2012-05-31 12:30:30

ようやく終わりました

テーマ:平成23論文
とりあえず、論文の解説を終わります。

最後の商標(3)は、気合いを入れて記載したつもりですが、
後から見直すと、?が飛ぶ表現が散見されます。

まあ皆さんは、反面教師で学んでいただければ幸いです。

では、続いて短答の解説に移ります。
お楽しみに。
2012-05-25 17:52:45

商標法(3)

テーマ:平成23論文
(3)
 意匠法の保護対象が物品の美的外観の創作であるのに対し、商標の保護対象は業務上の信用であり
両者は大きく異なる。
 しかし、商標法は業務上の信用を直接保護することができないため、業務上の信用が化体する商標を
保護することにより間接的に業務上の信用を保護している。
 ここで、商標、特に立体商標は、物品の外観となる場合があり、意匠法の保護対象と共通する場合がある。
 この場合、美的外観の創作が商標権により永久的に保護できることとなり問題となる。
 しかしながら、意匠権により物品の外観が独占的に保護された場合、業務上の信用はこの外観に化体しやすく、意匠権の存在により、商標権を付与しないとすると、意匠権の満了後などにおいて、第三者が当該外観を自由に実施できることになり、需要者保護の観点から妥当ではない。
 一方、商標権の存在により意匠権を付与しないとすると、商標の登録要件故に創作非容易な意匠であっても
権利化できない場合があり、仮に権利化できたとしても不使用により取り消される場合もあり、
創作の価値を貶めると共に、美的外観の創作を保護して産業の発達を促す意匠法の趣旨に符合しない。
 また、意匠権と商標権を併存させ美的外観の創作を商標権で永久的に保護したとしても、意匠は流行性が
あり、長年の実施により意匠は陳腐化するものであるため、意匠権満了後の意匠の使用を第三者が望むとは
考えにくい。
 以上により、上記状況下であっても商標権による保護は許容すべきであると考える。


 もう一つ言及しておかなければならないのは、
 意匠権の消滅した後は、何人も当該意匠を自由に実施できるわけであり、当該意匠の自由実施により
獲得した業務上の信用は、積極的に商標権で保護すべきである。
 これも加えておいた方がよいかもしれない。
 大昔に権利が消滅したレトロな意匠を誰かが掘り起こして商標化したい場合もありますよね。
2012-05-25 17:24:07

商標(2-3)

テーマ:平成23論文
(2-2)のようにキャッチーな部分の識別力に基づき登録された商標権は、
原則としてキャッチーな部分を中心に類否が判断されます。
ただし、判断の重点がキャッチーな部分になるだけで、最終的には全体判断となります。

また、登録時における行政庁の判断と、侵害時における司法の判断とは大きく異なります。
本試の採点は行政庁が行うため、行政庁向きな答案だと、

登録商標は、ありふれた瓶の形状とキャッチーな商標との組み合わせからなるものであり、
ありふれた瓶の形状を指定商品と同一の商品に使用しても権利範囲外である。
また、26.1.2において商標権の効力が及ばない点が確認的に規定されている。

こんな感じでしょうか。

これも、立体とか平面とか関係ありません
○に高が登録されていて、第三者が○を付していたとしても、権利行使されません。

ただし、司法は、甲乙のそれぞれの瓶が酒屋に並んでいて、多くの需要者が出所混同をしている
事実があれば、権利侵害となる可能性もあるでしょう。
不正競争防止法の周知混同もありますし。



2012-05-25 12:58:58

商標(2-2)

テーマ:平成23論文
 商標の識別力はぱっと見ぃの印象に基づくものです。
 もう少し詳しく書くと、ぱっと見たときの全体の印象と目につく部分とのコラボが印象としてまず残ります。
 そして、目につくところを二度見でガン見し、出所などを確認することになります。

 ですから、商標のどこかにキャッチーな部分があれば、識別力を有することになります。
 これは別に、立体に限定されるわけではなく、平面でも同じことです。

 商標全体として識別力を備えていれば、商標の一部に識別力の無い標章が存在していても
 商標の機能を発揮することができるため、保護されます。

 たとえば、ありふれた○の中にありふれた文字である高が書いてあるだけの高島屋の商標であったとしても、
 高の自体が特殊で赤色であれば、十分に登録できるわけです。
2012-05-24 12:53:59

商標(2ー1)

テーマ:平成23論文
(2-1)
 サントリーの角瓶と、ヤクルトの容器ですね。

 原則として、容器の形状、特に、収容物が液体の容器(瓶)の形状は、
 問題文に記載のように、商品等の用途,機能から予測し難いような特異な形態や特別な印象を与える
 装飾的形状等を備えている場合を除き3.1.3で登録されません。

 以上を勘案すると、権利化のための主張事項は、
 αが特異な形態であって、識別力を備えるものであることを主張すればよい。

 ただ、角瓶の場合は、直方体的な瓶に亀甲模様はありふれているとして、特異性は認められませんでした。

 次に主張すべきは、形態としてはありふれているかもしれないが、
 長年の使用によって識別力を獲得している、だから3.2に該当するから権利をくれ、との主張です。

 角瓶の場合、小雪から菅野にいたり、めっちゃ宣伝してるし、瓶だけでも識別力を獲得している
 と主張しましたが、(一部に嘘、誇張が含まれています)

 あんたが獲得した識別力は、角瓶とい名称や黄色のラベル込みの全体によって発揮されているものであり、
 ラベルと分離した瓶だけではあきまへん。
 と判示されました。

 角瓶と同じような経緯をたどったヤクルトですが、ヤクルトは引き下がらなかった。
 アンケートを用い、容器のみで識別力が発揮(ヤクルトを想起する)されることを立証しました。
 ここまでされると、3.2を認めざるを得ないでしょう。
 ヤクルトの容器は立体形状として登録されました。

 ただ、私の考えとしては、ヤクルトのアンケートは、非類似の範囲を明確に現しただけで、
 権利は獲得したものの、あまり強力な権利とは言えず、投資対効果は非常に疑問です。
2012-05-24 12:23:36

意匠(2-2)

テーマ:平成23論文
(2ー2)
ロが登録されていると言うことは、優先権が認められているということ。
さすれば、先使用権の判断基準日は第一国出願日となる。
乙さんの準備は第一国出願日よりも後からであるから
先使用権は認められない。

つぎに、先出願に基づく通常実施権
甲のパリ優先が認められているため
第一国出願から第二国出願の間の事象に基づき
権利権能を発生させてはならないので、
この通常実施権も認められません。

なお、優先権は出願日が遡及するものではありませんので、
「先願ではない」を理由にすると、だめでしょう。
2012-05-24 12:16:19

意匠法(2-1)

テーマ:平成23論文
(2ー1)
なんで、これを問題にしたのでしょう?
(2ー1)は立場が違えど、(1)での検討事項と全く同じです。
新たなインフォメーションを引き出すことのない設問は無駄設問だと思います。

つまり、出願前に他人が公知にした意匠と類似ならば、出願日が遡及する(優先権含む)
手続がとれなければ(とらなければ)、権利化は絶対に図れません。

それが、絶対的な権利を創作の範囲に付与する制度趣旨だからです。

これは(1)も(2-1)も変わりありません。
2012-05-24 10:59:10

意匠法 問題II(1)

テーマ:平成23論文
設問IIのような場合、問題文を読んだ上で解答を記載するが、
実際には、俯瞰的に状況を把握できるものではない。
そうすると、代理人がクライアントからいかに情報を引き出すかが問題となる。
(試験には関係ありませんが・・・)

滅茶苦茶妄想モードで弁理士とクライアントのやりとりを記載してみます。

まず、クライアントは基本せっかちであるから、
評判のよかった意匠ロを提示して出願しろと依頼してくる。

本問の弁理士はバイクメーカーが得意先だったのでしょう、バイク市場にアンテナを張っており、
クライアントからの指示に、
弁理士:「でも、これ、コンペチターが販売している○○と似ているのではないですか?」
とかなんとか、話を振る。

そこで、クライアントは、
クライアント:「いやいや、それは当方も存じておりますが、実はこのバイクは今年初めに見本市に出品しており、好評だったから出願の稟議がおりたんですよ・・・」

弁理士:「えっ?!それは、いつですか?」

クライアント:「今年の2月初旬なんで、まだ大丈夫でしょう?」

弁理士:「いえいえ、新規性喪失の例外は、御社が公知にされた見本市は無かったものとして
扱われますが、他社の販売はなかったことにはできません。」
弁理士:「う~ん、こまりましたねぇ、出願日を遡及させるしかないのですが、このバイクに関し
何か先に出願されたことはありませんか?この際、特許でも実用新案でも、商標以外なら・・・」

クライアント:「そー言えば、○○君がなんか出願してたような???確認します」
 「ありました、2月15日に実用新案を出願しているようです。」

弁理士:「その出願書類を拝見したいのですが」

クライアント:「お待たせしました。これが出願書類です」

弁理士:「ドイツ語で記載されていますね。全く読めませんが、今回は意匠なので、図面を拝見・・・・」
「ほう、実用新案出願の書類なのに、無駄にバイクの外観がわかる図面がたくさん添付されていますね」
「御社は、特許部門と意匠部門との交流はないのですか?
普通は実用新案に意匠がありありとわかる図面は使用しませんよ。」
「まあ、今回はこれが功を奏しましたね。たしか、コンペチターの販売が4月あたりでしたから、
この出願を使えば、何とかなるかもしれません」
「ただし、コンペチターが販売を開始していると言うことは、既に出願がなされている可能性も
ありますので、予断は許さない状況には変わりはありません。」
「この国はパリ条約の同盟国なので、優先権も利用でます。ただし、優先期間が6月ですので
急いで出願しましょう。」

クライアント「はい、では、お願いします。」

ここで、終わってしまっては、二流の弁理士です。

一流の弁理士(特に意匠について):「ちょっと待ってください。御社はこのバイクはシリーズものの
一つですよね。類似したバイクの出願はされていないですか?」

クライアント:「いやー、このバイクは復刻版の新レトロシリーズですので、10年以上出願はありません。」

弁理士:「レトロシリーズと言うことは、別のデザインもあるのですか?」

クライアント:「この、ヨーロピアンスタイルの他、アメリカンスタイルも展開しています。
 ただ、アメリカンスタイルの評判は芳しくないんですよ」

弁理士:「評判がよくないと言うことは、アメリカンスタイルも先の見本市に展示したんですか?」

クライアント:「いえいえ、これは北米がマーケットですので、デトロイトの方で・・・」

弁理士:「そっ、それはいつですか?」

クライアント:「今年の1月です」

弁理士:「もっ、もっと詳しく・・・」

クライアント:「確か・・あの見本市は・・・松があける前だったから・・・七草は食べたよなあ日本で・・・
 1月10日開催だったと思います。」

弁理士:「あと、1週間しかないじゃないですか。とにかく、早く出願する必要があります。」
「アメリカンスタイルの出願もタイムリミットですが、どうされますか?」
「ここで、何らかの出願を確保しておかないと、今後一切権利化は望めないですよ、いいですか?」

クライアント:「う~ん、では両方とも出願お願いします」

弁理士:「まいどありぃ~」

ここで終わっては、一流止まり

超一流弁理士:「このアメリカンスタイルも、コンペチターのバイクと類似ですよねぇ。
 ドイツ語の出願には、ヨーロピアンスタイルしか掲載されていないですね。」
「残念ながら、アメリカンスタイルは、出願しても無駄だと思います。」
「不正競争防止法や著作権法を検討してみましょう」

クライアント:「そうですか、わかりました」

以上、如何だったでしょうか?
ちなみに、上記はフィクションであり、登場する人物、会社は架空のものです。
また、クライアントをちょっとバカっぽく記載していますが、これは、留意点を引き出すための演出です。


2012-05-23 12:07:02

(3)権利行使を見越した意匠制度

テーマ:平成23論文
(3)については、部分意匠制度と関連意匠制度を挙示することは疑いのないところであろう。
以下に、(1)(2)と関連的に記載すると、

部分意匠については
物品の外観全体に拘泥することなく、意匠的に創作した部分を明示し、当該部分について権利化することで
物品の外観全体としては非類似となるような巧妙な模倣を排除し、
創作の範囲たる物品の部分について有効に保護する。
従って、部分意匠として同一または類似の意匠を部分として持つ物品を実施する権限なき第三者に対しては
当該部分以外にいかなる意匠を備える物品の実施であっても権利行使することができる。

関連意匠については
侵害の段階において意匠の類否の判断は、需要者の視覚を通じて起こさせる美感を通じて判断されるが24.2、
現実の侵害判断において、客観性を担保することは容易ではない。また、出願時に類似範囲を判断して願書
および図面等を作成することは困難である。
そこで、創作の範囲の広がりを自らの複数の出願により視覚的に提示することを認め、また、当該出願群を実効あらしめるために先後願判断の例外としている。また、権利化後は独自の権利範囲を認めることにより強固な権利群を創出している。
従って、権利化された侵害品に最も近い登録意匠に基づき権利行使することで、類比の客観性を
比較的容易に獲得することが可能となる。

こんな感じでどうでしょう?
なんとなく、拡張版確認説みたいな感じになりました。

ちなみに、上記はあら探しのための勉強のネタとして記載しており、
少なくとも、答練でこんなことを書けば、総スカンをくいます。
また、本試で記載しようという猛者もいないでしょう。(笑)

さらにちなみに、条文に明文がないため、答案にはできませんが、
権利行使容易化としては、形状のみの意匠があります。
現実に存在する意匠から、形状のみを抽象した意匠の権利化を認めています。
従って、形状のみの登録意匠の類似範囲は最強です。



2012-05-22 11:47:21

(2) 意匠権の取得により期待される利点を2つ挙げ、説明せよ。

テーマ:平成23論文
(2) 意匠権の取得により期待される利点を2つ挙げ、説明せよ。

この問い、誰にとっての利点かが明確ではないので、また、なにを基準としての利点なのか
明確ではないので、難しいです。謎

これらの前提は、えいやぁで決定する必要があります。この前提を決定せず、ふらふらな解答を
すると、点数は非常に悪くなるのではないでしょうか。
「意匠権の取得により」これの主体は権利者(出願人)でOKだと思いますが
「期待される」の主体は、公衆などでも成り立ちそうです。
まあでも、素直に考えれば権利者でしょうね。

前提が決まったところで、利点の基準ですが、
権利を備えていない状況を基準に、単に積極的効力と消極的効力を書くといのも
ありだと思います。
でもまあ、あんまり面白くはありません。

改正がらみで、登録後20年とかもまあ、あれです。予定調和というか・・・

私が書くなら、やっぱり、
期待している利点は、出願により特定される意匠や、販売された意匠に限定されることなく
自ら創作した範囲を専有することができる点
および、客観的な判断基準で権利行使できる点
以上の2点です。(1)とまるかぶりな所は、あれすぎますが・・・

また、客観的な判断基準と記載したのは、基準を需要者の目とするのは
けったくそが悪いからです。

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