華籐えれなさんのアラブモノ。
アラブといえど、えれなさんらしくハードな展開もあります。

でも、このお話は受けがさほど痛い目にはあっていません。
精神的には辛い思いをしてはいますが、
プライドが高く気の強い受けなので大丈夫。

アラブですが砂漠シーンはありません。
ほぼ王宮の中でのお話。

調◇教もありますのでエロは少し多めな感じかな。

黒衣の皇子に囚われて 著者:華籐えれな イラスト:Ciel
キャラ文庫 BL小説 2012年1月
★★★★
黒衣の皇子に囚われて【キャラ文庫】/華藤えれな
¥580
Amazon.co.jp

◆あらすじ(裏表紙)
王位継承権を奪われ、不遇をかこつ孤高の皇子・サディク。そんな彼にピアノを教えるのが、音楽教師の志弦だ。軟◇禁状態でも紳士的なサディクに、志弦は惹かれていく。ところがある日、大規模なクーデターが勃発!! しかもサディクが共謀していた!? 志弦が問い詰めると「そなたは私の所有物だ」と冷徹に豹変して!? 高潔な愛情か残酷な策略か――微笑の下に真実を隠した皇子と命がけの恋❤ ◆ (あく金対策で◇挿入)

アラブの皇子・サディク×日本人音楽教師・志弦

志弦のサディクに対する恋心の芽生えを感じさせる序盤だったのが、
クーデターにより打って変わってハードな展開になっていくという
物語の明暗の変化に心を掴まれ、物語に引き込まれました。

白皇子から黒皇子への豹変も見事で!

あ、白皇子というのは序盤の白いアラブ服を着ていたサディクです。
クーデター以降、彼はずっと黒いアラブ服しか着なくなります。
(これには理由がありますが、それがわかるのは解決後)

ただ、衣装の色が違うというだけでなく、
白いアラブ服を着ていた時は紳士で素敵な皇子だったのが、
黒いアラブ服になってからはドSで冷酷な皇子になってしまっているのです。
なのでナギが勝手に白皇子&黒皇子と呼んでるだけです(笑)

物語にはもう一人重要な人物がいます。
サディクの親友であり、サディクの命をずっと護り続けてきた将軍・イスハーク。
サディクとイスハークは、ファラージュ王国を平和な国にするため、
イスハークが国王となるべくクーデターを起こすわけです。

なぜ皇子・サディクが国王ではないのかは複雑なので作中で確認ください。
で、サディクのイスハークへの信頼の証として志弦が貢ぎ物にされてしまい、
そのための調◇教をサディクがするというBL展開なのです。

3ぴもどきもありますよ~。
あと、イスハークが志弦の中でサディクと繋がりたがってるらしく、
うおぉ2輪挿し?とワクワクしたナギですが…!
あったかどうかは作中でご確認を(またかよ)

サディクは何度も志弦を逃がそうとしているようにも思えるのだけど、
それがことごとく彼自身の言動で打ち消されていくから、真意が測れずやきもきしました。

愛憎の間で揺れ動く志弦です。
冷酷なサディクに志弦は彼の心を見失い、憎しみに大きく傾いていきます。

でも、大切なのは黒の中の白を信じること。
志弦の心の強さに救われました。

対照的だったのがイスハーク。
サディクと固い絆で結ばれていたはずの彼が、
憎しみに振り切れてしまった要因には男同士特有の
羨望や嫉妬やライバル心といったものがあるのだろうけど、
ナギ的には志弦の存在が大きいんじゃないかと思ってました。

イスハークはサディクを愛してたんじゃないかなって。
というのも、読んでる最中だってのに脇道にそれて
サディクとイスハークの士官学校時代の妄想をしちゃいそうだったんです。
だって、あまりに美味しいネタなんですもん( *´艸`)ムプ

そしたら、えれなさんのあとがきにもその妄想について触れられてて…。
ナギ、えれなさんのツボとよくかぶるんです。
たぶん共通の萌えツボがいっぱい♪
だからナギは、えれなさんの作品が大好きなんだと思う(*´∀`)

読み手もサディクにかなり翻弄されるお話だけど、読み終えてみれば。
結局皇子は白でも黒でも志弦萌えだってことか?(笑)

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