糸魚川ジオパークのおじさんのブログ

日本で最初に世界ジオパークに認定された糸魚川ジオパークの魅力や出来事などを紹介します。


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 今年も寒に入り20日からは大寒を迎えます。浦本地区の地先約2kmの沖合いには、昔から鱈の豊富に獲れる漁場がありました。これを当地では「かんざし鱈場」と申します。海底の地形が髪飾りの簪(カンザシ)に似ているからとか、寒の時季の刺し網に鱈が沢山かかるから「寒刺し」と言うのだと言う説があります。陸地に近い所に深い海底があることが判ります。

浦本公民館には当地の細井氏が作成した海底のパノラマが展示されています↑。詳細↓

 

 この漁場に関してかなり古くから争いがありました。1600年代から燻っていた争いが本格化したのは寛政10年(1,797年)頃からで昭和27年(1,952年)までの155年間、浦本地区三村(中宿・中浜・間脇)と能生地区の小泊村の漁師間の抗争でした。実祭には約300年もの間だの

世にも希な紛争です。

 

 小泊村の漁師は自分達が先に発見した漁場であることと、その上納金(御菜金・船役銀)も納めていることが根拠で現代の先願権とか特許権のような権利を盾にしています。

 一方浦本側の漁師は、この漁場は自分達の庭のようなもので地先2kmは俺たちのものであり、この沖合いでの難破船の手助け始末の役も義務としても現にやって来た。磯は地付・・・・と譲らない。

浦本地区は山が海岸まで迫り平地が少ない↑

 領主の高田藩の荒井(新井)奉行所に裁定を求めても、埒があかない。解決まで両者操業停止にしたり、操業の日を割り振ったりで両村とも納得行かず困り果てました。両村とも海岸に山が迫り、平地が少なく農耕が出来ない立地条件を抱え、海で漁をする他生計が立てられない条件は同じでした。度々の漁場差し止めで、荒井の代官所ではだめだと言うことになり、文化5年(1808年)には小泊の庄屋金子八左衛門が江戸の代官所に藩の裁きを促す直訴、文化10年(1813年)には高田藩の裁定を不服として浦本側の漁師の代表が籤引きで決まり中宿の久保田権治郎(36歳)と中浜村川合喜右衛門(25歳)が江戸幕府の寺社奉行に直訴しました。

浦本の久保田権治郎碑↑と川合喜右衛門の碑↓

 

小泊の諏訪楫取神社にある金子八左衛門の碑↓

 

 当時、直訴は御法度で罪人扱い、打ち首覚悟しなければなりません。浦本の二人は高田藩の目を避けて糸魚川の山口から塩の道伝いに関所破りをしながら野を越え山を越え密かに江戸に着きました。そして寺社奉行が上野寛永寺への参詣の時を狙い奉行の駕籠に訴状を

差し出したとのことです。勿論暫くは捕らえられ牢にいれられた様です。しかしながら寺社奉行も地元藩の裁定に振り戻しです。現在の地方裁判所の不服を最高裁判所に控訴しても振り戻しになるの場合と同じですね。牢から放免されて浦本に帰着してから僅か7日で権治郎が亡くなります。二人は毒茶を盛られて返されたのではないか等の疑問があったとの事です。

 

 中宿には久保田権次郎の碑、中浜の保育園の隣には川合喜右衛門の碑が建てられています。一方、小泊村の諏訪楫取神社の境内には金子八左衛門の碑があり、命掛けて村落の為に尽くした方を顕彰しています。

 

 そんな直訴合戦でも問題は解決せず、昭和の中頃まで海上での乱闘や喧嘩が続きます。ついに昭和27年には既得の漁業権が廃止となり紛争もこれまで、協定ができたのが昭和29年でした。

 領主の藩も裁きの歯切れが悪かったのは、自主解決策をとり権力での解決を避けたのと徴税のための思惑があったのだと推察されています。(以上浦本ものがたり参照)

             (ふるさと浦本を知る会・古文書を読む会編)

 久保田権治郎と川合喜右衛門が命掛けで持参した訴状が表紙になっています。

 江戸時代から明治・大正・昭和に亘る大紛争が終わった時には、皮肉にも鱈が激減して豊漁の漁場も衰えてしまいました。すけとう鱈を原料としてすり身を蒲鉾にする店も現在糸魚川市では一印蒲鉾店だけになっています。もはや地元の鱈では間に合わず北海道から原料を仕入れているとのこと。当地ではアンコウ汁やタラ汁が名物なんですが、鱈の豊漁が戻ることを祈る次第です。

 さて、海底の鱈族曰く「漁師様よ、あなた方の喧嘩を止めるには俺たち鱈が居なくなったら(鱈)いいんじゃ」と!!!

 

更に、近年の世界情勢を見ても、南〇諸島のごときは、我が国の地先だ領海だと言う国と先に手を付けて仕舞えば俺の国のもんだと譲らない某国の争い・・・・・似てますね????

 

 

 

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