設問IIのような場合、問題文を読んだ上で解答を記載するが、
実際には、俯瞰的に状況を把握できるものではない。
そうすると、代理人がクライアントからいかに情報を引き出すかが問題となる。
(試験には関係ありませんが・・・)
滅茶苦茶妄想モードで弁理士とクライアントのやりとりを記載してみます。
まず、クライアントは基本せっかちであるから、
評判のよかった意匠ロを提示して出願しろと依頼してくる。
本問の弁理士はバイクメーカーが得意先だったのでしょう、バイク市場にアンテナを張っており、
クライアントからの指示に、
弁理士:「でも、これ、コンペチターが販売している○○と似ているのではないですか?」
とかなんとか、話を振る。
そこで、クライアントは、
クライアント:「いやいや、それは当方も存じておりますが、実はこのバイクは今年初めに見本市に出品しており、好評だったから出願の稟議がおりたんですよ・・・」
弁理士:「えっ?!それは、いつですか?」
クライアント:「今年の2月初旬なんで、まだ大丈夫でしょう?」
弁理士:「いえいえ、新規性喪失の例外は、御社が公知にされた見本市は無かったものとして
扱われますが、他社の販売はなかったことにはできません。」
弁理士:「う~ん、こまりましたねぇ、出願日を遡及させるしかないのですが、このバイクに関し
何か先に出願されたことはありませんか?この際、特許でも実用新案でも、商標以外なら・・・」
クライアント:「そー言えば、○○君がなんか出願してたような???確認します」
「ありました、2月15日に実用新案を出願しているようです。」
弁理士:「その出願書類を拝見したいのですが」
クライアント:「お待たせしました。これが出願書類です」
弁理士:「ドイツ語で記載されていますね。全く読めませんが、今回は意匠なので、図面を拝見・・・・」
「ほう、実用新案出願の書類なのに、無駄にバイクの外観がわかる図面がたくさん添付されていますね」
「御社は、特許部門と意匠部門との交流はないのですか?
普通は実用新案に意匠がありありとわかる図面は使用しませんよ。」
「まあ、今回はこれが功を奏しましたね。たしか、コンペチターの販売が4月あたりでしたから、
この出願を使えば、何とかなるかもしれません」
「ただし、コンペチターが販売を開始していると言うことは、既に出願がなされている可能性も
ありますので、予断は許さない状況には変わりはありません。」
「この国はパリ条約の同盟国なので、優先権も利用でます。ただし、優先期間が6月ですので
急いで出願しましょう。」
クライアント「はい、では、お願いします。」
ここで、終わってしまっては、二流の弁理士です。
一流の弁理士(特に意匠について):「ちょっと待ってください。御社はこのバイクはシリーズものの
一つですよね。類似したバイクの出願はされていないですか?」
クライアント:「いやー、このバイクは復刻版の新レトロシリーズですので、10年以上出願はありません。」
弁理士:「レトロシリーズと言うことは、別のデザインもあるのですか?」
クライアント:「この、ヨーロピアンスタイルの他、アメリカンスタイルも展開しています。
ただ、アメリカンスタイルの評判は芳しくないんですよ」
弁理士:「評判がよくないと言うことは、アメリカンスタイルも先の見本市に展示したんですか?」
クライアント:「いえいえ、これは北米がマーケットですので、デトロイトの方で・・・」
弁理士:「そっ、それはいつですか?」
クライアント:「今年の1月です」
弁理士:「もっ、もっと詳しく・・・」
クライアント:「確か・・あの見本市は・・・松があける前だったから・・・七草は食べたよなあ日本で・・・
1月10日開催だったと思います。」
弁理士:「あと、1週間しかないじゃないですか。とにかく、早く出願する必要があります。」
「アメリカンスタイルの出願もタイムリミットですが、どうされますか?」
「ここで、何らかの出願を確保しておかないと、今後一切権利化は望めないですよ、いいですか?」
クライアント:「う~ん、では両方とも出願お願いします」
弁理士:「まいどありぃ~」
ここで終わっては、一流止まり
超一流弁理士:「このアメリカンスタイルも、コンペチターのバイクと類似ですよねぇ。
ドイツ語の出願には、ヨーロピアンスタイルしか掲載されていないですね。」
「残念ながら、アメリカンスタイルは、出願しても無駄だと思います。」
「不正競争防止法や著作権法を検討してみましょう」
クライアント:「そうですか、わかりました」
以上、如何だったでしょうか?
ちなみに、上記はフィクションであり、登場する人物、会社は架空のものです。
また、クライアントをちょっとバカっぽく記載していますが、これは、留意点を引き出すための演出です。