nurse
名詞では看護師、看護人、保育士、乳母などの意味。


成りすましのナースはそのどれでもあり得るようです。

ある偽ナースの自己紹介:
『私はアメリカ生まれの32歳、ナースの仕事をしています。今は国連の仕事でナースとして、ガーナに来ています。』

この自己紹介の文脈だと、看護師という印象を受けます。

しかし、同じ人物と対峙していた、あるスキャムハンターの方のバイティングでは、相手の男性に

『私はナースといってもナーサリーのナース(保育士)なの。でもあなたの面倒も看れるわよ』

などと言っていたのが笑えました。まぁ、どっちでもよいわけですね、『彼女』は本物ではないですから。

ナースのロケーションのパターンとしては、
1)すでにガーナなどの西アフリカに来て仕事(あるいは看護学の留学)をしている
2)ヨーロッパやアメリカで看護学を学んで看護師等の資格を取った後にこれから西アフリカに任命されて出かける
というのがあるようです。

手口は、やはり男性に会いに行くための飛行機代やビザ費用、食費や雑費のおねだり。


Scamwarners.comなどの詐欺情報掲載サイトにあるほとんどの情報は最初のいくつかのメールの内容とプロフィールの内容に終始しています。それだけで詐欺だと証明できるわけですから。

http://www.stop-scammers.com/
このStop scammersというサイトには、掲示板形式で写真に対していろいろな人からのコメントが入っていて、その中から詐欺手口を見てゆくことができます。

いくつか抜粋してみました。

●僕が飛行機の切符を買ってあげるよと言ったけれども、ビザが取れたら自分で買うので、ウェスタンユニオンからお金を送ってほしいと言ってきたんだ。

●両親が2,3年前に交通事故で死んだと言って、宝石商をしていた父親の財産を受け取るためにお金が必要と言ってきた。インドネシアの法律により、2億5千万ドル相当の遺産を受け取るために税金を支払う必要があり、それを払ってほしいと言ってきた。それが完了したら妻になってくれるのだという。

●彼女はアメリカ人だと行ってたけれど、ガーナに住んでいる36歳で独身、子供なし、ガーナで看護を学んでいると言っていた。

●最初は彼女はスウェーデンにいると言って、これから任命地のガーナに行くんだと言っていた。彼女は本物じゃないって気づいていた。ものすごい速さで恋に落ちる、そして彼女がガーナに行くと、インターネットを使用するためにお金が必要になったんだ。

●彼女と数週間チャットした。ビデオチャットもしたよ。それから、学校の最終試験のために1万ドルが必要なのでお金を送ってほしいと言ってきた。その試験が終わったら僕に会いに来てくれると言って。

●1か月ほどチャットしていた。彼女はマンチェスターに来て僕と一緒になりたいと言っている。パスポートや航空券でお金が欲しいと言ってきた。スペルミスが多くて、アメリカ生まれだと言ってたけれどガーナに4年住んでいるそうだ。そして、ガーナ大学で看護師の資格を取ったと言っている。

●ウェッブカメラが壊れて、新しいのを買うために僕に75ドルを要求してきた。僕の国では30ドルしかしないよ。何かおかしいと思って、しかも10代の子供みたいだった。でもいつでもYahooメッセンジャーでオンラインになっている。

●男性の国が、女が自称する国籍ならビザが必要のない国なのにビザ申請料が必要だと言ってくる。

●新しいパソコンを買うのに200ドルをねだってきた。

●生理痛の治療のために450ドルを送ってほしいと言ってきた。また、食費が必要だと言ってくる。断ると、実は大金を相続することになっていて、遺産を相続するために6000ドルを支払わなければならないのでそのお金を工面してほしいと話を変えてきた。

●電話代の請求で100ドルをウェスタンユニオンを通して送金するように頼まれた。そのあと食費や学費がないと言ってきた。

●父親が亡くなり、母親と二人きりだという。

●看護学校の最終試験で400ドル必要、それが払えないので支払ってほしいと言われる。

だらだらと並べてみましたが、たいてい最初に来るのは小額、食費や診療費など。
そのあとだんだん金額が大きくなり、最後は父親の遺産を相続するための数千ドル等、他の419詐欺と変わらない。

最初の段階でうさん臭いと思って気が付けば、少額の被害で済むので、詐欺にあったとは言わない男性も少なくないのでしょうね。ちょっと困った女に噛まれただけみたいな感じで。


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タイトルはドラマの『ナースのお仕事』をもじってみました。

BBCの記事(2015年2月)
”How Ghana has reversed exodus of nurses”

ガーナの看護師の流出を食い止めるため、ガーナ政府はいろいろ方策を打ち出してきました。

資格を取ったら向こう5年間は国内で働かなければならないとか。5年間の縛りを省略しようとすると、毎年650ドルの罰金が取られるのだそう。そうなるとなかなか脱出できなくなる。

リンクしたBBCの記事は2015年2月のものですが、
ガーナの資格ある看護師の数 20,400
月給  $400
2004年にガーナを出た看護師 700人
2013年にガーナを出た看護師 107人
2914年にガーナを出た看護師 192人

病院の設備が十分でなく、看護師の仕事はかなりきついものです。しかも給料はよくない。

先進国に出稼ぎに行けば、資格ある看護師なら最低でも毎月2695ドルもらえるのだそうです。毎月400ドルできつい仕事させられるのはたまったものではない。しかも、給料の払いが遅れることもあると記事にかいてあります。

人材の流出に歯止めをかけるため、月給ではなく時間給にしたところ、2013年、2014年の海外に出て行った看護師の数が2004年に比べて大幅に減った。

それでも、ガーナの看護師は、機会さえあれば月給400ドルの世界から2600ドルの世界に飛び出たいと思っているでしょう。外国の看護師があえてガーナにやってきて働こうというところではないですよね。

もちろん国際赤十字や国連から派遣されたり、看護の技術指導でアフリカに行っている外国人看護師の方々はおられます。

でも、ガーナの看護の現場の大変さを考えると、出会い系サイトに登録したりSNSで男性にコンタクト取ってきたりして、相手の男性がメッセンジャーですぐにメッセージ送ってこないと機嫌を損ねたりなどということをしている暇はなさそうです。ナイジェリアでも同様でしょう。

セクシー美女がナイジェリアかガーナで看護師をしていますと言ってSNSで近づいて来たら、ほぼ確実に詐欺師のなりすましです。そんなことしている暇、国連や赤十字で派遣された外国人のエリート看護師さんには絶対にないですよ。
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男性狙いの女性を装ったインターネット上のアフリカン系のロマンス詐欺手口について紹介しています。男性の方々に注意を喚起するため、このストーリーを連載しています。これは実際に偽キャラを使ってわざと詐欺師に見つけられやすい環境に偽キャラのフェースブックのアカウントを置き、そして釣り上げた相手とのストーリー展開を紹介するものです。本当の被害は発生していません。

第七章 終焉 
女からガーナへ送金する要求をされた後、いくつかバイティングのツールを使って振り回して遊んだのですが、そのあたりはバイティングの手法の話になりますので詳しく書くのは避けます。

本当に送金していないので、送金番号(MTCN, Money Transfer Control Number)にアクセスできるツールにアクセスしてもらっても相手は何も得られないわけです。

フローレンス
『従妹から連絡があったわ。お金を受け取るのに問題があるみたいなの。長距離電話がかけられないのでMTCNにアクセスできないの。それに電話代もなくなっちゃったわ。だからあなたにお願い。ウェスタンユニオンに行って、レシートを見せて、それでMTCNとセキュリティ番号をもらってきてちょうだい。そうすれば従妹は簡単にお金を受け取れるわ。あるいは、フリーダイヤルをおしえてもらってちょうだい。そうすれば電話代を取られないで済むわ。忙しいところ悪いけれど、私のためだとおもって、お願い。ありがとう』

和也
『わかったよ、プリティ。何とかやってみるよ』

翌朝
フローレンス
『ねぇ、ハンサム。お元気かしら。今日はMTCNをもらってきてくれるわね、待ってるわ。従妹に送らなきゃ。』

その日の午後
フローレンス
『どうだった?』

その日の夜遅く。
和也
『やあ、プリティ。今日は忙しくてね、送金センターに行けなかったんだよ。明日行けると思うよ。』

フローレンス
『わかったわ、すべてうまくゆくと思うわ。あなたに会えなくて寂しい。明日すぐにご返事ちょうだいね。』

もっとも本当に送金していないので、MTCNをどこかで見るというセキュリティシステムは電話つかったものでも何でも本当に見れるわけではなく。次に使ったものはフローレンスを怒らせました
 サイトにすらアクセスしていなかった(笑) なんと怠惰な。

フローレンス
『なんでこんなに時間がかかるの? あなたがやって、そしてMTCNを取り出して私に送ってちょうだい。ウェスタンユニオンはとてもシンプルなもののはずよ。なんでこんなに面倒な方法とらされるの? お願いだから従妹のためにMTCNを出してよ。これはいったい何なの?』

受け取りはガーナになっているから日本からアクセスしたら不正アクセスとなってしまうと説明。

フローレンス
『レシートはウェスタンユニオンのじゃないわね。あなたが何を考えているのかわからないけど嘘ついているんでしょう!』


『友達にウェスタンユニオンの人がいるの。その子が行ってたけど、こんな方法なんかないわ。ウェスタンユニオンで送金して、MTCNをうけとって、それを受け取り手に連絡して、それだけの話のはずよ。本当にそうきんしたのだったら、ウェスタンユニオンに戻ってMTCNをもらってきてちょうだい』

じゃあ君の従姉妹はお金いらないんだね、だったら送金センターで払い戻ししてくるよと伝えるとしつこくMTCNをウェスタンユニオンでもらって来いと言ってくる。嫌だと言ったら

フローレンス
わかったわ、自分のお金取り戻しなさいよ』

フローレンス
ウェスタンユニオンはそんな方法とらないわ。
悪いけど、それ詐欺よ』

ウェスタンユニオンを使うのは初めてだったんだ。お金取り戻しに行くよと言ったら

if really you have it sent
本当にお金送ったのだったらね』

和也
『そういうならね。さようなら。僕は明日ウェスタンユニオンで払い戻ししてくるよ。』

フローレンス
『OK』

和也
『自分で従妹を助ける方法を見つけたまえ。僕は彼女には責任はない。』

フローレンス
『Whatever
勝手にすれば』

和也
『いいよ。』

フローレンス
Hey bare in mind, i'm not coming to Japan anymore because i can't trust you

覚えておいてちょうだい。私は日本になんか行かないわよ。あなたが信用できないから』

和也
『よろしい。僕は構わないよ』

フローレンス
『さようなら』


和也
『さようなら』

     

あっけなくてがっかりでしょうか? 


ここで『お前の正体はわかっている。写真はYuliana Avalos,フロリダ州在住のシングルマザーでビキニモデル。送金先がガーナなのはお前がガーナにいるからだ!』みたいに名刑事か名探偵気取りで言ってしまうと、かっこいいですよね。


でもBaitingとしてはNGです。ここは、Scammer もBaiterも、自分がリアルのつもりでお別れです(笑) そして、導き出したかった言葉をゲットできました。


バイリンガルで入れた最後のセリフにぜひ注目してほしいのです。



Hey bare in mind, i'm not coming to Japan anymore because i can't trust you

覚えておいてちょうだい。私は日本になんか行かないわよ。あなたが信用できないから』


お金を送ったご褒美は女が男性の国に来てくれるということ。(永遠に来ることはないですがそのニンジンを突き付けている。) お金を送ってこないなら、『行ってあげないわよ』ということになるんですね。女性が男性の国に行きたいと言っているのは、餌です。女性にはまってしまった男性は、女性に会いたくて、要求をクリアしようとする。


"bear in mind"、フローレンスはスペル間違えていますが…心に留めておくことね、覚えておいてちょうだい、そういったニュアンスのきつい言葉ですね。『お金をちゃんと送ってくれたら、男性の国に行ってあげるのよ』 という態度ですね。


男性狙いの詐欺師はほとんどの場合男性です。仮に電話に女性が出たら、ガールフレンドもしくは奥さん、あるいは変声期前の10代の見習い少年でしょう。写真はAV女優やモデルのものが多いです。画像検索かければどこかで出てきます。出てこなくてもYou Tubeなどに投稿している素人さんの動画をスクリーンショットとったものだったりするでしょう。いずれにしても、普通の女の子じゃない、お金かけて体型を作っている、体型を売りにする女性。


AV女優の写真使っている場合、ビデオも出回っています。おそらくは『私のお部屋』みたいなタイトルのビデオを見せてくれて、あたかもカメラの前で悩ましい姿になってくれたように見せかける。そのあと男性にも服を脱ぐように要求してくるかもしれません。これも罠です。スクリーンショットをとられ、後々脅しのネタにされます。『お金を送らなければ会社に写真を送るわよ』などと言ってくるでしょう。


脅しを受けた場合のアドバイスは男女ともに同じです。応じない。脅しは一方通行では成り立たないので、ブロックすれば写真を何処かにばらまかれることはありません。アフリカン詐欺の盗用写真で、モデルじゃない素人っぽい男性の上半身裸の写真使っているのがありますが、ビデオチャットで女のふりした詐欺師にスクリーンショット取られたものじゃないかと思われるのも若干見たことがあります。


出会い系サイトだと最初からお付き合い前提で話が進みますが、フェースブックなどのSNSだと必ずしもそうではありません。ここが女性狙いのフェースブックのアフリカン詐欺の手口と大きな違いだと思う。 女性相手ならFBでも最初からLoveとか言ってきますから。


相手はお金が目当てです。送金の段階になると、お金目当てであることが見え見えの態度が出てきます。
最初の送金は小額です。100ドルから500ドルくらいだったら、男性はこれくらい出してもいいと思ってしまうような額。ウェスタンユニオンやマネーグラムでの送金を求めてきたら間違いなく詐欺。送金先がアフリカだったら赤信号です。


女を信じて送金を続けると、だんだん金額がエスカレートしてゆきます。学費や家賃など、100ドル台だったのが4ケタ台に。おそらく高額になると、いわゆる419詐欺と同じような手口になるでしょう。女の亡父か祖父がお金持ちで、その遺産を受け取るために外国の銀行口座の名義を変更しなければならない、それを未来の夫である男性の名義にしてもらいたい、そしてその手数料建て替えてちょうだいとか、ここで5ケタ台。


優しい男性諸君、どんなに女に泣きつかれても、もっともらしい話を聞かされても、ネットでしかあったことのない外国の女性にお金など送りませぬよう。お金は戻りません。美味しすぎる話は信じませぬよう。


ここまでで自称ウクライナのファーストフードの清掃員、巨乳美女フローレンスの話は終わりにします。次はナースのお話をしましょう。

国際赤十字から派遣されてガーナで働くアメリカ人の看護師…
がみんなAV女優みたいな体型だってことはないでしょう(笑)

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第四章 誘水


ついに日本に行きいたいと女のほうは言ってきます。

フローレンス
『ねえ、私たちいつか会えるって考えたことない? 本当になったら素敵だと思うの。おやすみなさい、ハンサム』

----------------

和也
『そうだね、日本に来たいかい?』

フローレンス
『ええ、ぜひ日本に行きたいわ!』

和也
『それは素晴らしい。君が来てくれる時には連絡くれよ。そしたら新千歳空港まで迎えに行くから。』

フローレンス
『それはとても素晴らしいアイデアだわ。でも、ちょっと経済的な問題もあるの。飛行機代とビザ、援助してもらえるかしら。ありがとう』

和也
『日本のビザについては、キエフの日本大使館に情報があるよ。
(日本大使館のHPのURL 省略)
航空券だけど、僕が手配して、君にE-チケットの番号を知らせるよ。パスポートの番号を教えてくれないか? それから君の住所を証明できるもの、例えば運転免許証などを。』

フローレンス
『わかったわ。チケットは…
あ、
そういうこと。わかったわ、ありがとう。』

和也
『僕がチケットを買って、それから君にEチケット番号を知らせるよ。
君のメールアドレスを教えてくれないか?』

フローレンス
『E-チケットってどういうものなの?
私のメアドは (   )yahoo.comよ。』

和也
『君はチェックインの時にEチケット番号を言えば搭乗券が発券されるんだよ。』

フローレンス
『OK,わかったわ。』

和也
『大使館のサイトに行って、そこでビザに関する情報を見てみて』

フローレンス
『貴方の言うようにサイトでビザ申請の情報を見て、それからあなたに連絡するわ』

和也
『OK, それでいいよ。僕のメアドは(     )だよ。』

フローレンス
『わかったわ。そちらは何時なの?』

和也
『夜の七時だよ。これから夕食に出かけるんだ』

フローレンス
『わかったわ』

和也
『またね、プリティ』

フローレンス
『またね、ハンサム』

----------------
そして翌日

『プリティ、日本ビザをとる用意ができたら連絡くれないかい。そうしたら僕は航空券の予約を確定するよ。』

フローレンス
『大使館に行ってきたの。そうしたら、ビザ申請のためのエージェントに行きなさいって言われたわ。手続きを進めてくれるエージェントを探さなきゃ。』

和也
『エージェントなんて必要ないよ。大使館から申請書をダウンロードして自分でそれを記入して、大使館のサイトに書いてある通りにすればいいだけだよ。エージェントの費用は払いたくないよ。』

フローレンス
『でも大使館でそう言われたのよ』

和也
『どこの大使館にいったのかい? 電話番号はわかるかい?』

フローレンス
「ハルキウの大使館よ。電話番号は知らないわ』

和也
『僕がハルキウの大使館に電話するよ、いいね』

フローレンス
『わかったわ、それがいいわ』

----------------
二日後

和也
『ごめん、まだ大使館に電話できてないんだ。君のほうはどう? それから日本にどれくらい滞在したいんだい?』

フローレンス
『どれくらいの期間のビザがとれるかによるわ。そちらに行ったら仕事も探したいの』

----------------
さらに三日後
フローレンス
『どうしてたの?』

和也
『このところ忙しくてね、僕はワーカホリックだから。』

フローレンス
『寂しかったわ。私が日本に行くのを助けてくれる計画のほうはどうなったの?』

和也
『プリティ、日本の外務省のサイトに申請書があるから、それをダウンロードして記入してほしい。僕は招へい理由書と身元証明書を書くから。』
(外務省のサイト省略)

フローレンス
『でも私は誰か本当に誰かが助けてくれないと申請書なんて書けないわ。その前にちょっと困ったことがあるの』


和也
『それは何だい?』

    


さて、ここで航空券代やビザ発行費用をせびられるのかと思ったらそうではないんです。


ビザ申請で助けが必要と言ってるのは、自分で申請書類を記入するのが難しい、だからビザ申請の代行業者に頼まなければならないという筋書きです。そしてビザ代行業者は有料。これも狙いですね。もちろんYulianaさんの写真使っている本人が和也に会いに来るはずはなく、将来的にビザ申請手数料と称して請求されるだけです。今はこれはお預け。


航空券代も和也が自分で買ってE-チケットを発行してもらうと言ってますが、それを承諾してしまうと詐欺師は飛行機代を現金で取れないわけですね。だから、航空券は自分で取る、あるいは現地の旅行代理店で取るといった話にしてくるはずです。


しかしながら、そのビザ申請と航空券というのは後回し。これはいわば美女が男性の国に来てくれるんだという期待を持たせることなのです。


いわば誘い水。美女に鼻の下を長くしている男性に対して目の前にニンジンをぶら下げることですね。次から次へと出てくる問題をクリアしてゆかないと、女性は来てくれないということになるわけです。当然ですがなりすましの女性ですから、男性のもとに永遠に来てくれることはないでしょう。


女性がウクライナとか旧東欧圏じゃなくてアフリカにいると称していても、同じでしょう。ガーナやナイジェリアにいる欧米人看護師という設定で、アメリカやイギリス、あるいはオーストラリアに帰る前に男性の国に行きたいみたいな話に持ってくるかもしれない。パスポートが見つからないとかすられたとか言って、ちょっと後回しにって話になるわけですね。


国連の仕事でガーナに来ているアメリカ人看護師という設定で出会い系などに出ていた写真。
写真の女性はアダルト系の女優さんだそうです。


男性狙いの女性を装ったインターネット上のアフリカン系のロマンス詐欺手口について紹介しています。男性の方々に注意を喚起するため、このストーリーを連載しています。これは実際に偽キャラを使ってわざと詐欺師に見つけられやすい環境に偽キャラのフェースブックのアカウントを置き、そして釣り上げた相手とのストーリー展開を紹介するものです。本当の被害は発生していません。

第三章 前兆
11月に入ってもう少し進展します。恋愛詐欺っぽさが少しづつ出てきています。若い独身の女性が、中高年のネットで知り合っただけの男性に女性のほうからここまで積極的になると、裏があるって普通は思いますよね。

フローレンス
『お元気?』

和也
『ああ、元気だよ、プリティ、君は?』

フローレンス
『大丈夫よ。しばらくぶりね。すべて順調かしら』

和也
『それはいい』

フローレンス
『どうしてたの?』

和也
『元気だよ、ありがとう。仕事は相変わらず忙しいけど。君は?』

フローレンス
『私は大丈夫よ。あなたも時々息抜きが必要ね。もう一度落ち着こうと思ったことはないの?』

和也
『わからない。機会があれば、かな』

フローレンス
『それはすてきだわ。
あなたの写真あまりないけれど、とても素敵だと思うの。なんというか…私たち、友達以上の関係になれないかしら』

和也
『本当に、本気かい?』

フローレンス
『本気よ。私のこと嫌いじゃないなら』

和也
『君のことは好きだよ、だから心配なんだ。僕は20年後どうしていると思う? 僕はそこのころ80代だよ。君はそれでもいいのかい?』

フローレンス
『もちろん、本気よ。わからないけど、私たち試してみるべきじゃないかしら?』

和也
『だけど君は本当に僕の面倒見る気なのかい、僕は君を認識さえできなくなっているかもしれないし、僕のオムツを取り換えて体を洗ったりしなければならないかもしれないんだよ。』

フローレンス
『あら、そうなったらそうなったで一緒にそのようにしてずっと過ごせばいいじゃないの』

和也
『本当に? でも君は僕の息子たちよりもずっと若いんだよ』

フローレンス
『本気よ。愛には年齢は関係ないわ。だから私たちたやってみるべきだと思うの。』

和也
『わかったよ。でも君は若いんだ、いつでも僕を見放して若い男性を見つけられたらそちらに移って構わないんだよ。』

フローレンス
『私は好きになった男性を見放したりはしない女よ。どんな問題があったとしても。私は一生その人を愛してゆく。だから、私たち愛し合えるか。試してみるべきだと思うの。それからあなたの写真を送ってほしいわ』

和也
『今忙しいんだ。あとで時間のある時に写真をフェースブックにアップするよ。』

フローレンス
『わかったわ』

-----------------

和也
『プリティ、今日は元気かい?』

フローレンス
『ハンサム、私は元気よ。』

和也
『よい週末を。僕は東京のクライアントに会いに行かなければならないんだ。今千歳空港に向かっているところだよ。プリティ、君と会えなくて寂しい。』

フローレンス
『わかったわ、ダーリン。良い週末を。あなたがいないと寂しいわ』

そして週明け

フローレンス
『今なにしているの?』

和也
『東京から戻ったところだよ。忙しい週末だった。君は?』

フローレンス
『私は大丈夫よ。あなたに会えなくてとても寂しかった』

------------------
数日後

和也
『プリティ、げんきかい? ごめん、僕はこのところ忙しかったんだ』

フローレンス
『私は元気よ、ハンサム。なんでテキストメッセージとか電話をくれるとかできないの?』

和也
『僕は若者みたいにテキストメッセージは出来ないよ。僕はメールを使う。僕みたいな古い世代の人間は退屈だろう?』

フローレンス
『そんなことないわ。私はそれでもいいわ』

和也
『それだったらテキストメッセージしようなんて言わないで。僕は忙しかったらすぐに返事とかできないし。』

フローレンス
『わかったわ、スィートハート。今日は何をしているの?』

和也
『友人たちと飲みに行って帰ってきたところだよ。もう遅いから、おやすみ、プリティ』

     

ここまでで、恋愛詐欺の前兆というか『お付き合い』ということが前面に出てきました。とはいえ、女性狙いの男性フォーマットの詐欺に比べれば控えめではあります。

さて、前回第2章でフィリピン人女性の詐欺に関してコメントいただきましたので少し触れたいと思います。

●2013年3月、日本人の50代の男性が、ネットを通じて知り合ったフィリピン人の女性に会うためにマレーシアのクアラルンプールに向かったところ、フィリピン人女性と一緒に待ち伏せていたナイジェリア人男性3人に拉致され、監禁された。
http://blogs.yahoo.co.jp/japan_off/31674011.html
http://ameblo.jp/tomsoya1000/entry-11504864807.html

この事件は背後に在マレーシアのナイジェリア人犯罪組織が絡んでいました。女性は誰かに成りすましていた訳ではないようですね。男性に名乗っていた名前が実名だったかどうかはともかく。マレーシアに留学して犯罪に手を染めるアフリカ人の若者のガールフレンドが、犯罪と知っていてか知らずか、何らかの形でナイジェリア詐欺に加担するということはあるようです。
送金先の銀行口座がマレーシアやインドネシアの地元の女性の名前ということもよくあります。

●こちらのリンクは、ネットで会うだけではなく実際に会って騙されたという話を紹介しています。『フィリピンのデート詐欺』…これは一種の職業的なものにもなっているとか。
http://www.vietnam-biz-news.info/2015/01/07/post-5155/

●一方、こちらのリンクはフィリピン女性がほかの人物の写真を使って相手を騙していたという事例。
http://www.romancescam.com/forum/viewtopic.php?t=44801
コールセンターで働く女性がフェースブックで知り合ったオーストラリアの男性が送金したお金を受け取ったことで逮捕された。盗用写真はノルウェー人とフィリピン人のミックスのモデル、Janka Cederstamさんのもの。犯人のLouella TanはJen Mathesonという名前を使って男性のガールフレンドになり、お金をだまし取りました。成りすまし写真(モデルさん)と本物の犯人の写真のギャップが大きいですね。


一方、フェースブックで詐欺師と友達になっている方に注意をしたりしていると、フィリピン人女性の被害者も結構おられます。あるフィリピン人の女性の話だと、かなりの数のフィリピン人女性がアフリカ人詐欺師に騙されてお金を送ってしまっているそうです。そんな被害者の方々の中からも、マネーミュールや共犯者に変容する人々も出てくるのでしょうね。