【話の肖像画】改革は納得だ!(中)

 --前任の山形大学には、いわば「ドクターフィー(医者の技術料)」がありますね?

 嘉山 診療科によって業務内容が少ない医者と、夜中まで手術をやる医者がいる。それなのに給与は同じじゃ、割に合わないから、「ハイリスクで低収入」の不遇感を取り払う仕組みを作ったの。35万円以上の手術では、1割を技術料として外科医と麻酔科医に配る。総額で山形大学の医療費の0・3%だから、大したことない。1人当たり月10万円にもならない。でも、医者は「報われた」と思う。その感覚が大切なの。

 --手当で可能なら、診療報酬にドクターフィーを組み込まなくてもいいと?

 嘉山 明記しないとだめ。今回の改定では、勤務医の負担軽減が答申書に明確に入った。だから、負担軽減をしないのは悪徳病院経営者だよ。盛り込むのに反対されたけど、「処遇改善の努力をしてるなら、書けるでしょ」と。

 --明記すれば、手当でもいいと?

 嘉山 いいよ。ドクターフィーの概念を知ったことが革新的。今まで医者の技術料が認められていないことを知らなかったんだから。手術点数は1つで、材料費と技術料が込み。外保連(外科系学会社会保険委員会連合)が「手術代の4割が糸代」というデータを出し、国民も正しい情報を持った。それが第一歩。現場では、脳外科や心臓外科から人が流出し、医学部に卒業生が残らないんだから。でも、山形大学は今年、卒業生の4割が大学に、2割が県内に残ったんだ。地方大学じゃ最多じゃないかな。

 --残った動機は?

 嘉山 プライドですよ。僕が教授になった14年前は学生が大学にプライドを持っていなかった。僕は大学改革は町おこしだと思う。救急部長だったとき、年200台しか受けていなかった救急車を2千台にしたんだ。教授会で「200台じゃ教育にならない。学生が東京に帰ったとき、東京の医者から『山形は何を教えてんだ』と言われますよ」って説得して。

 当時は耳鼻科医も外科当直に入っていて、急患に対応できなかった。で、ポケットベルを買って、頭と心臓と腹の担当者に持たせた。「命にかかわる3分野は呼んだら集まれ」と。代わりに、呼び出しに5千円の手当をつけた。ポケベル17個分の費用で救急を10倍にしたんだ。それが僕の改革の第一歩です。

 --国立がん研究センターでも医者の技術料を創設し、救急をしますか

 嘉山 いろいろ見てからですが、改革はしていきますよ。

 --中央社会保険医療協議会(中医協)で高度医療や創薬の後押しを主張されました。ですが、診療報酬は今まで、薬科を下げた原資で医科を上げてきました。薬代を厚くするなら、財源はどうしますか

 嘉山 あれは、今後は中医協で診療報酬の改定率や創薬の問題に取り組みますという宣言をしたんだ。

 --宣言すると、中医協で決められるんですか

 嘉山 正しいことのためなら根っこから議論したっていいんだよ。そんな議論もできないんなら、僕はやめるよ。鉛筆1本の値段(=診療費の細目)を決めてたってしようがない。薬価は下げてもいいけど、創薬ができる研究開発費をつけないと。

 --財源は?

 嘉山 缶詰に50円出せば、50円にしかならないけど、人間に50円出せば10倍働くかもしれない。人に投入すれば2倍とか5倍になる。雇用が生まれると安心感が出て、個人金融資産が出てくるよ。「農産物を作らなくていいから、補助金を出します」というやり方は本当に悪い結果をもたらす。いろんな政党が、こんな補助金政策して。消費税はいずれ上げなきゃいけないかもしれないけど、政策の透明度を増せば、みんな増税に賛成するって。(文・佐藤好美)

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 口蹄(こうてい)疫問題に関する国の疫学調査チームは7日、被害が終息した宮崎県えびの市に入り、感染経路などを探る現地調査を開始した。同チームの現地入りは4月29日に同県都農町を訪れて以来2度目。
 調査には学識経験者ら4人のほか、農林水産省、九州農政局、宮崎県の職員が随行。えびの市内の発生4農場を回り、農家からの聞き取りで家畜の飼養状況なども調べる。
 えびの市では4月28日に最初の口蹄疫の感染疑いが確認されたが、5月13日を最後に新たな発生例は出ていない。被害の終息に伴い、6月4日には半径20キロ圏内の家畜の移動・搬出制限も解除された。 

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 「近代的な豚舎は設備が充実しているが、それでも防げなかった」。政府が22日、防疫のため国内で初めてワクチン接種に踏み切った口蹄疫(こうていえき)。その恐ろしさを宮崎県川南町の養豚農家、日高義暢さん(30)は身をもって知った。

 約8千頭を飼育する豚舎は、10年前に5億円をかけて改築。窓がなく、最新の空調設備を備える。出入りのたび従業員全員が必ずシャワーを浴び、服もすべて着替えるなど10項目を超える衛生対策を徹底してきた。

 だが、ウイルス侵入を防ぐことはできなかった。抵抗力が弱い子豚9頭が死んでいるのを従業員が見つけたのは16日。親豚は鼻と足にできた水疱(すいほう)が破れ、血が流れていた。

 「ついに来たか」。覚悟はできていた。「残念ながら発症しました」と獣医師に報告、17日に遺伝子検査で感染疑いが確認された。

 19日朝、一晩で約50頭の子豚が死んだ。感染した親から母乳を飲むためだ。死んだ子豚に石灰をまき、埋却処分を待った。8千頭が処分対象だ。

 大阪の大学を卒業後、22歳で故郷に帰り、家業の養豚を継いだ。水や餌にこだわり、臭みをなくしたオリジナルブランド「まるみ豚」を使った豚ハンバーガーの販売を昨年11月に始めると、限定100個があっという間に売り切れるほどの人気に。「県内に住む100万人に食べてもらいたい。そう思っていたのに」と悔しがる。

 落ち込む従業員に「つらいけど山を乗り越えよう」と呼び掛け再起を誓った。養豚の道に入って約8年。かつてない苦難と絶望。それでも「農家として前を向かないといけない」と決意を込めた。

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