2005-12-05 09:58:01

映画「受取人不明」

テーマ:韓国映画
エスピーオー受取人不明

 「春夏秋冬そして春」 「サマリア」などのキム・ギドク監督作品(2001年)。観ているうちにジワジワと心が締め付けられ重く鉛のように……。


 伏線も多く、当時の韓国社会のありさまを3人の若者の姿を通して比喩しているようにもとれる社会性のある作品。地味な映画だが、登場人物たちの心には潤いがなく、あらぶれている。

 ストーリーもよく考えられている。タイトルの「受取人不明」というのも、映画の冒頭と結末では、意味が逆転するのも面白い構成だった。


 舞台は、1970年代の韓国。アメリカのベースキャンプ(米軍基地)のある村。

 チャングク(ヤン・ドングン)は、米軍黒人兵との混血児(現在は「ダブル」と言いますね)。犬商人(チョ・ジェヒョン)のもとで働いている。

 そしてチャングクの母親(パン・ウンジン)は、アメリカに帰り自分たちに何の連絡も遣さないチャングクの父親に、あてもない手紙をずっと送り続けている。

 いつか連絡がきて、アメリカに移住できることを夢見ながら。


 ジフム(キム・ヨンミン)の家は、昔は地主であったようだが、父親が6.25(ユギオ)戦争のときに人民軍との戦いで片足を負傷し働けなくなったためか没落。金銭に不自由している。父親は6.25戦争のときに人民軍3人を殺したことが自慢。

 ジフムは、ひ弱でバイトで稼いだお金をいつも不良たちに巻き上げられている。


 ウノク(パン・ミンジョン)は、右目が見えない。幼い頃、兄のいたずらによって右目を傷つけられていまったからだ。彼女はいつも前髪で右目を隠して、他人に見えないようにしている。

 ある米兵が、付き合うことを交換条件に、目の手術を受けさせてくれると申し出るが……。


 チャングクとジフムは、正反対の性格ながらウマが合う。まるで弱者どうしが傷を舐めあうのを表現しているようにもとれる。

 ジフムは、ウノクに心をよせるが、ウノクは目の手術のためにジフムの思いを拒否する。

 3人は、それぞれが抱く愛を退けていく。特に親の愛を否定しまったチャングクの結末は壮絶だった。


 強く生きようともがきながらも、結果、弱者として隅に追いやられた3人の若者の青春像。「青春」という言葉には程遠い、あまりに痛ましい結末……。

 

 米軍基地問題、6.25戦争の後遺症を背負って生きる人々、韓国社会に蔓延(はびこ)る差別問題など、3人が抱えた傷は、そのまま70年代、韓国社会の闇の断片を映し出している。

 そして、その闇は、豊かになった現在の韓国にも引き継がれていることを映画では暗示している。


 PS:愛犬家の方は、遠慮したほうがよさそうです。


【追記】
 先月末(11月30日)のアメーバブログの総合ランキングは609,769人中、724位でした(11月30日のランキングは翌日12月1日に反映)。

 このブログは、毎月アメーバブログ総合ランキングの1,000位以内を目標に運営しています(毎月リセットされます)。毎月、母数が増えており、とうとう60万人を突破しました。

 11月は、あまり更新できず、月初は1,000位圏外となっていましたが、たくさんの方がご覧になった映画を紹介したことと、天才(女子高校生)プロゴルファーのミシェル・ウィーの来日が11月にあり、ミシェル・ウィー(このブログでは10月9日紹介)で検索され訪問してくださった方も多かったようです。

 いずれにしろ、11月も目標を達成することができました。これもひとえに、ご訪問くださった皆様のおかげです。ありがとうございました☆

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