フェースブックを使う詐欺師のカモリストの仕組みに関する推測。

フェースブックでよくアフリカンのなりすましと思われる白人男性からリクエストが来るというAさんとの会話。

Aさん「リンダさん、この人も詐欺師ですよね。名前はJohn Smith、自称建築エンジニア、フロリダ州出身、プロフィール写真は海をバックに赤いシャツ、黒いパンツ。頭はスキンヘッドです。タイムラインに載せていただけますか?」

私「John Smithで該当しそうな写真が複数あります。これでしょうか?(リンクを送る。)」

Aさん「違います。」

私「それじゃあ、こちら?(リンクを送る)」

Aさん「違います。」

私「プロフィールのリンク送っていただけますか?」

Aさん「……どうしたらよいのかわかりません……」

こんな会話をAさんをはじめ何人かの方と何度かフェースブックでしていました。

フェースブックで誰かを特定したいとき、実は名前だけあげたりプロフィールの特徴だけあげても目的の人物に到達できないのです。リンクを送っていただければ分るのですが、スマホのアプリでフェースブックを使っている方にはどうやったら良いのかわからない。



ここで気が付いたことがあります。Aさんは何度も明らかにアフリカン詐欺師のなりすましっぽい外国人からリクエストを受けている。自分はカモリストに載せられているのかもしれないともおっしゃっていました。

じゃあ、そのカモリストってどんなものなのだろう。Aさんという名前をただリストするだけじゃ、詐欺師はAさんのフェースブックには到達できないのです。

フェースブックで誰かを特定するのに、名前だけで検索というのは至難の業です。しかし、プロフィールのリンクが相手にシェアされれば、容易に目的の人物まで到達できる。

とはいえ、誰かのフェースブックのURLをコピペでシェアしてカモリストなど作るのもまた手間がかかるのではないでしょうか。

だから、容易にリストされたものが存在して、そこで「友達になる」をクリックするだけで友達リクエストができるようなものが、カモリストとして使われているのでは? 

楽してお金を得ようとしている連中が、一つ一つFBのプロフィールのURLをコピペして丁寧なリンク付きのカモリストなんて作るような手間かけないと思います。

誰かの友達リストから片っ端からリクエストしてゆけば、その中の何人かが反応してくれる。そんな感じではないでしょうか。


これは想像の域を出ませんが、誰かの友達リストそのものが、カモリストとして活用されているとしたら…簡単に友達リクエストをしてゆくことができますよね。友達を公開している人の友達リストで、ターゲットとなる性別や年齢層、収入層がそろっている。

そして、Aさんが連絡を下さっていた詐欺師アカウントは、決まってAさんと共通の友達がいました。友達数の多いBさん、Cさん、Dさん。それぞれ4000人以上お友達をお持ちでした。そして、友達リストも公開されています。そして、詐欺師と友達になっている方々に私もたくさんリクエストを送っていたので、当然ですがBさん、Cさん、Dさんは私の共通の友達にもなっていました。

おそらくBさん、Cさん、Dさんは誰でもリクエストしてきた人々を承認される方々のようでした。「お友達になってるGeneral xxxxというのは偽物ですよ」といったメッセージも全く読まれていませんでした。おそらく顔見知りの方以外のメッセージは開かないし返事されないのでしょうね。かなりの数の詐欺師が彼女たちのお友達になっているようでしたが、おそらく交流もなく、被害も全く受けられていないことでしょう。

『ナイジェリアの手紙』というのも、何千通、何万通の郵便もしくはEmailを送信し、ほんの一握りがそれに反応してくるものです。フェースブックもそうでしょう。例えばBさん、Cさん、Dさんと友達になっている自称自営業英国人のXは、Bさん、Cさん、Dさんの3人で少なくとも1万2千人分の人の人物の情報があることになる。Bさん、Cさん、Dさんの友達に多少の重複があったとしても1万人は確保できるでしょう。

そのリストの人たちを片っ端からすべて同じXのアカウントでリクエストしてゆくと、Facebookから過剰な友達リクエストとして警告されます。だから、いくつかのアカウントに分かれて、まずBさん、Cさん、Dさんと友達になる。そして、Bさん、Cさん、Dさんの友達になっている人々に片っ端から友達リクエストしてゆくと、1万人程の人々の中から数十人の反応してくる人を見つけることができる。そしてその中からさらに騙しやすい人を見つけて、詐欺行為に入る。

Bさん、Cさん、Dさんの友達になっている詐欺師のタイムラインを見ると、友達リストは隠してあるとしてもタイムラインで「いいね」をしている人やコメントをしている人が、Bさん、Cさん、Dさんの友達か友達の友達になっている東洋人だったりします。戦地の米国陸軍将校だというのに、故郷のお友達全くなし。

想像の域を出ませんが、カモリストのからくり、実はそんなことなのではないかと想像しています。


一方で、こんなのにも遭遇しました。

プロフィールの名前はひらがな表記の日本人女性の名前でした。「せいこ まつだ」みたいな感じですね。

少なくとも半年くらい前までは普通のフェースブックだったようです。その女性の子供の七五三の写真が載せられていたり。

ところが不思議なことに、その可愛い七五三の写真にいいねをしている100名近い方々が今は友達になっていない。

そして、その女性とと友達になっている新たな100名近い人々の内訳は、外人は詐欺師のなりすまし写真の自称軍人や実業家やエンジニアや医師。一方、日本人や台湾人は、アフリカン詐欺が狙う年齢層である中高年の男女、女性のほうが圧倒的に多い。

そしてその女性は次から次へと日本人、台湾人、韓国人の男女に友達リクエストを送り続けていたのです。最初は数十人だったのが、何らかの通報を受けたのかアカウントが削除になった約2か月後には100人近くなっていたようです。

つまり、この場合、そのひらがな表記の日本人名のアカウントを乗っ取って友達リクエストをし続けるカモリスト収集担当の奴が存在し、その人物に友達になってくる詐欺師たち(おそらく同一犯行グループ)にカモを提供する。

何も知らずに友達リストを提供しているBさん、Cさん、Dさんのようなお友達の多いフェースブックユーザーの場合と異なり、この場合は友達リストが明らかに詐欺に使われることを想定して作成している。