札幌の繁華街「すすきの」の近くにある原則ご紹介制のワインバーです。フランスワインが中心です。ご予約でお料理もお出しします。
http://t-desk.net/grenier/

  • 24 Mar
    • 木彫りの探検クマ

        新千歳空港内でおみやげショップを経営する『株式会社山ト小笠原商店』様からご依頼いただき、同社ネットショップのキャラクターを作成した。   木彫りのクマをモチーフにした、その名も『木彫りの探検クマ』という。   『北海道お土産探検隊』 ⇒ http://www.rakuten.co.jp/hokkaido-omiyage/     クマは、ヒグマである。口にくわえているのは、もちろんサケ。ただし、「1万本に1本」といわれる希少なサケ、『ケイジ』だ。 あるとき探検クマが知床の森を散策していたところ、川で溺れかけたケイジを見つけて助けてやった。探検クマは元来シャイでネクラな性格なのだが、お調子者で明るいケイジとすっかり意気投合。ふたり(1頭+1尾)して北海道中のおいしい食材を探して探検する、という設定である。   おかげさまで、このベタなキャラはクライアントの女性チームから好評をいただき、立ち姿も追加オーダーとなったのでご用意した。     …という具合に、昼もがんばって仕事している。早く夜の収入だけで生活を成り立たせたいが、道のりはまだまだ遠いようだ。   まぁ、楽しいからいいんだけどね。        

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  • 20 Mar
    • アミューズ=ブッシュ

      ▲本日のアミューズ=ブッシュ、スモークサーモンリエットのクリスプサンドとスープピストゥ     アミューズ=ブッシュの話だ。     『アミューズ』とはフランス語で『楽しむ(Amuse)』、『ブッシュ』は同じく『くち(Bouche)』という意味。合わせてアミューズ=ブッシュ、直訳すれば「くちを楽しませる」となり、フレンチのコース料理の冒頭で供される「ひとくち大ほどのオードブル」のことである。日本では、単にアミューズと表現されることが多い。   アミューズ=ブッシュとオードブルの違いはなにか、というと、アミューズ=ブッシュは「より洗練されたオードブル」で、ヌーベルキュイジーヌが登場した70年代以降に定着したとされている。   料理を繊細かつ美しく演出するヌーベルキュイジーヌのコンセプトにおいて、オードブルもシェフの美的センスを表現する重要な一品として変化し、アミューズ=ブッシュになったというわけである。   ちなみに、『オードブル』はフランス語で『Hors-d'oeuvre(オール=ドゥーヴル)』と記述し、直訳は「作品の外」。つまり、コース料理に組み込まれていないサプライズ的おまけ料理で、スープや前菜より前に登場するおつまみ、という位置付けだ。これは、アミューズ=ブッシュも同様。日本のお通しと異なり、席料ではないから無料である。   このように、アミューズ=ブッシュは、シェフからのサービス品なので無料なのはもちろん、本来メニューにも載らないはずである。が、店によってはコースメニューに『アミューズ』が登場していたりする。これは、厳密にいえばおかしい。おかしいのだが、シェフが創意工夫をこらしてお客様を楽しませようと用意した一品なので、メニューに載せたくなる気持ちは痛いほどよくわかる。だから、これはまぁ、いいじゃないか、ということで。     うんちくは続く。この記事を書くにあたり調べものをしていたら、アミューズ=ブッシュは本来、『アミューズ=グール』と称するのが正式とあった。『グール(Gueule)』とは主に『大きく開く動物の口』という意味である。人に対して使う場合、侮蔑的なニュアンスを持つ。よって、慣例的にアミューズ=ブッシュといわれるようになったらしい。   そういえば、小学校時代に通っていたブリュッセルの現地の小学校で、最初の頃に覚えたフランス語のひとつが、『 T'a gueule (タ・グール)』であった。これは、直訳すれば「お前の口」なのだが、「ふじゃけんじゃねぇよ、てめえ」というふうに解釈される。子供は、こういう汚い言葉から覚えるのである。困ったもんだ。     というわけで、アミューズ=ブッシュは本来、無料のサプライズ品でコースメニューに載らないものであるが、いまどきは必ずしもそうではないということと、正式にはアミューズ=グールと称するものであることがわかった。このように、時につれ言葉の意味や使い方は自然と変化していく。   店主の両親は昭和一桁のインテリで、とにかく「本来の意味・使い方」にこだわる傾向がある。先日も、高校生の孫に対して「らぬき言葉」の不適を指摘しており、思わず失笑してしまった。 日本語の変化(乱れ)として、「らぬき言葉」は話題の代表といえる。しかしながら、2016年9月の文化庁の発表によると、世代を超えて「らぬき言葉」が多数派になったということなので、こうなるともう、どちらが正しいのかという議論自体がナンセンスになってくるように思う。 さらに調べを進めてみると、歴史的にはそもそも「らぬき言葉」のほうが一般的で、「ら入り言葉」は江戸弁を標準語化したものだという説まで登場する始末で、もう、わけがわからない…。   …わからないんだが、なんだか話が脱線してきているので、このへんでやめておこう。    

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  • 13 Mar
    • カニが食べられなくなる日は近い

      ▲ズワイガニと菜の花のリゾット、アメリケーヌソース、チーズのチュイル添え       カニの話だ。     ここ数年、カニの価格が暴騰している。高すぎて買い手が少ないためか、札幌の市場でも明らかに売り物が減っている気がする。特に活カニ(活きたカニ)の減少が顕著だ。   とあるお客様主催の貸切パーティで、本州からのゲストが多いという理由からカニ料理をリクエストいただいた。鮮魚関係の仕入れは、知り合いの郷土料理店を通じて、札幌中央市場に上場しているものを目利きしてもらう。ところが今回、料理店の大将から「カニはやめとけ」といわれてしまった。コストパフォーマンスが悪すぎる、というのだ。     結果的には、すすきのの鮮魚店で、冷凍の『オホーツク産浜ゆで特大毛ガニ』を予約手配することになった。ボイル&冷凍とはいえ、いまどきなかなか珍しい1kgアップの立派な毛ガニで、カタチもよく、見るからに身入りが良さそうな秀品だ。 しかし、値札がすごい。仕入れ値でほぼ9,000円! 歩留まりが60%前後と見積もると、可食部のキロあたりの単価はなんと約15,000円にもなる。この単価なら、デパ地下で『高級和牛ヒレ肉ステーキ用』が買える。なんとも絶望的な高値である。     なんでこれほど急激に高くなったかといえば、それはもう、おとなり中国の消費急増にほかならない。   昨年の暮れだったか、NHKの情報番組かなにかで「日本の食卓からカニが消える」的な特集が組まれていた。品物自体が手に入らず、年末年始の国内需要に追いつかないという内容だ。その理由として、北海道に観光で訪れた中国人富裕層たちが日本のカニの旨さに感激し、自国に戻っても輸入品を食べるようになったからという。これまで、彼の国の人たちにとって、『カニ』とはすなわち『上海蟹』のことだったのである。 中国人富裕層の食欲はすさまじい。親族総出で巨大な円卓を囲み、中央の大皿にタラバガニや毛ガニをてんこ盛りにして、じいさんもばあさんも孫に至るまで、ばりばり食べている画像が紹介された。   「日本のカニは、中国のものよりおいしいね!」   …それはそうかもしれないが…。     「北海道=カニ」、というイメージは根強いが、実際のところ道内で流通しているカニのほとんどは、ロシアを中心とする外国産の輸入である。近海でも毛ガニを中心とした水揚げはあるものの、厳しい資源保護下に管理されており、漁の規模は極めて小さい。   つまり、北海道とはいえ需要の大部分は輸入に頼っているわけで、それらが中国に寡占されるようになった影響は深刻だ。くだんの番組では、上海の水産業者のインタビューもあり、背景の生簀には、活きたタラバガニや毛ガニがぎゅうぎゅうづめになっていた。 …だめだ、こりゃ。     店主は、決して「中国人が悪い」といっているのではない。かつての日本がそうだったように、経済発展の結果、強大なマネーを持った需要大国に供給は流れる。これは必然といえる。ただ、このままでいけば資源の枯渇は時間の問題だ。必然とはいうものの、もう少しその、なんとかならんかなぁ…と思うわけだ。     店主が北海道に移住した25年ほど前、毛ガニの価格は現在の半値から1/3程度だったろうか。ところが、同世代の道産子たちは、その時点ですでにカニの価格暴騰を嘆いていたのである。   「中学校の頃は、毛ガニがおやつ代わりだったんだけどね、いまや高級品だね」   そんな彼らは、いまどきのカニ価格相場狂乱を、いったいどんな気持ちで眺めているのだろうか。      

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  • 10 Mar
    • 合鴨はガチョウではない

        馴染みのお客様であるMさんと、『合鴨』の話になった。   Mさんは、当店の大切なお客様であると同時に古くからの知人であり、気兼ねなく話せることも手伝って、ほかにお客様がいない時はふたりしていろんな話題について議論を展開することも多い。 釣り好きのMさんと、キャッチ&リリースの是非について(店主は否定派)意見を戦わせたこともある。このときは、後からいらしたお客様をふたりのくだらない論争に巻き込んでしまい、結果、そのお客様のご気分を損ね、「二度と来ない」と捨て台詞を吐かれてしまった。開業まもない頃の、苦い思い出である。ちなみに、その方は、台詞どおりその後二度とご来店いただけていない。   それで、『合鴨』の話である。   どういうわけか、Mさんは、「合鴨はガチョウと同じだ」といって譲らない。なぜ、そのような見当違いに行き当たったのかは謎だ。かなりの自信を持って「合鴨はガチョウと同じだ」と主張する。違うってば。 かつては、このような誤認や誤解を看過することができず、完膚なきまでやり込めたものだが、最近ではやんわりとスルーすることにしている。肯定はもちろんしないけれど、あえて強く否定もしないというスタンスだ。理由は単純で、いい歳こいて自分の確信を否定されるのは、たとえそれが誤りであったとしても、まったくもって気分が悪いのではないかと気づいたからだ。   「見当違いは恥ずかしいものだから、知人だからこそちゃんと是正してあげなくては」などというおせっかいは、ともすると逆効果になるのではなかろうか。未来ある若者の過ちは、大人たちが責任を持って正してあげるべきだが、おっさんの見当違いはもう、そっとしておいてあげよう、と思うに至ったわけである。   ちなみに、合鴨はマガモとアヒルの交配種である。マガモは野生のカモだ。アヒルは、マガモを家禽化したもの。そして、ガチョウは雁を家禽化したものである。アヒル(特に白アヒル)とガチョウの外見は似ていなくもないが、生物学的には別種。これに対して合鴨、アヒル、マガモは同種である。これ以上いうまでもなく、合鴨とガチョウは別ものである。   ところで、蕎麦屋の鴨南蛮につかわれる肉は、ほぼアヒルであるという事実に驚く人がいる。しかし先述のとおり、アヒルは野生のマガモを家禽化したものだから、生物学的には同種なので、実は驚くに値しない。野生のマガモをつかったら、鴨南蛮1杯でいったいいくらするのだろうか。   合鴨は、アヒルの肉質をよりマガモに近づけるために作り出された家禽だ。たっぷりとした肉には適度に脂がのっていて、柔らかく、かつ肉の味もしっかりしている。力の入った蕎麦屋では、鴨南蛮に合鴨をつかっているところもある。当店ではコース料理の定番メニューとして活用していて、滝川産のものを仕入れている。お値段的には、ちょとした牛肉のもも肉と同じくらいの単価で、決して安くない。   それにしても、こういう優秀な素材はほんとうに助かる。店主のように調理スキルが低い者にとって、よい素材を探し出すことそのものが、生き残りのための必須条件に近いのだ。   …というわけで、ご予約があれば合鴨を調理しますよ!    

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  • 07 Mar
    • ショートで巨乳にひるむ

      Facebookやblogなど無料のプロバイダーを利用すると、自身のページに必ずランダムな広告が表示される。これは、ビジネス的に当たり前なのでまったく問題ないのだが、ゲームの広告がとにかく多いのに驚く。しかも、『美少女』をモチーフしたゲームである確率が高くて、なんだか見ていて「ひるむ」という件だ。     たまたま、当blogでさきほどランダムに表示されたゲームの広告をチャプタしてみた。もちろん、ゲームの内容は知らない。   それにしても、この『美少女』はどうだろう。ボーイッシュなショートヘアで、すごく巨乳だ。やたらセクシーな水着にギリシア神話のサンダル的腕飾りの組み合わせ。腰には不思議なリングに忍者の武器『クナイ』のようなものが吊るされている。そして、なぜか足元は草履だ。うーん、なんだ、これは。やはり、この、現実世界ではありえない、極端なアンバランスが当世の二次元的価値感なのだろうか。   店主もアニメは好きでしばしば観るし(ジブリとかピクサーとか)、二次元の世界にのめり込んでいる人たちについてどうこういうつもりはまったくないのだが、この手の広告がひんぱんに表示されると、やっぱりひるんでしまうのである。せめて、肌の露出をもっと控えてくれ、といいたくなる。あるいは、もっと「こっそり」やってくれないか。淫靡なかんじで。 もっとも、いまどきの若年層は、こういう画像を見ても「クールだね」なんて軽く流してしまうのだろうか。それはそれで、寂しい気がする。   まぁ、こんなことにいちいち気恥ずかしさを感じていること自体が、すでに若者文化からリジェクトされているという事実であり、そのたび自らの年齢を思い出したりして、ちょっとだけ寂しくなったりするのであるが。      

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  • 05 Mar
    • 村上龍のことば

      村上龍は好きな作家のひとり。レギュラー出演の経済TV番組『カンブリア宮殿』でのコメントが気に入ったので記事にしてみる。     ▲若かりし(?)ころの村上龍。かっこいいじゃないか   ゲストは『羽田市場(はねだいちば)』という革新的な鮮魚流通システムをビジネス化した、51歳の経営者だ。いまでこそ注目される業界の寵児だが、高校卒業後、数年間フリーター生活をしていたという。   「やりたいことが見つからなかった」「毎日パチンコをして過ごした」   ご実家が商売をしていて、かつバブルで日本中が豊かだったという都合のよい背景があったにせよ、現在のご活躍とのギャップが面白い。   村上龍は経営者のプロフィールをこう評した(録画してないので要約)。   「脳が受験戦争で消耗することなく、必要なそのときまで余裕を持っていたんですね」   回り道をすることでいろんな経験をしたのでは、とか、出会いや気づきがあったのでは、なんていうかんじのコメントは誰でも出せそうだが、「脳みそに余裕があった」とは。そうきたか。さすが、村上龍。     かくいう自分は、高校中退だ。受験戦争は敵前逃亡してしまったし、とにかく勉強がキライで難しいことは考えない主義だから、そういう意味では脳みそはかなり新品に近いはずである。 …が、今年53歳になろうかというのに、いまだにこの体たらくだ。くだんの経営者と同世代で、放蕩生活も似ているはずなんだが。なんだ、この差は。     ところで、冒頭で「村上龍が好き」といってみたけれど、ちゃんと振り返ってみると彼の作品をむさぼり読んだというわけでもないことにいまさら気づいた。何冊かの小説とTV番組やエッセイで、なんとなく知った気持ちになっていたのかもしれない。   今日にでも、BOOKOFFに行ってみよう(新品で買えよ)。     ▲やたら共感するテーマが多いエッセイ集『すべての男は消耗品である。』  

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  • 23 Feb
    • ソムリエ呼称資格認定試験の対策

        何人かのお客様に、ソムリエ試験対策の勉強方法を聞かれたので、自分の経験を記事にしてみた。あくまで個人的な経験談であり、内容についてなんら責任は持てないので、あらかじめご了承いただきたい。   前回の記事 ⇒ http://ameblo.jp/bistro-tati/entry-12246800637.html       ソムリエ呼称資格認定試験の対策     <一次試験>   四択式マークシートの筆記試験。 膨大な情報量を前にしてまず途方に暮れるが、これはもう、がんばって丸暗記するしかない。暗記が得意な人はともかく、一般的な頭脳の持ち主にはたいへん厳しい関門だ。不合格者の大半は、この一次試験でつまずくのであるからして、しっかり対策して臨みたいところだ。一次試験突破のポイントは…   ・とにかく早期に勉強を始める ・自分にあった対策本を準備する ・本気で勉強する   …である。   試験は例年8月下旬だ。店主は、元日に受験を思い立ち、1月末から徐々に一次試験対策を開始した。7ヶ月の余裕があったわけで、結果的に毎日少しずつ、無理のないペースで勉強することができた。   受験対策本は数種類出版されているから、書店で自分にあったものを直感的に選び出すのがよいだろう。店主が購入したのは、杉山明日香氏の『ソムリエ試験対策講座』(リトルモア刊)。シンプルかつ分かりやすい編集が気に入って選んだ。地図帳が付録されていて便利。同氏は『受験のプロ』と称されているらしく、なるほど学習参考書の要領で構成されているので、記憶に刷り込まれやすいのかもしれない。   ただし地図帳は要注意で、やや正確性を欠いていた。地図問題は正確性が求められるので、適宜協会発行の『日本ソムリエ教本』と比較して訂正することをお勧めしておこう。 また、2016年度の一次試験にはオーストリアのニーダーエストライヒ州の地図が登場し、その中から産地を選択するという難問が出題された。これは、くだんの地図帳ではまったく歯が立たなかった(店主も不正解)。 巻頭には過去数年分遡った出題傾向がまとめられていて、勉強の優先順位づけの参考になる。今回はけっこう予想がズレたといわざるを得ないので、過信は禁物だ。 対策本の新年度版は、3月末ころに発売されると思われる。これは、教本の最新版の発行を待って編集しているからだが、前年度版を買ってでも、できるだけ早く勉強をスタートさせるべきである。そして、新年度版が発売されたら、迷わず買い直そう。お金はもったいないが、そうするだけの価値はある。 ちなみに、店主はケチって新年度版に買い換えなかったことで、おそらく、2〜3問ほどロスしたような気がする。一問あたり1,000円と考えれば高くないか?   対策本のほかに、児島速人氏の『ワインの問題集』(イカロスMOOK刊)も購入。これは、同著の『ワイン教本』に対応した問題集だが、店主は『教本』は買わず、問題集のみを活用した。過去問題も紹介されているので、雰囲気に慣れるという意味では有効だ。 過去問題で90%以上コンスタントに正答できれば、当日多少予想がズレたとしても、合格ラインには乗れるのではないだろうか。推測だが。     あとは、対策サイト『ワイン受験.com』(https://www.wine-jyuken.com/)も活用した。会員登録と会費がかかるものの、スマートフォンでクイズ形式の問題が閲覧できるので、通勤中やちょっとした待ち時間も勉強に充てられる。   これらの教材を活用することは必須要件に違いない。しかし究極的には、とにかく「本気で勉強する」ことだ。四択マークシートだからといって決してナメてはいけない。知ってるつもりは非常に危険だ。 とはいえ、ソムリエ受験資格者は同時に勤め人でもあるはずなので、自由になる時間は限られている。店主は、一日のべ90分程度は一次試験対策に割くよう努力した。もちろん、まったく時間が取れない日も多々あったが、早くから対策を始めたことで切羽詰まることはなかった。   ちなみに、一次試験の合格ラインは正答率80%程度といわれているようだが、真実は不明。協会は、おそらく正答率ではなく合格者数を設定しているものと思う。つまり、問題が難しければ正答率のラインは下がるし、逆なら上がるということだ。       <二次試験>   テイスティングと論述。 テイスティングは、一次試験と異なり「付け焼刃」が難しい。日頃からワインを深く味わっている人は蓄積があるはずだから、それを頭の中で整理すればよい。そうじゃない人は…どうしよう?? ひとつ確かなのは、「闇雲に飲まなない」ことだ。蓄積が不十分なままあれこれと手を出すと、高い確率で迷宮入りしてしまう。そこでまず、『シャルドネ』を確実にインプリントしたい。出題率が高いことに加え、赤も含めたすべてのブドウ品種の基準となる香りと味わいだからだ。バーでテイスティングの練習をするときも、必ずシャルドネはオーダーすること。シャルドネが確実に当てられるようになったら、『ソヴィニョン・ブラン』、『リースリング』に手を伸ばす。この三種類に自信が持てれば、白は問題ないだろう。 赤は、『シラー(シラーズ)』を押さえたい。次に『ピノ・ノワール』。このふたつが確実になったら、あとはこれらとの相対的な違いでおおよその判断がつく。少なくとも、大外しすることはないはずだ。   スティルワイン以外のテイスティングは、正直、たいへん困難だ。ハードリカーの蓄積を持っている人は稀だろう。残念ながら、ここにはティップスなない。飲むと体に悪いから、香りだけでも判断できるようにしたい。『カルヴァドス』、『アルマニャック』、『ウィスキー』、『ジン』、『シェリー』、『ポルト』…を覚えれば十分…かな?    テイスティングコメントの回答は、前述の『ワイン受験.com』の対策講座を参考にした。品種に対しての模範解答が紹介されているので、丸暗記で問題ないだろう。   論述は2016年度から新登場となったテーマで、以下3問が出題された。   ・「赤ワインを冷やして飲みたいお客様にお勧めするワインとそれに合う料理とは」 ・「テイスティング試験二番目のワインをお客様にわかりやすく説明する」 ・「日本酒の ひやおろし について簡潔に説明する」   1問目については、正解がないといってよいだろう。無茶な設問である。このように、どんな問題が出るかはまったくわからないので、常日頃から知識を蓄えておくしかないか。いくつか自分で問題を想定して、それについて実際に書いてみる練習は効果的と思う。特にキーボード世代は文字を書く習慣が薄れているので、いざというときにまごつくと困る。200文字くらいを目安に、せっせと書いてみてはどうか。   二次試験の合格ラインは、謎のベールに包まれている。テイスティングを全問外しても合格した人がいるとか…。ちなみに、店主はテイスティング5問中2問を外したがセーフだった。一次試験とテイスティングは試験終了後にwebで正解が速報されるのに比べ、コメントや論述、三次試験については一切のフィードバックがない。合格してしまえばそれでよいといえなくもないが、協会には、もっとこのあたりをディスクローズしてもらいたいものだ。     <三次試験>   サービス実技だ。受験対象者には、協会から事前に模範演技の画像が配信されるので、実際にそのとおりに反復練習すればよい。日頃のサービスと違う所作が求められる上、3名同時に演技させられるので、たいへんやりづらい。…が、平常心で臨めば大丈夫だろう。       以上、私見ではあるが、自分なりの経験をふまえて対策をまとめてみた。 結局のところ、とにかく一次試験を突破することがなによりも大切で、そのためにはちゃんと時間を作って、早め早めに準備することが肝要だ。逆に二次、三次は、よっぽどのことがないかぎり落ちないと考えてよいのではないかと思う。 これから受験される諸兄の成功を祈るとともに、当記事が少しでも参考になれば幸いだ。      

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  • 22 Feb
    • HONDA SHUTTLE その後

        HONDA SHUTTLE が納車になって4ヶ月ほど経過した。ここまでで、気づいたことのまとめ。   HONDA SHUTTLE その後   前回の記事 ⇒ http://ameblo.jp/bistro-tati/entry-12227409086.html     <外観> 当初はいろいろと思うところはあったが、いまやすっかり見慣れた。特別色の『ミッドナイトブルービームメタリック』は、落ち着いていて気に入っている。しかし、とにかく汚れが目立つ。北国の冬場は洗っても洗ってもキリがないので気にしないにこしたことはない。とはいえ、高速道路を走行したあとは、凍結防止剤を落とすために洗車するようにしている。     <室内> センターコンソールのドリンクホルダーがとにかく使いづらい。太めのペットボトルは入らないわ、ショートラテは取り出しにくいわで、これはやはり改善しなくてはならないようだ。ネット情報で、市販の汎用ドリンクホルダーを改造して、コンソールに埋め込んでいる人がいたので、時間のあるときに真似してみようと思っている。 いまのところ、新車ということで家族も気を遣っているらしく、モノが車内に散乱するということもなく平和だ。 シートヒーターはありがたい。氷点下の走り出しで、しばらくヒーターが効かないときなど、特にありがたく感じる。北国ではぜひ装備したいアイテムだ。     <ドライビングポジション> これもまぁ、慣れたというか、どうしようもないので諦めたというか。シートハイターを2〜3ノッチほど上げた状態で固定している。気分的には腰高感があってもぞもぞするのだが、そもそも車高がそれなりに高く、頭上のクリアランスも大きいから、これくらいアップライトなポジションでドライブしろという車なのかもしれない。 背もたれの調整は、やはり無段階のダイヤル式にしてほしかった。ノッチ幅が大きくてビミョーにしっくりこない。     <i-DCD> ゼロ発進から低速で走行していると、なかなかギアチェンジしないときがある。おそらく、2速あたりで固定されたかんじ。もっと踏めばもちろん変速するが、なんか気持ち悪い。時々、「がー」的ないつもと違う音を出すことがある。そんなに大きな音ではないが、いつもと違う音がすると不安になるのでやめてほしい。 あとは、EV走行から勝手にエンジンが始動してシナジードライブに切り替わるタイミングで、つなぎにスムーズさを欠くことがある。いつもではない。こういうのも、なんか気になる。     <ドライブフィール> 冬の札幌は、凍結した路面でガタガタである。今年は特に除排雪が追いつかず波状路は当たり前で、爆弾でも落としたのかというほどでかい穴が空いているなど、危険きわまりない最悪の路面状況となっている。 悪路でサスペンションに大きな負荷がかかるとき、フロントから「ぎいぎい」音がする。「ぎがぎが」だったりする。こんなもんだろうか。 車格に対してややパワーが足りないかもしれない。近所の抜け道になっている急勾配の峠を走っていると、ちょっと苦しそうだ。Sモードにして踏めばよいのかもしれないが、どうもそういう気にさせない車である。     <燃費> 街中と郊外のミックス走行で18km/L。街中オンリーでちょこちょこ乗って15km/Lほど。やはり、このあたりが現実的な実力なんだろう。冬場でコンディションが悪いから、雪が解ければもう少し改善するのかもしれない。 前回の記事で、ハイブリッドによる燃費向上率を50%としていたが、これは前車GD−4 FITをベースにしたものだ。SHUTTLEのガソリン車と比較するとどれくらいになるかは不明。FITと同じ排気量で、重量は20%ほどアップしているわけだから、実際の向上率はもう少し高めにみてやってもよいのかもしれない。 交通量の少ない街中で、意図的にEV走行になるように運転してみたら、瞬間的に30km/Lになって笑えた。DUCATIより燃費がいい。     <その他> ナビの夜間画面がとにかく見づらい。さらに、降雪時は細かい雪玉のグラフィックが重なり、最悪の状態になる。シャレたつもりだろうが、余計なことをしたものだ。設定でキャンセルできるのかもしれないが、マニュアルを読むのが億劫でそのままになっている。   なんだかんだいいつつ、乗っているうちにだんだん愛着が湧いてきた。長く付き合っていけそうな予感がしている。    

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  • 11 Feb
    • ソムリエ呼称資格認定試験

         2/6から2/12まで『さっぽろ雪まつり2017』が開催された。札幌でもここ数年観光客が激増していて、特にまつりの期間中、観光スポットのアーケードモール『狸小路(たぬきこうじ)』を行き交う人々の会話が、ほぼ日本語ではないという異常事態が発生していた。ここはどこだ。  まつりの入れ込みも過去最高人数を記録したという。あいにく、当店の盛衰とは直接的な関係がない。当たり前だが。     ソムリエ呼称資格認定試験    ソムリエとはなんぞや。漫画やドラマの世界では、香りを嗅いだだけでワインの産地や銘柄、ヴィンテージまでも完璧に言い当てる超人的才能の持ち主として描かれることしばしばで、実にかっこいい職業のようだが、実際はそれなりに地味な仕事である。   『ソムリエとは飲食、ワイン・酒類・飲料の仕入れ、管理、輸出入、流通、販売、教育機関、酒類製造のいずれかの分類に属し、ワインを中心とする酒類、飲料、食全般の専門的知識・テイスティング能力を有するプロフェッショナルを言う。(以下略)』    上記は、日本ソムリエ協会が提唱する最新のソムリエ定義の冒頭部分抜粋だ。2016年度より制度の見直しが行われ、『ソムリエ』と『ワインアドバイザー』の呼称資格が一本化されて単純に『ソムリエ』となった。『ワインアドバイザー』とは、酒販店やインポーターなど、主にワインの流通販売従事者に対する呼称資格である。制度変更により、サービスとセールスがひとまとめになったということだ。    呼称資格認定試験は年に一度、夏から秋にかけて実施される。2016年度より試験内容が変更され、一次(筆記試験)、二次(テイスティング&論述試験)、三次(実技試験)の三段階を経ることとなった。    一次は、四択のマークシートによる筆記試験だ。出題範囲はフランス、イタリア、スペイン、アメリカなどのワイン生産主要国だけでなく、クロアチア、ギリシア、カナダに至るまでワールドワイド。さらに食品衛生、原価管理、酒類の輸出入に関する知識にまで及ぶ。2016年度ソムリエ呼称資格認定試験では119問が出題された。これらを70分で回答する。同年度の出題傾向の特色として、日本ワインおよび日本酒についての出題数が激増した。このあたり、新任の田崎真也会長の影響力が強く感じられる。   ▲日本ソムリエ協会発行の教本。絶望的に分厚い      呼称資格認定試験の最大の難関は、この筆記試験であることは明白だ。逆にいえば、一次試験を通過した時点で合格する確率はかなり高くなると思われる。ゆえに、一次試験対策は合格への必須要件だ。ただしほぼ丸暗記の世界なので、超多忙で勉強する時間がまったくとれない閑なしな人を筆頭に、もの覚えの悪い人、会社から言われてやらされ感でいやいや受験する人には苦痛以外の何ものでもないだろう。  出題内容は、協会発行の『日本ソムリエ教本』に準ずる。教本は受験願書を提出するとしばらくして自動的に郵送されてくるが、これがまためっぽう分厚く、かつ読みにくい。本気で受験する方は、迷わず市販の参考書をお買い求めになることを推奨する。これらの参考書は『日本ソムリエ教本』をベースに編集されるので、最新版は教本の発行後、概ね試験年度の3月頃発売となるようだ。古い年度の参考書はポイントを外していることもあるので、気をつけたい。   ▲店主が愛用した杉山明日香氏の対策本。とてもわかりやすい編集      二次は『テイスティング試験』と『論述試験』である。後者はこれまでになかった試験だ。アドバイザー呼称の『口述試験』が廃止になった代わりに登場したもので、協会から内容についての事前情報は一切なし。試験実施直前、ネット上では痛切な悲鳴と様々な憶測が飛び交ったが、実際の2016年度ソムリエ呼称資格認定試験では… ・「赤ワインを冷やして飲みたいお客様にお勧めするワインとそれに合う料理とは」 ・「テイスティング試験二番目のワインをお客様にわかりやすく説明する」 ・「日本酒の ひやおろし について簡潔に説明する」 …の三問が出題された。所定の用紙に記入欄があり、自由に書き込む形式である。文字数制限はない。400字も書けばほぼいっぱいになるくらいか。ソムリエとはいえ、いよいよ日本酒についても的確な説明が求められるようになったわけで、これもやはり、田崎会長の影響力に相違ない。   一方、テイスティング試験では、 ・シャルドネ(フランス) ・シラーズ(オーストラリア) ・マスカットベイリーA(日本) ・バ・アルマニャック(フランス) ・マデイラ(ポルトガル) …の、スティルワイン3種、それ以外2種が出題された。なんと、『マスカットベイリーA』である。ありえるかもとは思っていたが、実際に登場するとは。田崎会長、恐るべし。  テイスティング試験の回答もマークシート形式で、品種や産地などもすべて選択式である。前述の『マスカットベイリーA』の解答欄には『ガメイ』の選択肢があり、これと取り違えた受験者は多かったのではと思われる。  テイスティング試験でやっかいなのは、それぞれのお題目に対する『インプレッション』の回答だ。これらもマークシートなのだが、とにかく設問数が多いので、さくさくこなしていかないとあっという間に制限時間になってしまう。焦らず、迷わず、振り返らず…が肝要だ。    三次の実技試験は、お客様がいらっしゃるという想定で、プレゼンテーションから抜栓、片付けまでの一連のサービスを実演する。受験者は一度に3人ずつ、長テーブルに横一列で臨む。相対するように、やはり長テーブルに横一列に座った審査員が、こちらの一挙手一投足に目を光らせている。これが、実にやりにくい。ふだんのサービスと異なる所作が求められている上、ほかの受験者の動きやプレゼンテーションに妨げられてスムーズに事が運べない。事前に協会から模範演技の動画が配信されるので、基本、そのとおりに演技すればよいのだが、くだんの事情があるので本番ではとまどうこと必至だ。自信のない人はスクールなどで模擬演習をしたほうがよいかもしれない。もっとも、三次試験で不合格になる受験者は、ほぼいないというウワサもあるが…。    ちなみに、実技試験に臨むにあたり受験者は会場に一括集合され、受験番号の若い順に呼び出される。ゆえに、受験番号の老いた受験生は、自分の順番がくるまで、かなりの時間待たされることになる。これは、あまり気持ちのよいことではない。退屈だし、眠くなるし、テンションも下がってくる。呼称認定試験の受験を予定している方は、できるだけ早く願書を提出して、若い受験番号を獲得したほうがよいのではないかと思う。      …というわけで、かくしてソムリエに認定されたとしても、実際の日々の仕事はまったく変わらない。バッジを光らせ、華やかにワインをプレゼンテーションする機会はごく稀で、あったとしても一瞬のできごとに過ぎない。店の床を掃除し、皿を洗い、そしてたいていの時間はグラスを磨いている。飲食業のサービスマンとは、地味な仕事の積み重ねなのだ。    ただ、ひとときだったにしても、なにかの目標に向かって自分の全リソースを注ぎ込んだという充実感と達成感は残る。こういう得体のつかめない、『気』のようななにかがお客様に伝わって、それがお客様のご満足につながってくれればうれしいと思うし、その実感があるからこの仕事は面白いのだ。      

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  • 01 Feb
    • 含多湯(がたたん)

        北海道に移住してはや四半世紀。此の期に及んで未知のご当地グルメに遭遇した。編集者時代に全道を取材(ご当地グルメ専門ではない)して回ったものだが、まだまだ知らないことが多すぎる。     含多湯=ガタタン     昼の仕事(記事の取材)で芦別市を訪れた。かつて炭坑で栄え、最盛期には人口7万超を数えたが、現在は1.5万人ほどが暮らす静かな地方都市である。内陸部にあるため、冬は厳寒、夏は暑い。   芦別でつとに有名なのが、巨大な純白の観音像だ。高層建築物のない町の丘陵部に突如として屹立しており、かなり遠方からでもその雄姿が確認できる。全高は実に90m。日本で4番目に巨大な仏像とのことだ。 1989年に完成したこの巨大観音像は、かつて存在したレジャー施設のシンボルであった。レジャー施設自体は、2013年に業績不振のため営業を停止。ただし観音像はその後も保存され、いまでも有料で内部に入ることができるらしい(冬季休業というウワサもある)。 ▲かなり遠方からでも視認できる『大観音像』   芦別には、このほかにも『カナディアン・ワールド』なるテーマパークが存在した。こちらは、『赤毛のアン』をモチーフにしたメルヘンチックな世界で構成されていたが、あまたの3セクテーマパーク同様、オープン当初から集客不振で大赤字が続き、当時の市長が引責辞任するというオマケつきで1997年にあえなく閉園。現在は、パブリックな公園として無料開放されている。 これらの『負の遺産』は、いずれも産炭地の斜陽対策を目的に企画された施設だ。かつて日本の高度成長を支えた、炭坑の町の悲哀を感じずにはいられない。   一方で、元気な地場企業も活躍している。『株式会社ソラチ』は、規模こそ小さいものの北海道内では絶大な知名度を誇るタレの専門メーカー。「おいしいものだけを長く作り続ける」というポリシーのもと、70年近い歴史を持つ優良企業だ。また、小径ベアリングメーカーの『北日本精機株式会社』に至っては、その分野で世界シェアの70%を有するワールドワイドビジネスを展開している。   …話を本題に戻そう。   『含多湯(がたたん)』とはなんぞや、というと、「具だくさんのとろみがついた白いスープ」…という感じの食べ物だ。よくチャーハンについてくる中華風卵とじスープに、具をもりもり入れたものといえば近いかもしれない。すごいのは、最近全国で雨後のタケノコのように出現する『ご当地B級グルメ』とは違い、それなりの歴史があることだ。なんでも、戦後満州から復員した村井豊後之亮(むらいぶんごのすけ)さんという方が、中華料理店の『幸楽』で提供したのが始まりだとか。 終戦直後で食糧事情がよくない中、野菜の切れ端など適当な具材を活用し、とろみをつけることで厳しい寒さを乗り切ろう、という村井さんの切なる思いが伝わってくる…ような気がする。 前述の『幸楽』さんは現存しているが、訪問時は閉店しており、しかも生活感が失われたような佇まいだったのが気になる。長期休業か、はたまた廃業か。   芦別市内には10を超える『含多湯』提供店があるといい(地元の方の証言)、各々ラーメンや焼きそば、チャーハンなどにアレンジしている。ネットの情報では、鶏ガラベースと豚骨ベースが存在するようだ。 店主は、たまたま道の駅『スタープラザ芦別』の中にある『ラ・フルール』というなんとも美しい名前のレストランで『ガタタン焼きそば』を食したのだが、こちらは鶏ガラベースだったかと思う。ウワサに違わず具だくさんで、かなりボリュームがある。味は力強く、トロミも相当ねばる。たいへん充実感のあるひと皿だった。炭坑で働く男たちも、『含多湯』で胃袋を満たしていたのだろうか。ちなみに、麺は旭川が近いからか、細めのストレートだ。   …というわけで、こうして積極的に道内を動き回ると、いまでも必ず意外な発見があるから面白い。知ってるようで、まだまだ知らない北海道。かくして、ますますこの地が好きになってしまうわけだ。  

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  • 16 Jan
    • シャトーワインがもう買えない

        ここ1週間ほど、日本列島が「史上最強クラスの寒波」に覆われている。本州の太平洋側でも積雪があり、交通障害などが発生しているようだ。 札幌は、というと、昨年降った記録的なドカ雪の影響で、市内のいたるところで除排雪が行き届いていない感はあるものの、ここ1週間の積雪は例年とあまり変わらず、まぁふつうに寒いというか、いつものように寒い冬である。     クロ・デュ・マルキ 2007 Clos du Marquis 2007   『侯爵の畑』という名のワインである。フランスボルドー地方、メドック地区、サン=ジュリアン村の著名なシャトー『レオヴィル・ラス・カーズ(Leoville Las Cases)』の別ブランドだ。 ▲もはや高嶺の花となった『レオヴィル・ラス・カーズ』。実際に畑にある門がモチーフ   かつて『クロ・デュ・マルキ』は『レオヴィル・ラス・カーズ』のセカンドラベルと認識されていた。セカンドラベルとは、そのシャトーの看板ワインほどではないが、十分な品質を持ったワインを『二番手』として出荷するものだ。実際には『クロ・デュ・マルキ』の畑が『レオヴィル・ラス・カーズ』の区画から完全に独立していることから、2007年ヴィンテージよりセカンドではなく、別ブランドとして出荷されるようになった経緯がある。 ちなみに、シャトーによっては三番手、四番手ブランドも存在する。なかなかややこしい。 ▲セカンドラベルの『ル・プティ・リオン』。ちびライオンがかわいい。     かねてよりこのblog上でなんども高級ワインの高騰ぶりをグチってきた。ここ数年はその加速度がハンパない。店長がワインの価格を意識するようになった20年ほど前、『クロ・デュ・マルキ』の店頭販売価格は2,000円台後半だった。当店を開業した6年前でも4,000円を切るくらい。それがいまや、ネット通販の最安値でも6,000円台半ばだ。なんのこっちゃである。物価指数比でいけば1.5倍もないと思うので、高級ワインの価格高騰は、非常識的に群を抜いているといえる。   なぜこんなに価格が上昇するかというと、それはもう、需給バランスの問題に尽きる。特にボルドーのシャトーワインには中国マネーが殺到しており、投機的な買い方がなされているようだ。インポーターの話では、為替変動などまったく関係なく、需給バランスだけでワインの価格が上昇している状態だという。恐ろしい。 高級ワインはそもそも生産量が限られており、かつ増産ができない。認可されたブドウ畑の区画が決められているからだ。世界的に見ればワインは増産傾向で、逆に量的な需要は落ち込んでいるから、単純に高級ワインに需要が集中しているということになる。   …というわけで、なかなかボルドーの高級ワインが仕入れられない。実際、ここ数年仕入れていない。いまやストックで細々とご提供している状況だ。ご提供価格は、実勢でなく取得価格をベースに計算しているので、めざといお客様にはお得感たっぷりだろう。ぜひ、リストから探し出してみてください。   ところで、このワインの名前『侯爵の畑』だが、かつてこのシャトーを所有していたラス・カーズ侯爵に由来する。『クロ・デュ・マルキ』の区画は、侯爵の住む屋敷に隣接した小さな丘の上にあったという。当時この区画は囲われてほかの畑と区別されていたことから、ここは侯爵にとって特別な畑だったに違いない…のかもしれない。

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  • 09 Jan
    • シルバーウェアはお手入れがたいへんという話

        当店を開業するにあたり、店の備品について、直接体に触れるものにはできるだけ品質のよいものを用意しようと決めていた。グラス、カウンター、チェアなどである。カトラリーもそのひとつだ。当店のカトラリーは基本、フランスの銀器メーカー、クリストフル社製である。   クリストフル社のカトラリー   1830年頃、宝石商のシャルル・クリストフルにより創業されたクリストフル社は、イギリスから電気メッキの技術を買い入れ、シルバーウェアの製造販売で成功した。それまでシルバーといえば超高価なスターリングシルバー(ほぼ純銀)であったが、銀メッキとすることで価格を下げ、フランス国内のシルバーウェアの普及に貢献したとされる。 時の権力者にも愛用され、復古王政のルイ・フィリップや、第二帝政時代にはナポレオン3世が御用達業者に指名した一流メーカーだ。   クリストフル社製品の特長は洗練された機能や美しさだけでなく、「三代にわたり使える」と例えられる耐久性にある。40ミクロンの銀メッキは、一般のテーブルウェアの10倍以上の厚みともいわれている。   もっとも、その分価格も高い。幸い、1970年代、親が海外勤務で在欧時に来客用として購入したフルセットがあり、開業にあたりそれらを譲り受けることができた。不足分は中古品をオークションで購入。当時は新品同様の中古品が1本3,000円程度で手に入れられたものだ。   シルバーウェアの管理で悩ましいのが、お手入れである。使わなくても銀が酸化して、すぐに黄色っぽくなってくる。さらにほっておくと黒ずんできてしまう。特にフォークやスプーンの先端は唾液の酸により酸化が早い。こうなると、通常の洗剤ではまったく歯が立たない。   そこでマメにお手入れをすることになるわけだが、いろいろ試した結果、シーバイエス社のTWINKLEが最強だということになった。クリーム状の磨粉を柔らかいスポンジに取って食器を洗う要領で磨く。あとはお湯で流してふき取るだけだ。見違えるほど白く輝き、実にストレス解消になる。 ▲シーバイエス社のTWINKLE   装飾の彫りが深くどうしても溝の黒ずみが落ちないという場合は、アンクル・ビル社のシルバー・ディップを使う。これは酢酸の溶液に銀器をまるごと漬け込むタイプで、10秒ほどで真っ白になって上がってくる。とても気持ちいい。 ▲アンクル・ビル社のシルバー・ディップ かように手入れに手間がかかり、さらに日本人にはややサイズがでかいというクリストフルのテーブルウェアであるが、その使い心地ははなはだよい。手にしたときの適度な重みとバランス、ナイフの切れ味、フォークの鋭利さ、そして見た目の美しさが食事を楽しくしてくれる。   当店の顧客で、カトラリーがクリストフル社製であることを指摘される方はほとんどいらっしゃらない。実は、それでよいと思っている。使い心地のよい道具は、それを使っているという意識をしないものだ。 「当たり前のようにそこにある」。質の高い工業製品だからこその、隠れた存在感だと思う。    

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  • 30 Dec
    • おいしいローストポークの作り方

        2016年も終わりを迎えようとしている。 今年もいろいろあったが、なんとか無事に新年を迎えることができそうだ(まだわからないが)。     もちぶたのローストポーク   当店でローストポークをよく焼くのは、調理が簡単でやたらとおいしく、しかもある程度保存がきくというメリットづくしゆえである。しかしながらその発端は、映画で観たローストポークのキューバサンドがめちゃくちゃうまそうで、これを自己流で再現してみたいと思ったからだ。 映画では、どうやら柑橘系の果汁などに肉を漬け込んでからオーブンで焼いているようだが、詳細は不明。ほぼ想像でつくっている。まぁ、そんなに遠い仕上がりでもあるまい。   ▲キューバサンドが食べたくなる映画『シェフ 三ツ星フードトラック』   ローストポークをおいしく焼くには、なにより素材が大切だ。当店では肉の卸業者さんから北海道産『もちぶた』の肩ロースをキロ単位で仕入れ、500g程度の大きさにカットして調理している。 豚に限らず、肉はできるだけ塊で調理したほうがおいしい。500g程度なら消費するのにさほど日数もかからないから、ぜひ精肉店にでかけて塊肉を手に入れよう。   焼く前にも準備がある。肉を調味料でひと晩マリネしなくてはならない。また、この調味料の中身によって仕上がりが変化するので、工夫が必要だ。当店では、塩胡椒、にんにく、しょうが、スターアニス、乾燥ハーブ、ハチミツ、オリーブオイルを使用している。ハチミツを使うのは、味はもちろん、肉を柔らかくする効果も狙っている。焼いているうちにハチミツの糖分が焦げて、見た目もおいしそうだ。   くだんの映画に感化され、店でもキューバサンドを提供していてそれなりに好評をいただいた時期がある。ここ1年ほどつくっていない気がするので、そろそろ復活してみようかしらん。     【オ・グルニエ風ローストポークのレシピ】   材料:豚肩ロースブロック500g、塩5g、黒胡椒、スターアニス、乾燥ハーブ、にんにく、おろしショウガ、ハチミツ、オリーブオイル(肉と塩以外の分量は適宜)   ●豚肉をナイフで数カ所突き刺し、割れ目にスライスしたにんにくを埋め込む ●塩コショウを肉にすりこんで密閉バッグに入れ、残りのマリネの材料を加えて軽く揉み、冷蔵庫でひと晩寝かせる ●焼く前に肉を常温に戻す(重要) ●オーブンの天板にオーブンシートをしいて肉を置き、マリネ液をできるだけ満遍なくかける ●180℃で30分焼く。途中肉をひっくり返す ●時間がきたら念のため肉に金串をさして唇に当て、中心部まで火が通っていることを確認する ●アルミホイルで包んで30分以上常温で休ませてから切る(重要)        

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  • 24 Dec
    • マキタの掃除機は「神の領域」だった

        マキタ 充電式コードレスクリーナー CL100DW   掃除機の話だ。   飲食店ということで、清掃にはそれなりに気を遣っている。当たり前だが、掃除機も毎日かける。毎日使う道具は、使い易いに越したことはない。そういう意味で、この『マキタ』は神の領域だと思う。   構造がシンプルで、抜群に軽量であるにもかかわらず吸引力がすさまじい。軽量であるということはこの際非常に重要なことで、掃除機を取り出すのが億劫にならない。ちょっと塵を発見したら、即吸引である。おかげで、店内はいつも清潔だ。   『マキタ』の特長は、強力なモーターと急速充電が可能なリチウムイオンバッテリーにある。そもそもドリルなどのプロ用工具メーカーにして、いかにも「現場然」としたヘビーデューティ仕様がイカす。飾りっ気は皆無である。バッテリーは同社製のドリルなどと共通の規格になっているから、急な電圧低下の際にも互いのバッテリーを融通しあうことが可能。構造がシンプルなだけに故障も少なく、雑な扱いにも耐え抜く耐久性を持ち合わせている。現場を知り尽くしたプロならではのノウハウが、いかんなく発揮されている。 日本においては、かつて旧大日本帝國軍の戦闘機に搭載される機関砲の規格が7.7mm、12mm、13mm、20mmなど多岐に渡るばかりか、陸軍と海軍の折り合いが悪く、双方で弾丸の仕様が異なっていたため、大戦末期の生産性に大いに問題があったという反省がある。対するアメリカは、全軍でブローニング社製12.7mmに統一されており、合理性が優先されていた。現場は戦場だ。合理性は最優先課題なのである。   一般の人は気にもかけないだろうが、『マキタ』の掃除機は多くの身近なシーンで活躍している。JRの終着駅で列車から乗客が降りると、入れ替わるように素早く乗り込んでいく清掃員の方々の手には、『マキタ』の掃除機が握られている。飛行機のボーディングゲートの傍には、『マキタ』の掃除機が立てかけられている。工事現場の掃除は、ほぼ100%『マキタ』が担っているのではなかろうか。   そんなプロ仕様の『マキタ』だが、もちろん、一般家庭にもオススメできる。おそらく毛足の長い絨毯には不向きかもだが、一般的なラグや絨毯ならまったく問題ないだろう。フローリングに至っては、これはもう他機の追随を許さないといっても過言ではない。 掃除中にソファのほこりを見つけたら、ホースを外してハンディ掃除機に早変わり。すきまノズルに付け替えれば、サッシのレールにたまったいまいましい埃も一網打尽だ。スイッチがトリガー式で、握っている間だけ電源が入るというのも使い勝手がよい。   集塵は「紙パック式」と「フィルタ式」があり、CL100シリーズはフィルタ式だ。ゴミを溜め込むと吸引力が低下するので、まめに掃除をしたほうがよいだろう。フィルタ部に、シンク用の「水切りネット」をかぶせておくと、フィルタ掃除が楽になる。   かように大絶賛の『マキタ』クリーナーだが、ここまで「神」でありながら価格は実勢で1万円強と、コストパフォーマンスも絶大である。もしご自宅にすでに『マキタ』の電動工具があるのなら、充電器の新規購入が不要なので、さらに安く買える。   店主の自宅の掃除機はDYSON社製で、コード付きとコードレスの2台を所有している。合計で6万円を超える買い物だ。もっと早く『マキタ』の存在に気付いていれば、5万円以上の節約ができたのにと悔やまれてならない。   …というわけで、DYSONのクリーナーを奮発しようとしているあなた。ちょっと立ち止まって、『マキタ』を検討されてみてはいかがだろうか。  

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    • 砂肝のコンフィ

        砂肝のコンフィ   コンフィとは、元来フランスの家庭料理で用いられた調理法で、肉や果物を長期保存するのが目的。肉には油脂を、果物には砂糖を使い、低温でゆっくり時間をかけて調理することで素材の風味を損なわず、かつ長期保存が可能となる。   調理法は、ひとつの重要なルールさえ守ればいたって簡単である。   砂肝の場合、対になった肝をまっぷたつに分断し(焼鳥のように硬い部分を掃除する必要はない)、重量比1〜1.5%程度の塩、こしょう適宜、乾燥ハーブ(エルブドプロバンス)適宜とともにひと晩マリネし、水分をぬぐってから80℃のオイルで静かに茹でるだけだ。加熱時間は120分。60分でもよいと思う。食感が変わるので、お好みで。 80℃に維持することがこの調理法の絶対条件なのだが、調理器具によってはこまめな火力調整が必要になることがある。温度計をにらみながら適温をキープしなくてはならない。当店はIH調理器で、いったん80℃まで上げてしまうと、あとは最低出力にしてやることで温度が一定になるのでラクしている。   調理が終わったら、清潔な容器に砂肝を移し、オイルを漉しながら、完全にひたるまで満たす。このとき、鍋底にたまった砂肝のエキスを混入させないように。オイルは腐らないが、エキスは腐る。オイルが足りない場合は、新たに継ぎ足せばよい。空気に触れさせないよう、オイルで完全にコーティングすることで保存性が高まるのだ。冷めたら冷蔵庫に入れる。   当店では、バージンオイルを使っているが、本来はガチョウの脂肪を用いる。もともとはフランス南西地方の調理法で、フォワグラの名産地でもあるから、たぶんガチョウがポピュラーなのだろう。オイルはなんどでも使用でき、使い込むと味わいが出る。秘伝のタレみたいなものだ。   こういう食材は、ビストロ店にとっては非常にありがたい。作り置きができ、長期保存(3ヶ月間は軽い)が可能で、かつ美味だ。 オーダーが入ったら、まず固まった脂の中から肉を取り出し、常温に戻して溶けた脂を容器に戻し、熱したフライパンで肉を焼く。味はすでにキメているので、ただ焼くだけだ。サラダやザワークラウトを付け合わせにして、マスタードを添える。   なんだか面倒くさそうに見えるかもしれないが、やってみれば実に簡単で驚くほどおいしいので、ぜひ試してみていただきたい。鴨のレッグなんか最高だが、チキンレッグでもおいしくできる。   お父さんの休日料理としていかがだろう? 家族の間でお父さん株が上昇すること請け合いだ。ただ、冷蔵庫の場所を一部とはいえ長期間占領することになるので、奥さんと事前の交渉をオススメしておこう…。

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  • 10 Dec
    • HONDA SHUTTLE Hybrid (ホンダシャトルハイブリッド)

      13年ぶりに自家用車を入れ替えた。しかも血迷ったことに新車で。 導入後1ヶ月半が過ぎ1,000kmほど走ったので、雑感をまとめてみた。同車種の購入を検討されている諸氏の参考になれば。 *画像はすべて本田技研工業のウェブサイトより無断拝借です(少しは宣伝になると思うから許して)     HONDA SHUTTLE Hybrid Z 4WD 2016 Model     <購入価格> 車両本体価格は¥2,557,000(税込)。これに、特別色、ナビなどのディーラーオプション、冬用ワイパー、冬タイヤ入れ替え工賃、ウィンドウの撥水処理やアンダーフロアの防錆処理、『あんしんパッケージ』などのディーラー押売商品、諸費用を積み上げて、合計金額は306万円ちょいという感じになった。同車種中最高グレードとはいえ、なかなかの金額だ。 ちなみに、FITハイブリッドLパッケージで似たような積み上げをすると260万円くらいになる。 最終的には、14年落ち12万km走行のGD−4FITの下取り含め約26万円ほどの値引で交渉がまとまり、支払い総額はきっちり280万円となった。     <装着オプション> ・エントリーナビゲーションシステム ・USB外部端子 ・マッドガード ・ドアバイザー ・フロアマット ・リアゲートストラップ ・ウィンターブレード ・特別色(ミッドナイトブルービームメタリック)     <XかZか> XとZの価格差はおよそ16万円あり、増額分の内訳は、16インチホイール、シートヒーター、左右独立調整エアコンなどである。16万円の差はでかい。ここは迷わずXを選びたいところだが、妻がシートヒーターを熱望したため、あっさりZに折れた。たしかに北海道の冬は厳しい。シートヒーターは女性にはありがたい装備といえる。しかし16万円…。Z専用に設定された装備をひとつひとつ積み上げると16万円はむしろお買い得かもしれないが、「ルーフレールはなくてもいいしー」「トノカバーなんていらないしー」と考えると、どうにももったいない気持ちになる。シートヒーターをのみを独立したオプションに設定できないものか。 2016年に実施されたマイナーチェンジではXの装備の拡充が図られたようで、メーカー(ディーラー)としてもXの販売を主力に置いているようだ。 公称の燃費データはZのほうが若干劣っている。これは、ホイールの大径化による悪影響だろう。さらに、純正16インチホイールのデザインは、あまり好きになれない。シートヒーターを16万円支払って装備したような気がして、どうも釈然としない。が、家族のことを思えば仕方ない出費と割り切るしかない。     <ハイブリッド車を買う意味> SHUTTLEのガソリン車とハイブリッド車の本体価格をベースグレードで比較すると、その差額はおよそ30万円である。ハイブリッド車はエコカー減税により登録時の自動車取得税と重量税合計約7万円が免税されるので、実質的な差額は23万円前後だ。 「ハイブリッドは燃費がよい」が、同時に「思ったほどよくない」という事実がある。ベースとなるガソリン車の燃費そのものが飛躍的に向上しており、両者間でビビッドに差がつかないのだ。ハイブリッド車であっても主力の動力源はエンジンであり、そのエンジンの効率が全体の燃費性能に大きく影響するのだから、当たり前の話だ。おまけに、モーターと複雑な伝達機構、大型のリチウムイオンバッテリーなど合計約70g(SHUTTLEの場合)のオモリつき。いつでもおっさんをひとり余分に載せて走っているようなもので、重量的にもハンディを負っている。 では、ハイブリッドのために大枚をはたいて、果たしてその投資は回収できるのだろうか。「燃費がいいから燃料代が節約できる」というコンセプトで比較してみよう。 ベースのガソリン車の平均燃費が10km/L、ハイブリッドによる燃費向上値を仮にガソリン車比150%(15km/L)とする。年間1万kmほど走る一般ユーザーを想定して、ガソリンを120円/Lで固定すると、ガソリン車で年間12万円の燃料代。一方、ハイブリッド車は8万円で差額は4万円だ。 前述したとおり、SHUTTLEのハイブリッド投資額は約23万円だから、回収に約6年もかかる計算になる。ただし、7年目以降は毎年4万円の貯金ができ、減価償却する10年後には16万円のお得ともいえる。 つまり、ハイブリッドへの投資を回収したければ、最低でも6年間は同じ車に乗り続けなければならない、ということだ。これがFITになると、さらにガソリン車とハイブリッド車の価格差が開き、投資回収におよそ9年を要する。多くの一般ユーザーは、投資回収以前に車を手放すことになるだろう。あくまで単純計算だが。 奥さんを説得する際「ハイブリッドは燃費がいいから節約になる」という口上は虚偽になる可能性があり、将来に禍根を残すリスクがあるので注意が必要だ。 SHUTTLEを買うにしてもFITを買うにしても、『一般人』の場合はベースのガソリン車を購入したほうがお得になりそうなワケだが、そんな一般人がハイブリッドを買う意味としては、「環境配慮」「静か(EV走行時は)」「上級車種に乗る誇り」「インテリなイメージ」「SFなおもちゃ感」などが考えられる。 ちなみに自分の動機は、「ホンダのi-DCDを所有してみたかった」というオタク的なものである。もっとも、10年間乗って元を取る気も満々だが。     <ホンダi-DCDとは> ホンダの現行型ハイブリッドシステム。エンジンとモーターに遊星ギアと7速のデュアルクラッチトランスミッション(DCT)を組み合わせている。この『DCT』という技術が、マニアの心をくすぐるのだ。元来、競技用車両搭載技術である。「できすぎ君」的なトヨタのシステムとは違って、やんちゃな感じがする。 DCTの詳しい仕組みについては、図解が必要となり面倒なので省略。「変速機にクラッチが二重に装備されていて、そのぶんギアの切り替えが素早い」という程度の認識でよいだろう。 現在国産車に搭載されているDCT本体は、残念ながら国産技術ではない。あのNISSAN GT−Rは独ボルグワーナー社から、一方ホンダは独シェフラー社からユニットをまるごと購入している。自動車の関連技術においては、ハイブリッドを含めて世界をリードする日本だが、まだまだ欧米に勝てない分野もあるのだ。 現代の車はほぼソフトウェアによって制御されているわけだが、i-DCD搭載車(FIT3が初)発売直後はシェフラーとホンダの技術的な調整がうまくいかず、リコールを出しまくった経緯がある。すでに発売から2年が経過し、現在は落ち着いているように見える。   ▲i-DCDに搭載される7速DCT   ホンダは、なぜ「自社開発技術至上主義」の意地を曲げてまで他社開発のDCTを導入したのだろうか。自分の想像では、トヨタハイブリッドシステムに打ち勝つには、現状そうするしかなかったのだろう。トヨタのハイブリッドシステムはトヨタが独自に開発した技術で、世界のエンジニアを唸らせた画期的な発想から誕生している。ホンダも負けじとハイブリッド技術の開発に取り組むものの、どうにもトヨタに追いつけない。そこでホンダの経営陣は、欧州のダウンサイジングカーへの採用が増えているDCTに着目し、ユニットごと導入することでトヨタとは別の技術を確立して、「手っ取り早く」トヨタに並ぼうとしたのではないか。いずれは技術屋の意地を発揮して、DCTを自社開発しようと企んでいるのかもしれない。 もっとも、ホンダも将来的なEV車(電気自動車)への転換に向けてカウントダウンしている可能性もある。EVにはDCTのような変速装置は不要だ。開発リソースを、いまからEVに集中させているのかもしれない。メカ好きとしてはちょっと寂しい気もするが、それも世の中の流れというものか。     <SHUTTLEのスタイリング> これは好みの問題なので好き好きだが、もう少しやさしい顔付きでもよいのではと思う。ホイールベースはベース車両のFITと同じ。FITとの全長差約40cmは、荷室を後ろに引き伸ばした結果であり、サイドビューは間延びした印象が否めない。車高がFITより若干高いこともあり、全体に「もったり」した感じを受ける。大きいホイールを履かせれば、少し引き締まるかもしれない。まぁ、いずれも好みの問題である。これをかっこいいと思う人もいるだろう。最近、やっと見慣れてきた。   ▲16インチ大径ホイールで少し緩和されているが、おしりまわりがもったりしている     <室内> 大衆車である。プラスチッキーだ。でも、こんなものだと思うし、うまくまとまっているとも思う。ドアパネルとダッシュボードの継ぎ目が唐突なのは、見えるところだけに気になる。もうちょっとスムーズにつなげなかったものか。 フロントドアの開閉は存外に重厚感がある。リアはそこまで手が回らなかったのか、ぺかっと開いてそれなりである。 大衆車にしては収納が少ない。グローブボックスや蓋つきのセンターコンソールをうまく使って、車内に生活感を出さないようにしろということだろう。センターコンソールのドリンクホルダーは深すぎて、ショートラテが取り出しにくい。ドライバー席のフロントパネル右にある『ドライバーズポケット』は、用途が謎である。   ▲いまだに用途不明の『ドライバーズポケット』   収納が少ないというのは、もしかしたらいいことかもしれない。収納だらけの前車FITでは、家族が小物をいろいろと車内に持ち込みいつも雑然としていたが、置き場がないと自然とモノが減ることがわかった。いつまで続くかわかないが…。 シートはフェイクレザーとファブリックのコンビ。Zはダブルステッチになっているが、いわれなければ気づかない。Zのステアリングは『スムースレザー』というなめしたような感触の本革巻きだ。しかし、妻には「フェイクだね」と言われてしまった。本革だ。 ドライバーとナビ席を分けるセンターコンソールは『ハイデッキコンソール』と称し、あえてコンソールを高くすることで、包み込まれるような高級感を演出しているものと思われる。変速レバーのあるデッキの下は収納トレーになっている。トレーといっても、容量的にも位置的にも実用上の無理がある。iPhoneを置くくらいか。ガレージのシャッターのリモコンを置いてみたところ、曲がるたびにじゃーじゃーと動くので、百均の滑り止めシートを加工してしいてみた。 後席はFITと大差ない。唯一センターアームレストが違いを主張している。   ▲運転中は死角となりiPhone置き場としても中途半端なハイデッキコンソールトレー   荷室はとても広い。現時点でクラス最大。これなら車中泊も楽になる。もっともハイブリッド4WDということで、FFのように荷室が完全なフラットにならない。マットなどをしいて対策しなければ。リッドを開けると開口部が広く取られ段差もなく、重い荷物の出し入れも容易だ。これはシャトルの最大の美点だろう。   ▲有効長184cmの荷室。これでらくらく車中泊ができる     <実質燃費> ハイブリッド車として大いに気になるテーマである。ZのJC08モード燃費は25.8km/Lで、Xに比べて6%以上劣る。ホイールを大きくしたばかりに肝心の燃費が犠牲になっている。 実質燃費は公称の70%というのが定説だから、計算上の実質燃費は18.06km/Lということになる。ここまで1,000kmほど走行し、距離的には都心、郊外一般道、高速道路利用がほぼ同じシェアとなっている状況で、シャトルのコンピュータの計算では累計17.9km/Lであり、これはほぼロジックと合致する。一部積雪&凍結路面ということを考えれば、もう少し改善できるかもしれない。 高速道路のみの区間計測(90〜100km/h巡航)では17.8km/Lだった。高速ではエンジンが回りっぱなしで、加速時のみモータがアシストする。EV走行はできない。 一部都心を含む郊外一般道でも試行したところ、これもだいたい同じような結果となった。信号が少なく、40km/h〜60km/h程度の定速で走行するパターンでかつアクセル開度が浅い時にEV走行が選択されるようだ。 都心のみ、というのもやってみた。短距離でストップ&ゴーを繰り返していると14km/L程度まで落ちるが、トロトロと40km/h以下で流れるようなシーンではほぼEV走行となり、20km/Lを超えた。 上記はいずれもSHUTTLEのコンピュータが瞬間的に計算してディスプレイに表示しているもので、あまりアテにならないかもしれないが、累計では辻褄があうのでまぁ、そんなものなのだろう。こうしてみると、ハイブリッドの真価は都心のノロノロ運転で強力に発揮されるようだ。興味深いテーマなので、今後もウオッチしていきたいと思う。 ちなみに、前車FITは1.5Lの4WD-CVT-Sパッケージ仕様で、同条件の実燃費平均はおおよそ12km/Lであった。シャトルは、車体が前車FITに比べて200kgほど重いというハンディを負いつつ、ハイブリッド効果で45%近い燃費向上を実現しているわけだ。さすが新技術。投資効果の大小は別として。     <ドライブフィール> ドライビングポジションの調整として、ステアリングの前後上下調節、シートの前後、背もたれの角度(いずれもノッチ式)、シート全体の高さ調節が可能だ。 しかし、その調整に難儀している。ステアリングの角度をいちばん浅くしても、ステアリングが寝すぎていると感じる。同じく一番近い位置にしても遠く感じる。それに合わせてシートの前後位置を調整すると、太ももがシート座面から浮いてしまう。座面から浮かないようにハイターで高くすると違和感がある。…という具合に、日々試行錯誤を繰り返している。前車FITがわりとばっちり決まっただけに、ちょっと残念だ。ステアリングの調整しろが、もうすこし大きければすべて解決なのだが…。シートの座り心地自体はいい感じだ。     ▲シックでコンサバで落ち着いたインテリアだが、どうにもポジション調節が…   変速レバーは、トヨタと同じようなデザインの「近未来?型」。操作感はともかく、後ろに倒してフォワード、前に倒してリヴァースというのが、どうも直感的にとまどうことがある。フォワードへの選択操作が、MTのバックギア選択操作に酷似しているからだ。ちぐはぐなのだ。ATセレクターの動きに準じたということなのだろうか。リヴァースとフォワードを素早くなんどか切り替えるシーンで頭が混乱してしまう。MT世代特有のものかもしれないが。どうせコンピュータ制御なんだから、セレクターをカスタマイズできればいいのに。 静粛性は、5ナンバー大衆車にしてはかなり優秀と思う。『遮音機能つきフロントウィンドウガラス』というものが装備されているためだろうか。フロアの防音対策も、ベースのFITより厳重になっているのかもしれない。スタッドレスのロードノイズも、けっこう抑え込まれていて、高速走行中でもクラシック音楽が聴ける。 スロットルの立ち上がりはマイルドで、この車の雰囲気に合っている。ゆっくりゆったり走りたくなるような味付けだ。発進時のEVからエンジン駆動への切り替えもスムーズ。その後は、ショックがほとんどない変速が続く。これぞDCT。さすが多段AT。オタクまるだしである。 さらに『Sモード』を選択すると、かなり元気な走りになる。DCTの長所を堪能したい場合は、燃費を忘れてSモードでドライビングを楽しみたい。 視界は総じて良好だが、悪いところもある。荷室のサイドウィンドウはデザインを優先したためか天地方向に極端に小さく、バックの際の見切りが悪い。降雨時にワイパーを作動させると、右側のAピラー付近に5cm幅程度の帯状の拭き残し部分ができて、右折時の視界を大きく妨げる。特に降雪時は注意が必要だ。     <総合的にみて> SHUTTLEは、どんなターゲットを想定して企画されたのか。前身のフィット・シャトル(2011〜2015)に続き、小型大衆車FITをベースとしながら、スタイリッシュ&高級感を演出しているのは間違いない。現行SHUTTLEは、フルモデルチェンジによって、それらをさらに推し進めたというところだろう。   ▲先代のフィット・シャトル   SHUTTLEのカタログには人っ子一人登場ぜず、生活感が希薄だ。思うに、子離れした中高年男性で、車にはそれなりに関心があり、車はコンパクトなほうがおしゃれだという信念があって、でもミニバンはいやで、軽もいやで、自分はアーバンな人間だと信じていて、週末には荷物を載せて凝ったアウトドアなんかしちゃう違いの分かる男なんだぜと本気で思い込んでいる…というかんじだろうか。 あ、なんだ、ほぼ自分じゃないか。   ホンダの5ナンバー枠小型ワゴンの系譜には、FITベースとCIVICベースがある。前者はAIR WAVE に始まり、フィット・シャトル、SHUTTLEと続く。後者はオルティアとSTREAMで、こちらは現在根絶している。 両者の違いはなにか、というと、FITベースのワゴンのほうがより小型だ。とはいえ、その差はわずか。CIVICベースが消滅した理由はそのあたりにあるのかもしれない。 最終モデルのSTREAMはけっこう好きなデザインだったので、現行ハイブリッドモデルがあったら、真剣に迷ってしまったかもしれない。   ちなみに、JADEはSTREAMの後継車と言われているらしいが、JADEは3ナンバーになるので、やや微妙な感じがする。   ▲すでに廃盤となったSTREAM   ホンダは初代CIVICの頃から大好きなカーメーカーで、実は、今回も他メーカーに選択肢はなかった。まず、i-DCDを所有してみたかったのもでかい。SHUTTLEのほかに検討したのは、FIT3、New FREED+の2車だ。キャンプ好きということもありFREED+にはかなり惹かれるもがあったのだが、やはり自分がミニバンに乗っているイメージが湧かないというか、なんというか。コンパクトで荷物も積めて、ミニバンじゃないということになると、これはSHUTTLE以外にないということになる。   いずれにせよ、結果的には今回の買い物に満足しているというわけだ。   続編はこちらから ⇒ http://ameblo.jp/bistro-tati/entry-12250227315.html    

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  • 10 Nov
    • ビストロ料理 / タルト・ポム・ショード

       またお菓子です。 タルト・ポム・ショード(Tarte aux pommes chaudes)、つまり、熱々のアップルパイです。『タルト』というからには、丸いタルト型に生地を敷いて焼くべきなのですが、このパターンは、正方形に切ったパイ生地(パート・ブリゼ)を三角形に折りたたみ、りんごとカスタードクリームを間にはさんで焼いています。  中身は、りんごのコンポートとカスタードクリームです。りんごは『ふじ』がおすすめです。はちみつ、てん菜糖、バターで、水分が飛んでやわらかくなるまで弱火で調理し、仕上げにブランデーでフランベして香りをつけます。カスタードクリームは…、ごくふつうのレシピです。 はさんだり詰めたりするものって、ついつい欲張って中身を多くしすぎたりしますよね。たしかに中身が詰まってるほうがおいしいのですが、やりすぎると具がはみだしてきたりしてたいへんです。なにごとにも節度が重要。 このお菓子は、時間があるときに仕込んで、焼かずに冷凍しておけば長期保存ができます。オーダーが入ったら、冷凍のまま200℃のオーブンに放り込んで17〜18分ほど焼くだけ。簡単ですね。焼きあがったら念のため金ぐしを刺して、中までちゃんと火が通っているか確認しましょう。 中にカスタードクリームが鋳込んであるので、特に付け合わせは必要ないと思いますが、紅茶のアイスクリームなんか添えてあげると、とても喜ばれそうです。いずれにせよ、熱いうちに召し上がっていただくのが寛容。 寒くなってくると、こういうデセールがウケますね。 今回は大きめにつくりました。1辺が12cm程度の正方形のパイ生地です。りんごはパイ1個あたり1/8くらい。けっこうな食べ応えになります。お食事の後だと、ちょっと多すぎでしょうか。まぁ、別腹ですよね、こういうものは。  

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  • 06 Nov
    • ビストロ料理 / チュイル

       チュイル(Tuile)=フランス語で『瓦』という意味です。 名前のとおり洋瓦のカタチに焼いた焼菓子で、アイスクリームに添えたり、食後のコーヒーのお茶うけなんかに使っています。ワインにも合いますね。  *洋瓦 当店では「チュイルを提供したいから焼く」ということはなくて、アイスクリームを仕込んだあと大量に残る卵白を処分する目的で焼いています。捨てるのも、もったいないですからね。だいたい、卵白1個分で6枚程度焼けます。 当店のオーブンは業務用のものでなく、一般家庭用としては最大クラスのオーブンレンジですが、天板一枚あたり6枚焼くのが限界で、上下2段で1回あたり12枚しか焼けません。焼きあがるのに合計20〜25分かかりますから、量産するにはそれなりに時間を要します。卵白を消費するのも、ひと仕事です。 チュイルの主成分は、重量からいいますと、これは砂糖が圧倒的です。次いで卵白、バター、薄力粉と続きます。わたしは、上記を混ぜた生地に生アーモンドを砕いたものを加えています。いずれにせよ、非常にシンプルなレシピです。 チュイルをうまく焼くコツは、生地を均一に薄く、円く延ばすことでしょうか。卵白がねばりますので、適度に霧吹きで水分を補給しつつ、スプーンの背中で円を描くように延ばします。薄ければ薄いほど上品に仕上がりますが、簡単に割れるのでほどほどにしないと泣きを見ることになります。多少分厚いほうがパリっとしてておいしいかも? 特徴的なカタチに成型するためには、焼きあがった直後、生地がまだ柔らかいうちに型にはめなくてはなりません。最初は丸いガラス瓶の上に乗せて成型するなど苦労していましたが、料理の先生からドーム型を利用する方法を教わって以来、ラクチンになりました。やっぱり、道具って大事。 すごーくシンプルなお菓子ですが、わたしは、このチュイルが大好きです。余り物で作ることができるというのも、セコい性分に合っています。心に余裕があるときは、冷凍してある卵白で、鼻歌を唄いながらチュイルを焼いたりしているのでした。   

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  • 27 Oct
    • 単車の話

       単車の話です。 多くの男子がそうであるように、わたしも幼少時から乗り物が大好きで、そのまんま今に至っています。単車については17歳で免許を取り、ハタチになるころまで新聞社のプレスライダーのバイトをしたりして、それこそ毎日乗っていました。『プレスライダー』というのはもはや死語ですが、当時はようやくファクシミリが普及しはじめたような時代で、もちろんインターネットなんかもありませんから、事件や事故現場に赴く報道カメラマンに同行し、フィルムを受け取って社に戻る『運び屋』が必要だったんです。片岡義男の小説の主人公がプレスライダーだったりして、当時、バイク小僧の憧れの職業でした。実際にやってみると、そんなにカッコイイものではありませんでしたが…。 その後、四輪車に興味が移ったため一時期単車から遠のいていたのですが、40歳になって独立起業したのをきっかけに大型免許を取得して復活、少年だった頃羨望の眼差して眺めていたイタリアの『ドカティ』を中古で手に入れました。以来12年間ほど。事故も大きな故障もなく、いまもガレージに佇んでいます。 わたしの所有しているドカティは、1992年製。もう骨董品といってもよいくらいの年式です。エンジンは排気量が944ccもあります。軽自動車よりも大きいんですよ。基本的にレーシングバイクからのフィードバックで設計されているので、かなりスパルタンなつくりです。前傾姿勢がきつくてとてもじゃないですが、長距離の移動には耐えられません(わたしのはハンドルを変更してさらに前傾をキツクしてあります…)。振動もひどいです。小一時間乗ると、手のひらがシビれてきます。そして、そのわりには「すごく速い」というわけでもありません。たまに高速でポルシェに挑発されますが、勝てる気がしないので無視しています。操縦も難しくて、峠道なんかでは緊張しっぱなしになります。…ここまで書くと、「いったいどこがいいの?」ということになりそうですが、ドカティには、ほかにない大きな魅力があるんです。それは「カッコイイ」こと。この一言に尽きます。毎日ガレージのドカティを眺めては、「カッコイイなぁ」とほくそ笑んでいます。変態でしょうか…? 目下の悩みは、なかなか乗る時間がつくれないということです。それでなくても北海道のバイクシーズンは短くて、快適に乗れるのは6月から10月くらいのわずかな期間。ちょうどそのころ仕事が忙しかったり、プライベートで予定が詰まったりするとまったく乗れません。2016年シーズンは、なんと2回しか出動できませんでした。それでも車検はやってくる。保険も入っておかないといけません。やたらとお金のかかる『置物』になってしまっています。 実は、ここ数年、シーズンが終わる頃になると「乗れないのもかわいそうだから売却しようかなぁ…」なんて考えてます。でも、なかなか手放せないんですよねー。そんなこんなで、まだまだ長く付き合っていきのでしょう、きっと。 実用性がゼロで反社会的な乗り物ではありますが、わたしは単車が大好きなんです。

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  • 22 Oct
    • 風呂場のマナーに「ひと」が出る

      また、しょうもない話です。 わたしはお風呂が大好きです。あいにく、自宅の湯船は小さくて足が伸ばせないので、シャワー以外は利用していません。夏場はそれでいいのですが、夏以外は寒い。札幌の寒さは厳しいのです。そこで、晩秋から春までは、毎日のようにスーパー銭湯を利用しています。高コスト体質ですが、そこは譲れません。幸い、自宅近所にJR系の『極楽湯』があり、足繁く通うことになります。 そこで本題ですが、風呂場のマナーに「ひと」が出る、です。 公衆浴場は、特にマナー遵守が求められる『マナーの聖地』だと個人的に思うのですが、そこにはさまざまな性癖を持った人々が訪れます。ふだんは服で包み込んだ本性が、裸になることで噴出するのでしょうか。思わず顔をしかめることしばしばです。 <噴出例1>びしょ濡れのまま脱衣所に侵入するおっさんこれは、わりと頻出するパターンです。昔、お母さんから「ちゃんと体を拭いてから出てきなさい!」とか怒られなかったのでしょうか。わたしは、厳しく躾けられたので、理解に苦しみます。 <噴出例2>お湯を出しっぱなしにしながら体を洗うおっさん『極楽湯』はプッシュ式のカランなので、お湯は自動的に止まります。これは、週に一度通っている小金湯温泉の『まつの湯』で頻出するパターンです。体や頭を洗ったり、髭を剃ったりする間じゅう、お湯を出しっ放しにするという許しがたい行為です。お湯の受け皿となる洗面器からは、大量のあふれ湯が怒涛のごとく流れ出ています。このようなおっさんは、自宅でもこんな反社会的な行為を楽しんでいるのでしょうか。 <噴出例3>「しぶきをかけるな!」と怒るじいさんある日、体の泡をシャワーで流していると、後ろから背中をこづかれました。何事かと振り返ると、見ず知らずのじいさんが怒っています。「しぶきをかけるな!」。けっこう気をつけてシャワーを利用しているつもりでしたが、そんなに広くない洗い場なので、どうしても飛沫は飛んでしまうものと思います。素直に申し訳ないとは思いましたが、他人をこづいてまで怒るものでしょうか。きっと、ものすごく世の中に怒っているじいさんなんだと思います。できれば、公衆浴場にきていただきたくない。 <噴出例4>サウナから出てそのまま湯船に飛び込むおっさんこれも「あるある」です。サウナで噴出した脂汗を、純度が高いまま湯船に持ち込む凶悪犯です。「どうせお湯の中でも汗をかくさ」というシンプルな発想なんでしょうか。結果的にどうこうということではなく、それこそシンプルに気持ちが悪いです。 <噴出例5>館内着を脱衣所の床に脱ぎ捨てて姿を消すにいさんこれは、かなりびっくりしました。わたしの店の近くにある『リフレ』というサウナ場でのできごとです。無料で支給されるタオルや館内着は、専用の回収ボックスに入れる仕組みになっているのですが、わたしの隣で着替えていたにいさんは、それらを脱ぎ捨てて床に放置したまま帰ってしまいました。自分の家と勘違いしたのでしょうか。お友達になることはないと思いますが、この人の家には遊びにいきたくないなぁ、と思いました。 …まだまだありますが、きりがないのでこのへんで止めます。 中高年以上の方は、よく「最近の若者はマナーが悪い」なんていいますが、少なくとも浴場という限定的空間においては、個人的に団塊世代以上のマナーの悪さが気になります。しかも、凶暴でいつも怒ってるかんじがしておっかないですね。 とはいいつつ、ほとんどの利用者は、譲り合いつつ気持ちよく公衆浴場を利用しています。『極楽湯』も、ほんとに気持ちのよい施設ですので誤解なきよう。 というわけで、本日のまとめは、「風呂場のマナーにひとが出る」でした。気をつけましょう。  

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プロフィール

tati

誕生日:
1964年東京生まれ、ベルギー育ちの帰国子女。大手情報出版社在籍中に札幌に転勤になり、そのまま居ついてしまった。昼はクリエイター、夜はワインバーのオーナーソムリエ。
血液型:
O型
お住まいの地域:
北海道

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