
昨日5/19から公開の
「虹色ほたる~永遠の夏休み~」を見てきました!
今日はその感想/レビュー記事です*
http://www.nijiirohotaru.com/映画では、「失われてしまったもの」が沢山出てきます。
人命、自然環境、記憶、文化、思い出、子供時代、
その儚さを、蛍で象徴的に表現している作品です

私は、アメリカの家の裏庭で毎年楽しんだ蛍観賞や
近所の川で蛍を探した事を思い出しながら、映画館に足を運びました。
こうした「止まらない時」をテーマにしている事と、
原作の著者・川口雅幸さんのご実家が時計屋である事が、
どれくらい関係あるのか気になります。
「このメッセージ共感するでしょ?ねっねっ?」
という感じで、押し付けがましく伝える作品じゃなくて、
自分が大切にしてた――でも忘れてしまっていた思い出の引き出しを、
優しくつついてくれるような作品でした

東京国際アニメフェアで、
イメージボードや絵コンテ・設定資料を初めて見たときは
「人物に対して、背景書き込み過ぎじゃない?

」と
若干違和感を感じていたんですが、パンフレットの
美術監督の田村せいきさんのこだわりを読んでから映画を見てみると、
「光の印象、空気感を描く」事に成功しており、
実に良く出来ているなぁ、と関心してしまいました。
絵って、書き込んでるからってリアルなわけじゃないんですよね。
人間の視界だってそうじゃないですか。
四隅はLOMOやHOLGA

の写真みたいに黒ずみ、ぼやけて見えてます。
私はアニメには2種類あると思ってます。
日本でよく使われる意味の「アニメ」。
プリキュアとかワンピースとか

それともう1つは「アートアニメーション」。
有名どころで言うと、例えば、
メディア芸術祭のアニメーション部門優秀賞を受賞した
山村浩二監督の「マイブリッジの糸」とか、
数年前話題になった加藤久仁生監督の「つみきのいえ」とか。
「虹色ほたる」は、
そういったアート寄りの作品に近いかもしれないですね

私はユーロアニメーションのDVDを集めているほど
アートアニメーションが好きなので、
ドストライクな作品でした

※以下の感想は、
人によってはネタバレだと感じる部分もあると思うので、
自己責任で読んでくださいね!
絵本のような独特なタッチ
この作品の一番の特徴は、
4B以上の鉛筆

で描かれたという
絵本のような独特なタッチです。
そのため、細かい「作画注意事項」が存在し、
動画チェックが出来ない海外のタブレット作画では制作が難しく、
7万枚以上の動画を全て国内発注していたそうです!
だから、「Made in Japan

」の劇場アニメーションと言えます。
この特徴的なタッチが、
子供達の水々しい生命の躍動感を絶妙に表現して、
特に青天狗に追いかけられるシーンは疾走感がはんぱなくて、
マリオカートで遊んでいる時のように、
思わず体が傾いてしまいました(笑)
他にも、池に飛び込む水遊びのシーンや、
浴衣を着てクルクル回るさえ子のシーン等、
見所が沢山あります。
また、
終盤に大きく絵柄が変化するシーン(山下さん担当)があります。
生きる為の一生懸命さ、必死さ、
もがきながら前に進む様子が、
効果的に表現されていたのでお気に入りのシーンです

それから、
ユウタがさえ子と話す時は、大人びた、お兄さんらしい顔つきであるのに対して、
青天狗と話す時は、赤ちゃんのようなやけに幼い顔つきに変わってしまう演出が
印象的でした。描いていたのは、橋本さんというアニメーターで、
彼のタッチを分った上でお願いしたらしいですね~。
山下さんの絵柄が変わるパートもそうですが、この映画は、
携わった人々の個性も滲み出ているところが面白いです

均質じゃないんです。だからこそ、暖かみがあります。
他にも、蛍じいと出会うシーンで、
「もうじき嵐が来るぞ…」って言っているときに、
岩に映る雲の陰がすごく速く動いていたのを見て、
描写が細かいなぁ、と関心してしまったり、
子供達の目に映る世界が「瞳の中

」に丁寧に描かれていたり、
至る所に制作側のこだわりを感じます。
最後に、
公式サイトのイントロダクションに共感したので紹介します。
ハードなアクションや機械だらけのSFなど、
過激な視覚表現だけで訴えかけようとする映画が乱立している中、
『虹色ほたる~永遠の夏休み~』は、
温かな日本人の原風景と人と人との絆を、実写映画にはない、
アニメーションならではの自然の描写、
そして生き生きとした少年少女たちの姿を圧倒的な映像美で描き出しています。
父親を亡くした少年の成長物語
冒頭でユウタが口癖のように繰り返していた
「うっそ~」と「お母さん」という言葉も、
物語が進むにつれて言わなくなるところに、
ユウタの成長を感じました。
個人的にはユウタは、
服のだぼっと感といい、髪型といい、
スカイクロラのユーヒチっぽいな、なんて思ってました。
性格は全然違うんですけどね。
大人になったユウタは、櫻井孝宏さん演じる素敵な声の持ち主です(笑)
父親の不在、小学6年生、田舎の夏、手書きアニメーション…
共通項が多いので、「ももへの手紙」と
何かと比べられそうな作品ですね~。
昭和52年のノスタルジー
1970年代の生活感が上手く描かれていて、
一緒に見に行った母は、とても懐かしかったようです。
さえ子の履いていた大きなお花

がついたサンダルを
自分も持っていたという話をしたり、
映画を見た後は、母の子供時代の話で盛り上がりました。
画面のはじにさりげなく蚊取り線香が置かれていたり、
商店の外に今はあまり見なくなった公衆電話が置いてあったり、
きっと40代50代の人には懐かしい映画なのだと思います。
2回目はここをチェックしたい!
(1)さえ子がなんか言った…けど聞こえない、というシーンが、
2回ほどあったので、何を言おうとしてたのか、読み取ろうと思っています。
(2)ケンゾー役の台詞で撮り直した所があるらしいのですが、
声優の新田海統くんはその間に声変わりしちゃったそうです。
本編で1シーンだけ声の違う部分があるというので、
注意深く聞いてみようと思います。
(3)ケンゾーの家族と、子供が被っている帽子を確認する事!
一瞬なので見逃しちゃいました。
***
この映画から、
儚く消えてしまう前に大切なものは何か気づこう、
そしてそれを大切にしよう。
時は止まらないから、今を一生懸命生きよう。
というメッセージを感じました。
必ず映画館で見てほしいオススメの作品です

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