とある100均ショップで


日光写真セットを見つけた。


 

ハイテク素材?の「コピーアートペーパー」をフィルム部分というか感光紙に使用して、


露光後にアイロンで過熱すると青いモノクロ写真、青写真?になる。


でも、一回の露光時間が20分間~!!!


構造も適度に欠点があり、創意工夫を必要とし  

教材として すばらしい。


カメラオブスキュラの構造を理解し、構造的欠点と改良を行えば

画質を向上させることができる。


もし、写真専門学校で「歴史と構造」の講義があるのなら

ぜったい教材にすべき商品である。


コーティング無しのプラスティックレンズだから


画質は たいしたことない。


センター部分しか焦点合わないし、光軸も出てない.


 



レンズを貼り付ける穴はφ約25mm


穴から感光紙を貼り付ける位置まで(焦点距離) おおむね100mmとすれば


F値は焦点距離÷口径で ほぼF4





絞りF4でシャッタースピード20分間なら


コピーアートペーパーの


ISO感度は0.00005ぐらいかな?
撮影後のコピアートペーパーに
アイロンやラミネートマシンで熱を加えると
青く変色して絵が浮かび上がってくる。
ということで、ここから
撮影結果、 現実編です。




  

初撮影の日は風が強く 厚紙製のカメラが揺れていたので


さらに結果が悪かった。テブレ厳禁






この「トコロテン押し器」のような 手作り日光写真カメラを


三脚に固定し室内から網戸越しに屋外を撮影した


                      ハレギリ




100mmF4でシャッタースピードは約70分




室内からとはいえ、


風でカメラが ぶれ続けたので


結果はあまりよくなかった。


それでもセンター部分だけピントがきているのはわかる









 


80mmF1.9でシャッタースピードは約35分




中判カメラ マミヤM645 S1000のフィルム圧着板部分に


コピアート紙をマスキングテープで固定。カメラ本体にセットし


三脚に固定し室内から網戸越しに屋外を撮影した
このセットに入っていたコピアート紙の大きさは
3.5cm×5cmぐらい
ホントはフィルム一眼24mm×36mmに
 はさむほうが簡単だったのだが
せっかくのフィルム面積だったので
全面使用するために中判カメラを使ってみた。

mamiya M645 1000S

手作り日光写真カメラの改善策

・厚紙をもっと厚い紙に変えること
・裏面(内側面)の黒色は墨汁等で塗ったり
 黒フェルト(高級版ならモルトプレン)を張る
・台紙のフチを折り曲げ、スライド土台の平面性を確保する
・ハレーション防止のひさし(フード)をレンズ前に追加する
・逆光撮影しない
・レンズと感光紙の間に絞りを追加する
・しっかり固定する
結果考察
初めて日光写真を撮ったが中判カメラでは
電線もすこし見ることができるほどの解像度であった。
コピアート紙の能力は意外と高いと思った。
さすが青焼きコピー! 保存性も高いらしい
 紙でできた簡単な構造に
すべてのカメラの原点であるカメラオブスキュラの構造が学べる。
 アイロンで現像処理(熱処理する)というプロセスは
フィルム現像より早く、デジタルより手間をかけて
結果を見ることになる。

さらに個人で考え、改善させる余地すらあるわけだから
昔の苦労を垣間見つつ、
トライ アンド エラーの学習体験ができる、良い教材だと思う。

現在、大きいサイズのコピアート紙は
入手できないが これは大変面白いものである。
できるだけ末永く「手作り日光写真」キットが
販売されることを願う