以前、管理栄養士の知見を文章化する仕事をしていました。そのとき学んだのは、●●には食物繊維が多い(から健康にいい)というような話では、どれだけその栄養素を摂るのかという「総量が重要」であるということ。いくら含有量が多くても、ちょっと食べただけでは充分に栄養素は取れないし、逆にそう多くなくてもたっぷり食べれば摂れる場合もある。同様に、体に良くないと言われる成分も、どの程度摂取するのかという点が問題になるわけです。
{6337DF81-10BC-4B74-807C-A8873D390CB4}
仕事仲間にすすめられた佐々木敏の栄養データはこう読む!という本にまさにこういうことが書いてありました。東大卒のお医者様であり女子栄養大の先生でもある業界の重鎮の方だそうで、噂レベルの栄養話について、どのように読みとくべきかをデータを使って論理的に説明してあります。

今回、ネオソフトのレシピ考案というお仕事に際し気になったのは、やはりマーガリン(ファットスプレッド)に含まれるトランス脂肪酸のことでした。まずブランドサイトを調べたところ、こうした不安に応えるコンテンツが用意されていてほっとしました。企業努力により、昔よりずいぶんトランス脂肪酸が低減されていること、トランス脂肪酸はお肉や乳製品にも含まれていることも知り、驚きました。
{9A4CFDB2-AC6A-4706-A9E4-1FA9D4A77BC8}

トランス脂肪酸と同様にバターなどの飽和脂肪酸(動物性脂肪)も、摂りすぎると悪玉コレステロールを増やし心筋梗塞などを引き起こすと言われています。この本には、この2つを「何から日本人は摂っているのか」という興味深いデータが載っていました。

 

トランス脂肪酸は、菓子、パン、油脂類が半数を占めています。油脂は総菜などに使われる揚げ油や炒め油のショートニング、サラダ油でしょうか。マーガリン単体は意外と少ない。そして飽和脂肪酸は、お肉の脂身と乳脂肪のふたつが摂取源としてほぼ半数を占めています。

{810BDCA0-0AE5-48DD-87DE-F091B6DA719A}
お菓子やアイス、パン、お総菜など、コンビニやスーパーで売っているいろんな食品に含まれているトランス脂肪酸。トランス脂肪酸同様に「摂取しすぎないことが大切」なのが、動物性脂肪(肉の脂身や乳脂肪)。
このことを知っておけば、何かひとつの食品だけを避けてもあまり意味がないことがわかります。体質もあると思いますが、私の悪玉コレステロール値が低いのは、こうしたことを踏まえたバランスの良い食生活を送っているからかもしれないと思いました。
 
バターよりリーズナブルで塗りやすいマーガリンも、毎日パンにたっぷり塗って食べるだけではなく、私のレシピのようにクリームチーズに少量ブレンドしたり、ジャムなどと混ぜたりすれば、摂取量を減らしながらいつもと違うおいしさが楽しめるはず。せっかく作ったネオパンレシピですから、そんな風にお役にたてれば嬉しいなと思っています。