2005-07-16 14:33:52

資金調達と演出力の関係  創業後2年以降編 3

テーマ:資金調達

7月16日

                                              帳簿

今日は減価償却費の処理について書きたい思います。

顧客の決算書を拝見していると、辛うじて黒字決算の場合、

減価償却費が計上されているかどうかをまず見てしまいます。

 

ちゃんと必要相当額と思われる減価償却費が計上されていれば良いのですが、

中には赤字にならないようにと言う判断で計上されていない場合が時々あります。

 

弊社も注目するように、直前期の決算がトントン場合は、

銀行ももちろんチェックして、計上されていない場合は、直前期決算は実質上赤字であると判断します。

このことは融資を受ける場合の阻害要因の一つには間違いなくなりますので、

誤解を恐れずに言えば、どうせ計上するべきコストを計上しない調整をするのなら、

他の経費の勘定科目で調整をした方が、こと融資ということに限ればベターです。

 

このあたり、よくご案内される税理士の先生もいらっしゃいますが、

節税には目を向けても、割りにこの融資に目を向けない先生もいらっしゃるようです。

 

この調整が粉飾に当たるのかどうかは、正直なところ分かりませんが、

インチキな売上計上をすることとは少し違うのではないかと私は思っています。

 

もちろん、会社の活動を正確に反映させないといけないことは当たり前なことなので、

減価償却費など経費を全て計上しても黒字になるようにしなくてはならないのはもちろんです。

 

最近は、債務超過であっても融資を行うような銀行が出てきていますので、

減価償却費が計上されていないことで、全く融資への道が閉ざされるわけではありませんが、

このことを理由に融資自体を断わる銀行もありますし、

融資の条件が厳しくなることは十分に可能性が高いので、チェックしていただきたいと思います。

 

もう一つ同じような懸念を感じるのが、社長が給料を取っていない会社です。 

正式な勘定科目である役員報酬がゼロであったりすると、

この社長は何で生活してるのか?

他の事業か何かをしているのではないか?

消費者金融やカードローンなどで多重債務になっているのではないか?

この役員手弁当でなぜやっているのか?きっと不満を持っていて、モチベーションが低いのではないか?

などなど、必要のないことまで詮索する気になりますし、

継続して役員全員が高いモチベーションを保っていけない⇒会社経営が行き詰まるのではないか?

という懸念を感じて、銀行にしても長期資金を貸す気にならなくなるのは当然です。

 

このように、やはり役員全員が相当の生活ができるだけの報酬を取っていない会社は、

融資をする立場から見れば良い会社ではありません。

 

もちろん社長や役員も別に明らかに収入があることを証明できる時はこの限りではありませんが、

今度は社長の収入が他の会社からの収入があるとすれば、

どちらの仕事が本職かなどと、また要らぬ詮索をされたり、余計な懸念を抱かせるので、

やはりこの会社からの役員報酬で生活をしていくと言う姿のほうが、

融資にとっては良い姿です。

 

では逆に高すぎると思われる役員報酬を取っている場合はどうかといいますと、

もちろん程度問題ですが、未払金になっているようなことなく支払われていれば、

このことは会社の収支に余裕があると思われますし、

社長の個人保証を取りますから、全く問題はないと思います。

 

銀行からの無担保融資の場合、

長期だと5年ぐらいがマックスであることが多いのですが、

原価償却費も役員報酬も、未計上や未払いが何年も続くと、

会社の経営に大きな悪影響を及ぼすことは十分予想されますので、

長期で貸し出すリスクが大きい会社と判断されても当然です。

両勘定科目とも、相当な額の計上は絶対に必要であるとご認識願いたいと思います。

 

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2005-07-16 13:06:29

資金調達と演出力の関係  創業後2年以降編 2

テーマ:資金調達

7月15日

 

昨日少し書いた ④バランスシートはシンプルでクリアにする の続きです。

 

まず大切なことは公私混同のような、本来会社の業務と関係のない

自動車・ゴルフ会員権・自宅(店舗併用は除く)・本来の事業と関係のない資産は計上しないことです。

自動車、ゴルフ会員権、自宅についてはご案内するまでもないと思いますが、

ご案内したいのが、新規事業に対する貸付金、仮払金、出資金などの処理についてです。

 

ある程度会社の業態が大きくなり、今の商材やサービスが頭打ちになっているような場合、

新規事業への投資は不可欠かもしれませんが、

まだ設立後数年で、しかも既存事業も十分やりつくしたような状況でない場合、

既存事業と関連性のない、既存事業の発展と無関係な事業への投資について、

銀行は決し快く思いません。

 

なぜなら、融資した資金が、この会社の事業と無関係なことに使われ、

回収できなくなるのではないかと懸念するからです。

 

私の経験でも、現在の事業が上手くいかないので、

苦し紛れに、無計画に、宝くじを買うような動機で新規事業に投資をした会社で、

発展した会社を見たことがありません。

むしろ、このような投資が結果として収益につながらず、回収もできず、

このことが原因で倒産した会社なら、いくらでも知っています。

 

前職の時に同じような体験をしたこともありますので、社長の気持ちは私もよく理解できます。

しかしながら、このような資産が会社のバランスシートに計上されていることは、

融資を受ける側面から考えると、大きな阻害要因となります。

 

弊社が扱う案件でもよくあるのは、

新規事業のために、貸した貸付金、とりあえず支払った仮払金や立替金、出資した株式など、

我々もチェックしますが、銀行も流動資産の現預金以外の勘定科目については、

本当に資産として価値があるのかどうかのチェックを必ずしています。

いくら自己資本率が高いといっても、資産計上されている科目に価値がなかったり減損していれば、

当然、自己資本率云々どころか実質は債務超過ではないかと判断され、

もちろん融資を受けることはできなくなります。

 

どうしても新規事業をされるなら、当初は個人の資格でするか、

新会社を立ち上げてするかなどして、

本来の会社のバランスシートには載せないようにするようお勧めいたします。

このことが、経理処理の観点からは、本来正しい処理かどうかは判断しにくいのですが、

融資を受けるための演出と言う観点から考えると、

本来の事業と何ら関連性のない事業への支出が大きいような状況は、

絶対避けたいことなので、この点よくご理解され検討されるようにしていただきたいと思います。


 

 

たとえ新規事業でなくても、

取引先や知人に貸した金を貸付金などに計上したり、

取引先の有力者への賄賂的なお金を、

社長個人への貸付金として処理したりしている会社も良くありますが、

現実的に仕方がないこともあるのでしょうが、融資という観点から見ると、

このような処理も大きな懸念材料になると言うことをご理解下さい。

 

最後に、これから書くことも何度もこのブログでも触れていますので、

ご理解いただいている方も多いかと思いますが、

不要な固定資産は絶対に持たないようにするということです。

会社にとって必要な機械設備や不動産なども、

できるだけリースやオフバランスをするようにされた方が融資にとってはベターです。

なぜなら次のような図式になってしまうからです。

固定資産の増額⇒総資本の増額⇒自己資本率の低下⇒格付の低下⇒融資条件の悪化&融資不可

 

少し話は飛びますが、このような懸念を考えると、

会社を大きく発展させようと思った時、

単純に、銀行から融資を受けて、資産に投資して会社を発展させることには大きな限界があるように思われませんか?

その通りで、この点でリースの利用やオフバランス化したSPC(特定目的会社)などを使ってする資金調達も必要になってくるのです。

 

話を戻しますが、以上のように、バランスシートはできるだけ簡単で分かりやすくスリムにすることが、

融資を受ける場合の一番大切な演出になることをご理解願いたいと思います。



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2005-07-15 23:59:37

資金調達と演出力の関係  創業後2年以降編

テーマ:ブログ

7月14日


昨日まで創業時の直接金融の可否を決める演出について書きましたが、

今日からは創業後2年以降、つまり銀行から融資が可能になってから、

重要となる融資の可否を決める社長の演出力について書いていきたいと思います。

                                              人物

融資の可否を決める最重要ポイントは財務内容をいかに演出するかに尽きます。

演出といっても粉飾やインチキな経理処理をすることを言っているのではありません。

誰が見ても、会社の財務内容がクリアで分かりやすく、

しかも会社のポテンシャルを感じさせるような内容にしておきたいと言うことです。

 

銀行からの融資は、直接金融と違って、社長の人格や人となりは、

本当は重要なポイントであることはもちろんなのですが、

直前2期財務内容が一定のレベルに達していないと、審査さえ受けることができないので、

銀行融資はまず財務内容ありきです。

 

もう何度も融資を受ける場合の財務内容については書いてきていますので、

以前からお読みいただいている方には、良くご理解いただいていると思いますが、

整理のつもりでお読みいただければと思います。

 

融資を可能とする会社に演出するには、様々なポイントを 押さえないといけません。

 

①金融トラブルのある人は社長にならない

役員、特に社長と役員になる人は、金融のトラブルがないかどうかのチェックが必要です。

過去に銀行や保証協会と金融トラブルのある人が社長や役員になると、

その程度によっては、財務内容がいくら良くても融資がダメになることがよくあります。

特に社長は、審査が厳しいので、もし実質的な社長の立場の人であっても、金融トラブルがある場合は、

会長とか顧問とかの肩書きで、ともかく商業登記簿謄本に載らないように、役員登記をしないことです。

 

②納税は完納しておく

所得税、消費税など税金は完納していないと、銀行からの融資を受けることができませんので、

何を差し置いても、税金は完納しておくことが大切です。

 

③債務超過にならないようにする

債務超過とはバランスシート(貸借対照表)の資本の部がマイナスになっている状況を指します。

会社の赤字が増えると資本の部がマイナスになりますので、赤字にしなければ良いのですが、

後々、優良企業になった会社でも、設立後2期の段階で、債務超過になることはよくある事です。

 

しかし、財務超過のままだと融資を受けることは非常に難しくなりますので、

資本金や出資金(有限会社)を増資することで、債務超過を解消することできます。

実際に資金を入れなくても、対処する方法がないわけではありませんので、

顧問の税理士や行政書士など専門家にご相談下さい。

※債務超過でも、内容によって融資をする銀行もあります。 



④バランスシートはシンプルでクリアにする

この問題が、弊社にご相談に見える顧客に、一番アドバイスする機会の多いことです。

経営者の中には、、会社により多くの資産を持っている方が良いと思っている方、

あるいは税金対策で、本来私用と思われるものを会社の資産にしている場合も多く見受けますが、

銀行融資にとってはマイナス要因です。

 

この問題については詳しくご案内したいと思いますので、続きを明日書きたいと思いますので、

ぜひお読みいただければ思います。

 

 

 

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