2009-02-22 07:00:00

『日本海海戦とメディア 秋山真之神話批判』(書評の続き)『海戦史に学ぶ』

テーマ:政治・経済

前回はココから→http://ameblo.jp/benseishukushukuyoruyomu/entry-10200780187.html

サーチヒステリックな批判と軍神祭り上げ
鞭声粛粛、夜本を読む 面白い本のガイド
  日本海海戦の約1年前、6隻しかなかった戦艦のうち、「 初瀬 」が水雷で沈没した直後、「 八島 」が続いて触雷沈没してしまった。 「極秘…」によると、 伊藤祐亨軍令部長は、 せめて「 八島 」だけでも沈没の公表を差し止めるよう命じ、 実行された。 隠蔽は御前会議で明治天皇のお墨付きまで確保していた、という。


  この直前にあったのが、秋山参謀が関わった旅順口封鎖作戦の大失敗。しかし、同時期、ロシア・ウラジオストック艦隊が日本の輸送船を撃沈する事件がなぜか、立て続けに公表されていった。


  レーダーのない時代で、 撃退役の第2艦隊(東郷長官が座乗したのは第1艦隊)は難渋したのだが、 新聞の関心は、 相次ぐ戦艦消失や旅順口封鎖の失敗よりも、 第2艦隊へのヒステリックな批判と、 失敗した旅順口作戦で落命した広瀬武夫海軍中佐 を軍神に祭り上げることにシフト。


  『 日本海海戦とメディア 』 の筆者は、 日露開戦までの海軍史にはどこか風通しの良さとでもいうものがあるのは否定できない。 …創設者・勝海舟(西暦1899年、明治32年没)のにらみがきき、 その人脈が残っていたこととも無関係ではないかもしれない と書いています。


  体面を取り繕い、うそを押し通す体質への変容の メルクマールが 『 八島沈没秘匿 』 であると見定めています。 隠匿体質を象徴したのが、 戦意高揚のため偶像に祭り上げられた広瀬中佐の物語で、 著者は秋山真之の巧妙な差し金でできあがった可能性を指摘しています。

サーチ字戦法は一度失敗していた

  筆者によると、 東郷ターンは、軍国主義の昭和期の造語。 当事者は 「 大転舵 」 と呼んでいた。 実態は、 天啓神助で東郷平八郎長官が下した決断ではなく、 秋山参謀の生み出した天才的な機略ですらなかった。


  ロシア・バルチック艦隊の進路を強引に塞ぎ、 逃がさずに確実に決戦に持ち込み、 絶対に壊滅させるには、 ごく当たり前の作戦だった。 日本海海戦に先立つ旅順艦隊との海戦で既に「 大転舵 」 を発動したが失敗に終わっていた、といいます。


  東郷ターンは、T字(丁字)戦法の俗称もあったことは、 よく知られています。 日露開戦以前に戦法
鞭声粛粛、夜本を読む 面白い本のガイド として規定されたことは 『 海戦史に学ぶ 』 (野村實著、文藝春秋)も指摘しているところです。野村氏は元海軍兵学校教官(大尉)


  同書では 当時の軍艦の主砲の砲塔や舷側の副砲は、 キール線方向に砲撃力を集中することができず、 最大の火力を集中できるのはキール線の正横方向であった。 …(丁字戦法は)最も有利な戦法であると指摘します。

サーチ秋山案は次から次へと否定されていた

  ともあれ。


  『…とメディア』によると、日本海海戦の作戦は朝令暮改、二転三転だったことが「極秘…」に記されている。筆者は、「極秘…」でさえ避けた真相を、海軍関係者の雑誌「有終」の昭和6年(1931年)2月号から引用して埋めていく。

   東郷司令長官が採用した秋山参謀の作戦は、 艦隊上層部内の派閥争いの調整も踏まえたた
め迷走し、時には「机上の論」などと批判され、 次から次へと練り直しを迫られ、 アクロバティックな奇略も現れた。
   秋山参謀は、 対馬沖で戦うのでなく、 津軽方面へ北上してバルチック艦隊を迎え撃とうと提起
したとみられるが、 それも否定されていた。 秋山案が次から次へと否定され、 通らなかったことが、 日本海海戦の勝利につながった訳だ。

(つづく)URLはhttp://ameblo.jp/benseishukushukuyoruyomu/entry-10200792497.html

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