http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100720-00000301-fsight-int


フォーサイト 7月20日(火) 16時38分配信 / 海外 - 海外総合  メキシコ湾で4月下旬に爆発事故が起きた海洋油田からは米政府の推定で70万キロリットルもの大量の原油が流出、米ルイジアナ州などの沿岸はどす黒い原油で汚染された。油田の操業者である英石油大手BPは、水深1500メートルの海底にある油井の噴出口をなんとか封鎖しようと様々な技術を動員したが、なかなかうまくいかず、7月中旬になってようやく原油流出が止まった。ただ、これも抜本的な解決策にはならないとの見方が多く、油井を完全に封印するまでは予断を許さない。
 今回の事故は世界の海洋油田の事故としては最悪の展開になったが、エネルギー業界関係者の中には「いつか、どこかでこんな事故が起きると思っていた」と事故をある程度、予見していた人もいる。深海油田の開発、原油生産はそもそも地上の油田ほど簡単ではなく、水深が増す毎に幾何級数的に難度が増すからだ。人間が潜ることのできない深海では、何かのトラブルが発生してもすべて遠隔操作で対処しなければならない。

■海洋油田の歴史と未熟な事故対策

 1990年代以降、世界では海洋油田の開発が急激に進んだが、事故防止策、事故対策の技術開発は海洋油田の増産ペースほどには進んでいない。開発案件や難度が拡大する傍らで、事故対策の技術開発はなおざりにされてきたといってよい。
 海洋油田の歴史は実は長い。19世紀末から20世紀前半にかけ、欧州の原油需要を賄ったアゼルバイジャン(当時はロシア)のバクー油田は陸上からカスピ海の沖合に広がる油田で、開発の初期から遠浅の海に原油掘削用のやぐらが立ち並んだ。水深は数メートルから20メートルほどだったため、当時の技術でも十分対応できていた。
 第2次大戦後、サウジアラビアなど中東産油国で生産が拡大するにつれ、ペルシャ湾の沖合で油田開発が本格化、300億バレルという巨大な埋蔵量を持つサファニア油田が発見され、サウジアラビアの埋蔵量、産油量を押し上げた。日本の石油開発の金字塔にもなっているカフジ油田も、実はこのサファニア油田の一部で海洋油田だ。といってもペルシャ湾内の水深は数十メートルに過ぎず、技術的には決して難しくはなかった。
 1960年代にオランダでフローニンゲン・ガス田が発見され、英国とノルウェーに挟まれた海域に広がる北海油田の開発が本格化した。北海は水深が200‐300メートル。巨大な掘削用リグ船が建造され、海底からみれば高さが300メートルほどもある生産用プラットフォームも建造された。北海油田は「アポロ計画に匹敵する技術的挑戦」と言われ、当時の様々な先端技術が投入された。
 80年代に入ると、メキシコ湾でも海洋油田の開発が始まった。メキシコ湾内は1000‐3000メートルの水深の部分が多く、海洋油田開発の技術は一段と進化した。
 ただ、そのあたりから海洋油田特有の危険性、リスクも認識されるようになった。海洋プラットフォームでの油井からの爆噴事故である。そのリスクを世界に知らしめたのは、北海油田の10%の原油を生産していたパイパー油田で1988年7月に起きた爆発事故だ。同油田の「アルファ・プラットフォーム」で爆発事故が起き、働いていた167人が亡くなる痛ましい事故だった。


 数少ない生存者の中にはプラットフォーム上にある水面80メートルの高さのヘリコプター発着場から海に飛び込み、助かった人もいた。爆噴に対する備えが整っていなかっただけでなく、プラットフォームに火災などがあった場合、技術者、作業者たちをどう脱出させるかという避難策すらなかった。事故後、海洋プラットフォームの周辺では常時、脱出用の避難艇を待機させることが義務づけられた。

■急成長するニューフロンティア

 ではなぜ、これほど技術的な困難と手間のかかる海洋油田の開発が世界各地で次々に進むのか?
 米エクソンモービル、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルなど、かつて「セブンシスターズ」と呼ばれた世界の大手石油会社や準大手、中堅の石油会社は70年代以降、油田開発で厳しい局面に立たされてきた。中東産油国は73年の第1次石油危機後、油田の大部分を国有化し、新規の油田権益を外国企業に与えるケースは激減した。サウジアラムコなど産油国の国営石油会社全盛の時代がやってきた。最近ではイラク、リビアが鉱区を外国企業に開放、国際入札にかけたが、条件は厳しく、収益性で二の足を踏む石油会社が多かった。
 一方、外資が参加できるロシアや中央アジアの案件は北極圏など気象条件がきわめて厳しいか、輸出するために長距離のパイプラインを敷設しなければならないものが大半。技術的に難しいか、政治的なリスクを負わざるを得ない。
 「海洋油田は開発の自由度が高く、石油開発のニューフロンティア」。石油開発業界の関係者はこう指摘する。海洋油田は産油国の国営石油会社単独では開発が難しいため、外資の参入チャンスが大きいうえに、海上の油井周辺に貯蔵用のタンカーを配置し、係留設備を用意すれば、洋上からそのまま原油を出荷することもできる。海上であれば、アフリカなどに多い部族紛争やテロにも巻き込まれずに済むメリットもある。
 アンゴラ、ガボン、ナイジェリアなど西アフリカの産油国は沖合の油田が大半で、今はガーナなどにも海洋油田の開発が広がっている。メジャーや日本の商社などが出資する案件が目白押しだ。
 一方、今や産油量が日量200万バレルを超え、ベネズエラと並ぶ南米有数の産油国になったブラジルは海洋油田の成功で原油輸出国に転じた。国営石油会社のペトロブラスは70年代から沖合大陸棚で油田開発に取り組み、世界トップクラスの海洋石油開発の技術を蓄積した。今では、沖合200キロの水深5000メートル超の海底にある岩塩層の下に眠る油層「プレサル層」の開発を進めようとしている。

■今後、起きうる3つのシナリオ

 こうした海洋油田への流れは原油価格の上昇と並行している。海洋油田の開発、生産コストは高く、1バレルが50ドル以上でなければ採算が合わないものが大半だからだ。ブラジル沖合のプレサル層は70ドル超が目安との説もある。原油が暴落すれば、世界の海洋油田の開発計画は頓挫しかねないリスクをはらんでいる。そうしたなかで今回のBPの事故によって、安全対策の強化などが求められるようになれば、コストはさらに上昇せざるを得ない。世界の民間石油会社はフロンティアを失いかねない瀬戸際に立たされているのだ。
 今後、起きる可能性のあるシナリオは3つある。第1に、中東産油国への回帰だ。中東産油国の国営石油会社がますます力を高め、世界の石油会社はそこからの調達量を増やすしかなくなる。
 第2は、オイルサンドやオリノコタール(超重質油)など非在来型の石油やDMEのような天然ガスからつくる液体燃料の使用拡大だ。環境負荷やコストが高いが海洋油田のリスクと比較してメリットがあれば、メジャーなどは非在来型にシフトする可能性がある。
 第3に、石油業界のメガ再編の再来だ。今、BPは巨額賠償の懸念から株価が急落、資金不安からアブダビなど中東産油国に支援を求める一方、油田資産を売却し、キャッシュづくりに動いている。これがうまく行かなければ、他のメジャーがBP合併を狙う可能性もある。すでにエクソンモービルの名前などがあがっている。あるいはBPが分割され数社に吸収されると予測する関係者もいる。
 また、石油供給の別の環境リスクが注目されたことで、今後、液体燃料で石油からバイオエタノールなどへのシフトが進む可能性がある。電気自動車にも追い風となるだろう。
 いずれにせよ、BPのメキシコ湾の事故は単なる海洋油田の事故ではなく、世界の石油開発のあり方、業界構造を変える導火線になりつつある。


筆者/ジャーナリスト・新田賢吾

フォーサイト・ウェブサイトより

AD

PNOC-AFCと豊田通商とドールのバイオ燃料についての合意(Jatropha)


http://www.gmanews.tv/story/195540/pnoc-alternative-fuels-signs-biofuels-agreement


07/08/2010 | 04:59 PM

State-owned PNOC-Alternative Fuels Corp. has signed an agreement with Dole Philippines Inc. and Toyota Tsusho Corp. of Japan on possible collaboration and cooperation on biofuels.

The cooperation involves research development, commercial development, and supply and marketing of biofuels in the country.

PNOC-Alternative Fuels said in a statement Thursday that the memorandum of understanding with Dole and Toyota Tsusho would open a new horizon in the company's jatropha biodiesel project owing to the proven track record of Dole Philippines "in agronomic strategies and practices."

Toyota Tsusho, a trading company and a member of the Toyota Group, is one of the largest trading companies in Japan, with a global presence via its subsidiaries and operating divisions that support Toyota Motors' automobile business and those of other members of the group.

PNOC-Alternative Fuels is taking the lead in implementing the biodiesel mandate under the Biofuels Law, with a view to exploring, developing, and accelerating the use and commercial prospects of alternative fuels in the Philippines.

PNOC-Alternative Fuels identified jatropha curcas, or tuba-tuba, as the most productive and economical feedstock for biofuels production.

The company said that the partnership with Toyota Tsusho has the potential to spark the commercial and marketing interests toward biofuels in Southeast Asia.

Toyota Tsusho last year explored the possibility of going into jatropha farming with Dole Philippines, one of the largest producers and sellers of fresh and processed fruits and vegetables.

Toyota Tsusho intends to sell biofuels locally, with the surplus to be exported to China, South Korea, Japan, and parts of Europe.

PNOC-Alternative Fuels will put up a 5,000 liter per day processing plant, estimated to cost P10 million, in Fort Magsaysay, Nueva Ecija, which should start commercial production next year when feedstock is available from the 500-hectare jatropha plantation also in Fort Magsaysay.

Last year, PNOC-Alternative Fuels signed an agreement with the Ilog Diversified Multi-Purpose Cooperative and the Katilingban Sang Katawhan Sa Katayoyon Nga Kauswagan Sa Kabankalan Inc. – or 5Ks – to put up a 1,000-hectare jatropha plantation in Kabankalan, Negros Occidental.

The deal covers 500 hectares of land under the name of the cooperative, another 500 hectares with 5Ks.

PNOC-Alternative Fuels will supply the seedlings and other farm inputs and pay for labor costs during the planting phases of the farms, as well as the technology to set up the plantation and maintenance for 18 months. —VS, GMANews.TV

AD

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/3916

山本先生執筆の記事から一部分づつ引用

⇒青文字は、私の意見


『実は、人類は未だに「エネルギーをつくり出す技術」を手にしていない。我々が持っているのは、自然界から「エネルギーを取り出す技術」に過ぎない。取り出すにもエネルギーが不可欠である。少量で済むのか、逆に大量に使う必要があるのかはケースによって様々である。

 こうしたエネルギーの回収効率は、EPR(Energy Profit Ratio)あるいはEROI(Energy Return on Investment)と呼ばれる指標で示すことができる。EPRは、回収エネルギー(Eout)/投入エネルギー(Ein)という単純な割り算になる。したがって、回収エネルギーよりも投入エネルギーが多くなれば(EPRが1を下回るならば)、そのエネルギーにはもはや価値はない。

 我々が自然界からエネルギーを取り出すのは、そのエネルギーを社会で使うことが目的である。社会が使うことのできる余剰エネルギー(Enet)こそがそれぞれの時代の文明を形成する。言い換えれば、文明とはまさに余剰エネルギーのことなのだ。』


EPRが異常に優れた石油が、大量生産大量消費社会(文明)を生み出し、支えてきたと思います。まさに湯水のごとく存在した石油が、石油産業としてのし上がっていくために、消費を必要とし、消費者なる物を創造してきたと思います。


『ハーバード大学のファーガソン教授(Niall Ferguson)は歴史学者としての視点から、過去の帝国主義や現在のグローバル経済のような「複雑系」社会に内在するリスクを分析している。

 1粒の砂が砂山全体を崩すことがあるように、ほんの些細な歯車の軋みがきっかけとなり、一気に崩壊へと向かう恐れがあるという。世界的なEPRの低下が、ある時点で特定の社会の崩壊を引き起こすほどの決定的な影響を与える可能性は十分に考えられる。

 また、ユタ州立大学の考古学者であるテインター教授(Joseph A. Tainter)は、ローマ帝国を含む過去に崩壊した24の社会を分析した上で、たいへん興味深い考察を示している。教授によると、「文化的複雑性の歴史は、人類の問題解決の歴史」であり、「歴史を通して、人類が直面したストレスと挑戦は往々にしてより複雑になる戦略によって解決されてきた」(下線筆者)

 そして、「社会という問題解決のためのシステムは、長期間、複雑性とコストを増しながら発展し、やがてシステムは補助的なエネルギーの増加を必要とするようになるか、あるいは崩壊する」という。』


場面は異なりますが、工業社会も、複雑系のピークを越えたと思われます。私の感覚だと3Dテレビを作っても、その開発・製造・販売で得られるメリットは、ブラウン管の白黒テレビやカラーテレビの開発・製造・販売で得られたメリットに遠く及ばないと思われる。同じことは、消費者側から見ても同様で、テレビが有るか無いかの差はそれなりに存在しても、ブラウン管のカラーテレビと薄型3Dテレビとから得られる受益の差はさほど感じられない。要は、大量生産・大量消費モデルは、完全に飽和して、言葉を借りると複雑系のピークを超えていると思われます。より高度ですごい技術を持って来てみても、解決には繋がらなくなっているように思います。

 同様に、利潤を生み出し続けるためのシステムも複雑系のピークを超えているのではないかと思います。産業資本主義では、右肩上がりを描くための利潤が十分に得られなくなったために、金融資本主義の拡大が生まれたと認識しています。金融資本主義内での利潤拡張のために作られた数々の金融工学を駆使した商品は、利潤を創造したかに見えましたが、結局は、大規模な補助的エネルギーの増加(財政出動・国有化)に至りました。

 石油の発見⇒消費者の創造⇒工業化社会(産業資本主義)⇒金融資本主義と石油に支えられた現代文明の変遷があったとして、

 石油の発見⇒石油ピーク

 消費者の創造⇒需要の飽和・減退

 工業化社会⇒複雑系のピーク超え

 金融資本主義⇒複雑系のピーク超え

と、すべてがピークを超えて、文明の衰退期に入っているように思えます。


先日の石油ピークに関する意識調査の結果を踏まえると、近代国家・民主主義の限界を考えさせられます。社会全体の軌道修正は、やはり自分の身の回りと信頼関係の有る方々との間で一歩一歩広げて行くことしかないのでしょう・・。



 

 

AD