私のベリーダンスレッスンは通常クラスでは1時間半です。
大まかにストレッチ>ウォーミングアップ>基本動作>応用>
ステップ>振り付けという流れで1レッスンが終了します。
なかでも、最初に行うストレッチには個人的にこだわりを持っていて、
20分以上は掛かります。時に脱線し、日々の美しい所作講座や
階段の上り下りテク、O脚体操、笑顔練習、ボディマッサージ方法など、
何のクラスか分からない事もたくさんやりましたが
(今も覚えてくれているかなあ、もうお尻突き出して座ってないよね(笑)?)。
デスクワークや立ち仕事などで、カラダが凝り固まった状態で
運動することは、直りにくい筋肉痛やケガの元になりがちな点、
「こう動かすとココに効くのか!、ということはここにも力を入れたら
(もしくは力を抜いたら)動きが滑らかになるな」、という生徒自身の
カラダの気付きのきっかけになる点を考えるとパパっと済ませる
わけには行かないのです。何よりも、私自身が過去にムリに開脚して
股関節を伸ばし、エラい目&女子としてとっても恥ずかしい検診を
経験したために、ストレッチの重要性を身をもって実感したということもあります。
しかし、教えるほうの立場から見ると、先生&生徒が全員揃っての
ストレッチには他にも非常に重要な要素があります。
たとえば平日の夜のレッスン。それぞれの生徒がそれぞれの場所で
様々な一日を過ごし、一日のイベントの締めとしてスタジオに来ます。
仕事が上手く行った!とか、明日はデート♪とか、ハッピーな気持ちで
毎回の練習に参加出来ればそれに越したことはありませんが、
ムカついた、痛かった、悲しかった、疲れていて面倒くさいなど、
ネガティブな感情を抱えたまま参加する日も時にはあるでしょう。
異なった環境で多様な感情を持ち合った人間が一箇所に集まり、
充実したダンスレッスンに意識を集中して頂く為には、私にとっても
とても重要な意味があるため、この時間を欠かすことが出来ません。
気持ちをリセット出来た生徒は、レッスンスタート時とストレッチ終了時では、
顔つきや雰囲気がガラリと変わり、ピンと張り詰めた緊張感が漂います。
そしてクラスの一体感がグンと高まるのです。各自は気が付いていない
かもしれませんが、この一体感でその日のレッスンが上手く運ぶかどうか、
予測できてしまうほど空間が変わります。
私はこの緊張感がとても好きです。さらに言えば、インストラクターとして
この空間を作り上げることから、私の本当のレッスンが始まります。
去年、広島市で期間限定レッスンをしていた時、土地勘もなく最初は薄暗い
サルサバーを借りていました。ちょ~面倒な理由から広いダンススタジオに
早期移転して再開したのですが、いままで土足だったために、あまり
ストレッチに時間を費やせなかったレッスンから、新たに十分なフロア
ストレッチが加わった後のレッスンでは、生徒の目ヂカラがいままで以上に
強く、その真剣なまなざしとレッスン後の心地よい疲労感を満喫している
様子がとても印象的で、よく覚えています。
このように、ストレッチは同じ時間を共有しあう私たちにとって、
単なる準備運動というにはあまりにも多くのポテンシャルを秘めています。
ですから、多くの先生がそう指導するようにダンスを始めたばかりの方は
特に集中して取り組まれることを私もオススメします。
そして、心身の疲労を癒し、流れを滞らせないという意味でも
本当であれば、毎日のように取り組んで欲しいと思います。
歯磨きのように日課にしてしまうのです。
さらに重要なことは、カラダのパーツを感じるだけでなく、そこで得た情報を
実践(基礎動作や振り付け)に生かすことです。感じたことを自分にフィード
バックしないのは獲物をみすみす逃すようなものかもしれません。
何かを得た充足感がなければ、継続する理由もみあたりませんしね。
なお、自宅で集中してストレッチを行うときには呼吸のリズムを乱さない
音楽をチョイスすることはとても大切なことですよ!本当に大切。
以前、無駄に長い(ポーズを変えて同じ箇所ばかりストレッチしていて
ムラがありすぎる)上に、ストレッチの時間中、ずっとリズムが強調された
アゲアゲ音楽でやり遂げている方がいたのですが、あの時はさすがに
こんなのアリかよ・・・と呆れてしまいました。
ストレッチは、外に向かってエネルギーや感情を放出するのではなく、
自分の心身との対話の時間です。続けていれば、「する」ものではなく、
カラダが「求める」ものに変わっていくことを、実感できるでしょう。
それには、呼吸のリズムを乱す要素は排除せねばなりません。
いずれにせよ、現在の自分の姿を見ようとせず、良く見せることだけに
注力するなど愚の骨頂。これはダンスに限ったことではなく、
誰もが既に周知の事実です。日ごろの心持ちや地味~な練習の
積み重ねなしに成長するのを求めるほうが、ムリってものです。
ストレッチは誰にでも、一人でも出来る、自分を知る手軽な方法です。
ぜひその効用を日々に生かして頂きたいと思います。