2005-02-03 20:13:30

映画「パッチギ!」。ネタバレあり。

テーマ:在日コリアン

著者: 朝山 実, 羽原 大介, 井筒 和幸
タイトル: パッチギ!

 今日、新宿・歌舞伎町で井筒和幸監督の「パッチギ!」を見てきました。パッチギといのは日本語で「頭突き」という意味です。1968年の京都を舞台に、朝鮮学校に通う朝鮮人高校生と日本の高校生たちの青春を描いた作品です。
 
 朝鮮学校・学生を舞台した映画と言えば、私が見た中では、「青~chong~」(李相日監督、1999年)、「GO」(行定勲監督、2001年)などを思い出しますが、前評判どおり今までのものより、個人的にはずっと優れた作品だと思いました。
 
 当時の日本の時代背景(学生運動、社会主義、ヒッピーなど)や在日朝鮮人の状況(差別、北朝鮮への帰国事業など)、朝鮮学校と日本学校の学生たちのケンカの様子、また難しそうな政治的な説明や背景が、嫌味なく要所要所に挿入されています。
 ケンカのシーンを多用しながらも、恋愛、友情、家族、民族、国家など、色々なことを考えさせられる作品でした。笑いあり、涙あり、沈思熟考することありで、映画の構成も非常にバランスがとれていたと思います。
 
 私は、在日韓国人2世で、小・中・高・大と日本の学校に通っていたので、朝鮮学校・学生との接点がまったくなく、朝鮮学校の様子や学生の考え方などの部分では、たぶん日本人と同じような視点・興味を持って、映画を見ていたところも多いと思います。
 実際、私のような在日2世・3世・4世が在日全体の80%以上を占めているのだから、朝鮮学校に通う在日は少数派といえます(但し映画のテーマとしたら、その方が新鮮なのかもしれませんが)。
 ただ、次回、在日の若者の映画を見るなら、(在日のほとんどがそうであるが)日本の学校に通う在日(多数派)や、朝鮮総連系の朝鮮学校・学生が舞台でなく、さらに少数派となりますが、民団・韓国系の韓国学校(4校しかない)に通う若者の青春像などを見てみたいです。
 どなたか撮ってもらえませんか?(笑)

 最後に、この映画で印象的だったものが二つあります。 
 一つは、映画の中で重要なファクターとなっている「イムジン河」という曲です。この曲の歌詩の中で「ネ コヒャン ナムチョックタン カゴパ モッカニ」とあります。この意味は「我が故郷は南の地(韓国のこと)、行きたくても行けない」となっていて、当時とすれば、軍事政権下の韓国を解放するために北朝鮮人民の心境を表すものだったかもしれません。しかし、時代はめぐり、発展・躍進する韓国と停滞・衰退する北朝鮮へ。 
 現在、この歌の意味が、北朝鮮政府の圧制に苦しむ北人民の、南(韓国)に対する憧れ・希望となっているようにも感じられ皮肉です。 
 もう一つ。最初、北朝鮮に帰国することになっていた朝鮮学校の番長のリ・アンソンが、恋人との間に子供ができたためか、それとも他に理由があったからなのか、数年後のシーンでは、日本で生活していることになっていたこと。 北朝鮮の現在の経済的窮乏と人権侵害を見るとき、もし、最後のシーンで北に帰国していたら、後味の悪い映画となっていたかもしれません。  
 
 この映画は、時代のアイロニーを強く感じさせてくれます。「イムジン河」の歌詩の中にある「水鳥たちが自由に飛びまわる」というフレーズ。人間も、国境・国家を越えて! そんな時代を願います。
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