2010-05-21 00:38:44

医療制度改革

テーマ:白水社文庫クセジュ
医療制度改革―先進国の実情とその課題 (文庫クセジュ)医療制度改革―先進国の実情とその課題 (文庫クセジュ)
Bruno Palier

白水社 2010-04
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文庫クセジュ。原書は2004年と2009年の改訂版みたいだけど、フランスでも争点になってたんだな。この前テレビでフランスのかかりつけ医制度や自由診療をリポートして、フランスの医療制度は進んでいるみたいな解説をしていたのを視たけど、この本では先進国中、成功した医療モデルは日本とスウェーデンとしている。先進国中、人口一人当たり最小の医師数、予算も差最低の割合で、世界一の寿命を維持しているのだから、傍から見れば成功なのかもしれないが、フランス人らしく、その最大の要因は日本人の食生活だと見ている様だ。最近も海藻食える遺伝子は日本人だけが有するなんて研究発表をしてきたけど、その分、フランス人にはあんまいないだろう乳糖不耐症なのに、牛乳やらチーズやらを日常の食生活に取り入れちゃっているんだから、今後順位を下げる可能性はあるな。しかし、飲茶だの宵夜だので見るからに不健康そうな食生活をしている香港人が日本を抜いて長寿世界一に躍り出たりもするんだから、食というより、乳児死亡率や社会の安定、医療水準などが主たる要因なのだろう。とにもかくも成功モデルの日本が失敗モデルとされているアメリカ型に医療制度を改革するのはヨーロッパの人からみれば理解不能の様だ。
★★
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2010-02-27 14:07:55

大聖堂

テーマ:白水社文庫クセジュ
大聖堂 (文庫クセジュ)大聖堂 (文庫クセジュ)
Patrick Demouy

白水社 2010-01-30
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文庫クセジュ。原書は2007年だからわりと新しい方。著者はランスの人で、当地のノートル=ダム大聖堂研究の第一人者だという。これは大聖堂の一般向け入門書みたいなものなのだが、やはり向こうの人たちと違って馴染みがないと読みにくい。フランス人に寺社仏閣について書かれた新書を翻訳して読ませても同じ反応だろう。日本の大聖堂というとニコライ堂くらいしか思いつかないのだが、カトリックと正教会では語義が違うみたいだね。その辺のところはこの入門書を読んでもよく分からんかったけど。
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2010-02-05 10:40:03

アクシオン・フランセーズ

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アクシオン・フランセーズ—フランスの右翼同盟の足跡 (文庫クセジュ)アクシオン・フランセーズ—フランスの右翼同盟の足跡 (文庫クセジュ)
Jacques Pr´evotat

白水社 2009-12
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「火の十字団」については選書が出たが、アクシオン・フランセーズについての本は初見だ。文庫クセジュに入るという事は現在も影響力があるのか、ないのかよく分からんところ。ただ王党派であることや、ヴィシー政権を支持したこともあり、現在の右翼フロントである国民戦線とは一線を画すものか。ドレフュス事件がその誕生のきっかけになったそうだが、日本では人権蹂躙に対して抗議をした左翼、共和制派の声ばかりが伝えられるのだが、その反対側の声も根強かったらこそ事件が歴史に刻まれた事を忘れてはならない。宗教問題などで時折噴出する「共和国の理念」の矛盾も、王政復古の声となって響く事はほとんどないのだが、アクシオン・フランセーズが求めたフランス的なる理念は、そのまま共和国の理念として受け継がれている様にも思える。こうしたナショナリズムの運動は現在ではEUに対して突きつけられる事が多いのだが、このままEUの一体化が進めばアクシオン・フランセーズが違う形で復活するかもしれないね。
★★
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2009-12-22 00:47:38

コーラン

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コーラン—構造・教義・伝承 (文庫クセジュ)コーラン—構造・教義・伝承 (文庫クセジュ)
Francois D´eroche

白水社 2009-11
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文庫クセジュの「コーラン」。フランスではわざわざ「くるあーん」などと言い換える事はなさそうだ。もっとも、あちらではガチのムスリムがこれを読んでお勉強なんてことがあるだろうから、気が抜けない。研究者はむしろ非ムスリムの方が多いだろうが、日本の池内恵論争みたいな現象はあるのだろうか。まあ国策として新アラブをやっている国だし、こと「反テロ」で米国の肩を持つ学者はそういないだろう。コーランはあくまでアラビア語のだけが「聖典」だから、フランス語訳も井筒訳も、この文庫クセジュも、ただの参考本に過ぎないのだが、本来はアラビア語とシリア語の混成であったものが、後者の言葉が衰退した為、アラビア語に一本化されたのだという。そんな説は初めて聞いたが、キリスト教徒の間では常識なのだろうか。一方でムスリム側には、神が人間の子どもを産む訳がないということで、旧約聖書に対する疑問が呈されているそうだが、それでも神が複数の多神教よりは信頼に値するとされているのは周知の通り。神が馬小屋で産まれるのも、突然,人間に啓示を与えるのも、どっこいどっこいではないかと不信者は思うのだが。
★★
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2009-12-05 00:14:50

大学の歴史

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大学の歴史 (文庫クセジュ)大学の歴史 (文庫クセジュ)
Christophe Charle

白水社 2009-10
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中公新書の「大学の誕生」は日本の帝大の歴史だけで上下巻計800頁超もあったのに、文庫クセジュは相変わらず簡潔で良いな。日本の帝大については1頁ちょっとの記述。当然ながら、フランスの大学が中心だが、ヨーロッパは満遍なくカバーしていて、アメリカの大学についてはスカンジナビアの大学と同程度の分量。既に18世紀に「どうして何の成果も得られないのに、若者は学校の授業を受ける事を強制されるのか」という議論があったらしいが、不正、欠席、中退は大学の初期から形骸化されていた様だ。にも拘らず、何百年も同じことを繰り返しているというのは人間の智恵も意識も大して進歩がないということになるが、授業で得た知識ではなく、その学位が成果として認められる社会もそろそろ限界に近づいて来た観もある。学歴社会を否定するのは簡単だが、それ以外に個人を測る有効なモノサシが見出せない以上、誰しもが疑問を持ちながら、大学へと進学することとなるのだろう。フランスの一部グランゼコールやイギリスのオックスブリッジといった例外を除けば、ヨーロッパに歴然とした大学間格差はないと言われるのだが、日本の大学の序列化は、やはり私大の乱立にあるのだろうか。
★★
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2009-09-16 00:38:30

チベット

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チベット—危機に瀕する民族の歴史と争点 (文庫クセジュ)チベット—危機に瀕する民族の歴史と争点 (文庫クセジュ)
Claude B. Levenson

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クセジュのチベットものはこれが初めてなのかな。原書は2008年となってるから、去年の騒ぎで急遽出されたものなのだろう。フランスなので、当然、フリチベ派なのだが、ああいうレジスタンスに立ち上がる民は大好きみたいだね。ただ相変わらずウイグルとは温度差があるのはアルジェリア経験があるからなのかな。ベトナムはうまくアメリカに引き継がせたけど。ただ、著者はチベット問題を専門にやっている人みたいで、最近の王力雄の言説にまで言及がある。魏京生やハリー・ウーにもチベット問題への発言があって、六四亡命組にもチベットと「共闘」する動きはあった様だが、王力雄のチベット理解には到底及ばないものではあろう。ダライ・ラマやラビアさんの来日にはうるさく内政干渉する中国だが、王力雄の来日講演には何も言わないのか。翻訳はまあ読みやすい方だが、ラサの人口の95%が中国人とあるのは、漢族が95%を占めるという意味なのだろうか。ネパール人やインド国籍のチベット人も結構いるから、外国人が人口の5%を占めると言っても割は合うと思うが、これは第一次史料をあたらんと意味が分からんね。昔はよく自治区の95%はチベット族という数字が宣伝されたけど、今はラサの95%は「中華民族」という風にでも変わったのかな。
★★
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2009-06-02 11:54:14

フランスにおける脱宗教性の歴史

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フランスにおける脱宗教性(ライシテ)の歴史 (文庫クセジュ)フランスにおける脱宗教性(ライシテ)の歴史 (文庫クセジュ)
Jean Baub´erot 三浦 信孝 伊達 聖伸

白水社 2009-05
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文庫クセジュ。例のスカーフ事件以降、ライシテはフランスでも議論が続いているのか、2000年の原書の3回めの改訂版を訳したものらしい。革命、共和制、人権、民主主義同様、ライシテもその嚆矢はフランス革命に求められるのだが、ライシテだけがなぜ世界標準とならなかったかを考えることがあった。それは各国における宗教権力の大きさと、脱宗教を掲げなかったアメリカ合衆国の影響といったことが要因ではないかと思ったりもしたのだけど、どうも、フランスのライシテを過大評価していたというのが実際の様だ。たしかにスカーフ事件などみると、フランスの脱宗教政策は厳格に思えるのだが、あれは特殊なケースだからニュースになったのであって、実際の運用は極めて穏便なものらしい。ならば、なぜフランスがライシテの代表国家の様に言われるかというと、それはそのルーツの国というより、公立校で宗教の授業がないからだという。これにはどっシラけるが、直接教育の機会を失った教会の代行として、学校で宗教教育を行うというのは、一神教の国では普遍なものらしい。公立校どころか、大学でもスカーフ着用を禁じている(いた)、トルコのライシテの方がフランスより厳格であるというのはよく言われることだが、教育面だけ見れば、我が日本が世界最強のライシテ国であろう。なのに、靖国だとか、金魚のフンの公明党だとか、ついには幸福の科学まで政治に参戦するとなると、日本は宗教国家ではないかという誤解も生じてくる。民主党が勝ったら、公明は民主に鞍替えするんだろうが、せめて宗教政党は執政党と連立を組むことを禁止できないものだろうか。
★★
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2009-01-16 01:21:03

フェティシズム 

テーマ:白水社文庫クセジュ
フェティシズム (文庫クセジュ) (文庫クセジュ)フェティシズム (文庫クセジュ) (文庫クセジュ)
西尾 彰泰 守谷 てるみ

白水社 2008-12-11
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文庫クセジュなのでマジメな概説本なのだが、「フェティシズム」がポルトガル語起源だとは知らなかった。何でも言いだしっぺはシャルル・ド・ブロスという人だそうで、元々はアフリカ人の宗教的情熱について言われた語句だという。それが性的意味合いを持つ様になるのは、言うまでもなく、フロイトの精神分析学と関係があるのだが、現在もその用法は、ほぼ変わっていないと言えよう。訳者の人も精神科医の様だが、著者はパリ留学時代の指導教官だという。指導教官といっても、「フランス的事情」で、それほど長い付き合いがあった訳ではないそうだが、精神分析学の入門書になりうるものと判断したのだろう。医学的見地において、「フェチ」が病気なのか、健康なのかは明らかにされていないが、この手のものは治療方法があるのだろうか。モノに固執するフェチは何となく分かる様な気もするのだが、臭いフェチは、やはり理解の範疇を超える。理論上は男性も女性も同じくらいの「フェチ」がいるはずなのに、もっぱら「男の病」として扱われているのは何故だろう。昔は女性には性欲がないものとされていたが、女性にもフェチがいるとされるのは、まだ先のことだろうか。
★★
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2008-08-02 21:55:49

テロリズム 

テーマ:白水社文庫クセジュ
テロリズム―歴史・類型・対策法 (文庫クセジュ 926)テロリズム―歴史・類型・対策法 (文庫クセジュ 926)
私市 正年

白水社 2008-07
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クセジュなので、啓蒙書というより、フランスにおけるテロリズムの概説書といった感じ。テロの起源がフランス革命であるというのは疑問が残るところだが、政治的目標の為に暴力を以て政権にダメージを与えるという意味ではそうなのかもしれない。「テロリズム」はフランス語起源で、ラテン語の「テロール」とは意味が違うという説明もあるが、テロリズムの「宗主国」であることがそんな自慢になるのかな。まさか、最近の自爆テロリストがリスペクトしている「カミカゼ」に対抗心を燃やしている訳ではないだろうが、この辺は、さすが「ヨーロッパの韓国」か。「アクシオン・ディレクト」というのは聞いたことがあったが、現在は活動を停止し、残っているのはコルシカ民族解放戦線だけだという。ETAの越境などもあるのが、それらや「イスラーム原理主義」よりも、「郊外暴動」の方がフランスとしては警戒しているところだろう。しかし、厳罰を以てテロリズムに対処するアングロ・サクソン国家(米英のことだろうが)に対して、フランスとイスラエルは、よりソフトな対策をとっているのだという。ホンマかいな。アラブ諸国との「特別な関係」もやたら謳ってるけど、単に米英に対抗したいだけな様な気もする。ちょっと意外だった(でもないか)のは、エコ・テロリズムを非難している点で、他のテロリズムは淡々とした説明なのに、エコ・テロはほとんど罵倒している。虹の戦史号事件が念頭にあるのだろうが、この辺は日仏同盟できんもんかな。訳者は私市正年で、引き受けてから後悔したのだという。もしかしたら、「イスラーム」関係と「エコ・テロ」は訳者のバイアスがかかったものかもしれん。もちろん下訳は院生にやらせたみたいだけど。
★★
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2008-07-24 22:07:55

フランス・レジスタンス史 

テーマ:白水社文庫クセジュ
フランス・レジスタンス史 (文庫クセジュ 925)フランス・レジスタンス史 (文庫クセジュ 925)
福本 直之

白水社 2008-07
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文庫クセジュで、このテーマというのは王道なのだろうが、他国の「公式神話」など読んでも面白くはないし、それが植民地支配を受けた国でもなければ、植民地支配をしていた国で、なおかつ現在も植民地政策を続ける国となればなおさらだ。訳者も控えめな表現ながら、個人主義に徹し、規律や束縛を嫌うフランス人が自己の生命を危うくするレジスタンスに参加したとは容易に理解できないとしている。国が解放されたら皆が抵抗していた様なことを言うのは、どこの国の「光復」でも見られる保身みたいなものなのだろうが、元々、抵抗する人間の方が多ければ、そう簡単に占領されたりもしないものである。てなことを考えながら読んだのだが、どうもその「レジスタンス神話」に批判的なところもある感じの本だった。どうやらドゴールの威光はさすがに薄くなっている様で、レジスタンスは革命ほど「歴史化」されていないのかもしれない。共和国の理念は革命から連綿と受け継がれたものであって、その後の歴史はナンバー制の共和国に過ぎないということであろうか。
★★
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