仁王誕生日企画!!参加中
雪萌さんのブログ
肝っ玉かあちゃんのひとり言
今回も、雪萌さんの企画に参加させて頂きました。
上記、雪萌さんのブログから、参加者様のブログへ行けます。
楽しい企画なので、皆で「仁王雅治誕生日」を祝いましょう!
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
ふと思った。
なぜ自分は存在するのだろう?
そんな気持ちと、友達にも恵まれ、超かっこいい彼氏もいて、この時間を楽しむ自分もいる。
少し遠回りをして海岸にやって来た。
冬の海風が容赦なく躰を切りつける。
「あっ。」
鞄の中の手袋を探していたら、例の物に手が触れた。
「あ…。渡しそびれちゃった。」
今日はその彼氏‥仁王雅治の誕生日だった。
雅治も私の存在を周囲に広めていたけど、ここぞと言うばかりに女の子達のプレゼント攻撃にあっていた。
それを割り込むのもなんだし…。
結局、学校では渡しそびれてしまった。
「まぁ‥いっか。明日にでも…。」
「自分の中で答えを出すのは、どうかと思うぜよ。」
「えっ? 雅治?」
振り向けば雅治が後ろに立っていた。
自分の彼氏ながら神出鬼没さにため息がでた。
「プレゼント攻撃は終わった?」
「柳生に任せてきたぜよ。」
私の顔を見た雅治の表情が少し変わった。
「何を泣いちょるき。」
「え?」
そう指摘されて初めて自分が泣いていることに気がづいた。
「えっと…。」
なんと‥どう説明したらいいのだろう。
今の気持ち…。
言葉にならない言葉を雅治は黙って聞いてくれた。
「クク‥。簡単な答えぜよ。」
「へ?」
雅治の腕が冷えた私の躰を抱き締めた。
「お前さんは、この仁王雅治を愛するために生まれたぜよ。」
「ま、雅治?」
「わしもお前を愛するために生まれたぜよ。簡単ナリ。クク‥。」
雅治の唇がゆっくりと額に触れた。
「ま、テニスの女神にも愛それとるぜよ? クク‥。」
「えーと…。」
「素直に妬きんしゃい。…お前さんも見つけたし、帰るかのぅ。」
手を繋ぎ砂浜を歩き出す。
海風が切りつけても、この繋いだ手も心も躰も暖かい。
自分の存在の意味は、自分じゃわからない。
けど、必要としてくれる人がいる…。
そう思うと全部が暖かくなっていくような…。
「そういえば、まだだったのう。ほれ‥。」
「あ。…雅治、誕生日おめでとう。プレゼント…。」
「プレゼントはお前さんを暖めたあとじゃ。」
「! …///。」
「クク‥。行くナリ。」
雅治の誕生日に、自分が何かを貰ったみたい。
今年も、来年も、その次の年も、雅治を祝えますように…。
誕生日おめでとう、私の大切な、雅治‥。
了