不動産融資 第三者担保提供の融資に見る悪徳業者の見分け方
8月19日
今回は最近実際にご相談があった案件から、まだこんな融資をしてるのかという悪徳ファイナンス会社についての話です。
まずは第三者担保提供とはどういうことかと言うと、担保不動産の所有者と融資を受ける債務者が違う場合を言います。
もちろん違っても、担保不動産の所有者が代表者の会社や、長年に渡って役員を務める会社の場合はその限りではありません。
最近は第三者担保提供の融資に対して国の金融行政の見方が厳しく、ノンバンクや優良の貸金業者はそれぞれ基準を設けて、厳しく自制していることが多くなりました。
ファイナンス会社により、同居の家族の所有不動産ならOKだけど、それ以外はやらないとか、中にはまったくやらない会社もあります。
この傾向はなぜ起きているのかと言うと、まさに第三者保証融資と同じで、代表者でも連帯保証をしない方向に動いている現況の流れと連動しています。
つまり、当事者ではない第三者の保証や担保提供による被害を失くそうと言う傾向が現在は主流になっているのです。
このような傾向があることを念頭に最近このブログの読者から実際ご相談があった実例をご一読ください。
首都圏にある会社経営の社長が不動産業の投資不動産取得の自己資金部分の調達を、地方にあるお兄様とご高齢のお父さま所有の抵当権がついてない不動産を担保に、知人の紹介で、首都圏でもなく、担保不動産の所在地からも遠隔地の地方にあるファイナンス会社に打診したところ、そのファイナンス会社の対応や必要資料に不審を抱かれ相談に来られたのです。
一通り話を聞いたところ、常識で考えて不思議な点が3つありました。
①債務者と不動産所有者が、親子兄弟とは言え、遠く離れたところにあるのに、上述の第三者担保提供への懸念などへの配慮がまったくない。
②債務者の会社の決算書は見向きもせず、不動産所有者の申告書や納税状況などばかりに注視している。
③債務者の所在地と遠く離れた地域に本社があり、首都圏にも拠点がないファイナンス会社である。さらに上述のように担保の所在地からも遠隔地のファイナンス会社である。
この3つの話だけで、不動産融資に詳しい方なら、ああ!融資で儲けるのではなく、担保不動産を担保権で取り上げて不動産を売却して稼ぐことを主眼に置いた悪徳業者だと気づきます。
この担保不動産の市場価格は1億円前後。
そしていくらの融資額を提示されたのかと聞くと、何度かに分けて、初回取引の実績を見て追加融資をするとのことで、1回目の融資額は2500万円。
やっぱり!!!!!
このファイナンス会社、この実例に限って言えば、多分、ファイナンス会社の顔をして、実は2500万円で1億円未前後の不動産を仕入れようとしているだから悪質です。
そして、調べたらこのファイナンス会社は、案の定、あまり良い評判ではない代表者の会社でした。
③に関して補足します。
当事者もこの記事を読まれるかもしれませんがはっきり書くと、債務者の会社の年商は1000万円弱。
年商1000万円の会社、それも首都圏と遠く離れたファイナンス会社が、2500万円の会社に融資を行うのは、いくら不動産で保全ができていると言われても、多少違和感を感じます。
おまけに担保不動産はファイナンス会社のとても地元とは言えない遠隔地。
さらに、大して資金力がありそうに見えないファイナンス会社なのに、金利は6%台。
条件が良すぎるのです。
私どもがお付き合いをする東京のノンバンクやまっとうなファイナンス会社でも、地方不動産の融資は10%を超えるのが普通です。
このようなことを総合的に判断すると、断言はできませんが、普通に考えれば、好条件でともかく融資を実行し、年商など会社の状況を見て、高い確率で金利や返済が滞る可能性が高いと判断し、事故が起きなければ金利だけの儲けで残念!
返済トラブルが起きて不動産を担保権で取り上げることができれば大儲けで大成功!
なんてことを考えているのではないかと思わざるを得ないのです。
だからこの相談に見えた方の判断は正しかったと思います。
何か腑に落ちないことを感じられたのです。
決定的にも思える悪徳業者ではないかと思える現象は理解されていませんでしたが、違和感を感じられて中止されたのは大正解だったと思います。
今日のポイントです。
①明確に、第三者担保提供の不動産融資なのに、何の懸念も示さないファイナンス会社はまっとうでない確率が高いから利用しない方がベター。
②地方のファイナンス会社でまっとうなところは、地元展開が基本。
まして遠隔地の債務者に、遠隔地の担保不動産を融資する時の金利が6%なんてあり得ない。
そもそも、取り扱わないのが当たり前です。
良すぎる条件は、裏に別の意図ありです。
この様なご相談もお受けしていますのでお気軽にご連絡ください。
bhycom@gmail.com まで。
もちろん相談料は無料です。
また今日の実例の案件では第三者担保提供の融資の問題点についてはあまり説明できませんんでした。
ではどのようにすれば、ご紹介した案件で優良なノンバンクなどから融資が受けられるようになるのかを日を改めてご案内します。