デジタルエッグ松森さん
7月22日、電通佐多さんにご紹介いただき、字幕付きCM制作に実績のある、株式会社デジタルエッグさんの現場を拝見してきました。銀座の会社。
全難聴情報文化部の木村昭夫さんと一緒です。
覚え書き的に列記します。

CM素材はクライアント側で、別な会社で作る。デジタルエッグにはソニーのベータカムの発展した高密度のビデオテープで搬入される。
15秒,30秒のCMが中心。ここで広告主提供のコンテを参考に、画面に字幕を入れていく作業をしている。
民放連のルールで、CMの頭とお尻の字幕は、1秒オフにしているよし。音は0.5秒。
クローズドの字幕は各2秒以上表示のルール。縦の字幕は不可。
スーパー(テロップ)とは別に運用している。スーパーは制作者側、クローズドの字幕を字幕制作者側が作成。
CMにテロップのあるとき、字幕の表示位置は字幕制作会社によりまちまち。

字幕の色分け 話者の区別が付くようにしている。
一般に第一話者(主役?)が黄色、第二が青(水色)、第三が緑、それ以外は白。
色はアナログ時代は16色、今は256色?選択できるが、多色使い分けるニーズがあまりない。
色弱者への配慮もある。
広告主の希望により、ピンクなど、特別な色の字幕を使うことも可能。
文字の表記方法も各社まちまち。記者ハンドブックなどを参考にしている。
漢字を使うかひらがなにするか、等現場はいつも悩む。
使う言葉の微妙なニュアンスで、伝わり方も変わる。
広告主と打ち合わせ、何度も作り直すこともある。

画面表示、縦方向に画面全体で8行使える。横方向、21文字まで入れられる。
スムーズに読めるように、最大でも18文字程度にしている。
表示は多くても3行程度。基本的に下2行だが、テロップの位置などで変更する。
ルビもつける。
テープの映像帯域信号の外側に、字幕データを入れている。

表示で悩むところ、たとえば心の声。
普通の声と同じように出すか、《 》の中に入れて表示するか等。
ルールが統一されていない。

2年くらい前まで字幕CMの作成は当社だけだった。最近は他社もやるようになってきた。
字幕CM作成には、字幕チェックする機材がないと対応できない。
映像素材を朝もらい、しこんで午後チェック、夕方には顧客に字幕を入れた映像を見せる
30秒くらいのCMでもこのくらいでできる。音楽だけのCMだと、5分でできる。

木村さんコメント
「クライアントの伝えたい内容を、視聴者により伝わるよう、内容や表現方法を考える制作現場。本当に頭が下がります。」
ホントですね!

続いて国際ユニバーサルデザイン協議会・余暇のUDプロジェクトの松森果林さんたち、東京都市大学の学生さんたちの自由な発想で作ったCMの発表もありました。
字幕制作現場のみなさんと意見交換を行い、楽しい話し合いでした。
字幕の業界ルールは、電通佐多さんのチームが作成したものがある。2014年に改訂した。まだ字幕CM業界3団体で合意にいたっていない。ルール適用に時間がかかっている。

以上