九州ラーメン 銀嶺 | Yokohama Beat Junkie

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先日、訪問が叶わなかった「RA-MEN ICHI」を何とかして食べたい、と武蔵小山を再訪問しました。が、やはり開店しておらず「ちーん」とやられてしまう。営業時間が流動的なのは知っていたが、2回もフラれてしまうと「やる気あるのかよ!」と思ってしまう。再び起死回生の一歩を踏み出すべく、探し当てたのが「九州ラーメン 銀嶺」というお店です。



駅から5分ほど歩き、スーパーの真向いにあるお店の前に辿り着く。何の予備知識もなかったので、お店の佇まいを見て呆然とした。看板には確かに「九州ラーメン 銀嶺」と書かれているが、どうみても40年ほど前から営業を続けているような、昭和オールドスクール的な中華料理店だったのだ。喉の奥から「まじかよ…」という言葉が本当に出てきたほど、きれいとは言えない外観。今どきのこぎれいなラーメン店を想像していたのだが、予想を見事に裏切る店構えではないか。それでもやはり、通常のラーメン店からは放たれないオーラを感じつつ、店の中へと吸い込まれるように入って行った。



やはりお店の中もお世辞にもきれいとは言えない。メニューは昔ながらの短冊に一品ずつ書かれており、ラーメン以外には「レバニラ炒め」「ニラ玉」「カツ丼」「ベーコンエッグ」「ハムカツ」など何でもありだ。もはやラーメン店の領域を飛び出して、食堂や酒場の領域にまで踏み込んでいるではないか。しかもそれぞれの値段が驚くほど安く、看板メニューの「九州ラーメン」は500円で食える。チャーハンや餃子にも心揺らいだが、ここはやはり初心を忘れずに「九州ラーメン 大盛り」(600円)を注文した。



万能ネギ、海苔、チャーシューといった具材が使われており、玉子がついているのも中々嬉しい。麺は「佐藤商事 大井製麺 」という製麺所で作られたことがお店に飾られた謹製カレンダーから分かる。とろみのある豚骨スープから麺をリフトアップすると、中細の縮れ麺が顔を出した。長浜ラーメンのようなストレート細麺ではないのが珍しい。クリーミーでとろみのある白濁スープを軽く啜ってみると、まろやかでコクがあり甘みさえ感じる旨さ。豚骨の臭みも感じられない。かん水多めの麺は適度にコシがあって、スープとの相性も実に素晴らしい。チャーシューもよく煮込まれているので、優しい柔らかさとなっていた。惜しむらくはスープの塩分濃度がやや高めだったことだが、それを差し引いても街中の中華屋としては突出したクオリティを誇っている。

他の食べログレビュアー情報によると、店主は若かりし頃、福岡県南部の大牟田市にある「銀嶺」という地元密着型ラーメン店で修業をしてたそうだ。なるほど熊本寄りの九州ラーメンになると、あっさり豚骨よりもクリーミー豚骨になるのだろうか。九州に行けばこのような郷愁を誘うラーメン店が点在するのだろうが、昭和から東京で豚骨ラーメンを食わせる店は実に貴重だ。次回は夜に訪問して、リーズナブルな中華料理で一杯ひっかけたいもんだ。それにしても武蔵小山はやはり侮れないエリアであった。

住所:東京都品川区小山2-6-10

九州ラーメン 銀嶺ラーメン / 武蔵小山駅不動前駅戸越銀座駅
夜総合点★★★☆☆ 3.6
昼総合点★★★☆☆ 3.6