【日時①】2012年 7月13日(金)開演・夜7時30分 ※開場は開演1時間前
【日時②】2012年 7月14日(土)開演・昼2時&夜6時 ※開場は開演1時間前
【料金】予約2700円/当日3200円
【会場】絵空箱…新宿区山吹町361 誠志堂ビル1階
【最寄】有楽町線「江戸川橋」駅/東西線「神楽坂」駅
【備考】御予約の受け付けは先月30日から。もう始まっています!
■詳細情報はこちらへ…http://www.damejan.com/
【日時①】2012年 7月13日(金)開演・夜7時30分 ※開場は開演1時間前
【日時②】2012年 7月14日(土)開演・昼2時&夜6時 ※開場は開演1時間前
【料金】予約2700円/当日3200円
【会場】絵空箱…新宿区山吹町361 誠志堂ビル1階
【最寄】有楽町線「江戸川橋」駅/東西線「神楽坂」駅
【備考】御予約の受け付けは先月30日から。もう始まっています!
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『ゴールデンボーイ』(1998年公開)は「人間金環蝕」とでも呼ぶべき、魔少年と怪老人の面妖な交流を描いた作品である。新旧金環蝕の対決が楽しめる。原題は『GOLDEN BOY』ではなくて『APT PUPIL』。邦題の由来はわからない。タイトルが『優等生』だと、地味すぎて、お客が来ないと判断されたのかも知れない。
原作スティーヴン・キング、監督ブライアン・シンガーという組み合わせ。少年役をブラッド・レンフロが、老人役をイアン・マッケランが演じている。少年は近所に住んでいる爺さんが「どうやら、人殺しのバケモノらしい」事に気づいた。
普通なら両親か警察に相談するところだが、少年は違った。確証を得た上で、老人宅に乗り込み、脅迫の才能を発揮する。この時点で、観客は彼の異常性を感じ取るだろう。外見に騙されてはいけない。端麗な容姿の裏側には、禍々しいエネルギーが渦巻いているのだ。感情移入を拒む異形キャラクターの誕生である。
少年を迎え撃つ老人は、万単位の人間を殺戮した過去を持つ戦争犯罪者である。ナチ狩りの執拗な追及をかわして、ここまで生き延びてきたが、まさか、孫のような年齢の餓鬼に脅されるハメになるとは、生涯の不覚であった。序盤は少年優位。老人の逆襲は中盤以降である。勝負の鍵は知力と話術だ。暴力ではない。
少年が求めたものは「老人の記憶」であった。それは、人類の凶暴性が引き起こした地獄の歴史であり、その恐るべき内容が、歪んだ精神(魂)を有する少年の嗜好や興味にピタリと合致したのだと考えられる。訪問や会話を重ねる内に、少年と老人の間に「擬似師弟関係」のようなものが形成されるのが興味深い。
尤も、彼らはジェダイの騎士ではない。弟子も師匠も、相手を全く信用していない。協力の手を差し伸べる場合もあるが、別に「世代を超えた友情」が芽生えたわけではない。彼らは自身の安全確保の為に動いているに過ぎないのである。
自己優先、利己主義の塊りのような連中だが、現実世界にもこの種の人間は少なからず存在する。まあ、地雷とは接触しない方が無難でしょうな。関わるとロクな目に遭わない。あなたの通う学校や職場にも「絶対にいない」とは断言できない。
不思議なのは、少年の邪悪を察知する者が誰もいない事である。両親も教師も官憲も、彼を信じ切っている。バカみたいな話だが、そうなんだから仕方がない。彼らの鈍さ、彼らの甘さが「悪魔の種子」を成長させる栄養になったとも考えられる。ただ一人の追跡者も、少年は毒のような弁舌を駆使して追い払ってしまった。
少年が「敗者」ではなく「勝者」に属した瞬間が怖い。その時「魔王」は「英雄」に変身を遂げ、世界は闇に閉ざされる。恐怖と狂気が支配する暗黒時代の曙は近い。
「第5幕・疾風」「第6幕・希望」を続けて観る。赤い風の追跡作戦が本格化。市民相手に「兵糧攻め」を行う辺りに支配者側の焦燥と冷酷さを感じる。連中は目的を達する為には「なんだってやる」という事だ。これが虚構世界の中だけの出来事であれば良い。だが、違う。現実世界にも充分起こり得る話だし、現実の方がより残酷である。俺も「権力者」の横暴に散々振り回され、幾度も煮え湯を飲まされてきたから、平民(弱者)側の気持ちは「自分のもの」として理解できる。
卑劣な密告神父にさえある種の同情を覚えるぐらいである。誰もが、医師(赤い風の協力者)のように強く生きられるわけではないからである。
あの軽蔑すべき神父は俺自身の姿かも知れないのだ。彼を批判するに足る気概や反骨が俺にあるのか、自分に問いかけずにはいられない。名前すら定かではない端役に存在感を与えている点を評価したい。丁寧な仕事に好感を覚える。
弾圧が激しさを増す中、当のジュリエットは刺繍に夢中になっている。ヒーロー(いや、ヒロインか)の自覚に欠けた態度だが、姫君の頭はロミオでいっぱい。他の事には思考も注意も及んでいない様子である。そんなにあのぼんぼんが好きなのか。彼女の周りには色男も伊達男も揃っているのに。流石にアホらしくなったが、この無邪気さこそ、彼女本来の魅力ではないかと思い直した。恐らく、これは束の間の平和であろう。彼女には相当しんどい運命(使命)が用意されている。医師の献身的死が、彼女を復讐の女神に進化させるキッカケになりそうである。
モンタギューの征伐とネオ・ヴェローナの奪還は密接に繋がっている。かの毒蛇大公を斬らなければ、キャピュレット家の宿願は果たせない。毒蛇に刃を向ければ、息子ロミオとの激突も避けられなくなる。悲劇的対決の準備は着々と進んでいる。反乱軍の総大将という大変な難役を、弱冠16歳のジュリエットが演じ切れるかどうかに注目である。戦場でまみえた際の正義派少年ロミオ君の表情も見逃せない。
徳間文庫版『首都消失』の巻末には石原藤夫の解説文が収録されている。石原先生は文の中で『消失』の原型、或いは、試作品と呼ぶべき二短篇を紹介している。
①『アメリカの壁』②『物体O』の二篇である。①は未読だが、②は中学生の頃に読んだ記憶がある。映画版『消失』では、正体不明の巨雲に【物体O】という仮名を与えているが、明らかに②の引用である。これは便宜上の配慮なのか、小松愛読者へのちょっとしたサービスなのかはわからない。わからないが、映画版『消失』の中で、ほとんど唯一「遊び心」を感じた瞬間であった。
【物体O】という名前が登場する事で、二つの小説が連結し、物語世界に厚みや膨らみが加わる。この種の実験を俺は歓迎する。どんどんやってもらいたい。映画を観た人が、小説も読みたくなるような…そんな作品が望ましい。
『首都消失』は「雲の外」の描写に徹した作品だが『アメリカの壁』はその逆「雲の中」を描いた作品らしい。劇中、雲の中身がどうなっているのか、皆目わからないので、不満を覚えた人もいるだろう。俺などは大胆なやり方だと感心した。内面描写の省略が、物語の不気味さや臨場感を高める効果に繋がっているからである。手抜きスレスレの高等テクニック―※小松先生は『見知らぬ明日』でも、視点を人類側に固定する事で、侵略者の恐ろしさを強調している―と言えるだろう。
どうしても、雲中の様子が知りたい人は『アメリカの壁』を読むしかあるまい。俺も読みたいと考えている。図書館に所蔵されているのなら、それを借りるし、されていない場合は古書狩りの獲物になる。神保町辺りに売っていそうだが、予算の関係で断念せざるを得ない時もある。なるべくなら安い方が良い。思わぬ場所で、思わぬ本に出会うのも蒐集屋の楽しみである。目的があれば、狩猟は一層面白くなる。
商店街の中にあるネットカフェに潜り込み、印刷機を借りた。この店の機械は仕上がりが綺麗なので、結構気に入っている。カウンターで希望の枚数を購入し、あとはセルフサービスで印刷する。この日は別の利用者と揉め事になりかけたが、おっさん同士、話し合いで解決した。
これには店側のミスも絡んでいるのだが、ロボット店員の対応は冷ややかだった。瞬間「カチン」ときたが、ここで口論や喧嘩になると、二度と訪店できなくなるので黙っていた。他店を探すのも面倒臭いし、そんな時間も残されていない。
ロボット君が、あの接客態度を改めなければ、遅かれ早かれ、収拾困難なトラブルに発展するだろう。やるなら、俺のいない時にやってもらいたいものだ。
印刷を済ませた後、自宅に戻り、ベランダのジーンズを取り込んだ。今夜は帰りが遅くなる。最近は天気が不安定である。雷雨にでも見舞われたら、何の為に洗濯したのかわからなくなってしまう。強風や地震の危険もあるので、物干し竿も一緒に取り込んだ。戸締りを済ませて、外出する。腹が減っていたが、移動を優先した。
最初の目的地は神保町である。欲しい本を入手したい時にはこの町に限る。何軒か巡っていると、大体見つかるものだ。掘り出し物に遭遇する場合もある。同じ店に「欲しい本―星新一の随筆集」が二冊も売られていた。値段が全然違うのが不思議だったが、確かめている余裕はない。安い方を購入して、店を出た。
第二目的地―新宿に移動する前に蕎麦屋に入り「二枚もり」を食べた。胡麻ダレが妙に旨い。水道橋駅に行き、新宿方面に向かう電車に乗り込んだ。
買った本を早速読み始める。気がつくと、代々木であった。発車直後の緊急停車に肝を冷やしたが、どうやら何かの誤りだったらしく、電車は間もなく動き出した。到着後、突然の腹痛に襲われるのだが、その時の俺は予兆さえ感じていなかった。
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