爆烈QUEST つー

人生は、冒険だ。



テーマ:

庵野秀明監督、一億人が観ているという

特撮シリーズの最新作、シン・ゴジラ。

 

これは観に行っとくべきなんやろなと

映画の日にしばいて参りました。

 

IMAXで(3Dやと思ってて)プワーンと

チケット取ってしまいましたが、

やはりゴジラ、ズシーンとやってくる

4DXで買うべきやったー!

 

と嘆いたのも束の間、3Dなんてないし、

MX4D?は余裕で売り切れてました。

あー。

 

で、後日MX4Dも行ってしまったんですが。

 

ネタバレなしに言いますと

(アリは下の方に描いてますご注意を)

お知り合いの役者さん芸人さん

結構に出てて、嬉しいやら羨ましいやら

でございました。2012年かな?の

庵野秀明特撮博物館の諸々が

伏線になってたのかなーなんて感じも。

 

そこで流れてた「巨神兵東京に現わる」

という特撮短編はCG一切なしだったので、

今回も期待しちゃいましたが

ゴジラはCG、なんスよね~。

中の人も事前には知りたくなかった…

というのは情報社会の現代にゃ

ワガママというものかしら。

 

あ、上記の内容で

もし何の情報も手に入れたくなかったのに!

という人がいらっしゃったら、ごめんなさい。

こういうタイトルのもの読むべきじゃないよ?

と今後のためにも。

 

 

 

てなわけで以下、内容にも触れておりますので

まだ観てなくて細かいこと知りたくない人は

さようなら。ライブとか来て下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どう面白いとか、こういうところが素晴らしい!

なんていうのは色んなところに転がってるんで

そっちで検索して頂くとして、

夏休みの宿題気分で僕の感想をば。

 

 

エヴァと名前

 

BGMを皮切りに、エヴァとのシンクロが

ささやかれておりますが、さとみとミサト、

ヨコ・ン・パターン、でアスカ、だから

英語まじりのオモシロおしゃべりだった…

とかくらいじゃないです?

 

これでも無理矢理こじつけ感ありますもんね。

市川実日子さん演じる尾頭さんが

最後に笑うのも、それまでを鑑みると

綾波レイっぽいっちゃあぽいですけど。

それもなんかなー。高橋一生さんの安田が

NERVのオペレーター二人(青葉と日向)

みたいだとか? …えー?(難色)

 

僕はエヴァンゲリオンは、ヲタク賛美でありつつ

ヲタクを最上級にバカにしてる

(というメッセージの)作品だ

と思ってるんで、君らが喜んでたキャラ

(アスカやミサトさん、レイ)は3次元にしたら

こんなんやでー、という惨酷な天使のテーゼ

なんじゃないかと思いました。

 

そのカヨコが最後にゴジラ、と言い直した

「Godzilla(ガッズィーラ)」は

2014年のハリウッド版で、渡辺謙さんが、

日本人キャラとして一人、“ゴジラ”

と発音してたことへの対比?みたいな

もんなんでしょうか。アンサーというか

リスペクトというか。

そのためにガッズィーラと発音するキャラが

必要だった…?うーん。

 

で、主役的な矢口蘭堂は1998年版に対する

リスペクト(!)として、

ローランド(・エメリッヒ)なんじゃ

ないでしょうかね。最初は知蘭堂っていう

何かがあるのかなと思ったんですけど。

ちゃうっぽい。

 

他のキャラクター、政府要人に関しては

福島県の土地名やらなんやらと睨んでおります。

細かく調べてはないですけど。

大河内、里見、赤坂。東や泉なんてのは

どこにでもなんでアレですけど…違うかしら。

郡山に花森環境緑化アメニティー

という会社もあるみたいです。

環境大臣やとやり過ぎやから、かな~…?

 

 

ゴジラと特撮

 

とにかく最初のゴジラ(第二形態)、

きっしょかったですね。

 

とにかくきっしょかった。

あ、気色悪いのことです。

そういう造りなんでしょうけど、なんや、

敵の怪獣かと思ってました。ゴジラが戦う。

 

第四形態にしても、何あの控えめな

ブランカ(ストⅡ)の大パンチ…

みたいな手は気になりましたが、

体軸のブレなさ、さすが野村萬斎やで!と

ならなかったことは幸いです。

二回目に観たときはちょっと

萬斎感満載かな、とは思いましたけど。

 

シンには新、真の他に神とかも

意味あるらしいんで(あと震とかSin

(罪・罪業・過失…)とか?)神楽や

反閇っぽいイメージもあるんですかね~。

 

のっけは吐き出す液体や、

折り重なるボートとか、CGだいぶあまくない?

と思いましたが、金銭的な問題か、

特撮部分の素晴らしさを醸すために

わざとやったんか、気になります。

 

その特撮部分、“ゴジラはCG”ということは、

それ以外は実写を除いて特撮なんだと思うと

脱帽の上に最敬礼、CGの技術が云々なんて

いやそっちも凄いんでしょうけど、こりゃもう

世界に誇る日本の伝統ですよね~。

「巨神兵~」のメイキング観たらその凄さが

わかるんですが…DVD化とかされてない

みたいなんですよね…。

 

あ、でも新幹線や在来線爆弾はCGか…

(ですよ…ね…?)。トッキュージャーかと

思った在来線爆弾は、初代ゴジラのとき

品川で潰された電車のリベンジでしょうか。

 

米軍の無人攻撃機に対して(地上攻撃が

必要だったのはわかりますが)電車程度しか

無人で動かせる武器がないのか…というのは

まるでB-29に立ち向かう竹槍

のように感じました。ビジュアル的にも。

しかも、たぶん一次作戦で使える、

関東にある殆どの弾丸を全て使い切って、

ゴジラに傷一つ追わせられなかった…。

日本これで戦争して大丈夫なんやろかね?

 

ただそんな自衛隊の、防衛省さえ

困らせた(唸らせた)という緻密な作戦や

リアルな演出は素晴らしかったです。が、

戦車の射程距離には、萌えつつもちょっと、

ビビリました。あんなに飛ぶんですね~。

こわー。

 

そんな無敵のゴジラ、1954年の第一作

見返してみて思ったんですが、科学・技術の

進歩、なんていうのを作品中外共に感じつつ、

そのゴジラが破壊した街はまるで

戦争で焼き尽くされたかのように見えました。

 

とにかく狂気的にゴジラは

破壊の限りを尽くしていきます。

それに対しシン・ゴジラはまるで災害。

人間が攻撃を加えるまで、傷つけるまでは

ただただ移動するだけ。

能動的に破壊を行ったわけではないんですよね。

 

これは戦争のために行われた

水爆実験により生まれた生物であるゴジラと、

原発などから出る放射性廃棄物を介して

出現したシン・ゴジラの差、なんでしょうか。

 

高濃度の放射能=死であることが垣間見える中、

万全と呼べるのか?という装備で最終決戦に

臨む矢口たち。それに対し、

旧作ゴジラの、足跡の中を何人かが

百均のカッパみたいなん着て、

山根博士なんかゴジラの付着物に

素手でガンガン触ったりしてて、

もはや滑稽でさえありました。

それだけ、認識が変わったんやなー。

 

原発の暗喩でもあるシン・ゴジラ。

それに立ち向かった矢口たちと同じように、

今でも放射能の恐怖に晒されながら、

福島第一原発などで働かれている人が

実際にいるわけで、それを想うと…。

仕事ですから、言われましても、ねえ…?

 

 

正直、怪獣映画の醍醐味として、

ゴジラには、もっと破壊の限りを尽くし

庶民の阿鼻叫喚を…と思っていたんですが

シン・ゴジラでそれは叶いませんでした。

結局バコバコ壊してんのが

人間やったっちゅうね。

なんだか因果な気がします。

 

旧ゴジでは破壊された銀座和光ビルや

松坂屋の方々は縁起でもない!

と激怒したそうですが、現代やったら

ゴジラにぶっ壊してもらえたで!

みたいになってるんでしょうかね~。

 

特撮とCGは、ある意味この映画のコピーである

「現実対虚構」でもあるんだと思います。

日本はこれだけやれる、ということでも、ある。

ただこのメッセージ、映画の主題

でもあったのかも知れませんが、

僕は眉唾だと思っています。

もう今の日本じゃ無理だ、という意味にも

感じてしまいました。それはまた後程。

 

 

小ネタについて

 

冒頭、両生類ゴジラ?が呑川を遡上するとき

にある「ジャック&サリーねこ病院」の看板。

ジャック&サリーといえば

ティム・バートン監督の

ナイトメア・ビフォア・クリスマスですが、

正に現代でも悪夢の如く、クリスマスを

正確に理解できなかったジャックみたいに、

平和を曲解している輩ばかりかも知れんのやな

なんて思っちゃいました。

 

クリスマスのことを

楽しそうと思ったジャックがサンタクロースを

「サンディ・クローズ(鋭い爪を持つ男)」

という名前だと勘違いしたように…。

 

とまあ、んな感じで最初のお役所弄りが

ありましたが、大河内首相が

ゴジラへの攻撃許可を出すの出さんののあたり

めちゃ面白かったですね。

 

一度攻撃命令を出してからは、まるで

箍が外れたかのように、攻撃許可出しまくる

っていうね。あれは首相としての成長

ではなくただの増長じゃないかしら。

足元掬われるやつの典型やわー、って感じ。

 

エレベーター内で特命担当大臣

(劇団カクスコの中村育二さん)と

…矢島健一さんかな?の楽観視に

矢口氏の怒気を孕んだ窘めが入りますが、

それこそ津波が来ても殆どの人が逃げない

という楽観死の揶揄

は強かったように思えました。

 

ゴジラ来襲によるパニックも、

街が破壊されるまではなかったですしね。

後半は一般市民がゴジラを見上げる

というシーンもまるで存在しないので

どうにも圧倒的なゴジラに対する

絶望感というのが希薄に感じられましたが、

感情を出来るだけ削いだ役者陣の演技含め

そういう演出だったんだろうなと思うと

こちらの補完力を要した作品でも

あるのかも知れません。

 

ゴジラを凍結したときも

やったー!言いよりませんでしたもんね。

それは日本人らしさとか、リアルな演技

とかではなく、貴方はどう思いますか?

だと僕は思いました。

こんなに上手くいくと思いますか?

作戦遂行中に違和感、改善点、代替案、

考えてみましたか?みたいな。

 

専門家が専門分野で頑張るというのに

政治家やら学者やらしか

出てこなかったことに不満を感じる

みたいな感想も見ましたが、

ニュースの流れる電気屋(テレ東かしら?

一局だけアニメでしたね)で制服着た店員さん、

あれ?逃げへんの?逃げてへんの?

というところにも、いわば

プロフェッショナル魂描いてたんちゃう?

なんて思いましたよ?

 

むしろアルマゲドンやらみたいに、

ちょいとした能力に特化した一般人

みたいな奴が入って来おへんかったのが

リアリティでもありましたけどね。

 

今を生きることが、今を生きることだけでは

ないんだ、という根回しなんかも

希望でも、希望的観測でもなく、

当然のこととして描かれていて

潔白そうでいてそうでない矢口の

業が垣間見えてよかったです。

 

生きていくための利便性を突き詰めた結果

死のニオイのする原子力を使うようになる。

極から極。

色んな人のブログとか感想読んだりしてると、

それに痛烈なコメントつけてる人がいらして、

するとさらに、そのコメントに対して

より強いヘイトが生まれていたりもして。

これもまた、ゴジラなんじゃないか…

と思ってしまいました。

熱核攻撃か凍結作戦か、

という二分の対照、なんでしょうか。

 

その凍結作戦は「ヤシオリ作戦」

と名づけられますがこれはスサノオが

ヤマタノオロチを退治したときに

呑ませたお酒のこと、てのは色んなところで

呟かれております。ヤマタノオロチも

災害(洪水)の象徴でしたから、言い得て妙、

ヤシオリの酒を造ったアシナヅチ・テナヅチは

蛇神とも言われているそうなので、

蛇の道は蛇ってことなんでしょうかね。

 

オロチの腹は血でただれている

ともあるので、第一形態からゴジラは

血のような何かを噴き出していた時点で

想起させるもんやったんでしょうね〜。

 

ポンプ車も、オロチを斬った剣、天羽々斬

(アメノハバキリ)と呼ばれていました。

ま、名前はついてることに意味がある、

と言っていたように、名前自体に

意味はないのかも知れません。

キャラクターにしてもそうですが、

シン・ゴジラと呼ばれている映画も

それはただの名前に過ぎないのかも。

 

 

まとめ

 

IMAXの大きな画面で観た時、

最後の決戦に向かう同胞たちに発した

矢口の演説は、まるで映画館に集う、

若者たちへの言葉かのようでした。

本当に日本が危ない今、

ゴジラを倒す人間を選ぶのは

君たちなんだよと。

 

何の技術も知識も覚悟もなく

椅子に座って口を開けてスクリーンを眺める

それしか出来ない人間にも

小さな力があるんだよと。

 

前半のポリティカルドラマパートから

やけにシリアスに、それでいて無感情に

起伏していくラスト。テロップがなければ

言葉さえ理解できなくなってきている

といわれている現代人に、

ヤシオリの酒かとばかりに

テロップを注ぎ込んでくれてもなお、

感情の起伏やわかりやすい人間ドラマが

欲しいなんて言うのですか?

 

ゴジラを倒した、のではなく、

ゴジラは未だそこに存在している。

ヤシオリ作戦に対し、単純、バカみたい、

中身がなんなのかわからない、

そんなもので安堵していいの?

というような感想もあがっていますが、

それは福島原発の話ですか?

 米軍に対し、ゴジラより大変だ…という台詞も

ありましたが、その力は本当に

人間が抑制し得るものなんでしょうか。

 

ゴジラを倒したという実績=天叢雲

を持って矢口はいずれ首相の座に

座るのでしょうか。その時カヨコは

大統領になっているのでしょうか。

そして2人はイザナギとイザナミとなって

新しい日本を生み出すことが

出来るのでしょうか。

 

未来の大人たちに向かって言葉を遺した

シン・ゴジラ。

そういう作品だと僕は思いました。

たかが映画。

全てはエンターテインメントなだけ

なのかも知れませんが、

僕はそうやってこじつけて観るのが

趣味なので、好きに論じてみました。

 

さあ、きみも好きにしろ。

 

てな感じですわな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




もちろん、伊福部先生には

全力の土下寝で感謝の意を。

です。

 

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

 

ゴリゴリのおばあちゃん子である。

 

孫としてはながらく僕が末孫だったので、

姉や、近所に住んでいた従姉兄を含めても

僕が断トツで可愛がってもらって…

いや、ワガママをかましていた。

 

特に母方のおばあちゃんには

溺愛されていた。

と、思う。

 

自分がご贔屓筋だったことは理解しているが

どれほどのものなのか迄は

なかなかピンと来ない。

 

ただ従姉妹のお姉ちゃんに姉妹が生まれた時、

その姉の方がお気に入りだったようで、

後を追いかけ回してごはんを食べさせたり、

何かと傍に置こうとしているのを見て、

自分がこうだったのだろうと

少しひいた。

少し、ひいた。

妹ちゃんはそこまで、可愛がられていなかった。

そこにはひいてない。

おばあちゃんのおばあちゃんらしさを感じて、

おばあちゃん子の僕は、とても微笑ましかった。

 

 

酉年らしくと言っていいのか、

華奢な身体でコマゴマとよく動く。

 

というより、

恰幅のいいおじいちゃんがいつも

掘り炬燵の壁際の席にどーんと腰を下ろし、

銀の煙管を吹かしながら、

用があれば、おばあちゃんを使う。

典型的な亭主関白のイメージ。

おじいちゃんは、日頃から

パンツをはかずに、褌を絞めていた。

 

おばあちゃんは元々身体が弱く、

こどもの頃はよく、死にかけたらしい。

高熱を出して、お医者さんには

今夜が峠でしょうと言われたこともあるとか。

 

その日、おばあちゃんは夢を見たのだそうだ。

ながーい田んぼの畦道を夕方、

一人で歩いていた。

道端に六地蔵さんが並んでいる。

なんとなく眺めていると、最後の一体が

小さい頃に亡くなられたおばさんの顔になって

「あんたはまだ来たらあかん。お帰り」

と言ったのだそうだ。

おばちゃんはそのままその道を戻って、

目を覚ました。

 

そういうこともあり、こどもの頃にあまり

勉強することができなかった。

よく僕には、盛大勉強しときや、と言った。

 

 

奈良県の美吉野台というところに家があり、

隣におじいちゃんが一階はガレージ、

二階が倉庫になっている建物を

自力で建てた。

 

まるという犬を飼っていて、小さいときに

膝を咬まれた。綺麗にカプリといかれたのを

憶えている。3ヶ月くらいどっかに行って、

帰ってくるを繰り返していた。

余命3ヶ月ですねと言われてから

べらぼうに長生きした。

 

美吉野台という名の通り、

高台にあった家の周りには何もなく、

公園から続く長い階段と、蛇行した道を

長々と下って駅に買い物に行く。

 

おじいちゃんが車に乗っていたが、

仕事場は大阪だったので、

いつも歩いて買い物に行っていたのだろう。

おじいちゃんが隠居してからは

どうだったのかわからない。

夕方にはまるの散歩で、結構な距離を

ウォーキングしに出ていたので。

やはり歩いて買い物に行っていたのだろうか。

 

その長い道を一緒に歩いて

買い物に行った。

階段でおばあちゃんが躓き、

足から血が出る。

動転する僕に、

かんにんな、かんにんやで

とよく謝った。

 

夢の件があるからか、近くのお地蔵さんには

長くお経を唱えていた。お地蔵さんの頭が

どっかへいってしまったときは似た形の石を

のっけてあげていた。

朝は仏壇に向かって般若心経唱えてたし、

信心深かったのだと思う。

京都の八十八か所参りにも連れていってくれた。

 

マクドナルドがまだ少し珍しかったくらいの頃

あんたハンバーグ好きやろ、と言って

ハンバーガーを買ってくれた。

ポテトは家でジャガイモから揚げてくれたりもした。

冬にホットカルピスを入れようとして

熱湯をグラスに注いでしまい、

ガチャンと大きな音がして割れた。

僕はそれで、熱膨張を知った。

 

こどもの頃の記憶がほとんどない僕だが、

おばあちゃんとの思い出だけは色褪せず

明確に憶えているような気がする。

僕もおばあちゃんが好きだった。

泣き虫で怖がりだった僕は

すぐおばあちゃんに縋っていた。

 

そんななか、どうしても心残りなのが

 

「あんたが免許取ったら、(美吉野台の)

家までのっけてってな~。もうその頃

おばあちゃんボケてもうて、

あんさん誰でっか、言うてるかも知らんけど」

 

というお願いを

叶えてあげられていないことだ。

 

おばあちゃんはボケてしまった。

少し前までは、僕の声だけは電話口でも

結構にわかってくれていたそうなのだが。

 

3月が誕生日で(おばあちゃんも同じ月だ)

高校時分に免許を取れないまま、

金やるから取っとけ、と父方の祖父が

言ってくれてたのも、卒業が危うかったのと

東京通いが重なって、無碍にしてしまった。

 

 

断トツで身体の弱かった

はずのおばあちゃん。

だけがまだ生きてる。

こどもの頃、自由に遊べなかったお返しに

お地蔵さんが長生きさせてくれてるんやろか。

 

美吉野台の場所とかが曖昧で、

大学のときにバイクで一度行ったのか、

それともこの記憶はただの夢なのか

よくわからないまま、

グーグルアースでおばあちゃんの家を探した。

 

おばあちゃんが躓いた階段はあったが、

公園はなくなっていた。

お地蔵さんもなかった。

 

車で帰るとき、見えなくなるまで

手を振ってくれていた角はあった。

僕もその角まではずっと

手を振っていた。

いまどうなっているのかよくわからないが、

家はまだそのまま残っているようだ。

誰かが住んでいるのだろうか。

 

ああ、行きたいな、

できればおばあちゃんと。

奥さんも連れて。

 

そう思って地図をなんとなく引く。

おばあちゃん家のすぐ近くに

 

「高見台」

 

とあった。

 

 

 

 

 

何かの縁を感じ、思い出が一気に噴き出して

溺れてしまいそうになる。

 

おばあちゃんもう少しだけ、

いや別にあとどんなけでもええから、

長生きしておくれ。

 

まるが死んだとき、朝、電話をかけてきて、

どうしたん?と聞く僕に、とても空虚な声で

なんもない、と言っていたおばあちゃん

泣いてたんやろか。僕に縋れたやろか。

 

おじいちゃんが死んだときは、

泣いていた母がとても印象的だったので、

おばあちゃんの記憶がない。

おばあちゃんの泣いた姿は

見たことがないのかも知れない。

 

 

僕はいつも、泣いていたのに。

 

 

 

{5633C407-A23F-46BB-BF75-2AF3C9FA7035}

 

 

{645764FD-CB85-4FE8-A952-36DBD230D567}

 

 

 

{E0586788-FFFB-49EC-9A4D-63E3FDE9B28F}


 

 

AD
いいね!した人  |  コメント(1)  |  リブログ(0)

テーマ:
間一髪。
夏を告げる鐘のように雷が鳴って
夕立が地面を叩く。まるで拍手、
緞帳みたいに雨があがる。
空の半分が昏く、もう半分は明るい。

自転車のサドルがびしょびしょになる前に
ドラッグ・ストアのビニール袋を巻けた。
空気穴みたいのがあいてて、
一度水を吸い込むとケツをしとどに濡らす。

階段にどんにゃぐと横たわってた
マンションねこがエサをよこせと
ぺたんこの靴つっかけた足首に
まとわりついてきた。

いつもの場所は雨に濡れるので
別のところを手で丁寧に払って
エサを出す。横で虫が死んでいた。
食べ終わりに床までなめるので
できれば綺麗にしてあげたい。
エサを食べはじめると何をしても
反応しなくなる。手を振って部屋に戻る。

SNSを覗くと
夏のはじまりと夕立へのコメントがアメアラレ、
色んな表現で描かれてて
僕はねこみたいに笑う。
回る扇風機、傾ぐ食器、台所のシンクへ
蛇口からじょぼじょぼと水が落ちる。

しょんべんみたいな内容の投稿を読んで
正に社会の窓だなと、うまいこと言った気分。
アイドルが自撮りをあげ、アイドルじゃない人も
自撮りをあげ、絵を描く人は絵をあげ、
会社員は音をあげる。
覗いていた小さな社会の窓を閉じ、
閉じていたベランダの窓を開けた。







AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。