宮崎県の口蹄疫(こうていえき)問題が種牛の殺処分にまで発展する中、全国各地で、特産の種牛を“避難”させる動きが出ている。

 読売新聞が宮崎県を除く46都道府県に管内の種牛や種豚、冷凍精液の管理方法について聞き取り調査を実施したところ、既に4県で種牛やその冷凍精液の分散管理が始まり、14県で検討中であることが分かった。このうち、鹿児島県では24日夕、特産の黒毛和牛の種牛と種牛候補の計6頭を離島の喜界島(きかいじま)に移動させる措置をとった。

 この日、鹿児島港から約380キロ離れた喜界島にフェリーで向かったのは、「鹿児島黒牛」ブランドを支える種牛とその候補計53頭のうち6頭。種牛を管理する県肉用牛改良研究所(曽於(そお)市)が宮崎県境に近いため、感染リスクを分散することにしたのだ。6頭をのせたトラックは、港に到着すると厳重に消毒された上で、フェリーに積み込まれた。県では、このほか6頭を今月中に種子島に移すほか、約150頭の種豚候補も各地に分散させる予定だ。

 こうした動きは全国に広がっている。

 「優秀な種牛を作るためには気の遠くなるような労力と時間が必要。『宝』を守るためにあらゆる手を尽くしたい」と語るのは、神戸ビーフの種牛を管理する兵庫県の畜産技術センター(同県加西市)の冨永敬一郎家畜部長。同センターでは、「基幹種雄牛」と呼ばれる特に優秀な12頭のうち数頭をセンターから約50キロ離れた県北部農業技術センター(朝来市)に移す方針だ。

 「10年前の口蹄疫発生の時には検討さえしなかった」という宮城県も、爆発的に被害が広がっている今回は、県畜産試験場の種牛や種豚の一部を複数の施設に分散して移す方向で検討中で、冷凍精液については必要な機器が到着し次第、分散管理を実行するという。

 ただ、「感染経路が分からない中、移動させるとかえって危険ではないか」と悩む自治体も少なくない。

 佐賀県では種牛8頭の移動を検討し始めたが、同県畜産課の南川藤夫課長は「移動先で今のレベルの管理ができるとは限らず、移動させた場合とさせない場合でどちらのリスクが高いか分からない」と話す。

 高知県も種牛の冷凍精液を県内の複数の家畜保健衛生所に分散させる方針だが、担当者は種牛については「そうはいっても、管理体制を考えると、県畜産試験場が一番安全かもしれず、どこに移動させるかは迷う」と打ち明ける。

 施設不足に悩んでいるケースもある。

 大分県は、種牛のうち約10頭を約70キロ離れた施設に移す方向で調整中だが、困っているのが畜舎。肥育牛と違い、種牛は体も大きく、気性も荒い。このため、大型で頑丈で、しかも1頭ごとに「個室」のある畜舎が必要だという。結局、県では移転先の畜舎の改装に500万円以上を支出することになった。

 岐阜県も「鹿児島県のように離島があれば良いが、うちにはない。避難先で感染が発覚したらそれこそ大問題で、候補地選びは頭が痛い問題」としている。

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