ハデスの花嫁(Ⅵ ③)
テーマ:【ハデスの花嫁】
2009年06月08日(月) 12時00分00秒
Ⅵ ③ ふとけはいを感じて振り向く。 「きみは武術の心得でもあるのかい?」 アレックスが物珍しそうに立っていた。 「これは東洋の朝の体操よ」 それがアレックスの質問に 答えていないことに気がついて 「武術というほどではないけど、 護身術程度ならつかえるわ」 そう訊いてうなずくアレックス。 キリーの身のこなしは どこか普通の女性と違っているように感じたし、 今朝にしたって パーティー会場でアレックスの腕をすり抜けて 会場をひとりで脱出したのを考えると納得がいった。 「フィンはこのことを知っているのかな」 首を傾げるキリー。 「知らないと思うわ」 それからくすくす笑いながら 「フィンはわたしができるということを疑わないし、 わたしのことを開けるたびに楽しませてくれる びっくり箱のように思っているみたい」 キリーの体操が終わるのを待って アレックスはキリーを抱き寄せ髪にキスをする。 「なんだか嬉しそうね。アレックス」 フィンの知らないキリーをひとつ手に入れた。 これからもっともっと 知ることができるかと思うとわくわくした。 「あなたのそういう顔何だか好きよ」 そう言ってキリーは微笑んだ。 二人して階下へ行くと、 バーバラが目を丸くして二人を見つめる。 「まあ、アレックス、キリーおはよう。 今日は早起きなのね。 ところでさっきの大騒ぎは何?」 なんと答えていいのか 困りながら事実をバーバラに伝える。







