幕末の志士、高杉晋作(1839~67年)ゆかりの品を展示する山口県下関市の東行記念館(休館中)を運営する宗教法人東行庵(松野實應代表役員)が9日、同県萩市と晋作のひ孫の男性(77)(東京都三鷹市)を相手取り、萩市が保管している遺品69点の返還などを求める訴訟を山口地裁下関支部に起こした。

訴状などによると、東行庵は晋作の墓を管理し、産着や木刀、書簡などの遺品を記念館で保管。だが、高杉家側が2003年2月、「管理が不十分」として遺品の大半にあたる227点を引き揚げ、04年11月から晋作の生誕地・萩市の萩博物館で展示してきた。

その後、施設改善などを条件に、高杉家が記念館での保管を了承。下関、萩両市と東行庵の合意で08年9月以降、萩博物館が69点、記念館が残り158点を管理していた。

東行庵の代理人弁護士は9日記者会見し、「高杉家から記念館に寄贈されたことは、長年の周知の事実」と主張。08年の合意については「東行庵が萩市に貸し出しただけ」と強調した。

一方、萩市の野村興児市長は「そもそも晋作の遺品は高杉家のもの。不当訴訟以外何ものでもない」とコメント。ひ孫の男性は「遺品の所有権は私にある。晋作には萩と下関での歴史があり、両市で大事に分け合ってほしい」と話している。

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