2005-02-15 02:55:15

不動産の見方

テーマ:資金調達

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【社長の錯覚⑤ 不動産の見方】

粉飾決算に対するお話をする前に、前回不動産のノンリコースローンについて書きましたので、不動産に対する見方を、私の付き合っている銀行や金融会社の見方を参考に、資金調達コンサルティングの現場から感じる不動産の見方について今日は書きたいと思います。

1回目のブログでも書きましたように、私は1990年頃、いわゆるバブルと言われた時期に、某都市銀行の協力を得て、ピーク時には30棟ほどの商業ビルやマンションビルに投資していた時期があります。その後バブル崩壊で全てを失いましたので、私は大失敗者です。ですから不動産の見方に対して、ひょっとするとネガティブな方向にどうしても偏向している可能性もありますので、この点はぜひご認識いただきながらお読み下さい。

金融機関の不動産の見方を一言で言うと、かけがえのない、持っているだけで信用力をオーナに与える資産から、収益を生む資産に過ぎないものとなったと言うのが実状です。特に土地は収益を生むための一つ材料として捉えています。
ですから、収益の上がらない不動産の価値は極端に言うとゼロと考えているのではないのかと思います。

時々お聞きになると思いますが、現在の不動産の価値は、収益還元法で計算されます。
たとえばある商業ビルの年間の受取家賃が月200万、年収で2400万円、室を借りるテナントから預かる保証金が1000万円~2000万円とします。
評価は、路線化や公示価格といった価格を参考にするのではなく、いくら家賃を取れる不動産かで算出します。
もちろん地域によって、テナントがすぐに入る立地かどうか?また新しく入るテナントの家賃の相場の高低、不動産の買手が感じる「購入する不動産の利回りへの期待値」が違うため、実際に不動産担保ローン専門の金融機関が行う不動産評価算出方法で4つの地域の不動産評価を算出してみます。

A地域の物件 利回りが6~8%前後で買い手がつく地域
 例:東京の千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区の一等地など
 評価:3億2千万円
・2400万円÷0.07(7%)≒3億4千万円 
・3億4千万円-2千万円(保証金)≒3億2千万円

B地域の物件 利回りが8~10%前後で買い手がつく地域
例:東京のAの地域以外の区、大阪、名古屋の超一等地など
 評価:2億6千5百万円
 ・2400万円÷0.09(9%)≒2億8千万円
 ・2億8千万円-1千5百万円(保証金)≒2億6千5百万円

C地域の物件 利回りが10~12%前後で買い手がつく地域
例:AB以外の首都圏の一等地、他の政令指定都市の一等地など
 評価:2億3千万円
 ・2400万円÷0.09(10%)≒2億4千万円
 ・2億4千万円-1千万円(保証金)≒2億3千万円

D地域の物件 利回りが12~15%前後で買い手がつく地域
例:地方の県庁所在地レベルの都市の一等地、政令指定都市の準一等地など
 評価:1億9千5百万円 
 ・2400万円÷0.12(12%)≒2億円
 ・2億円-5百万円(保証金)≒1億9千5百万円

上記以外の地域にお住まいの方には本当に申し訳ないのですが、上記以外の不動産の価値については、地元の銀行や信用金庫などは評価を認め、融資を受ける会社の事業性や財務内容を勘案して融資につながる可能性はありますが、純粋に不動産価値だけを担保に融資する全国レベルの不動産担保ローン専門の金融機関は、基本的には上記以外の地域の不動産について、価値は測定不能と判断し、融資をしないのが現状です。

ではなぜこのような、一見不条理とも思える判断をするのかといえば、いくつか理由があります。
1.マクロ的に見て、まだ日本の土地は高すぎる
2.少子高齢化や2007年から人口が減る問題
3.日本の経済力低下
4.東京など大都市と地方の格差拡大傾向

以上のような判断のもと、2007~8年頃までは、今の不動産価格が維持されるものの、それ以降は、収益性の高い一等地以外の不動産価格は大幅に下がるかも知れないと予測しているからです。もちろん不動産価格は様々な要因で変化するため、逆に不動産価格が上がる可能性も皆無とはいえませんが、可能性は低いと判断しています。

次回もこの続きで、住むための住宅やマンションの購入についてお話をしたいと思います。

宜しければまた覗いてみてください。


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2005-02-14 18:04:23

ノンリコースローン

テーマ:資金調達
【社長の錯覚④ 固定資産に対する考え方 ノンリコースローン】

総資本はできるだけスリムにした方が良いということについては、前回までのご案内でご理解いただいたと思います。固定資産いついても同様で、現在、きるだけ固定資産を持たない経営を、銀行など金融機関は評価するようになってきています。
格付けの点で言えば、固定資産の総額が、資本金+固定負債の総額を上回るとマイナス要因になりと思われますので、このことも融資を可能にするかどうかについて重要なポイントです。

私どものお客様の中にはパチンコホールを経営する会社も多いのですが、この業種でも同様で、最大手の会社はじめ大手の会社ほど、店舗を所有ではなく賃貸で開設するようになってきています。
このことはもちろん資金の調達コストを安くするため、金融機関の格付けを高く保つための方策でもあります。更に店舗をとりまく市場の環境の変化にスピーディーに対応するためでもあり、この部分でも店舗を所有することより、賃貸で営業する方がリスクがなく有利と思われてきています。

ノンリコースローンについて
パチンコの店舗には条件的に難しい融資方法なのですが、会社や個人投資家の方が自社ビルや投資不動産を1棟で購入されるような場合に、とても最適な融資方法があります。
この融資方法はノンリコースローンと呼ばれ、アメリカでは主流の融資方法です。最近扱う金融会社も増えてきましたが、まだまだ馴染みがないので一般的になっていませんが、現状の日本で、リスクが高い不動産購入には最適なローンだと私は思います。

私どもの会社のコンサルでも、不動産購入や、不動産の流動化や、既存金融機関とのトラブルによる不動産事業の再生などには、積極的に案内しているローンです。

上の図はこのローンの大まかな仕組みの図です。
あなたが不動産を購入するときに普通のローン(リコースローン)を使うと、不動産を担保に入れるだけではなく、あなた個人の保証も必要で、もし地震などで不動産の建物が崩壊して家賃収入がなくなって、約定した元金の返済と金利の支払いができなくなると、あなたの他の財産まで含めて返済しないといけなくなります。ですから建物が壊れていて使えないのに、返済や利払いだけは続けないといけないような悲劇が起こるわけです。

一方、ノンリコースローンは、上記図のように、あなたも不動産購入の一部を特定目的会社に出資し不動産購入の一部に充てますが、ローン自体も特定目的会社にされますので、先ほど述べたような地震で建物が壊れた場合は、あなたが出資した出資金自体はなくなりますが、ローンの返済義務はなく、他の財産まで返済義務が及ばないので、壊れた使えない不動産のローンの支払いを続けていくような悲劇を避けることができます。

ただこのローンは全ての不動産の購入には使えません。
既に家賃収入があることが条件ですので、純然たる自宅の購入や、新しく建物を建築する場合には使うことができません。
またこのローンは不動産の収益性に対して融資がなされるので、購入する不動産が今後将来に向けて、長期間安定した収益が確保(家賃を取れる)できるものかどうかも重要なローンの条件となります。
このため耐震性はどうかとか、土地の汚染がないかとか、建築基準法に違反していないかとか、土地や建物自体の調査を予め様々な専門家によって行われますので、イニシャル的なコストや時間が掛かることは覚悟しなければなりません。

数年前までは、このローンを取り扱う金融会社も少なく、条件も出資比率が高かったり(不動産購入価格の20~30%の現金出資が必要)、小規模な不動産は対象外であったり、イニシャルコストが1千万円もかかったりするため、中々広がりませんでした。

ところが、最近は競争原理が働き、新規参入の金融会社のサービスでは、出資比率も極端な例では5%程度から可能になったり、イニシャルコストも100万円前後から可能であったり、小規模な不動産も対象になったり、私どもの会社のコンサルティングでも、ここのところ相次いでお手伝いできるようになって来ました。

このローンは不動産を購入するときだけではなく、所有の不動産も流動化(現金化)するのにも利用できますので、貸借対照表から不動産を消すことができ、何度も申し上げているように総資本額が減額され、自己資本率アップにつながる有効な方法です。

状況によって様々な方法や使い方がありますが、全てを書くことはなかなか難しいので、詳細に対するご質問などは、どうぞご遠慮なくご連絡をいただければ幸いです。


tomtom
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2005-02-14 02:32:41

流動資産に対する考え方

テーマ:資金調達
2/13
【社長の錯覚③ 流動資産に対する考え方】
前回、融資の可否に多大な影響力がある格付けを,高くする重要なポイントは自己資本率であると書きましたが、今回はこの続きです。
自己資本率の数字が15%以上あれば格付けが高くなると言いましたが、この数字が本当に正しい数字なのかどうかも大変重要であると言うのが今回のお話です。

総資産の借方(左側)には資産の明細が、上から流動資産、固定資産、繰延資産の順に記載されています。この流動資産の中身も融資の可否に多大な影響があります。

 流動資産は通常、現金化しやすい順番に、上から、現金・預金・受取手形・売掛金・有価証券・在庫・その他(貸付金、未収入金、仮払金など)の順で記載されています。

流動資産の総額が一緒でも、現金・預金・受取手形・売掛金など、上の方に書いてある現金化しやすい勘定科目の数字の割合が大きくなれば大きくなるほど格付けが高くなります。(もちろん高額な現金は、現金のまま金庫などで保管することは珍しいので、通常は預金の数字の方が大きくなります。)

 たとえば極端な例ですが、現金+預金が10万円なのに、売掛金が5000万円あったり、1億の貸付金があったりしたら、不自然と思われませんか?さらにこのような売掛金や貸付金が長期間にわたり動いていない(「支払いがない」「返済がない」ことです)ような場合、本当に回収できる売掛金なのか、あるいは貸付金なのかどうか金融機関は懸念を持ちます。当然このようなバランスシートは格付けが下がり、融資を受けることができなかったり、できたとしても条件が非常に厳しくなります。

また不自然な流動資産の状況は、後日ふれる粉飾決算の懸念を抱かせることにもなりますので気をつけないといけません。

結論として言えることは、売上の回収は受取手形をできるだけ現金決済(銀行振込)にし、売掛金のサイトも短縮することが大切ですし、在庫も工夫して圧縮し、商売上避けることのできない場合もあるかもしれませんが、貸付金など懸念を抱かせるようなことは、できるだけ避けるようにすることがとても大切だと思います。

そんなことは当たり前のことだと言われるかも知れませんが、新事業を考える上でも、融資が受けやすいかどうかは重要ですので、とても大切なヒントになります。

すこし極端ない言い方かも知れませんが、手形取引や掛売り商売よりも現金商売の方が格付けは高くなる傾向があり、融資は受けやすくなりますし、総資本のところでもお話しましたが、ビジネス上あまり関係のない貸付など複雑なイメージを与えるような取引は避けるべきで、ともかくシンプルな状況で高収益な事業には融資がつきやすいと言うことです。

次回は、少し話は変わりますが、前回少し触れました不動産担保融資の一つであるノンリコースローンについて少しお話をしたいと思います。ノンリコースローンについては、まだまだ馴染みのないのが実状ですが、条件が合えば、中小企業や個人の不動産投資のための融資はできるだけノンリコースローンにすることを強くお勧めいたします。なぜなら現在の日本では、これほど安全で最適な融資はないからです。 また宜しければ覗いてください。失礼します。

tomtom

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