚で伸びた四ツ車は土俵際に詰まります。互いにつま先立ちになっての寄りと粘り、もう無理かと思われた四ツ車が体を戻そうとする動きに、館内からはどよめき、これも盛り上がる相撲になります。しかしやはり、四ツ車は体勢を立て直せず、持丸が寄り倒しました。


36秒の相撲。最初は静かに見守っていた館内も、最後の四ツ車の粘りと、持丸の懸命な寄りで一気に盛り上がり、大きな拍手に包まれました。四ツ車も力を出し尽くしましたが、優勝争いから脱落です。


○里山-星風●

右から張った星風ですが、右上手は取れず、左も差せず。里山が右おっつけ、左を差してまわしを取ろうという体勢。振りほどこうとする星風は、引いて引いての格好から、左小手に振りますが、里山は右のカイナを突きつけて、右に腰をぶつけて、左では足も取りながら出て、最後は星風は後ろ向き。送り倒すような形で決まり、星風は踏みとどまれずに、勢いよく土俵下まで転がり落ちました。決まり手は押し倒しと発表されました。


☆大真鶴、山本山、持丸、そしてまだ取り終えて間もない、息づかいの荒い里山の4人が、改めてクジを引いた結果、「準決勝」は、山本山-大真鶴、里山-持丸の顔合わせとなりました。


○山本-大真鶴●

山本山の右が入って、苦しい体勢の大真鶴が引いてくるところを、山本山が押し出しました。

*新十両を決めている山本山が、関取経験のある大真鶴を圧倒し、次の取組を待つことになりました。


里山-持丸●

持丸が突いていきますが、里山が左からたぐって残し、また突こうとする持丸ですが、里山は左からあてがい、今度は里山のほうが攻勢、頭から当たりながらの押しに、持丸は引いてしまい、里山が押し出しました。


☆優勝決定戦の「決勝」は、山本山-里山という、尾上部屋の兄弟弟子対決となりました。


○里山-山本山●

里山が当たって左下手、右前まわしのいい形で、山本山は右上手ですが、里山がヒザを使いながらの下手投げで揺さぶります。一呼吸おいて、里山が一度、二度と揺さぶりながら横について、左からの下手投げ。120キロあるかないかという里山が、230キロを超す山本山を投げ、館内は大拍手。里山の優勝が決まりました。


<幕下優勝>里山さん(今場所の記事:7日目その212日目その313日目その6

里山は、昨年夏場所の新入幕から、7場所連続の負け越しで、今場所は幕下東14枚目。昨年九州場所の頃は、首の具合が悪くて寝るのも辛かったという状況だったそうですが、今年に入ってからは少しずつよくなり、稽古もできるようになったと伝えられながらも、それでもなかなか力を出せない状況が続いていました。


今場所は、最初の相撲で寶智山に敗れた後、6連勝。最初に負けたとあって「まさか優勝できるとは思わなかった」と言いますが、7番目の相撲では、全勝だった四ツ車を破り、決定戦でも大いに沸かせて、優勝を果たしました。お客さんが多いと気持ちが盛り上がる」と、幕内経験者は館内の応援も味方につけました。


決定戦の最後の相手は、同じ尾上部屋で、日大の3年後輩でもある山本山。おそらく山本山のほうに、やりにくさがあるかと予想しましたが、やはり兄弟子の里山が「稽古場どおりの相撲」で勝ちました。


怪我の状態は「徐々に回復しているので、早く関取に戻りたい」と里山。来場所は、幕下5枚目以内に戻りそうで、今の勢いなら地元・九州場所で関取復帰の可能性もあります。来場所に向けて一番一番、自分の相撲を取りきるように頑張りたい」と、嬉しさがにじみ出るようなインタビューを締めくくりました。


*優勝決定戦に出たその他の力士の、今場所の記事一覧については、

山本山、星風、四ツ車:13日目その6

大真鶴、蒼国来:13日目その5

持丸:13日目その4

朝ノ土佐:13日目その3  を、それぞれ参照してください。

テーマ:08年名古屋場所
2008-07-30

名古屋場所千秋楽(その1)~三段目優勝決定戦、優勝:誉富士さん~

名古屋場所千秋楽。その1は、三段目優勝に関連する記事です。

(敬称略。インタビューはテレビから収録しています)


<三段目優勝>

○誉富士-駿河司●

モロ手から突きはなす誉富士。駿河司は頭を上げずに右前まわしを狙い、前には出られなかった誉富士ですが、駿河司の足がそろったところを叩き込みました。


*三段目優勝:誉富士さん(今場所の記事:9日目その3

先場所、序二段優勝した誉富士が、今場所は三段目で優勝(先場所の優勝については、夏場所千秋楽その4 参照)。近大から入門したとあって「ここまでは(優勝を)狙っていたのでよかった」と、学生相撲出身力士らしい、自信と安堵感があるようです。

三段目東85枚目だった今場所は「手数も出たし、腰も下ろせた」と、相撲内容にも納得しています。


今年初場所の初土俵以来、各段を1場所ずつで通過して、来場所は新幕下計画通り。幕下からが勝負なので、頑張っていきたい」と誉富士。ガンガン前に出る相撲を取りたい。絶対に引かない相撲を…」と力強く言った後で「今日は引いちゃったんですけど」と照れ笑いもありました。

なお、先場所序二段優勝決定戦で対戦した、中学時代からのライバルでもある深尾は13日目に駿河司に敗れましたが、来場所はともに新幕下です。


*駿河司さんの今場所の記事は、4日目その19日目その511日目その113日目その3 に掲載しています。


*序二段、序ノ口の優勝は、13日目その1 をご覧ください。

序二段優勝は亀井さん、序ノ口優勝は尾崎海さんでした。

テーマ:08年名古屋場所
2008-07-30

名古屋場所14日目(その2)~隆の山さん、鳰の湖さん、克の富士さん、旭秀鵬さん、琴国さん~

名古屋場所14日目。その2です。(敬称略)


○隆の山-栃不動●

隆の山が右手を出す立ち合いから突っ張って、左を差します。栃不動は右上手。隆の山は左下手に右前まわしで食いついて、栃不動は腰が立って苦しいかという体勢ですが、栃不動が右上手を引きつけて隆の山を引っ張りこんでおいての上手投げ、隆の山の下手投げとの打ち合いに。栃不動は右に腰をぶつけながら、粘りながら倒れこみ、隆の山も体が飛びながらもよく我慢して、軍配は栃不動。物言いがつき、栃不動の右ヒザが先に着いたということで、差し違えで隆の山の勝ちとなりました。


隆の山が持ち前のしぶとさを発揮し、5勝目。幕下東41枚目の5勝2敗で、来場所は久しぶりに番付を幕下20枚目台へと上げます。栃不動は、8場所ぶりの幕下で、今日は惜敗でしたが4勝3敗、勝ち越して場所を終えました。

<今場所の記事>

隆の山:3日目その15日目その17日目その1

栃不動:3日目その211日目その2


○鳰の湖-米村●

米村が右を差しにいくのを、鳰の湖が左おっつけから押していきますが、米村がうまく左にまわって左上手、後ろにまわってそのまま土俵外へ…というところでしたが、鳰の湖がクルリと向き直りながら、左腕で引っ掛けて相手を土俵外へ出しました。米村も左のまわしに指をかけて粘りましたが、先に落ち、鳰の湖の「引っ掛け」の勝ちです。


*後ろにまわられた時点で、鳰の湖はもう無理かと思いましたが、すばやい体の動きで向き直り、最後は珍しい格好で勝負が決まりました。鳰の湖が幕下37枚目で、4勝3敗と勝ち越し。最近はこのあたりの番付で一進一退の状態でしたが、そろそろまた上を目指したいところです。米村は、今場所は額にテーピングをしながらの土俵で、3勝4敗、負け越が決まりました。

<今場所の記事>

鳰の湖:11日目その2


○克の富士-魁聖●

双差し狙いの克の富士に対し、魁聖が両上手、浅い位置を引いて出ましたが、克の富士が左下手から振って体を入れかえ、もうここで勝負あったという状態で、寄り切りました。


*この両者は、先場所も顔が合い、先場所は魁聖が力で圧倒しましたが(夏場所12日目その2 参照)、今場所は克の富士のほうが、力強さを見せました。

克の富士は幕下西32枚目で、ここまで4勝2敗。5番勝てば、2年前の名古屋で怪我をしたときの、幕下西24枚目の自己最高位を更新できそうとあって、今日は部屋の力士たちからも「もう一番勝って来い」と言われた、と気合いが入っていました。そして、若手で伸び盛りの魁聖を破って、嬉しい5勝目。相撲内容にも安定感が出てきたような印象があり、再び幕下上位に向けて始動です。

魁聖は、今場所は幕下2場所目で、幕下西35枚目。今場所も勝ち越しはするだろうと見ていたところ、4勝3敗で取り終えました。


<今場所の記事>

克の富士:2日目その23日目その210日目その2

魁聖:初日その111日目その3


○旭秀鵬-剛力山●

旭秀鵬が左から張って、左上手を取ると同時に上手投げ。豪快に、剛力山を裏返しました。


旭秀鵬は、ここまで順調に番付を上げてきましたが、幕下東29枚目に上がった今場所は苦戦し、2勝5敗。今日は、得意の投げで勝負しましたが、今場所あまり勝てなかったことを踏まえて、また成長してほしいと思います。


剛力山は、3場所連続の自己最高位更新で、幕下東25枚目昨年秋場所に、2年ぶり4度目の幕下で初めて勝ち越して以来、順調に来ていましたが、今場所は自分の相撲がなかなか取れず、1勝6敗で場所を終えました。

<今場所の記事>

旭秀鵬:2日目その25日目その212日目その2

剛力山:2日目その2


○琴国-白塚●

白塚が突きはなしながら右差しを狙い、右おっつけで押し上げていきますが、逆に左から絞る琴国、左おっつけで頭をつけ、琴国が形を作っていきます。白塚は肩越しの左上手。白塚の右と、琴国の左の攻防は相変わらず続いていましたが、やがて琴国が左を差して双差しになって出て、白塚の左上手も切って寄ります。190キロを超す白塚を寄るのは重そうでしたが、寄っておいての左すくい投げ。50秒近い相撲でした。力を出し尽くした琴国も、投げた弾みで倒れこみました。


3勝3敗どうしの対戦は、序盤は力と力のぶつかり合う押し合いで、琴国がいい体勢を作っていきました。最後は、琴国が攻勢でしたが、白塚もよく粘って、両者とも最後まで力を出し切った一番でした。

琴国が幕下西8枚目で4勝3敗と勝ち越し。05年初場所以来の幕下1ケタの番付に上がり、よく健闘して勝ち越ました。朝日大学出身の白塚は、昨年春場所の初土俵以来、順調に番付を上げてきましたが、幕下3場所目の今場所、幕下東11枚目3勝4敗。角界入りして初めての負け越となりました。

<今場所の記事>

琴国:4日目その312日目その3

白塚:初日その37日目その2

テーマ:08年名古屋場所
2008-07-30

名古屋場所14日目(その1)~大露羅さん、暁司さん、益ノ富士さん、栃翼さん、勢さん、青馬さん~

名古屋場所14日目。その1です。(敬称略)


<三段目>

○大露羅-土岐皇●

手つき不十分と見たのか、行司待ったで2度目。土岐皇が踏み込んでいきますが、大露羅が左上手。それを切った土岐皇ですが、大露羅が極めて、254キロの体重をかけて出て、寄り倒しました。土岐皇の倒れ方を見て、ヒザの曲がり方がやや心配でしたが、大丈夫そうでした。


大露羅が三段目西19枚目で5勝2敗、今年初場所以来2度目の幕下昇進を確定的としました。岐阜県土岐市出身で、今場所は大きな声援を受けたこともあった土岐皇4勝3敗、来場所の幕下復帰は逃しましたが、来場所は三段目一ケタで再挑戦です。

<今場所の記事>

大露羅:初日その112日目その1

土岐皇:12日目その1


○暁司-大河●

左を差しにいった大河ですが、すぐに引いたところを、暁司が押し出しました。


3勝3敗どうし、幕下復帰をかけた取組は、大河の引きがまともで、暁司が勝ち越し暁司は、06年名古屋場所に休場したとき以来の幕下復帰を決めました。ヒジや足の怪我のため、昨年は4場所もの全休がありましたが、諦めずにここまで戻ってきました。名古屋市東区出身、ご当所での勝ち越しも嬉しいことと思います。

<今場所の記事>

暁司:10日目その112日目その1

大河:11日目その1


○益ノ富士-照東●

照東が突っかけ、2度目は益ノ富士が突っかけて、3度目。照東が押し込んでいきますが、益ノ富士は右へとまわりこみ、右を差して左にまわって左前まわし。照東に右を差させたくない益ノ富士、頭をつけて、少し起こしておいての左下手出し投げ。土俵際で、下がりながらの投げですが、そのあたりの距離感は体でわかっている益ノ富士でした。


益ノ富士は、今場所は自己最高位を37枚も更新し、三段目東3枚目。3勝3敗、勝てば新幕下という状況で、7番目を迎えました。今日は、2度立ち合いが合わず、その間の表情は緊張しているようにも見えましたが、見事勝ち越し、新幕下を決めました。頭をつけてしぶとい相撲を取れ」と、師匠の中村親方に言われているという益ノ富士。172センチ、104キロの体で、今日もしぶとく取って、勝機を見出しました。

<今場所の記事>

益ノ富士:2日目その14日目その110日目その111日目その2


<幕下>

○栃翼(三段目)-臥牙丸●

臥牙丸が押していきますが、見すぎている感じで栃翼の体を起こせず、栃翼が右下手を取ると、すぐに右足を寄せて切り返し。臥牙丸もバランスを崩しながらも、ちょん掛けのような格好にいっていますが、先に落ちました。


栃翼は、昨年は幕下上位に定着していましたが、右肩の故障のため、今年初場所を途中休場し、2月に手術。春場所も休んで、先場所から復帰しました。番付は三段目に下がりましたが、今場所は三段目東5枚目で5勝2敗、来場所は幕下復帰です。臥牙丸4勝3敗で取り終えました。

<今場所の記事>

栃翼:10日目その1

臥牙丸:2日目その19日目その5


○勢-髙安●

土俵中央での突っ張り合いから、どちらかが引くかと思って見ていたところ、勢が左に体を開いて、叩き込みました。


3勝3敗どうしの対戦で、この両者は、平成17年春場所初土俵の同期生が幕下まではスピード出世だったのに対し、髙安は先場所が新幕下とあって、髙安「ようやく追いついた」と、勝ち越しのかかる相撲に一段と気合いが入っていました。しかし、突っ張って前に出ようという気持ちはあったものの、足が出ず、叩かれて負け越し。幕下西51枚目の3勝4敗で、幕下に上がる力士との人数調整によりますが、来場所は三段目に下がりそうです。

は、3連勝の後3連敗でしたが、今日は勝って勝ち越し、幕下の地位を守りました。

<今場所の記事>

勢:初日その15日目その17日目その1

髙安:初日その19日目その5


○青馬-輝面龍●

輝面龍が左にやや変わり気味に上手を取りにいき、右から張って左上手。しかし青馬が双差しになって右に食いつき、輝面龍が左上手投げに来るのを、左前まわしも引きつけて残して、寄り切りました。


青馬は、右ヒザ前十字靭帯断裂の大怪我を乗り越え、2年ぶりに幕下に戻って、4勝3敗と勝ち越ました。右の太股からヒザ下にかけて大きなサポーターがあり、今日勝った後も、かなり辛そうな表情。まだヒザの具合は悪そうですが、今日の相撲では、それを感じさせないような動きでした。輝面龍は3勝4敗、負け越が決まりました。

<今場所の記事>

輝面龍:12日目その2

テーマ:08年名古屋場所
2008-07-30

名古屋場所13日目(その6)~里山さん、寶智山さん、境澤さん、山本山さん~

名古屋場所13日目。その6です。(敬称略)


○里山-四ツ車●

低い当たりは里山で、左下手に右前まわし。四ツ車は肩越しの右上手ですが、里山の左下手投げに振られて、すぐに上手は切れます。少し頭の上がってきた里山、また頭を下げていきます。四ツ車は苦しい体勢。里山が前に出ておいて、右から出すようにして、引き落としました。


幕下の6戦全勝は、星風と四ツ車の二人でしたが、星風の新十両昇進の可能性を考慮し、全勝対決は組まれず、四ツ車は星違いの里山と対戦四ツ車にとっては、潜ってくる里山のような相手は嫌だったはずで、今場所好調といえども、今日は中に入られてしまいました。

里山は、勝って小さく右拳を握りしめ、四ツ車は悔しさからしばらく立ち上がれず、明暗分かれた両者は、ともに6勝1敗となりました。

<今場所の記事>

里山:7日目その212日目その3

四ツ車:7日目その111日目その3


○寶智山-十文字●

寶智山が右かちあげから、十文字が引いてきたところを、右が入って左上手で、腰も下りて万全、寄り切りました。


*上に書いた里山は、昨年夏場所の新入幕以来、先場所まで7場所連続で負け越しが続いていましたが、寶智山も似たような状況で、寶智山は昨年夏場所の再入幕のとき、当時初めて岩木山の番付を抜いて部屋頭になって以降、負け越しが続いてきました。寶智山は、主に内臓のほうに問題がありましたが、最近は体調も戻ってきたという話もあり、今場所は久しぶりに勝ち越し、4勝3敗で終えました。

<今場所の記事>

十文字:初日その212日目その3


○境澤-華王錦●

右かちあげは伸びるような体勢の境澤。華王錦の左が入って、右も差そうとしますが、そこを境澤が引いて左上手にかかって、手前に落とすように、上手出し投げを打ちました。


境澤は、春場所は新入幕でしたが、左ヒザを痛めて途中休場。先場所は十両で3勝に終わり、今場所は幕下東6枚目に下がっていました。今場所も、下がって勝ったり、横を向いて投げようとして体勢を悪くしたりという、境澤らしい独特の動きが目立ちましたが、7番目の相撲で勝ち越を決めました。幕下東8枚目の華王錦は3勝4敗、攻めようとしていたところで敗れ、首を捻って悔しそうでした。

<今場所の記事>

境澤:4日目その312日目その3

華王錦:10日目その3


○山本山-星風●

幕下西筆頭で5勝1敗の山本山と、勝てば優勝、さらには新十両の可能性が広がるという星風の対戦。

星風が右かちあげで2度突っかけて、相手をにらみつけるような表情で気合い十分ですが、この立ち合いはやや速すぎ。3度目で立ち合い成立、今度は右から思い切り張った星風ですが、山本山の踏み込みに、星風は山本山の体重をまともに受けて腰が入りかけ、星風は右の上手もすぐに切れます。こうなっては星風は左にまわろうとしても投げも打てず、山本山が左四つ右上手で、胸を合わせて寄り切りました。


*気合い十分の星風でしたが、敗れて6勝1敗一気に新十両の夢は絶たれましたが、幕下西12枚目の6勝で、来場所は初めて幕下5枚目以内に入りそです。今日は二度、かちあげで激しく突っかける場面がありましたが、かちあげで突っかけていく場面は今場所何度かあり、故意に突っかけているのではないとは思いますが、気をつけてほしいところです。


山本山は、幕下西筆頭で6勝1敗。この白星で、十両昇進争いの中で最優先に上がれることが確定し、新十両が確実となりました。埼玉栄高から日大を経て、昨年初場所初土俵。190センチ、2365キロの巨漢ですが、ほかの200キロ台の力士と比べて、よく動ける力士です。


四ツ車、星風と相次いで敗れたことにより、幕下優勝争いは、6勝1敗で8人が並ぶこととなりました。顔ぶれは、山本山、星風、里山、大真鶴、蒼国来、四ツ車、持丸、朝ノ土佐となっています。


<今場所の記事>

山本山:初日その35日目その311日目その3

星風:3日目その35日目その37日目その211日目その3

テーマ:08年名古屋場所
2008-07-29

名古屋場所13日目(その5)~荒鷲さん、蒼国来さん、渋谷さん、大真鶴さん~

名古屋場所13日目。その5です。(敬称略)


○荒鷲-早瀬川●

右を差して、双差し狙いの早瀬川ですが、左は差させたくない荒鷲。荒鷲が右のカイナを巻いて、腕捻りを決めました。


荒鷲は、1年ぶりの幕下で、幕下西30枚目に戻って4勝3敗と勝ち越し。今場所は、4日目の渋谷戦や、10日目の唐津海戦のように重い腰の相手を正面から寄る力強い相撲もあった一方、2日目は変化で勝ち、11日目は変化で自滅するような相撲もあり、左肩の具合と相談しながらの土俵です。早瀬川は3勝4敗、負け越が決まりました。

<今場所の記事>

荒鷲:2日目その24日目その310日目その211日目その3


○蒼国来-玉力道●

蒼国来が立ってすぐに左前まわし。右からすくってそれを切る玉力道、蒼国来の左上手を遠くしようとします。しかし蒼国来は左手を伸ばして、左上手、こうなると蒼国来は力が出る体勢で、上手を引きつけて出ます。腰に乗せて吊り気味に寄り、玉力道は粘ろうとしたときに左足がもう土俵を割り、蒼国来が寄り切りました。


蒼国来は、昨年後半から幕下上位に定着し、幕下5枚目以内でも健闘していましたが、この2場所は2勝5敗。勢いが止まってしまったので仕方ないのかと思っていたら、不調の原因は十二指腸潰瘍にあったそうで、それが分かったのは夏場所が終わって2日後。それからは、薬を飲んで体調回復に務め、体重も125キロくらいに戻ってきました。

11日目には、星風との全勝対決に敗れましたが、今日は勝って6勝1敗。今場所は幕下西28枚目に下がっていましたが、来場所は幕下上位に番付を戻します。玉力道5勝2敗今場所は7場所ぶりの勝ち越でした。

<今場所の記事>

蒼国来:2日目その211日目その3

玉力道:10日目その3


○渋谷-髙濵●

髙濵が右を差しにいくのに対し、渋谷が左おっつけから、腕を伸ばしての押しが強烈で、押し倒し、髙濵は腰から崩れました。


渋谷が押しの圧力で、髙濵を圧倒、わずか2秒ほどで勝負がつきました。渋谷は、今場所は幕下西29枚目。幕下20枚目台に戻るのは昨年初場所以来でしたが、4勝3敗、勝ち越して場所を終えました。髙濵は、幕下に戻ってから3場所目、順調に番付を戻してきましたが、今場所は3勝4敗、負け越となりました。

<今場所の記事>

渋谷;初日その14日目その310日目その212日目その2

髙濵:初日その2


○大真鶴-武甲●

武甲が突いていきますが、叩いてまわりこむ大真鶴、左からイナします。動きを止めずに突く武甲ですが、押し切れないような感じで、大真鶴の右がのぞきます。武甲は左からおっつけ、頭をつけています。左の上手を探る武甲。武甲の頭が上がり、胸が合ってきます。左上手を探るも届かない武甲、大真鶴は右の下手に届きそうで届きませんが、大真鶴の左は上手を取っているようで、大真鶴の寄り。寄り切りました。57秒の相撲でした。


*攻め切れなかった武甲大真鶴はつかまえて、胸が合えば力が十分に出ました。大真鶴が6勝1敗、来場所は幕下上位に番付を戻します。

武甲は、先場所は6勝をあげ、「今場所も6勝目を」と話していましたが、敗れて5勝2敗場所前には、部屋の関取で、日体大の同期でもあった垣添とともに、1日おきにトレーニングジムに通い、腹筋を鍛えてきそうです。先場所あたりから、持ち味の押しも戻り、順調に番付を戻しており、来場所は幕下15枚目以内に番付を戻します。

<今場所の記事>

大真鶴:12日目その3

武甲:2日目その33日目その37日目その2

テーマ:08年名古屋場所
2008-07-29

名古屋場所13日目(その4)~北勝岩さん、若い浪さん、持丸さん、玉皇さん~

名古屋場所13日目。その4です。(敬称略)


○北勝岩-蓮台山●

当たり合って、押し込むのは北勝岩。引いた蓮台山、また引いて左にまわりこみますが、北勝岩がよく見て押し、最後にまた蓮台山引いたところを押し出しました。


北勝岩が自分の相撲を取りきって、勝ち越し、幕下の地位を守りました。

蓮台山は、新幕下の今場所、3勝4敗と負け越し。勝った相撲は、2日目の朝日盛戦、6日目の青馬戦、9日目の髙安戦と、一気の出足でもっていき、持ち味が出ていましたが、敗れた相撲は、4日目の若い浪戦は逆にもっていかれる相撲で敗れ、中日の栃の山戦は、叩く内容。これは、叩きが決まったかに見えましたが、テレビ画面からはわかりにくい差し違えの黒星でした。11日目は古市の腕捻りを食って、今日は押し相撲どうしで力負け。幕下の力士はうまさも強さも違ってくるので、自分の相撲をなかなか取りきれないとは思いますが、もっと力をつけてほしいと思います。幕下東46枚目なので、来場所は幕下に残りそうです。

<今場所の記事>

北勝岩:5日目その112日目その2

蓮台山:2日目その14日目その29日目その5


○若い浪-朝日盛●

若い浪が踏み込んで、突きあげてから、左四つ。右上手は深い若い浪ですが、朝日盛に左の下手は与えません。朝日盛は強引に起こそうとしますが、頭を上げない若い浪。若い浪は両まわしで拝むように寄り、そのまま持ち上げて、吊り出しました。


*吊りを得意としていた若い浪が、久しぶりの吊りを見せて、4勝3敗、勝ち越を決めました。腕の力や背筋の力など、相当な力があると思います。

朝日盛は3勝4敗と負け越し自己最高位の幕下東20枚目だった先場所の1勝6敗に続く負け越で、来場所は幕下下位から出直しです。

<今場所の記事>

若い浪:4日目その25日目その1

朝日盛:2日目その1


○持丸-北はり磨●

当たり合って、腕を伸ばして押し込んでいくのは持丸。北はり磨は左にまわりこみますが、体横向きになってしまい、持丸が押し出しました。


*今場所、前に前に出る相撲が目立つ持丸が、6勝1敗の好成績。今場所は調子がよかったようで、いい内容の相撲が続きました。

北はり磨は、5勝2敗12日目の記事 にも書いたように、幕下で5勝をあげるのは、06年九州場所以来。当時は毎場所のように自己最高位を更新していましたが、昨年は三段目に落ちても負け越すなど、期待された割には不振が続きました。昨年は、土俵に上がるときに、“負けたらどうしよう”と思うこともあった。去年は何もやっても勝てず、きつかった。今年に入ってからは、気持ちの持ち方が変わって、自分の相撲を取りきることだけに集中している」と話します。そろそろまた、幕下上位を目指していきたい北はり磨です。

<今場所の記事>

持丸:4日目その27日目その110日目その2

北はり磨:5日目その112日目その2


○玉皇-双大竜●

押し上げていく双大竜、見ながら突き返す玉皇。押し込んでいく双大竜ですが、玉皇が右イナシでまわりこみ、左が入って右は下手。しかし、玉皇は右から出すような動きをしてまわしが離れ、双大竜が左からおっつけます。そのおっつけを外した玉皇、右からたぐって崩して出ます。最後は双大竜の右イナシに、玉皇は飛び出しますが、既に双大竜の左足が土俵を割っていました。玉皇の押し出し勝ちです。


3勝3敗どうしの対戦は、玉皇が勝って勝ち越し。玉皇は相手の攻めをよく見ており、攻められても下半身が安定していました。

双大竜は、よく動いてよく攻めましたが、上突っ張りで、その後の攻めも決め手に欠き、3勝4敗14日目に26歳の誕生日を迎えるとあって、場所中盤には「その頃にはいい成績で」という話をしていましたが3連勝から4連敗となってしまいました。

<今場所の記事>

玉皇:2日目その23日目その15日目その1

双大竜:3日目その27日目その1

テーマ:08年名古屋場所
2008-07-29

名古屋場所13日目(その3)~駿河司さん、錦風さん、立神さん、佐々木さん、朝ノ土佐さん~

名古屋場所13日目。その3です。(敬称略)


○駿河司-深尾●

深尾が左を差しにいきますが、駿河司が右からおっつけて右前まわし、頭をつけて左は上手で寄ります。右からすくう深尾。駿河司がもう一度寄り、防戦となった深尾は右へ左へと振ろうとしますが、駿河司が両まわしを引きつけ、寄り倒しました。


ここまで本割20連勝中だった深尾に、ついに土。幕下上位の経験もある駿河司が、厳しい攻めでした。駿河司が7戦全勝としました。

三段目は、先場所深尾との序二段優勝決定戦に勝って優勝した誉富士が(夏場所千秋楽その4 参照)、今場所は新三段目で7戦全勝。千秋楽に、駿河司と誉富士の三段目優勝決定戦が行われます。

<今場所の記事>

駿河司:4日目その19日目その511日目その1

深尾:2日目その14日目その19日目その411日目その1


○錦風-孝東●

錦風が見ながら当たって、孝東がすぐに引いてきたところを出て、右ノド輪で押し上げ、押し出しました。


錦風が6勝1敗の好成績。来場所は4場所ぶりの幕下復帰となり、一気に幕下30枚目前後に番付を戻します。孝東5勝2敗、1場所で幕下に戻ります。

<今場所の記事>

錦風:3日目その111日目その1

孝東:4日目その1


<幕下>

○立神-貴輝鳳(三段目)

立神が浅く二本のぞいて、ヒジを張ってどんどん出ます。両脇が開いてしまった貴輝鳳は苦しく、立神が寄り切りました。


立神が4勝3敗、勝ち越し。花道の奥では、かつて三保ヶ関部屋で兄弟弟子だった白乃波が出迎え、声をかけていました。

貴輝鳳は、三段目西2枚目で、3連敗スタートの後3連勝で来ており、後半戦は力強い相撲内容が続いていましたが、今日は敗れて3勝4敗、2度目の幕下昇進は、来場所以降にお預となりました。

<今場所の記事>

立神:中日その5

貴輝鳳:2日目その110日目その211日目その2


佐々木-栃飛龍●

右から張った佐々木、栃飛龍はかまわず突きはなします。佐々木が引いて崩し、栃飛龍の腕が上から来るのをよく見て双差しになり、こうなると栃飛龍は両ヒジが上がって上体も反ってしまい、苦しい体勢。それでも栃飛龍は土俵際でなんとか左小手に振ろうとし、上から覆いかぶさるように体をあずけた佐々木は背中から落ちますが、先に栃飛龍が落ちており、佐々木の寄り倒しの勝ちです。


3勝3敗どうし、若手どうしの対戦は、栃飛龍もよく攻めましたが、双差しを許してしまいました。

先場所、新幕下で3勝4敗だった栃飛龍は、今場所も3勝4敗。今場所は、力をつけているという手ごたえを感じる相撲内容もありましたが、やはりまだ、力不足の面はあります。来場所は三段目で出直しです。

佐々木は4勝3敗春場所、自己最高位の幕下西20枚目で1勝6敗、先場所も負け越して、今場所は幕下西55枚目に番付を下げていましたが、今場所は7番目で勝ち越し、幕下に踏みとどまりました。

<今場所の記事>

佐々木:4日目その2中日その5

栃飛龍:初日その13日目その19日目その511日目その2


○朝ノ土佐-松緑●

右四つ、朝ノ土佐が左上手で浅くいいところを引き、松緑は右半身で、右下手は伸びています。朝ノ土佐がいい形に見えますが、普段から相撲が長引きやすい朝ノ土佐、今日も長くなりそうな感じ。山響親方は「朝ノ土佐の頭が、上手のほうに出ている。あれでは攻められない」と指摘します。最後は松緑が引き気味にまきかえるところを、朝ノ土佐が左上手を引きつけて、腰をぶつけるようにして寄り切りました。49秒の相撲でした。


幕下の優勝争は、13日目の時点で全勝の星風・四ツ車が直接対戦とならず、二人の結果次第では6勝1敗の力士にも優勝の可能性が出てくるという状況。そのため5勝1敗の力士にも注目が集まる中、朝ノ土佐がまず6勝目をあげました。

朝ノ土佐は幕下西48枚目で6勝1敗。これまでの自己最高位は幕下東35枚目ですが、来場所は幕下20枚目前後に上がります。松緑5連勝の後2連敗で、5勝2敗で取り終えました。

<今場所の記事>

松緑:初日その14日目その17日目その19日目その511日目その3

テーマ:08年名古屋場所
2008-07-29

名古屋場所13日目(その2)~出羽疾風さん、琴渡辺さん、栃ノ国さん、飛翔富士さん、能登櫻さん~

名古屋場所13日目。その2です。(敬称略)


<三段目>

○出羽疾風-北櫻龍●

北櫻龍の低い当たりですが、出羽疾風が突っ張って突っ張って、少し距離があいたところで北櫻龍がまともに引いて、出羽疾風が押し出しました。


176センチ、1045キロの出羽疾風が、思い切りのいい突っ張りで、4勝3敗と勝ち越し。踏み込みは足りませんでしたが、突っ張って前に出る相撲は、前に出て勝つときの安馬を思わせるような相撲でした。自己最高位の三段目東55枚目に上がった北櫻龍は、3連敗の後3連勝で7番目の相撲を迎えましたが、敗れて負け越が決まりました。

<今場所の記事> 北櫻龍:9日目その4


○琴渡辺-白乃龍●

琴渡辺が左ハズで押し上げて、白乃龍が左を差そうとしてくるのを右からおっつけます。引いた白乃龍、琴渡辺の押しにまた引きます。琴渡辺が左ハズでまた押し上げて、白乃龍がたぐりにくるところを、押し出しました。


琴渡辺は、今年春場所、序二段優勝決定戦に進出春場所千秋楽その3 参照)、先場所は自己最高位の三段目東56枚目で4勝3敗と勝ち越し、今場所は三段目東42枚目に上がりました。

今場所は、3連勝のスタートでしたが、その後3連敗。勝ち越しを目前にしての連敗に「勝ちたいという気持ちが前に出すぎてしまった。土俵際で、相手の汗で滑ってバランスを崩すこともあった」と話していました。

今日は、徹底して攻める相撲で押し切って、4勝3敗と勝ち越し。来場所も自己最高位を更新します。重心の低い押し、若手らしく攻める姿勢はいいと思うので、一押し一押しにもっと圧力が出てくれば、さらに上でも勝てるようになると思います。相撲部で有名な高校の誘いを断って入門し、約2年半でここまで上がってきた、17歳の力士です。

<今場所の記事>

琴渡辺:中日その4 、白乃龍:中日その3


○栃ノ国-琴鳳●

琴鳳が左から張って右を差し、左の上手ですが、左上手は浅いところは取れずに深い位置。栃ノ国が右差しで前に出る圧力があり、琴鳳は上手から振ろうとしても呼び込むだけで、栃ノ国が寄り切りました。


176センチ、1152キロと体の大きくない琴鳳ですが、自らの張り差しで上体が起きてしまうという、張り差しの弱点の典型が出たような形になってしまいました。栃ノ国は、1835センチ、1543キロの体が生きた、いい相撲。まわしは取っていませんでしたが、前に出る圧力がありました。

栃ノ国が三段目東28枚目で、5勝2敗の好成績来場所は自己最高位を更新し、三段目一ケタに上がりそうです。琴鳳4勝3敗で場所を終えました。

<今場所の記事> 栃ノ国:9日目その4


○飛翔富士-郡山●

右を差しにいった郡山。右四つになって、飛翔富士が左上手、右下手も引きつけて、力強く寄り切りました。


飛翔富士は、12日目の記事 にも書いたように、上手を横から取って深い位置でも、192センチ、1658キロの体が生きるので問題ないという感じで、力強さのある力士です。

飛翔富士は、2場所連続の自己最高位で、今場所は三段目東25枚目。1勝3敗から3連勝で勝ち越し決めました。今後さらに鍛えていけば、もっと強くなれそうな、スケールの大きさを感じます。

<今場所の記事>

飛翔富士:4日目その19日目その512日目その1

郡山:4日目その112日目その1


○能登櫻-笠洋●

能登櫻がいい当たりで突きはなし、笠洋に叩かれてもあまり崩れず、すぐにまた押す体勢になって、押し出しました。


*今場所、島から改名した能登櫻が、三段目東12枚目の自己最高位で、4勝3敗と勝ち越し。今日も、立ち合いからのいい出足が見られました。今場所は、叩かれたりして落ちる場面もありましたが、今日はついていって、押し出し。来場所は、おそらく三段目筆頭くらいになるかと思いますが、この相撲を伸ばして、さらに上を目指してほしいと思います。

<今場所の記事>

能登櫻:初日その1中日その512日目その1

笠洋:10日目その1

テーマ:08年名古屋場所
2008-07-28

名古屋場所13日目(その1)~各段優勝(13日目決定分):亀井さん、尾崎海さん~

名古屋場所13日目。その1では、この日に決定した各段優勝についての記事です。

(敬称略。インタビューはテレビから収録しています)


<序二段優勝>

○亀井-十勝海●

十勝海が踏み込んでいきますが、亀井が左からすくって左を差し、右は肩越しの上手。左はおっつけられていた亀井ですが、肩越しに左の上手を取ると、すぐに投げ。豪快に振り回すような投げでした。


*序二段優勝:亀井さん(今場所の記事:中日その1

香川県出身、日大を経て入門した木瀬部屋の亀井は、今年春場所初土俵。先場所は、序ノ口優勝した矢鋪に敗れて6勝1敗でしたが、序二段に上がった今場所は7戦全勝。この日の取組後、もう一人全勝だった山下が敗れたことにより、亀井の優勝が決まりました。


今場所を振り返って「受けにまわってしまったが、自分の形になって相撲が取れたのがよかった」と亀井。今日は「とにかく上手を取ろうと思って必死だった。最初は(その上手が)取れなくて焦ったが、取れたときには“勝ったかな”と思った」と、上手を狙っての相撲でした。


筆者は、今場所の中日に亀井の相撲を見たとき、肩越しのすごい位置からの上手投が印象に残りましたが、この日の相撲も、似たような深い上手からの投げ。その他の相撲でも、上手投げの決まり手が多いようですが、この点について本人は「投げにはこだわりがあるので…これからも投げを極めていきたい」と、投げに対する強い意識を語ります。


「師匠からは攻めてからの投げはいいと言われているので、攻めてから投げを打てるようにしたい」とのこと。194センチ、131キロの体で、豪快な投げを打つという、個性的な力士が番付を上げていきそうです。来場所も全勝を狙えるように」と力強い言葉も口にしました。


<序ノ口優勝>

○尾崎海-笹山●

尾崎海の踏み込み。笹山は左上手ですが、尾崎海の右が入って左はハズで出ます。土俵際、笹山の上手投げに対し、右のカイナを突きつけるようにして、寄り倒しました。


*序ノ口優勝:尾崎海さん

尾崎海は、先場所初土俵で、初めて番付に載った今場所、序ノ口優勝を果たしました。「師匠や兄弟子からは『優勝候補だと思うから頑張れよ』と言われていたので、本当に嬉しい」と話します。


静岡県焼津市出身で、今場所は「勝ち越しを決める相撲のとき、家族が見に来てくれて、とても気合いが入った」ということもありました。


今日は、優勝のかかる一番。「昨日の夜から、ずっと緊張しっぱなしだったが、土俵に上がったら、『右からの切り込み』これしかないと思っていたので、これ一本でいこうと思って、それがうまくいった」と、思い通りの相撲が取れたようです。


洋大出身ですが、大学時代、合宿中に事故を起こして首を怪我押しが出来なくなって、そこから相撲を変えるのが大変だった」という苦労を経て、出羽海部屋に入門しました。

部屋の兄弟子・普天王からは「双差し速攻の、豊ノ島関のような相撲を目指したらどうだ」と言われているという尾崎海。来場所また全勝優勝できるように頑張りたい」と、亀井に続いて、尾崎海からも全勝狙いのコメントが出ました。

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