経営は人である。
人材育成に力を入れていくべきだ。
人を育てる会社が成長する。
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上記のようなメッセージが、社内外ともに日々、発信共有されている。経営的観点で重要テーマとして、人材育成が取り上げられ、経営者に関わらず、管理職、現場の社員にもその実践が求められている。企業を継続的に成長させていくために人材育成が欠かせないという認識のあらわれでもある。
年間経営計画、中期経営計画でも必ずといっていいほど、人材育成、教育といった言葉が上がってくる。どんな人材を求めるのか、人材をどう育成していくかという人材育成計画を人材開発部門、担当者が試行錯誤し、作成し、研修、OJTを実施する。人材育成に明確なセオリーはなく、自ら人材ビジョンを描き、現場にヒアリングをしながら最適な施策を企画し、計画を立てる。経営の重要テーマの達成に向けて、多くの情報を収集しながら、設計をしているわけである。
計画を立てた段階では、プロフェッショナル人材の早期育成、思考力・コミュニケーション力の強化、現場の問題解決力の向上といったいかにももっともらしい言葉が並べられるが、いざ実施すると、研修内容にはある程度満足しつつも、学習効果として現場にて結果を出すのは、困難なことに気づく。
結構な時間、コストをかけたにも関わらず、効果がないと判断されれば、人材育成に対する投資は削減対象になる。経営、企画側だけではなく、教育を受ける対象者からも、研修で学ぶことは現場でそれほど使えない、勉強になるが現場の仕事に時間をかけたい、といった反応が出てくる。
また、OJTによる現場教育、部下育成を管理職に任せてもなかなかうまくいかない。自分自身と、自分のチームの成果の達成が最重要事項であるため、仕事のスピードや時間的な余裕の面からみてもどうしても片手間でやらざるをえない状況になっている。もし、余裕があったとしても育成スキル、方法がなかったり、育成に対して意識が低かったりと効果はなかなか出てこない。
このように、経営から現場まで人材育成は計画においては重要事項だと考えられていても、効果がすぐに出てこないがために、時間とともに実行のプライオリティが下げられていくことが多くの企業で生じているのである。そのことに気づきつつも、具体策がないままになっており、時間とともに人材育成の言葉自体が意識の中から薄れていることが生じている。
ここまであげた人材育成を取り巻く現状から人材育成の問題を4つの観点で整理してみた。
【効果性の問題】時間、コストがかかる割には、効果が薄い
【手法的な問題】人材育成を具体的にどうしていけばいいのかわからない
【意識的な問題】本人の成長志向が低い
【環境的な問題】人材育成に向けられる状況ではない
ひとことでいうと、「人材育成は大事だとわかっているが、具体的にどうしていいか、どこまで力を入れればいいのかがわからない」という状況に陥っているのではないだろうか。
それでは、企業として人材育成の課題をどう考えていけばよいのだろうか。考えられる具体的な課題のテーマとして、
○人材育成の計画をどう立てていけばいいのか
○効果的な研修プログラムをどう設計するか
○OJTなど現場で定着をするために何が必要なのか
○人材育成の効果をどう測定するか
○人材育成に対する現場の意識をどう高めていくのか
などがあげられる。必要なのは、その課題に対して、本当に意味のある人材育成施策を実施し、成果を上げることである。
企業経営の観点から、人材育成のあるべき姿を提示し、効果性の高い具体的な方法を示していくことを目的として、継続的にコラムを通じて情報を発信していきたい。多方面からのアプローチで、人材育成に本当に必要なことが明確になるヒントなるようなネタをたくさん提示できればと願う。