2005-02-18 02:55:22

コンサルティングの現場から 地方間格差

テーマ:ブログ
2/18

今日は公的資金の資金調達のことを書こうと思っていましたが、昨日ご相談に来られたお客様が、典型的な資金調達の一つの問題点を語る案件であったので、今日は東京以外の地方の会社の資金調達の難しさについてお話をしたいと思います。

ある地方でスポーツクラブを数件経営している社長さんの案件です。
スポーツクラブの施設建築資金として20億円ほどの融資を、地元の銀行、信金、ファイナンス会社など7ヵ所から受けていて、この融資の融資期間が設備資金にもかかわらず、3~7年と短いため、元金返済をすると、日常的に資金繰りが忙しく、融資期間を長く貸してくれる金融機関への借換を、できれば一つか二つの金融機関に集約できるように手伝って欲しいと言う依頼でした。

決算書を拝見すると、売上も利益も増加傾向で、融資期間を長くすることで、安定した経営になることは一目瞭然で、希望されている借換はぜひした方が良いと私も確信できる案件です。

このスポーツクラブが東京23区に立地していれば90%、首都圏・大阪・名古屋で80%、京都・神戸・福岡などの一等地で50%くらいの確率でお手伝が可能で、我々のビジネス的な本音を言えば「美味しい」案件と言えます。

ところが今回の案件のスポーツクラブの所在地が決して人口が多くない、典型的な地方都市、それも都市銀行の支店も一つもない都市に立地しているため、現時点のままではかなり難しい、確立で言えば10%以下の確率でしか、お手伝いのできない案件となってしまいます。

まずこのような案件の場合は、財務内容や事業内容を参考にして、大体次のような順番で資金調達の可能性を考えます。

①既存の金融機関を整理する形で、条件が良い(融資期間が長い)1つか2つの金融機関に集約できないか? 
今回の場合は既存の金融機関が全て、金融機関自体の業績が悪いので×。

②新規の金融機関で借換ができないか?
まず都市銀行を検討。
今回のような場合は都市銀行を検討します。
一部借換とは言っても、本件では最低 2億円程度以上の融資でないと意味がないので、ボリューム的に新規だと地銀や信金では難しく、都市銀行でできないかを検討します。
もちろん20億円全額の借入ができれば満点ですが、長期間での借換を前提に、まず都市銀行との接点を持てないかどうかを検討します。
今回は、スポーツクラブの所在地が、微妙に都市銀行の店舗から遠いので、この会社の規模から言って90%×の可能性が大です。

③不動産担保ローン専門のファイナンス会社で検討する。
不動産担保ローン専門のファイナンス会社からの借換が、このような案件の場合の本命です。理由は、このスポーツクラブの場合も、装置産業であるため、固定資産の額が過大で、自己資本率が高くなく、一部短期借入金で固定資産を購入しいる部分もあるので、低い格付けになると思われます。
ですから、会社の格付けよりも不動産価値に重点を置くファイナンス会社からの借換が非常に現実的な方法です。
ところが、「不動産の見方」でも書きましたように、東京一極集中のため、今回の所在地では、担保評価が非常に低く、さらに融資の可能な額の掛け目も低いため、現在の融資の借換のためには、評価不足の分に対して現金の用意が必要となり、今回の場合は×。

④他のファイナンス会社を検討
銀行と同様な審査基準で案件を検討するファイナンス会社への打診になるのですが、銀行より若干とも格付けの基準が甘いものの、このスポーツクラブの財務内容だと確率は10%未満だと思われます。
このファイナンス会社は金利も地銀並みに金利も低いし、全国どこの地域でも原則対応可能なのですが、地銀や信金以上の財務内容を求めるので、多分難しいと思われるわけです。


⑤商工ローン系ファイナンス会社
このあたりになると、可能性は高くなりますが、金利が15%程度、おまけに社長以外の保証人をつけろとか、共同担保をあるだけ出せとか、かなり悲惨な条件になってきますので、むしろ現状のままの方が良いので、借換には不適切な融資と言わざるを得ません。

このように、結局このスポーツクラブの社長さんは、地方都市に本社と店舗も立地しているだけで、資金繰りを劇的に改善できる機会をなくすことになる訳です。

少し長くなりましたので、次回もこの続きを、特に大した手段は提案できないのですが、それでも地方に本社がある会社に何件も数億の無担保融資をお手伝いした経験がありますので、お伝えしたいと思います。
  
いいね!した人  |  リブログ(0)
2005-02-17 02:49:16

粉飾決算について

テーマ:資金調達

2/17

ここ数年都市銀行が中小企業に対して、無担保ローンを積極的にサービスするようになったのは、大変良いことと思います。
三井住友、UFJ、みずほ、東京三菱の順に順次導入されてきました。

銀行にもよりますが、債務超過でなく、3期分の決算書を提出でき、納税を完納していて、代表者など役員に金融上のトラブルがなく、取り扱う銀行の支店や部署の近隣に所在する企業に対しては、概ね月商の1~2ヶ月を融資するようになったわけですが、この良い傾向を逆手にとる悪徳の輩も多く、税務署の受印のある税務申告書からBS、PL、勘定科目明細まで全てを作り直すような会社、あるいはこれをサポートするコンサルタントまで現れ、けっこう銀行の間では問題になっています。

弊社にも、残念なことですが、相当数の粉飾決算案件が紹介されてきたことがあります。
もちろん私どもでも怪しいと思う案件については、チェックしお断りしていますが、我々のチェックをパスして銀行に打診したこともあり、本当に残念なことですが、融資後粉飾の分かったケースも数社あります。

今までの経験では、我々のチェックを掻い潜っても、銀行のチェックで99%見抜かれていますし、融資後1年以内に指摘され、未来永劫銀行取引が難しくなって倒産した会社も多数見てきています。

絶対に粉飾決算はしないことです。社長の方々は資金繰りが厳しくなったり、ビジネスチャンスが大きい新規事業を目の当たりにすると、後先を考えず、粉飾決算の誘惑に負けるのでしょうが、よほど無能な銀行の担当者か、業務に対するモチベーションの下がった担当者でない限りは100%チェックできています。
上記数件融資後に粉飾の分かった案件を取り扱ったのは、名前は出せませんが、特定の銀行の特定の担当者の時のもので、以前のように何が何でも中小企業への無担保ローンの残高を増やさないといけないような状況下は別として、そこそこ無担保ローンの残高も増えた現状では、以前にも増して厳しい審査がなされていますので、粉飾決算で融資を取り込むことは、ほぼできないとお考えいただきたいと思います。

粉飾している決算書の多くは、大体の場合売上高を増額しています。ただ流動資産の部が異常なスタイルになることが多く、消費税の申告書との照合をすると、ほとんどの場合は売上のかさ上げを発見できます。他にもいろいろチェックの方法があるのですが、これを参考に粉飾の参考にされる懸念がありますので、詳細は止しておきますが、詐欺罪が適用される法律違反でもありますし、ともかく融資を成功できる可能性よりも、未来を失う危険性のほうが圧倒的に高いので、絶対に粉飾決算はお止めいただきたいと思っています。

債務超過であっても、ある都銀は、税理士のチェックシートなどを添付することを条件に案件によっては融資をするサービスをしていますし、税金の未納があっても、消費税の未納はだめですが、所得税の未納であれば、案件によっては融資につながることもあります。

以上のことから、リスクが非常に大きい粉飾決算には絶対に手を出さないで下さい。資金調達の方法はけっこういろいろありますので、コンサルタントなどにご相談されたり、研究されたら良い方法が見つかると思います。



人気ランキング 1クリックお願いいたします。

いいね!した人  |  リブログ(0)
2005-02-17 01:54:04

住宅は所有か?賃貸か?

テーマ:資金調達
2/17

現在マイホームの一戸建てやマンションの一室への不動産評価は、広尾とか南青山、白金といった超ブランドの地域以外はかなり厳しいものとなっています。

ただ住宅に対する日本人特有の所有傾向は無視できない上、賃貸住宅やマンションには優良な物件が少ないことや、借りるための審査が必要以上に厳しかったり、ペットを飼うこと一つとっても不自由なことも多いため、多くの方々が、将来不安の中、また生活費を削るなど無理を承知で多額の借入をしてまで、住宅を購入されているのだと思います。

ただ資金調達コンサルティングの仕事の中で感じるところは、自己資金なら良いが、現時点では、上記地域以外では、借入なら購入は控えた方が良いと言うのが偽りのない感想です。
本当に現在の住宅の市場はかなり厳しいです。さらに将来はもっともっと厳しくなるという予想が我々の業界では常識になっております。

資金調達のお客様からご相談を受ける中で、自宅を担保に資金調達をしたいと希望されることは数多くあります。
しかし、自宅を担保に新規に借入が可能となることは、10年以内の取得物件では、ほぼ確率がないのが現状です。新規の調達どころか、住宅の返済が滞ったため、会社の調達にまで悪影響を及ぼしていることの事例の方が圧倒的に多く、会社にお勤めの方は収入が比較的安定しているので破綻するケースは少ないはずですが、世間でうらやむような会社の幹部の方から、個人の資金調達の件で、それもかなり深刻な内容のご相談を受けることが、ここのところ激増しています。

やはり、年収の減額、年金などの将来不安、生涯雇用の崩壊、もちろん失業、左遷なども影響しているのだと思います。

個人の住宅の評価も、前回投資物件でご説明したように、住宅を他人に貸した場合にいくらの家賃が取れるかどうかといった、やはり収益還元法で不動産の価値を算出しますので、少子化や人口削減傾向のトレンドとも合間って、結果として割高に購入されていることの方がが多く、借入額の割合の少ない方は良いのですが、税金の優遇措置などもあって、急いで自己資金が少なく、90%は借入といったケースの場合、かなりリスクの高い買物をした結果となっています。

そろそろ、マイホームの取得は、「男の甲斐性」的な発想から、純粋な投資の観点から見直す時代になってきたと、慎重に検討されることを強くお薦めいたすところです。

マイホームが原因で、ブラックになっている方の数は、多分多くの方々が予想される数字を遥かに超えているようです。
このような結果失業して、起業したくても資金調達ができなくて、八方ふさがりになっている事例を多く見てきていますので、マイホームの取得は、ぜひ慎重になさることをお薦めいたします。

購入して安全な目安は、借入比率が取得価格の30%以内の場合とお考えいただければ良いと思います。
なぜなら、私見ですが、通常の住宅(東京の超高級住宅地以外)は、10年以内に現在の地価の1/3と見ているからです。
いいね!した人  |  リブログ(0)