抗がん剤をうち、三週間かけて癌細胞と一緒にやっつけられた健康細胞がある程度復活し、健常とまではいえなくても日常生活に復帰できるのですが、、、今回ばかりは本当に、、、もうなんていうか。4度めともなると、相当な副作用が襲ってきます。全身倦怠感。恐ろしいほどの・・・・・。夕方息子君を送り届けたとき出迎えてくれて、そのまま玄関にしゃがみこむ。。。それだけ見ても如何に今日強い倦怠感に襲われたのかわかります。一挙手がどんなにかしんどいか実感してしまって、私も帰るその一歩がなかなか出ませんでした。一人で我慢して(そんなとき誰かに居てもらってもそれはそれで困るだろうし)やり過ごしているこの時期、どうか一日が12時間ほどに縮まってくれまいかと思ってしまいます。今日が過ぎれば三連休。土曜日は幼稚園行事があるものの、それは父ちゃんの出番。天気が荒れるようだけどさてどうなるのでしょう。。。。

ここまでN子ちゃんの治療に伴走してきた軌跡とほぼ合致していて、患者にやさしい口調で乳癌についてわかりやすく説明されているサイトを見つけましたので少しご紹介しましょう。私達は身近な患者さんに対し、心底完治を願うあまり「心配なところは根こそぎ切除するなりして二度と病に冒されないように元気になってほしい」と考えがちなのではないでしょうか。しかし乳癌の最前線は日進月歩で、毎日たくさんのニュースやレポートが届けられていて驚かされることも多々あります。
実際のところ、医療前線はどうなっているのでしょう。
今日ご紹介するのは「がんサポート情報センター」で“エビデンス(科学的根拠)に基づいた標準治療法や最新情報の研究成果をはじめとして、医療情報、患者さんの実像をとらえたレポート、がんを取り巻く社会状況などを総合的に紹介する「がんの情報ポータルサイト」”として(株)エビデンス社から(株)医薬情報ネットが依頼を受け、制作・運営しているサイト。
聖路加国際病院ブレストセンター長・乳腺外科部長中村清吾氏監修による『これだけは知っておきたい乳がんの基礎知識』の中に、このような記事があります。

【乳がんは全身病。全身的な観点からの治療をするのが今日の常識(大きく変わっている乳がん治療の考え方)】

「乳がん治療の考え方と技術は、大きく変わっています。『1日も早く切りましょう』という勧めには乗らず、先端医療を行っている医療施設にセカンドオピニオンを求めましょう」

乳がんの手術の基本が近年「がん細胞の取り残しがないよう、できるだけ大きく切除する」から「できるだけ小さく切り、乳房を温存する」へ変わったことは、乳がんのことをよく知らない患者さんもご存じだろうと思います。そうした切除方法でも治療効果(生存率)が変わらないこと、逆に、患者さんのQOL(生活の質)や精神的安定ははるかに大きいことが証明され、事実、今では乳房温存が主流になりました。

また、以前はがんを切除してから、補助療法として抗がん剤治療を行うのが普通でしたが、今は逆に、手術の前に抗がん剤治療を行うのが普通になりつつあります。

術前に抗がん剤治療を行うのは、主に2つの理由からです。1つは、がんを小さくして、乳房温存手術が受けられる可能性を高くするためです。もう1つは、抗がん剤の効き目をあらかじめ確認するためです。抗がん剤が効いて、がんのしこりが小さくなるようなら、その患者さんにはその薬がよく効いていることがわかります。ですから、術後の補助療法では、本当にその薬が適切であるか否かわかりません。

ちなみに、聖路加国際病院では昨年、約500人が乳がんの手術を受けましたが、うち180人、約3分の1の人が抗がん剤治療を受けています。結果として、そのうちの2割の人でがんが完全に消えていることが確かめられました。こうしたケースもふくめ、500人の約8割が乳房を温存しています。


ここでは温存が主流になっていること、それから効果が結果としてみやすい術前化学療法が普通になってきていることが報告されています。癌細胞のタイプや大きさによっても異なりますが、考えがちな「どうして先に抗がん剤?」とか「温存なんて心配じゃないの?」の疑問が解消されるような前線の報告でした。
興味が深いかたはサイトをご覧になってみてください。次回は国立がんセンター東病院乳腺科医長監修の“乳がんのオーダーメイド化、個別化治療”から知る面白い報告をご紹介しようと思います。
Author:ROSSO