リオのオリンピックが終わりました。オリンピックに出るよう
な一流の人は、自分のためを通り越し、日本のため、国民の期
待に応えるため、という姿勢が自然とにじみ出るものだと感心
しながら見ていました。
責任を果たした後は、しばらくゆっくりとお休みください。
■さて、今日は「何げない日常の時間」について
8月26日の神戸新聞朝刊に作家の桐島洋子さんが、
「幸せのありか」と題して寄稿されていました。
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しかし、思えば、こんなぜいたくなど夢の夢でしかない時代だ
って、私の人生にはあったのである。
敗戦後の窮乏期はたしかにお金も物も足りなくて、おなかを
すかせていることさえあった。
幸い神奈川の葉山に住んで海と山の幸には恵まれていたが、
米は配給制で慢性的に足りなかったから、白いご飯をおなか
いっぱい食べるのが当時の憧れだったのだ。
とはいえ、あの暮らしが惨めだったという気はしない。
むしろ今思い出してはうっとりするほど幸せな時間が多かっ
た。
ご飯ひとつ焚くのだって、まず山を駆け巡って拾い集めた
落ち葉や枯れ枝でかまどに火をおこし、子どもだてらになた
を振るって割ったまきをくべ、火勢を調整して釜をかける。
やがて水蒸気を噴き出した釜を生き物のようにあやしながら
待つあの甘美な時間を、電気釜以降の人は知らないのだ。
さらにこの釜にはおこげというおまけがつき、それをこそぎ
取りしょうゆをひと垂らししてキュッと握り、
「ハイ、ご褒美」
優しく渡してくれた母のおこげむすびほど懐かしいものは他に
ない。
こんな時間を思い出すときこそ、ああ、いい人生だったと
しみじみ思う。
華やかなスポットライトや称賛を浴びたときよりも、本物の
幸福がここにあると私は信じている。
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■なるほど。
私も子どもの頃のおだやかな時間を鮮明に覚えています。
父は農業の傍ら造園業を営む兼業農家でした。
ある春の日に、私は父母といっしょに山へ芝をとりに行くこ
とになりました。
芝といっても、昔話にある
「おじいさんは山へ芝刈りにいきました」
の芝ではなく、ゴルフ場で見るような芝が一面に生えた土を掘
り起こしに行くのです。
何に使うか?
田植えの時期になると田んぼに水を一杯張りますが、その水の
出入り口を、芝のびっしりと生えた方形の土で塞ぐのです。
ただの土では、やがて水分でばらばらになってしまい、再用が
できません。
でも、この芝のびっしりと生えた土は、水に濡れてもその形を
変えることはなく、何回でも水を貯めたり、出したりできるので
す。
■ということで、毎年田植え前になると、山にその芝をとりに
行きます。
私は、まだ小学校に行くか行かないかの歳でしたので、手伝い
はしません。
紙と色鉛筆を持って親についていきます。
当時出だしの軽トラックの荷台に毛布を敷いてもらい、
そこに寝っころがって、山まで乗せてもらいます。
揺られながら見上げる空は真っ青で、顔にあたる風は、ふわー
と心地よいものです。
■そうしているうちに山中の目的地に着きます。
木々が青々として、その隙間から日の光が差し込み、目の前に
はエメラルドグリーンの小池があります。
私は地面に敷いてもらったビニールシートの上で、好きな絵
を描きます。木や川や、動物を描いていたように思います。
父母は、近くで芝を取っています。
ときどきウグイスが鳴き、その声がしばらく山中にこだまし
ます。
こののんびりとした時間が、今思えば至福の時間だったよう
な気がします。
■今日の「ちょっと一言」をどうぞ。
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【 リラックスのない幸福などあり得ない 】
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■成功哲学で有名なナポレオン・ヒル博士は
真のリラックス、それは生涯をかけても習得すべきすばら
しい習慣だ、
といっています。
■遠いむかし、大きな蓮華畑の中に入って、蓮華のじゅうたん
の上に大の字になり、何時間も流れる雲を眺めていた、あの
ときのなんともいえない幸福感を思い出します。
■とは、いっても蓮華畑はもうありません。
どうすればリラックスできるのでしょうか?
一番簡単なのは、森の中に入っていくことです。
やはり、感じられる空気が違います。
私はときどき、事務所前の山神社の鎮守の森の大きな杉の木
の下に行って、リフレッシュします。
理由は分かりませんがとにかく気持ちがいいです。
森には不思議な力があります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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