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2005-02-28 04:03:10

融資を受けるために

テーマ:資金調達

2月28日




今日からは、融資を受ける時に注意したほうが良いことを、少し細かく、ノウハウ的に書いていきたいと思います。
部分的には以前書いた内容と重複する部分もあると思いますが、重複する部分は重要なポイントでもありますのでご了解下さい。

また、これから書くことは金融機関の公式な見解でも、全て発表されたことでもありません。
資金調達をお手伝いする中で、私が日常的感じたり確信した私見ですので、あくまでもご参考程度にお読み下さい。
ただ現場での感想ですから、それなりの説得性はあるのではないかと、私は勝手に自負はしています。(笑)


【銀行から融資を受けることができる最低条件】
今日はまず、多くの方々にとって一番融資の中でもなじみの深い、銀行からの融資を受けることができる最低条件についてお話をいたします。
この最低条件をご存知ないばかりに、自分の会社は融資は未来永劫受けることができないと勘違いをしている方もけっこう多いので、ご存知のことだとは思いますが、まず押さえて置いていただきたいポイントです。

銀行から融資を受けるのに必要な最低条件は次の3つを上げることができます。
①3期以上の決算を終えていること
②納税を完納していること
③直前期の決算書で債務超過でないこと
この3つの条件について順番にご案内いたします。

  
①3期以上の決算を終えていること
3期分の決算書を提出できることが条件ではありますが、厳密には2期分経過していると、状況によっては可能になることもあります。
ですから言い換えれば、最低2期経過していない会社には、保証協会の保証(創業保証など)がある場合は別として、銀行から融資を受けることはできないというのが現実です。
このことは金利水準の低い金融機関は、ほぼ同じ条件を持っていますので、起業してから最低2年間は、公的資金の開業資金以外の融資はほぼ難しいので、この意味でも直接金融がとても大切になってきます。

②納税を完納していること
納税の完納は、過去の実績で与信を審査する銀行などの融資はもちろんのこと、担保に重点を置いて審査をする不動産担保ローン専門のファイナンス会社においても、納税の完納は融資を受ける必須条件になっていますので、資金繰り上納税が遅れることも理解はできますが、融資の計画がある場合は絶対に押さえておいていただきたいポイントです。
特に消費税の未納は融資を受ける場合の致命的要因となりますのでご注意下さい。
所得税については財務内容や事業の状況によって、また銀行によっては納税資金として融資されることもありますが、融資の審査に時間がかかったり、可能性もかなり低くなりますので、なんとかやりくりをしてでも完納に努めていただきたいと思います。

③直前期の決算書で債務超過でないこと
債務超過とは資本の部がマイナスになっている状態を言います。社長からの長期借入金を資本として考慮する場合もありますが、財務諸表の印象が非常に悪くなるので、できるだけ借入金を資本金化してもらうように弊社ではアドバイスをしています。ただ納税が新規に発生することにもなりますので、このあたりは顧問の公認会計士や税理士の先生とご相談をなさって下さい。
ただ最近一部銀行を含む金融機関では、債務超過であっても顧問税理士の先生のチェックシートを添付することで、融資が可能となることもありますので、決して粉飾的な措置はしないでいだくようお願いをしています。

また債務超過でなくても、融資を申し込む直前期の赤字決算は、融資の可能性を著しく落とし、また融資の条件も悪くなりますので、できるだけ避けたほうが懸命です。銀行によってはプロパー融資(保証協会の保証制度を使わない融資)を受けることができなくなりますので、融資のスピードが遅くなったり、融資額が小さくなったり、保証協会への保証料を含めるとコスト負担が増えることになる場合もありますので、お気を付け下さい。

次回は、更に融資を受ける時にご注意していただきたいポイントをご案内いたします。

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2005-02-27 23:30:17

成功した経営者の実例 2

テーマ:資金調達
2月27日

昨日に続いて成功された経営者の中で、昨日のX氏と並んで印象深いS氏のことを書いていきたいと思います。

残念なのですが、S氏の会社は上場直前期である上、事業内容が特殊で唯一なため、詳細をほとんどかけないことをご了解下さい。

S氏は大手出版社のご出身で、10年ほど前に起業された方です。
3年前にお目にかかりましたが、X氏の場合とは違い、当時既に売上も10億円以上計上されていましたし、社員数も30名弱いらっしゃったので、ゼロから劇的に成長された過程を見たわけではありません。

しかし、お目にかかる少し前に、法律が変わったため、売上の40%を占めていた商材を扱えなくなったり、出資者の履歴のために、ある都市銀行から取引を断わられたり、上場準備の一環で受けた監査法人の指摘での経理処理基準の変化で、一時期債務超過になったり、会社存亡の危機とまではいかないかも知れませんが、大きな苦難を見事に超えられたことで、S氏は非常に印象深い経営者です。

この3回のハードルを越えられたのは、S氏の直接金融への取り組みだったと断言して良いと思います。

もちろん事業内容も、他社の追従を許さないオンリーワンであることと、体力に合った事業を運営されていることはもちろんですが、顧客を含めた主要取引先などご自身と会社の人脈から、くまなく出資の形で、資本政策上も巧みに(経営権の問題をクリア)資金調達をされているのには驚かされます。

もしS氏が同じ出資でもVCからの調達や銀行などからの融資に頼っていらっしゃったら、今の姿はなかったと思います。
S氏の凄さは、不可能だったり、予定の立たない資金調達を止めて、ご自分が主体的になれる直接金融による資金調達を、事業成功のために躊躇なくされたことだと思います。

X氏、S氏のお二人の経営者に共通するのは主なポイントは、いろいろあるように思いますが、次の3つが主なポイントです。
① 金融機関からできない資金調達は直接金融で調達することに徹し、不可能な資金調達を決して追及しないばかりか、支払計画も現実に即した内容に変更することに徹した。
② その時々の会社の力に応じた事業計画と運営に徹した。
③ とにかく熱心で、事業成功のために自分が信じてやることには、恥じも外聞もない。

ここ何回にわたって書いてきました失敗した経営者とお比べいただくと、成功する経営者と失敗する経営者の違いのアウトラインはご理解いただけたと思いますが、いかがでしょうか?
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2005-02-27 03:13:39

成功した経営者の実例 1

テーマ:資金調達
2月26日



資金調達コンサルティングの仕事を10年ほどやってきて、振り返ってみると、財務や事業の資料を拝見しただけの数も含めると、正確に数えたわけではありませんが総計で6000~7000件位の案件と出会ったことになると思います。
資金調達のお手伝いができた案件の数は800件弱。これは正確な数字が分かるのですが、せっかくご連絡を頂いても10%ちょっと程度しかお手伝いできていないことになります。
さらにお手伝いさせていただいた後倒産された会社もありますし、多くは現状維持から少し売上、利益とも拡大された状況の会社が多いようです。
もちろんお手伝いをした時に、既に売上が100億円から1千億円を超えているような会社も相当数ありますので、少しずつ伸びていらっしゃること自体がすごいことなのかも知れません。
明らかに成功されたと実感できるのは20社ぐらいですが、この中でも本当に劇的に成功されて印象に残っている二つの会社のことを今日から書いていきたいと思います。

この2社とも社長に共通するところがあり、前回までの失敗例と対比してみると、全てではありませんが、成功のための必要条件のようなものが見えてくると思いますので、お読みいただければ幸いです。


1社目は年商5千万円から年商150億円の経営者になったスロット専門店の社長の話です。
少し一般的ではない事業かもしれませんし、パチンコスロット業界の中では現時点の状況でも決して成功したということではないかもしれません。
この業界では、売上規模や店舗数から見れば、生き残れるギリギリの状況ではあり、まだまだ奮闘中というのが現実ですが、非常に会社の経営資源に合った事業計画と方針を持っていらっしゃるので、金融機関からも大きな信頼をよせられている社長です。

この社長と初めてお会いしたのが8年前の1997年で、その時はパチンコホールの経理部長を辞めて、パチンコホール専門の経理代行会社を興されて間もない時期でした。

今も親しくしている友人からの紹介で、関東近郊の国道沿いで廃業したパチンコホールを借りてパチンコとスロットの併用店を開業したい人がいるので、相談になって欲しいという依頼で始まった案件でした。

お目にかかってお話を聞いたのですが、店舗は立地も規模も最適と思われますが、パチンコとスロットの経営ノウハウとスタッフになり得る人材は持っているものの、ともかく資金に関しては、開業に必要な資金4億円の目処が全く立っていない状態でした。
経営されている経理代行会社も開業されたばっかりで、金融機関に対する与信(信用力)は無く、担保ももちろんなしと言う状況でした。

少しその頃の金融状況を説明しますと、銀行や信用金庫はバブルの不良処理が遅れ、、特にパチンコホールの運営会社に対しての不良債権も膨大で、既存取引先にも追加融資が出にくいような時期でした。その頃パチンコホールへの融資を一気に増やしたのがオリックスで、この頃パチンコホールへの資金調達といえばオリックスと言う時期でもありました。

この経営者X氏も私と会う前に既にオリックスには打診をされていましたが、もちろん融資やリースが通る筈も無く、どのようにお手伝いをして良いのか本当に困惑したことを覚えています。

この頃の私は前職の不動産開発業の事業の失敗(2月9日のブログをご参照下さい)した後、資金調達のコンサルを始めて2年目くらいで、自分の会社では数百億円の資金調達をした経験はあるものの、コンサルタントとしてのスキルも低いし、経験も少ない時期でしたので、お手伝いの方向性さえ出せないものの、正直なところ、この当時はお客様も少なく、自分の生活のためにも簡単にお断りできない状況でした。

ですから私も、今が一所懸命ではないと言うわけではありませんが、闇雲に自分の持つ人脈(前職の失敗で有力な人脈は無くしていましたが)の限り、今から思えば絶対に打診してはいけないところ(この部分はご想像にお任せいます)も含めて、3ヶ月ぐらい死に物狂いで奔走したものでした。

何回も書いていますように、無理な資金調達はどこに行っても100%駄目と言うことを、私も理解していなかったのはお恥ずかしい限りなのですが、やはりどこもここも×で、途方にくれていました。

こんなことをしている間に、開業を予定していた物件も他の会社と契約が決まって、社長X氏もパチンコスロットの事業自体を諦められたようでした。

それから6ヶ月ほど経ってから、突然X氏からスロット専門店の開店のお知らせをもらい、正直なところ驚きました。
資金はどのようにして調達をしたのか聞いたところ、X氏の人脈で集めた資金と建物設備などは割賦支払いで凌いだとの事でした。

その後X氏と会う機会があって詳細を聞いたところ、一時は事業自体を諦めたが、たまたま過去の人脈から、閉鎖する店舗を良い条件で貸してもらえる話がきたので、チャンスと考えて、無謀とは思ったが、二度とないチャンスと捉えて当座必要な資金を知合いの方々から集めたり、可能な限り割賦支払いにしてもらったということでした。

その調達コストを聞くと平均年利に直して15%弱で、しかも返済まで平均2年。割賦支払いについては18回払いというかなりきつい条件で、返済が本当に可能なのかと言うのが実感でした。しかし、その後も驚くことに半年毎に同じ手法で更に2店舗増やし、合計3店舗となりました。

もちろんこの頃までは、資金繰りが大変であったことは申すまでもありませんが、社長の本気度も並大抵のものではなかった上、私が本当に評価するのは、この大変な資金繰りでも、なんとかやっていけるように、店舗の規模や立地から営業戦略まで、実に手持ちの経営資源に合った経営をされたことなのです。

詳細は結構特異な経営方針なので、秘密保持の観点から書けないのが残念なのですが、主な概略は次の通りでした。

①投資額を削減できるように、店舗の規模を小さくし、小さくしても他店との競合に負けないスロット専門店にし、さらに大手が出せないようなニッチなマーケットにポイントを絞って出店をした。
②顧客が負けても、この店に来て良かったと思わせる演出を徹底した。
③誰でも勝ち負けは重要だが、勝ち負けに対する執着が、比較的軽い、ゆとりのある高齢者に顧客のターゲットを絞った。

最近はこのような戦略を持つ中小の経営者は多くなっていますが、この当時では珍しく、しかも3店舗まではこの戦略を例外なく貫き通したすごいところであったと思います。
もちろんその後の店舗は会社の体力に応じて、大型化したり、市場によってはパチンコスロット併用店も開店しています。

3店舗が軌道に乗ったところからは、弊社のお手伝いで都市銀行2行と大手ファイナンス会社、X氏ご自身で地元の地銀や信金から融資やリースも受けられ、もちろん財務内容が良くなった上、苦しい3年間の間、一度も遅延無くお知り合いの方への利払いや返済、また業者への割賦販売もトラブル無くやった信用もあって、最近はお知り合いの方からだけではなく、お知り合いの人脈や取引先からも資金提供の話が舞い込むようになっています。

ただこの業界は弱者と強者の二極分化が非常に進んでいて、地元の金融機関は別にして、都市銀行や全国レベルの大手ファイナンス会社は、弱者に対する新規の融資やリースを避け、残高の減額方針を打ち出していまして、たとえば有力な都市銀行は次のような選別基準を持っています。

売上高は最低100億円以上で店舗数も5店舗以上。また財務内容が自己資本率15%以上であれば審査をする。融資をするのではなくこの条件に合って初めて審査の舞台にのるといった具合に、5店舗以下の小規模な会社にとってはこれから非常に厳しい金融環境になっていくことは確実です。

このような状況ですからX氏の会社も決して安泰ではありませんので、日夜頑張っていらっしゃいます。

X氏とは開業前からのお付き合いですし、非常にバランス感覚に優れた経営をされているので、今後とも本当にがんばって言って欲しいと願うとともに、お手伝いするところがあれば最優先でお手伝いしたいと思っているところです。
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