さて、フロリダで歯医者さんの建設をしている偽土建エンジニアは、本当に常識が通じないし、常識的なことを言ってやっても『それはここでは適用できない』とばかりに言い訳をしてきます従兄弟で自営で建設業やっている奴がいて、その人の経験だと云々と話した後、『株主に相談すべきでは?』というと、今度はこういう返事です。

『ご返事ありがとう。僕の会社はまだ株主もいないんだ。まだこれから成長してゆく会社だからね。ここはアメリカは君の国とは違うし法律も違う。ここアメリカではたくさんクレジットを得てからローンが組めるし、たくさんの株が得られる。僕はすでにローンを組むのにクレジットを使い果たしてしまったんだ。これ以上何もできない。他に何も思い浮かばないんだ。どうかお金を貸してくれないかい。僕のIDが必要なら送るよ。これで僕がお金を返すという保証になる。どうか教えてほしい、僕にお金を貸して助けてくれるかどうか。』

もともとお金なんてやるつもりもないので、IDやミュールさんの銀行口座番号やら出させて終わりです。ミュールの銀行口座の話はこちら。

ちなみにIPはフロリダなんてとんでもない。南アフリカでした。
197.171.105.17, ISP: Cell C (pty), Johannesburg, South Africa

最後のセリフ
『君に期待していたのに君は返事をしてくれなかった。本当に僕を助けたいなら、ウェスタンユニオンから送金できたのに。僕は君に2つの銀行口座を連絡したのに、お金は全然送金されていなかった。君が本当に良い人で、僕を助けてくれるのなら、もう一度ウェスタンユニオンの宛先を連絡するよ』

最後まで可哀そうな良い人を演じていました。しかし、ネットでしか知らない相手にお金を貸してほしいといってくる時点でもうアウトです。お話がマレーシアやメキシコやインドネシアなどじゃなくてカリフォルニアの人がフロリダに出張で行っているという話であっても、アフリカン詐欺なわけです。実際、IPが南アフリカでしたから。


偽パスポート、写真がパスポート用じゃないですね。



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さて、自称ゼネコン・土建系エンジニアの詐欺のもう一つのパターン、(海外やホームベースから離れたところでの)仕事中にお金が必要になるケースもご紹介します。

バイティングのストーリーの詳細をここで紹介しても、この前の土木エンジニアの遺産相続の話と大差なくて面白くないと思いますので、お金要求のところだけにします。

実際のところ、オンライン詐欺師の目的はお金です。恋愛に持ち込んで話を進める方法しか知らない詐欺師だと、『恋愛興味ないし』とか『既婚です』とか言うと他探しに行くようですが、恋愛じゃなくてもお金とれる自信のある奴は『友達ならいいよ』みたいに言えば『友達として助けてほしい』などと言ってきます。この人物のそうですね。そして滞在地といっているのはマレーシアや中東やアフリカではなく、アメリカのフロリダ州です。なんでもマレーシアになるわけではないということです。

『こんにちは、元気かい? 君のメールがないのがとても寂しい。君kらのメールを読むのがいつもの習慣だから。君が良い一日を過ごしていることを願っているよ。フロリダはとても良いところだ。君は僕にとってかけがいのない、親しい友なんだ、君がどう思っていようとね。君と話ができるのがいつもうれしいんだ。ところで君にとても重要な話があるんだ。親しい友として僕の話を聞いてくれるかな。感謝するよ。』

これに対して、『何の話なの? 前も言ったけれどあなたは最優先の友人ではないのよ。話次第だわ』と聞くと、『ホイ来た!!』という感じでお金の話が出てきたのでした。

『こんにちは。ご返事ありがとう。君の言うことはよくわかる。僕は君にとって最優先の友達ではないよね。でも、正直言って僕にとってはかけがえのない、特別な友人なんだ。今、プロジェクトが大変なことになっているんだ。プロジェクトが終了してお客さんから小切手を受け取る直前にクレーンの機械が壊れてしまったんだ。今、経済的に難しい状況に陥ってしまったんだ。外国から新しいクレーンを注文したんだけれど、現金が足りなくてお金が払えないんだ。すでに米国に2台のクレーンを送ってもらうために25万ドルを払っている。15日以内にお金を返すから、助けてくれないかい? クレーンのメーカーへの支払いを終わらせるのにあと7万ドル必要なんだ。お願いだ、助けてくれないか? 僕は誰かに助けを求めるようなことはめったにしないんだ。でも、今は僕のプライドを殺して君に懇願しているんだ。どうか僕を助けることに心を向けてほしいんだ。クレーンメーカーの銀行口座番号を送るから、もし僕を助けて売れるならそこに送金してくれないかい。もし助けてくれるという気持ちがあるのなら、僕にそう連絡してほしい。感謝するよ、君に神様の祝福がありますように。』

『それは現実的じゃないわね。フロリダにいてカリフォルニアの現金カードもクレジットカードも使えないの?

1.まず問題をあなたの会社やビジネスパートナーに持って行くべきでしょう? 個人で解決する問題じゃないわ。自分のお財布を仕事のことに使うのも非常識。
2. クレーンのメーカーにもかくにんしなさい。彼らの責任もあるのでは? その一部を負担してくれるかもしれないじゃない。
3.あなたの会社の財務部とか購買部が支払いを進めるべきでしょう? 個人のお財布に助けを求めるものじゃないわ。』

ここで常識的なことをアドバイスしてやると、詐欺師が逃げ去る場合もあります。実際に常識的なことを言ってやったら返事がぴたりと止まったことがありますし、詐欺を未然に防げた方もそのようにされたら連絡来なくなったとおっしゃっていた方がおられます。しかしこいつはそうではありませんでした。

『それらのことはすでに考慮した、でもアドバイスありがとう。君の言うこともわかる。だけど、それではだめだから君にこうして恥を忍んでお願いしているんだ。僕が小さな建築会社の経営者で、創設してから4年になる。ここフロリダでのプロジェクトはデンタルクリニックの建設に関わるもので、その経済的な事柄に責任を担っているんだ。プロジェクトが終わったら600万ドルを支払われることになっている。まだ120万ドルのデポジットした受け取っていない。そしてそれは建築材料と作業員の4か月分の給料で使い果たしてしまった。今手元にあるのは、借金で得た30万ドルだけなんだ。それはすべてクレーン会社に支払ってしまった。とうかその事実を理解してほしいんだ。プロジェクトが終わったら、クライアントからお金が受け取れる。僕はこのプロジェクトの財政にも責任があるんだ。何人もの親しい友達に連絡して、良い友達のブライアンが2万ドルを昨日出してくれたんだ。でもほかの友人からは返事がない。君の配慮にかんしゃする。本当に君が返事をくれて僕はうれしいんだ。今日はよい一日でありますように。そして僕をどう助けられるか、どうか考えてほしいんだ。そうすれば、僕は中国のクレーンメーカーにお金が払い終える。君に神様の祝福がありますように。僕は必ず15日以内に君にお金を返す。このメールは涙を流しながら書いているんだ。僕はこのプロジェクトを続けて成功させるふっようがあるんだ。こんなお願いを誰かにしたのは生まれて初めてなんだ。』

こんなメッセージが来たら、『可哀そう、助けなきゃ』と思いますか???

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アフリカン詐欺の偽エンジニアと接すると、違和感を感じるのがEngineerという肩書です。”Mr”の代わりに"Engr"を使うのです。例えば、借用書を書かせると、借用書の文面にその偽エンジニアの名前の前にEngrという敬称をMr.の代わりに付ける。例えば、『Engr. John William』など。

欧米でも、東南アジアでも、Engrなんて敬称見たことも聞いたこともありません。エンジニアの立場の人に敬称つけるなら、普通はMr / Ms / Dr などです。エンジニアという意味は非常に幅広く、普通のやり取りで使われることはありません。何らかのライセンスのあるエンジニアとか、何処かの機関に登録されたエンジニアなどに対して、学術団体や機関内で、肩書きとして使われることはあり得ますが。

でも、アフリカでは普通に使われるものなのかもしれません。ガーナやナイジェリアではエンジニアは偉いのかもしれませんね。

エンジニアという職業を名乗る欧米人と遭遇して、その人がEngineer (Engr.) を自分で敬称に使っていたら、間違いなくアフリカン詐欺師のなりすましだと断言します。


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さて、振り込む金額を偽土木エンジニア側に決めさせると、偽パスポートや借用書などを要求しました。それらが送られて来て、今度こそお金が振り込まれると期待していたようです。ここから曜日を入れましょう。英文と両方入れると長くなるので今度は訳文だけにしてみました。偽キャラの名前エミリーとしておきます。

金曜日
偽エンジニア:
おはよう、ダーリン。月曜にはやってみて(お金を振り込んで)くれるよね。それから電話番号をまた教えてほしい、お金を送ったら、君の銀行口座も教えてほしいんだ。そうしたら(亡父の)お金がリリースされたら君の口座にお金を送るから。正直言って本当にうれしい。本当に感謝している。


ハニー、ありがとう。君がお金を送金したら、送金伝票を送ってほしい、いいね。本当に感謝している。幸福感と喜びで僕の心は満たされているよ。僕の娘も本当に喜んでいる。)

土曜日
この後何度かお金で買った期間限定の電話番号に電話がかかってきましたが、番号表示がなかったので電話には出ない。

偽エンジニア:ハニー、僕と話をしてほしい。忙しいのかい?


日曜日
エミリー: 私と話をしたいなら電話かけてくれば? 

偽エンジニア:
そうだねダーリン

これがマレーシアの電話番号だよ。(+601………)。君の番号に電話したけれど君は電話をとってくれない。ハッピー・サンデー。僕にSMSしてほしい、そうしたら君に電話するよ。正直本当に君に会うのが楽しみなんだ。明日には、ぜひ(送金を)やってみてほしい。誓うよ、僕と知り合ったことを君に決して後悔させない。僕は口数の多い男じゃない、行動の男だ。

エミリー: 番号が表示されていれば電話に出るわよ。

偽エンジニア:僕が送った電話番号にでんわしてくれるかい、ダーリン。明日はどうなんだい、僕らが合意したとおりに助けてくれるのかい? それを知りたいんだ。僕はジェントルマンだ、君の邪魔はしたくない。君が心に決めたことをしてくれるんだよね。愛している、本当に君の尽力と親切を感謝している。アップデートしてほしい、いいね。

ハニー、ありがとう。君が明日にお金を振り込んでくれるのなら、どうか送金伝票を送ってほしい、いいね。おやすみなさい、僕はとても幸せだ。


月曜日
偽エンジニア: おはよう、ハニー。今日は君はなんといってくるのか。今日は月曜日だよ。

エミリー: 銀行が口座名義人のIDが必要だと言ってるわ。銀行で送金がストップしているの。助けて。(マレーシアの)IDカードか運転免許証をお願い。

偽エンジニア:いろいろ力を尽くしてくれてありがとう。僕はいろんな人に君が要求してくることについて聞いて回ったんだよ。もうかれこれ一週間になる。彼らは君が僕を助けたくないんじゃないかと言ってる。彼らが言うには、○○の銀行はそんなこと気にしないもんだって。君は僕を信頼していないんだね。こんなことを要求してくる前になんで僕を助けられるかどうかを言ってくれないんだ。

★ここで注目すべきなのは、彼が周囲の人たちにいろいろ聞いて回ったということです。おそらくはボスや先輩詐欺師にいろいろ聞いたら、お前はからかわれているだけなんじゃないかと言われたのでしょう。最初の出会いから1か月半、お金の話が出てからも2週間、全然お金が入らずという状況ですから。おそらく親分にはこっぴどく怒られたのでしょう。

偽エンジニア: 
君が要求している情報を教えたら、今度はどんなことを要求してくるんだい?
僕がすでに送った情報だけで十分なはずだ、君が本当に僕を助けてくれたいのなあら。
1万ドル、いや5千ドルでもよかったんだ。君は僕に借用書を要求して、僕は書いた。これは何なんだ。なんで僕にこんなことするんだ。

エミリー: あなたは銀行に言われている情報のこと、協力してくれないの?

偽エンジニア: 電話番号送ったけど君は絶対電話してくれない。電話を何度もかけた。でも電話に出るのを拒否する。OMG.
僕は銀行口座の持ち主じゃない。僕を助けてくれる人の銀行口座なんだ。それなのに、君は次から次へと要求してくるじゃないか。

エミリー: あなたの電話が識別できなかったのよ。電話番号が表示されていない。
いいわよ。あなたが情報送ってくれないなら、私もあなたを助けない。
今週末まで待つわ。さあ、昼休みが終わるからこれでフェースブックをログオフするわ。

偽エンジニア:僕は泣いているよ、君が次に何をしようとしているのかわからないから。僕はとても優しい男なんだ。正直言って僕にできることは何もない。ここでは外国人なんだ、いいね。もし君が僕を助けてくれるなら。もし僕を助けてくれるのなら、次から次へと要求してくるんじゃなくて、助けてくれるとだけ言ってくれ。君に送った情報で十分なはずだ。もし僕を助けたくないと思っているのでないなら、いいね。
君次第だ、君の心に決めたとおりにしてくれ。お願いだ。いいね。

エミリー: 助けてよ。銀行がID情報を求めているの。それがないと銀行は疑うわ。私も泣いてるの。
私だってここでは外国人なのよ。その銀行口座名義人のIDカードか運転免許証のコピーをお願い。
もし助けてくれないなら、私もあなたを助けられない。もう午後5時過ぎたわ。銀行は閉まってるわ。

偽エンジニア:僕は口座名義人に聞いてみるよ。君の親切に感謝するよ。だから口座名義人に聞いてみるから。

エミリー: いいわ。

火曜日
偽エンジニア:ハニー、本当に僕が(口座の持ち主の)IDカードの情報を送ったら、これ以上何もしないよね。教えてほしい。僕たちが子供じゃないんだ。君の親切に本当に感謝しているんだ。

エミリー:いいわ 

この後、この偽エンジニアはエミリーをFBからブロックしていました。おそらくは、親分や先輩詐欺師などからこれ以上時間を無駄にするなと言って止められたのでしょう。





さて、ここでおさらいです。

手口の一つ、親の遺産を受け取るというのは、エンジニアだけではなく、医者とか自営業とかを名乗る詐欺師も使います。いずれにせよ、親が残したお金が外国(マレーシアなど)にあり、それを彼が受け取りに行く。そのお金を受け取るには、いくらかの金額を支払わなければならない。だけど、彼には持ち合わせがない。『それならATM使えば?』とか、『クレジットカードは?』とか常識的なことを聞くと、言い訳としてその行先の状況から英国や米国のATMカードもクレジットカードも使えないのだという。自分がどれだけの金額を受け取れるのかをアピールし、そのお金を返せる能力があることを見せつけます。しかし、その巨額の遺産そのものが嘘ですので、当然ですがお金を送ってしまうと返ってきません!!

この話の詐欺師は、金額を相手に決めさせようとしました。これはおそらく詐欺だと疑われた時に『相手が自分から言い出した金額を送ってくれたんだ、だから詐欺はしていない』と言うためでしょう。



土木建築エンジニアを名乗る詐欺師は、フェースブックのタイムラインに土木建設現場っぽい写真も掲載して自称する職業が本物らしく見せかけます。写真はどこかのニュースサイトからの盗用が少なくないです。