華籐えれなさんの新刊です。


華籐さん初砂漠、初王子です♪


王子はアラブの王子ですが
トルコも舞台になってます。

以前、何かのあとがきで

トルコ旅行をしたと書かれてたような記憶が
うっすらと残ってるんですが
この作品の取材旅行だったかな?
なんて思いました。

トルコの街並みの細やかな描写がステキでした。


幾千もの夜の秘めごと 著者:華籐えれな イラスト:梨とりこ
アルルノベルズ BL小説 2010年4月
★★★★

幾千もの夜の秘めごと (アルルノベルス)/華藤 えれな
¥900
Amazon.co.jp

◆あらすじ
内政不安の続く中東の産油国アムランで、王子イドリスと兄弟のように育った惺は、ある陰謀に巻き込まれ彼を傷つけたまま国を負われた。 8年を経て、淡い想いすら抱いていた彼の元に護衛として招かれた惺。 しかし、人が変わってしまったようなイドリスは「再会を祝い、今夜の伽を命じる」と、美しく微笑み―。 熱を煽るかのように感じるところを弄られ、嬲られる。 まるでプライドを傷つけて楽しむかのような彼に悔しさがこみ上げる惺だったが…。 ◆


イドリスは第3王子なのですが
王位継承争いに絡み
小さな頃から暗殺の危険に晒されています。
その危険から守ってくれる者はおらず
イドリスは人を寄せ付けず、
寡黙で無愛想な子供なんです。


そんなイドリスのボディーガード兼友達として

王の命令で家族から引き離されてイドリスと暮らす惺。

絶えず死と隣りあわせで
誰も信じることが出来ず、
誰にも心を開かないイドリス。

孤独を抱える二人はあることをきっかけに
お互いを大切な存在として認識し始めます。

でも、身分違いの恋。
想いを告げることもなく、
王室の争いに巻き込まれ
国外追放になる惺。

それでもずっとイドリスを想い続けてるんですよ。
いつか許されるならもう一度イドリスの傍で
彼を守りたいと。

そして、8年後、イドリスに呼ばれ再会しますが

イドリスは、かつてとは正反対の
傲岸不遜な放蕩王子に成り果てていた。。。



華籐さんの作品レビュには毎回書いてますが
この作品もほんとに美しいんですよ。
王道アラブとは違うのですが
華籐さんだからこその世界だなぁと思います。

トルコの街、、砂漠、宮殿、
イドリスと惺のシーンの数々、
そのどれもが華籐さんの繊細な描写で
情景が頭に浮かんでくるようです。

イドリスと惺が初めて心を通わせるシーン。
砂漠での一夜だけの秘めごとのシーン。
急な雨に見舞われ、雨宿りした廃屋での
Hシーン。

終盤、心を通わせた二人が
命をかけて行動を起こし…。
そして二人の愛の誓い。

ほんとに美麗で素敵な描写がたくさんあるんです。
心と身体で愛を確かめ合った二人の
言葉のやりとりも素敵で、うっとりしますよ~。


華籐さんのあとがきが楽しかった!
初の砂漠モノが王道とは外れてることに

かなり自虐的になっていて笑えます。

俺様攻のイドリスも
最終的にいつもの攻めになってるような気がするって(笑)

でも!
私はそれが好き!
俺様だったのが、実は寂しがり屋だった。
って、いいじゃないですか!

俺様がヘタレになってくのって
愛あればこそだから大好きですよ~!
ま、王子であるイドリスに、
唯一ビシっと物申すことができる存在が
惺だからってのもあるんですけどね。

華籐さん流砂漠モノ、堪能しました~♪



≪華籐えれな作品INDEXへ



↓ランキングに参加してます。ポチしてもらえると喜びます♪
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ にほんブログ村